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第12回国史跡恵解山古墳保存・整備委員会会議録

  • ID:1230

日時

平成24年7月20日(金曜日)

場所

市立図書館3階文化財講座室

出席者

委員

高瀬要一、都出比呂志、中尾芳治、増渕徹、奈佐保、野村文夫、佐藤兼司
中田晃一、山本和紀

関係機関

京都府教育委員会文化財保護課、乙訓教育局、公益財団法人長岡京市埋蔵文化財センター

事務局

生涯学習課 中尾課長、関主幹、岩﨑専門員、福家技師
公園緑地課 小山課長、松永技師
キタイ設計株式会社

欠席

(委員)小畑秀夫、宮本純二、森良男、佐々谷

案件

  1. 第11回恵解山古墳保存・整備委員会以降の経過報告について
  2. 恵解山古墳保存整備実施設計について
  3. 恵解山古墳保存整備事業スケジュールについて
  4. 平成24年度の保存整備事業について
  5. サイン施設について
  6. その他

開会

(教育長あいさつ)
皆様、暑い日が続いていますので、寝苦しいこともあろうかと思いますが、体調管理については、十分ご注意していただきたいと思います。
今ございましたように第12回となる恵解山古墳の保存・整備委員会と言うことでご案内さしあげましたところ、お忙しい中ご参加をくださり、ありがとうございます。皆様方におかれましては、常々恵解山古墳の整備について、色々な場面から専門的な知識、あるいは地元の代表からご意見を賜り、実施設計をたてまして、昨年度から恵解山古墳の竹の伐採や伐根など行い、今ご覧いただきますとかなり様相が変わっております。改めて、この古墳を乙訓のシンボルでございますし、長岡の史跡として、具体的に保存されてきたものをしっかり整備する必要があります。
また、ここにもご案内さしあげています「恵解山古墳特別講演会」を毎年やっておりますが、以前に奈良大学の水野正好先生の特別講演会で、恵解山古墳はもともと継体天皇の祖であります応神天皇のお妃さんの弟媛(おとひめ)さんのお父さんで河派仲彦(かわまたなかつひこ)と言う人のお墓だとおっしゃっていました。継体大王と言えば、今から1500年ほど前に弟国の宮を造った天皇で、縁もゆかりも深い方でございます。恵解山古墳がこういった古墳であるとすれば、素晴らしいものでございますので、後世に十分な形であずける、後世に残すという、恥じないものにしていければと思います。ご意見を賜って、よりよい整備方法で進めていきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げ、ごあいさつとさせていただきます。
(委員長あいさつ)
それでは皆さん、本日はお忙しい中ご参集いただきましてありがとうございます。2月10日に開かれました第11回の保存・整備委員会で、恵解山古墳の実施設計案が承認されまして、先程教育長からも少し話がありましたように、初期の整備工事がもうすでに進行中でございます。
本日は、事前にお送りしたと思いますが、案件の1番の、前回整備委員会以来の経過報告を受けるとともに、2番の恵解山古墳保存整備実施設計について、3番の恵解山古墳保存整備スケジュールについて、4番の平成24年度整備事業について、5番のサイン施設について、この5つの案件について、皆さんにご検討とご意見をいただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
(委員長)
それではこれから議事に入りますが、議事に入ります前に本日の委員会に3人の方から傍聴の申し出があります。これを許可してよろしいでしょうか。
<傍聴の承認>

<傍聴人3名入場>

(1)第11回恵解山古墳保存・整備委員会以降の経過報告

(委員長)
傍聴の方3人の方が入場されましたので、これより案件1に入りたいと思います。
まず案件1の第11回国史跡保存・整備委員会以降の経過報告について、事務局からよろしくお願いいたします。
<事務局より報告>

(委員長)
事務局からの報告について、ご意見、ご質問がありましたら、どうぞ。
(委員)
埴輪のレプリカを作るということですが、家形や鳥形の破片も出ているということですが、それらも合わせて作り、現地に並べられるのか。
(事務局)
円筒埴輪と壺形埴輪、朝顔形埴輪というのが、古墳を全周するのに使われた埴輪の形態です。もう一つ蓋形埴輪は小さな破片ばかりで、全形を復元するまでの資料が得られなかったことから、復元を断念しております。古墳を巡らせていた埴輪というのは、基本的にこの3種類と考えています。家形埴輪とか鶏形埴輪あるいは東造り出しの州浜状遺構では水鳥形埴輪が出ておりますが、そういったものは埴輪列の中に組み込まれたものではなく、部分的に使用されたものではないかと考えています。特に水鳥形埴輪については、州浜との関係が非常に大きいだろうと思われます。墳丘部のところでは使っていないだろうと考えています。鶏形埴輪と家形埴輪も、前方部前面の位置で出土したもので、おそらく前方部前端のどこかに何らかの形で使われていたのであろうと考えております。これらの置かれていた原位置が分からない形象埴輪を、現地に復元して設置するというのはあまりにも無理があるので、今回の整備に含めておりません。
(委員)
レプリカを合成樹脂か何かで作るのですか。
(事務局)
古いJIS規格ではせっ器質に分類され、新しいJIS規格では第II類と分類されている、陶器と磁器の間というような、焼き物の材質を考えております。
(委員長)
円筒埴輪以外にも形象埴輪がかなり出ていますね。ところが破片で原型が復元しにくいということと、元の据えられていた位置がよく分からないということがありますが、円筒埴輪以外にも形象埴輪のレプリカを置くような計画はないのですか。先程の東側の水鳥形埴輪とか西側の造り出しの部分ですね。
(事務局)
形象埴輪はいろいろ出ておりますが、原形が分からない部分があります。置く場所については、お配りしております資料39のように置こうとしております。その他の形象埴輪についてどうするのかということは、今後検討していきたいと考えております。特に、今回の古墳の前方部の伐根の際に出土しました大型家形埴輪などが出ておりますので、こういうようなものを現地に置けば、かなり迫力があると思います。
(委員長)
結構、形象埴輪が出ていますね。復元して並べる場合、やはり形象埴輪をどこかで並べてほしいです。今後の検討課題ということでお願いしたいと思います。
(委員)
土坑の礫ですけれども、この礫は葺石ではないわけですか。
(事務局)
葺石として使われていたものが多いだろうと思います。
(委員)
その礫を整備に使うつもりですか。
(事務局)
そのように考えております。調査で取り上げた礫は、復元用に何箇所かに分けて現地に保管しております。
(委員長)
3月1日に文化庁調査官に来ていただいていますね。この時にどのような指導がありましたか。実施設計案について何かご意見はありましたか。
(事務局)
恵解山古墳の現地を具体的に回っていただいて、グラウンドゴルフや既存グラウンド、墓地との兼ね合いや、復元整備の難しさなどについて相談させていただきました。またどこまでを国庫補助対象として工事できるのかを整理したうえで検討していく必要があることなどをご指導いただきました。
(委員長)
経過報告の表を見ていますと、保存整備関係の各課の調整会議が頻繁に開かれていますね。ここでの問題になった点とかはないですか。
(事務局)
調整会議は大きく3つの部課としております。公園緑地課で、今度具体的工事の施工をしていく関係で、施工にあたっての課題について調整させてもらっています。土木課とは里道や水路などの取り扱いについて調整し、それについてはだいたい整理が終わって、今後、市道の廃止手続きなどを準備しております。もう一つ大きなところでは、学校との関係で、学校のグラウンドの位置をどうしていくのかということを調整しております。グラウンドゴルフにつきましては、教育委員会のなかの文化スポーツ振興室で、グラウンドゴルフができるようにしています。それから社会人のテニスコートについては、幾度か説明に出向き、ご理解いただいております。学校との関係では、工事中も出来るだけ利用できるように学校と協議し、ほぼ見通しがついてきています。また長岡第八小学校など学校区域と文化財区域の境をどうするのかという問題もあります。大きな問題については、連絡会議をしながら進めているところでございます。
(委員長)
長岡京市内でもやっぱり関係部局との連絡や調整というのは、整備工事をスムーズに進める上で非常に大事だと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。他に何か、経過報告についてありますか。
(委員)
地元説明会を何度か行われているようですが、そこで何か問題になって、この点はこうしてくれとか、特に何か問題になったことなどはありませんか。
(事務局)
関係自治会は二つあります。
 一つは久貝です。久貝地区は、くれぐれも工事に際して安全対策を講じてほしいというのが一番の願いでございます。土の搬入に際してガードマンをつけるなど、地元のご意見を聞きながらやっております。それから、通学路をどのようにしていくのか、水がつかないように対策をしてほしいとか、古墳の見学に来られた大勢の方が集落の中を通らないようにというご意見がございます。今回、実施設計を進めるにあたり、そういった配慮をしたなかで水の問題等を含めて反映させていただくつもりでございます。
 もう一つに、勝竜寺地区がございます。何と言っても墓地の問題があります。墓地に墓参の方と古墳見学の方と住み分けをしてほしいということでございます。また、墓地の使用にあたって、古墳との接点はどうなるのかという問題が出ております。それから細かい話ですけれども、墓地に上がっていく通路が狭くて急な坂になっておりますので、緩やかなものにしてほしいということがございます。基本的には、お墓のなかの問題とお墓の周辺の問題と、それからお墓の外の問題の3つぐらいありまして、お墓のなかは地元の方で考えていただくことですが、接になる部分について、古墳の整備と地元の要望とすり合わせながら進めているところでございます。墓地の掃除がもうすぐありますから、その時に現地でご意見をうかがい、説明をさせていただこうと考えています。
 このように、主に久貝と勝竜寺の2地区の方々と協議をさせていただいています。また、時間のあるなかで、いろいろ出てきますので、それに対しても説明させていただいて、ご理解いただこうと考えています。
(委員長)
ありがとうございました。他にございませんか。
(委員)
埴輪配置は今の計画ですと、数がかなりあるように思うのですが、だいたい何個ぐらいあるのか。埴輪1個の値段というか見積もり、そのあたりを教えてもらいたい。
(事務局)
数についてですが、総計700個ぐらいの数になります。全体を回させてどのくらいになるかというのは、本来の形に配置復元した数は集計できておりません。かなりの量になるかと思います。100mを超す前方後円墳で埴輪の上が直径30cm、下の直径が20cmという細い埴輪を使って、非常に密に並べておりますので、かなりの量になると思います。1個のレプリカの値段についてですが、十分掌握できておりませんけれど、かなり高価で、安いものではないと思っております。
(委員長)
一応案件1につきましては、これで終わりまして、次に案件2の恵解山古墳保存整備実施設計について、事務局から変更点その他、説明をお願いします。

(2)恵解山古墳保存整備実施設計について

<事務局より報告>

(委員長)
ただ今の説明で、何かご意見がございますか。
(委員)
ジオファイバーじゃなくてウッドブロックでいきたいというように聞こえましたが、全体になじんでないように思います。
(委員長)
当初の実施設計案では、ジオファイバーでしたよね。これがそのウッドブロックが出てきたというのは、どういう理由で出てきているのでしょうか。急傾斜面の補強という意味合いだと思うのですが。
(事務局)
基本設計の段階でジオファイバーという工法をとっています。実施設計を策定していくなかで、古墳への影響がどうなのかということがあります。ウッドブロック工法はジオファイバー工法より整備面から裏側の奥行きが浅い工事で済む利点があります。そういった検討の中で自然の木を使った工法に変えました。自然木で組んだ間に穴があり、そこに植栽すれば緑化が可能だということがあります。こういった大きな評価の中で、ウッドブロックという工法を提案させていただきました。
(委員長)
今の説明についてどうですか。
(委員)
緑化されるのならいいのですが、木の丸太を重ねたような形ですね。その隙間に植物の種か何かを吹き付けるのですか。
(事務局)
吹き付けるのではなく、緑の植栽は丸太を井桁に組んだ隙間の空洞に植えることで緑化になります。
(委員長)
仕上がった場合は完全に緑の植物で覆われる形になるのですか。
(事務局)
今の表の面が全面真緑になるというのは植え付け後のことであります。ウッドブロックでは、木を使っておりますので、自然景観に合うということです。
(委員長)
このジオファイバーの場合は、下がコンクリートの擁壁を作って、その上に・・・。
(事務局)
コンクリートの擁壁じゃなくて、土と繊維をからめて吹き付けていく。それに厚みを付けて基本的な基盤の土をもたす。それに緑化をするための土をさらに吹き付ける。このような工法がジオファイバーです。
(委員長)
ウッドブロック工法には、違和感があります。ジオファイバー工法で出来ないということではないでしょう。
(事務局)
施工面と現況地盤を固定するために2mぐらいの杭を、ある程度の間隔で打ちつけていく必要がある。遺構面中に打ち付けていく必要性があります。それに関して、杭ですので、影響がそれほど出ないと言うことであれば、ジオファイバー工法でも可能です。
(委員)
ウッドブロックの方の断面図をみると、何センチか何メートルか間隔にパイルを打ち込むようになっているけれども・・・。
(事務局)
75cmです。
(委員)
今の設計で行くと、盛土の範囲で収まってくるということですか。古墳の遺構本体には打ち込まないということですか。
(事務局)
補強するのは、お墓を拡張整地するのに厚く盛土された部分ですので、ほとんど影響はないと考えています。
(委員)
盛土の中でおさまっているということですか。
(事務局)
そういうことからウッドブロックとしています。ジオファイバーは、そこから2mぐらい奥に行きますので、若干遺構面に影響すると考えています。そのへんを判断していただきたいと思います。
(委員長)
これは、こういう方法もありますよということなのか、当初のジオファイバーにかえてウッドブロックの方式をとりたいということなのですか。
(事務局)
今説明がありましたように、ジオファイバーの場合は、整備面から古墳に向かってピンを深く打ちつけないといけない。これに対して遺構を傷つけない工法で、値段的に安い、ウッドブロック工法がある。遺構面との関係を含めて検討しています。見た目に緑が多いのと、緑が少なくて植え込みが育つのを待つもの、それぞれ一長一短の面があるかと思います。今日ご意見をいただいた中で検討していきたいと考えています。現時点で設計を組んでおりますのはウッドブロックの方で組んでおりますので、そのへんは変更というかたちであれば変更していくということで検討が大切と思います。
(委員長)
どうでしょう皆さん。今の説明について。何かご意見、何かございませんか。
(委員)
問題にしているところの盛土の高さはどのぐらいになるのですか。
(事務局)
擁壁が最大4mです。
(委員)
最大で4m。
(委員)
ここは土が崩れていて、本来の墳丘がやせてしまっている場所ですよね。地山にアンカーピンを打つわけですよね。だから遺構面、葺石のある遺構面があって、そこにピンを打ち込むわけではなくて、遺構の下の地山に打ち込むわけでしょう。これ、盛土の部分なのですか。
(事務局)
ここの部分は、第1段テラス面から法面があって、第2段のテラス面が出てくるというような所です。それを第1段テラス面の裾のところからかなりの角度で急な崖であがります。上にある墓地の蓮華台のある広場の所は、外に土を押し出して整地されているということが分かっています。かなり盛土のある所です。
(委員)
ですから、葺石はないわけですよね。
(事務局)
葺石はないです。
(委員)
葺石はないけれども、古墳を造った時の盛土層にピンを打ち込むのが具合悪いということですよね。
(事務局)
近くで調査しているところがありますので、古墳構築当時盛られた土の残存面と、墓地造成した所との位置関係を捉えて、整備斜面として作り上げる所との距離に余裕があるのか、もう一度検討しています。
(委員)
ピンがどうしても必要なのですか。ピンなしで、重力式で斜面に持たれかけるようにもたせる、というかたちで出来ないのですか。費用的には高いという欠点がありますけれど、景観的にはジオファイバーの方がいいと思います。ピンは2mピッチぐらいで打つのですか。
(文化財保護課)
もっとまばらでしょう。
(委員)
ピンの太さは1cmありますか。すごく細ピンですよね。それをまばらに斜面に打ち込むというのは、墳丘の盛土だから遺構を傷つけることは絶対ダメという考え方をとるのか、そのへんのところは景観的なことと勘案して、どのへんまで妥協できるのか。ウッドブロックでも、もっと景観的に馴染む方法がないのか、よく検討していただきたい。今出していただいているだけだと、ウッドブロックは少し問題あると言う気がします。
(委員長)
そうですね。細かい技術的なことは分かりにくい面がありますが、話を聞いている限りでは、見た目にウッドブロック方式というのはあまり整備になじまないやり方ではないか。出来たらジオファイバー方式でやれないのか。
(委員)
予算はどのくらいでしょうか。
(委員長)
ちょっと高いようですね。
(事務局)
ジオファイバーの方が少々費用的にはかさみますけれども、予算的に問題はございません。この点は大丈夫でございます。
(委員長)
ここの部分は上の墓地の造成の時に大分造成土が張り出しているから、あまり工事で古墳そのものが痛むということは少ないと思います。だからジオファイバー方式で検討していただければと思います。委員の皆さんいかがですか。いま出た2・3の意見ついて。
(委員)
ジオファイバーで絶対やってほしいと思います。結局ピンが古墳の土に突き刺さっていくのが絶対許せないのですか。これがネックになっているということであれば、それに対して意見をだして・・・。
(事務局)
両方にそれぞれの利点がありますので、十分検討していこうと思います。ピンを大きな間隔で打ち込むというのは、恵解山古墳の発掘調査で遣り方測量の杭を打ち込むのと大して変わらないという見方もありますから、京都府や文化庁と詰めさせていただき、どこまで許されるのか、またどちらがいいのかというのを、この委員会の主張を基にして相談させていただきたいと思います。
(委員長)
古墳の墳丘本体と、上に盛られている新しい土の盛土があります。そのへんの関係をもう少し調べていただきたい。古墳本体を大きく損傷するようなことにはならないと思います。そのへんをよく検討していただきたいと思います。他にどうでしょうか。高さの変更については、修正した本来の墳丘復元面標高よりも70cm高くする形になりますね。その場合は、何cm盛る形になるのですか。やっぱり50cmなのですか。
(事務局)
もともとの遺跡の面よりも70cm盛り土して整備するということです。
(委員長)
従来言っていた50cmよりも厚くなるということですね。分かりました。そうすれば南側排水路への排水は出来るということですね。問題はないということですね。50cmよりも盛土が薄くなるということであれば、いろいろ問題が出てくると思いますが、それより厚くなるということであれば、特に問題はないと思います。古墳外縁の南西辺から南辺への水路整備については、地元の方で特にご意見ございませんか。南側へ排水する仕組みになっていますので、特に皆さんご質問その他ございませんか。こういう説明で納得されていますか。
(委員)
これは基本的に現況の水路を生かしているということですね。
(事務局)
そうです。
(委員)
そうすると地元の方たちにとっては、新たな水路を抜くわけではないですから、説明はしやすいし、理解もしていただきやすいという案であると私はそう見たのですが、その理解はよろしいでしょうか。
(事務局)
地元の意見をいただきながら検討してきております。
概略を説明しますと、古墳の中は大雨が降って水をためる機能(オンサイト調整池)があります。南の方に水を抜くのですが、南に「く」の字型になっています。ここのところが、古墳の中に溜った水、それと古墳のもうちょっと西の方から流れてきた水をこの部分に最終的に流しています。これは現在既設の水路がございまして、住宅の中を通っています。これを現在よりも幅を広くして、水がもう少し流れるような形で改修をしていきます。地元方々と自治会長さんを含めて話をした中で、どう対応していくか検討しています。地元の意向を受けて、現在ある水路を改修して、安全に水が抜けるような形で工事をしようとしているところです。
(委員長)
中学校サブグラウンドや墓参道については、中学校や地元の方、墓地管理委員会と調整をしながら進めていくことでよいと思います。植栽についても、葺石復元部以外はコクマザサを密植するということで、ササを植えるということはもう以前に承認されています。それがコクマザサというのが具体的にどんなササなのかというのがちょっと分からないのですが、どうですか。コクマザサというのは。
(委員)
背丈はどのくらいになるのですか。50cmぐらいになるのですか。伸びたら刈りこむから、そんなに高くならないと思いますが。
(委員)
コクマザサの植栽は、勝竜寺城公園に例があります。
(事務局)
勝竜寺城公園の沼田丸の手前にあります。勝竜寺城公園の本丸の西側斜面に、北門の近くなのですけど、コクマザサを植えさせていただいています。それはやっぱり高くなりますので、刈りこんでいます。
(委員)
どのくらいの高さで刈りこんでいる。
(委員・事務局)
50cmくらいです。
(事務局)
手入れしないと、かなり伸びると思います。
(委員長)
刈り込みというのは、どのくらいの頻度で刈り込まないといけないのですか。
(委員)
年1回でしょう。
(委員長)
年1回。
(委員)
勝竜寺城公園の場合は、ガラシャ祭りの前に1回刈るくらいです。
(委員長)
そうするとかなりですよ。斜面全てにコクマザサを密植しますから。
(事務局)
定着して大きくなるまで、成長期にある程度時間がかかると思います。最初から常に剪定する必要はないと思います。
(委員長)
将来的にはこういう刈り込みの維持管理費が当然かかってきます。当然ですけれど。墳丘の表面の植栽とか、周濠部の芝張りの部分なんかについて問題はございませんか。
(委員)
地元としては、墓地と古墳との境界についてどうなるのか、何をどう植えるのか、一度聞かせていただいて、一緒にやってくれと言われるのか、地元にはそのような3つの関心があります。何を植えるか、どう植えるかというのは、一緒に検討するということで聞いております。植物の種類は、マキ類が伸びにくいし、地元としては刈りやすいだろうと思います。
(委員)
今の話で、墓地との境のマキ類の生け垣の話ですが、高さ的には、墓地が全く見えないほうが、自治会として、あるいは墓地管理委員会としてはいいのでしょうか。それとも見えてもいいということですか。
(委員)
見えてもいいですが、見えすぎも考えものだというのは地元の意見にあります。それでもマキ類があれば、間隔が粗く植えても枝が張るから中は見にくくなる。高さにつても、それほど成長がよいということはないから、何年かすれば伸びて刈り取りが必要ですが、それについてもまた行政と一緒にみんなと相談したいということを伝えています。
(委員)
委員会としては、その墓地は見えない方がいいのか、別に見えていいのか、どうなんでしょう。
(委員長)
古墳の整備としては、皆さんどうですか。墓地を管理する側のご意見に従えばいいんじゃないでしょうか。見えないようにしてほしいということであれば、そうすればいいし。マキ類の生け垣についても、しかるべき高さがだいたいありますよね。自然な高さというのが。
(委員)
1号・2号墓の間にある、墓地内の現在ある樹木については残す。この前も現地に来てもらいました。大きな落差があるところは、植栽して景観をきれいにするのに具合悪いから、これはいるけれども、これは伐採してくださいという案は、教育委員会に提出しております。その後どうなったかはまだ確認しておりません。あくまでも景観、こっち側と全体を含めて、こっち側は小さい木を植えて植栽しているのに、真中だけ大きな木があるというのはよくない。また地元としてもある程度剪定は必要という話はしております。22日等で説明会等があった時にそういう意見も出ました。墓地所有者の意見もあると思います。
(事務局)
古墳と墓地の境をマキ類の生垣ということですけれども、1.2mくらいの高さの生け垣を計画しております。
(委員長)
これが仕上がりの感じということですよね。墓地の周辺にもかなりの樹木は残していくということですよね。今は樹木を適時伐採するものは伐採して、残すものは残すということですが、新しい高木の植栽というのは考えられていないのですか。
(事務局)
高木類の植栽については、ほとんど考えておりません。従来お墓の周りにあります木を切った時に隙間が空くということになれば、中木ぐらいの木を少し植えなければいけないですけれども、新たに高木を植えるつもりはありません。
(委員長)
それはもう必要はないと思いますけれど、今ある木を適時間引くというか、整備するというやり方ですよね。
(委員)
古墳としての景観的には見えないほうがいいですけれど、少し見えるくらいなら特に問題ないと思います。どこかに竹を残すという話があったと思うのですが、どこを残すのですか。
(委員長)
東側です。
(事務局)
東造り出しの上あたりになります。
(委員)
分かりました。私より皆さんの方が詳しいでしょうけれど、竹というのはものすごく根を張っていきますよね。ここだけ残すと言っても、四方に伸びて広がりませんか。
(事務局)
一応、古墳を整備する区域と竹を残す区域について、その境にバンブーバリアを埋設して、竹の根の横への進行を防ぎます。竹の根が周りに進出しないように計画しています。
(委員長)
この図で、こういう風に仕上がるのだという最終的な・・・。
(委員)
竹の周辺にこのバンブーバリアというようなものを埋めるわけですな。
(事務局)
盛土の工事をしますので、その際に根が現在竹のある部分から、広がらないように土の中に埋めていくわけです。材質は分かりませんが、バンブーバリアと呼ばれるものを埋設していきます。
(委員)
鉄板か何かでこう。
(事務局)
そういうことです。
(委員長)
東側の造り出しは、芝張りになっていますね。造り出し本体と、もともとの礫敷きだったという州浜の部分が芝張りということですけど、そういうふうにはっきり区別できるような張り方ができるのですか。州浜の部分と造り出し本体の部分で両方とも芝張りということですけど。
(事務局)
お手元の図面で周濠というふうに書いたところはグラウンド、土です。東側造り出しとした所は芝生です、ここで芝生とグラウンドとが分かれます。今先生がおっしゃっている州浜部分の表示が中の造り出し部分と表示が分かるのかということですが、目地を変えるとかで表現したいと思います。見た目にはちょっと分かりにくいかと思います。何か違う方法があれば、検討したいと思います。基本的には土と芝生の二つで表示するということで考えております。
(委員長)
調査では、礫敷きの州浜状の遺構は出てきたのですよね。ここに水鳥埴輪があったという非常に特徴的な状況が出ました。それを再現したらどうかというような意見もいろいろありました。ところが、グラウンドゴルフと共存の必要上、こういうかたちになったのでしょうけども、たとえばこの外側の芝張り、いわゆる州浜の部分に玉砂利を敷くというような形で、元の州浜のイメージを出すというのは、グラウンドゴルフとは両立できないのですか。
(事務局)
グラウンドゴルフの方と協議しておりましたら、石という部分は好ましくないということで、聞いておりますので、芝生ということで対応していきたいと考えております。
(委員長)
北側のテニスコートの部分もそうですけれど、未来永劫にテニスコート、グラウンドゴルフがあるのだということではなくて、当面両立させようということでしょうが、将来的には整備本来の姿にしていく、というのが基本ですね。ですから今はこういう芝張りのままで止むを得ないにしても、近い将来そういうことが可能になれば、もともとの州浜状の復元に改めると考えられているのですね。
(委員)
東側造り出しの上面は、周濠のところの舗装は真砂土舗装にしたらどうですか。真砂土舗装は別に問題ないでしょ。そしたら州浜の部分だけが芝張りになって、少しわかりやすくなると思う。
(委員長)
造り出し本体部分は芝張りにしないという。
(委員)
真砂土舗装、土で表現する。西側と一緒ですよね。西側は真砂土固化舗装ですか。何かそういう土を固めた舗装にしてはどうですか。
(委員長)
西造り出しと同じようなかたちにしてもいいじゃないかということです。
(委員)
高さのレベルですが、州浜部分とグラウンドは、ほぼ同じ高さなんですね。どうなのですか。
(事務局)
レベルですが、墳丘裾の東側造り出し接続部分は15.50mです、周濠部分が15.20mですので、30cmほど傾斜が出てくるということです。
(委員)
傾斜ですね、階段状の段差ではないですね。
(事務局)
ゆるい傾斜です。州浜の上端まで10cmほど下がり、そこから20cmの傾斜があって周濠になります。州浜の裾から古墳本体に取り付く東造り出し西辺まで、約30cmの高低差があります。
(委員)
グラウンドゴルフをされるときに、ここは使われない状況なのか、人が歩いたり座ったり、常に出入りするということであれば、ここに芝生を植えても、すぐに傷んでしまうのではないかと思うのですが。
(事務局)
グラウンドゴルフで使われるときには、この上の方によく上がってくるということになります。
(委員)
私も造り出しをきちんと明示するということから言うと、委員のように上の平らな部分は違う色の施工をした方が分かりやすいと思います。ただ、ここが当面グラウンドゴルフに使われて、しかも造り出しの上の方にもグラウンドゴルフできた人が立ち入るという場所になる。州浜部分は、2~3mの帯状の傾斜地の芝地になるとうことですね。公園になると、そういうところが良好な状態で維持できるのかというのがすごく不安です。だとすると、上まで芝で覆った方が、まだ管理がしやすいという気もするのですが。
(委員長)
周濠の部分と芝の部分の区別はつくけども、芝張りの本来の造り出しの部分と州浜部分の区別はつかなくなりますよね。一見したらものすごい大きな造り出しという感じに、見学者には見えると思うのですよ。とくに西側と比較して、異常に東側の造り出しが不整形で大きいというようなイメージをもたれると思うんです。出来上がったら元の姿はこうだったという説明板が、この近くに設置されることになると思います。学術的な面に関心を持つ人に対しての説明は別な形でするということですね。
(委員)
もう一つだけ、この実施設計で前方部の埴輪を2段目と3段目は巡らせているのですが、1段目は前方部前面の東側をやらない案ですね。これは南から見た時の対称性からも、1段目もあった方がいいというのが1点と、もう一つは、葺石も階段の西側だけを幅何mかで帯状に直線的に復元しますね。これも階段の両側に復元した方がよい。またその端が直線的ではなく、葺石からコクマザサに変わるエッジの部分をもう少し自然な、柔らかい曲線にして、出来たら上方に少し狭めてもいいと思うのです。階段の両側に、葺石が少し出ているというかたちの方が誤解なく伝わると思うのです。この整備方法では、階段が直線で、その西側に約3m幅で直線的に葺石が葺かれますね。これは誤解を生むと思うのです。西側のくびれ部の1段目も、同じように直線になっていますね。ここにも葺石を復元することになっています。葺石の復元する石は、出入りするのが望ましいと思います。縁のところを機械的に直線で処理しないで、葺石がまばらになってコクマザサに移行していくというかたちをとった方がいい。また、葺石の復元位置は、階段の両側に設けたほうがいいと思います。
(委員長)
中心線から半分を葺石にした方が、元のイメージがもっと出ると思います。どちらか半分全部葺き石にしてしまうということにすればね。この復元範囲は、線状だから、葺石のイメージがわきにくいと思うのです。かなりの範囲で一面にやれば分かりやすい。
(委員)
それが一番望ましいのですが、予算的なことでこうなったのでしょ。ですから、私が言うのは、それはそれで一番望ましいのはもう、前方部の斜面全部を葺石でやる、真ん中に階段が通っていると、左右両側に葺き石があるっていうのが一番望ましいと思うのですけれど、それを経費的に縮小しようと、葺き石の面積を小さくしたいということだったら、全体に本来はあるんだよと、それを見てどれだけの人が理解できるかというのはありますけども、両側にあって縁の部分がぼやけていた方が理解しやすい。
(委員長)
だからこういう機械的に直線的に切るのではなくて、通路を挟んで両側を葺石にして、端の部分は次第にまばらになって消えていくような表示でできないかと思います。
(委員)
直線ということではなくて、少しずつ葺石の密度が粗になっていって、そこにササが入り込んでいくというイメージがいいと思います。文化財の工事だから、普通の公園を作っているわけではないから。
(京都府教委)
難しいですね。そのほうが、雰囲気は確かにいいのですが。
(委員長)
それはできないわけではないですね。費用的な問題だけですね。両側に葺石を貼れば、葺石の範囲が広くなると思いますけど。片側だけの案よりは、ちょっと幅広になってくると思います。これは技術的には問題なくて、予算的にもそんなに大きく変わるわけではないのではないですか。
(委員)
葺石の復元範囲は、上方に向かって三角にすぼんでいるほうがいい。
(委員長)
上の方が狭くしていくというような方法。
(委員)
その方がいいと思うのです。同じ幅でずうっと上から下へ通るよりは。
(委員長)
それは今、委員が言われたような考え方で一回・・・。
(事務局)
一段目テラス面の埴輪の件についてですが、整備後の古墳の活用方法の一つとして、市民の方々に埴輪づくりをしていただいて、それを展示するスペースとして設けています。したがって、完成後の古墳の活用の際に市民の方々に焼いていただいた埴輪をここに立て並べ、展示したいと考えています。葺石の関係ですが、相当な費用を要しますので、全体を葺くかたちでは難しいということです。しかし、コクマザサ植栽との境をあやふやにするような方法は、出来ると思います。それから道(階段)を葺石の真ん中に通す方法も、可能かと思います。今後検討させていただいて、進めていきたいと思います。
(委員長)
委員が言われたように、中心線から両側に葺石を張る。上の方は少し狭めていくというような同じ幅でしないで、上に狭く三角状にする方法がよいと思います。それから両端の部分はまばらに消えていくような表現をするというような考え方でもう一回、予算面とも合わせて、実現できないかどうか検討してみてください。時間の関係もありますので、案件の3番の整備事業のスケジュールと、4番の平成24年度、今年度の保存整備事業について、合わせて簡単に説明をお願いいたします。

(3)恵解山古墳保存整備事業スケジュールについて

<事務局より報告>

(4)平成24年度の保存整備事業について

<事務局より報告>

(委員長)
整備スケジュールにつきましては、配布されました予定表を見ていただくとよくわかると思います。最後にサイン施設について、これは26年度に実施されるものですけれど、説明をお願いします。

(5)サイン施設について

<事務局より報告>

(委員長)
今の説明について、何かご意見ございませんか。
(委員)
これからサイン施設を検討されると思います。この間「恵解山古墳を愛する会」では、教育委員会主催で奈良県桜井市の方を案内していただきました。立派な案内とサイン施設を作っておられるところとそうでないところ、いろいろありました。見学者にとってサイン施設がないと、ただ目的地に着いただけということになります。また、サイン施設は、あまり見栄えのしない案内施設にならないようにしてもらいたいと思います。色々とたくさん案内していただいて、説明しやすい内容に、それから図面もある程度入れて作ってもらいたいと思います。
(委員長)
他に何か。
(委員)
古墳のなかにあるサインは、今計画を作っておられますけれども、JRとか阪急の駅からこの古墳へ誘導するサイン、あるいは車の人に位置を知らせるサインだとか、そういうのが必要だと思います。それとJRに老ヶ辻歩道橋がありますね。そこの上から恵解山がよく見えると思います。あこの歩道橋の柵のところに、是非恵解山古墳の簡単な説明板を作ってもらいたいと思います。内部のサインはもちろん大切ですなのですが、外から人を誘導するためのサインを考えていただきたいなと思います。
(委員長)
これは長岡京市全体のサイン計画と言いますか、古墳の近くでも勝龍寺とか中山先生の記念館とか、周辺部と結びついて来るので。市内の総合的なサイン計画も当然必要ですね。このへん何か、教育委員会の方では考えておられるのですか。将来的に何か遊歩道計画といいますか、核的施設を結ぶような構想はありますか。
(事務局)
現在、長岡京市では、第二外環状道路の阪急との交差点のところに阪急の新駅ができます。そこで、長岡京市の南部地域を総合的にということで、市あげて受動に関しましていろんな検討をすることになっております。長岡京市に来られた方々に、市内のあらゆる施設について、正確に案内する、誘導するというようなサイン施設について検討している状況です。従いまして教育委員会では、その誘導の中に、中山修一記念館を含めて、南部地域には恵解山古墳や勝竜寺城公園などがありますので、そちらに誘導する案内施設を設けるということも考えております。その中に核として恵解山古墳があるというふうに考えております。
(委員長)
サインの具体的な内容については、今作成中ということですので、また次の整備委員会その他で、具体的な内容については、また検討していただきたいと思います。京都府の文化財保護課から、今日の整備委員会を傍聴されて、何かご返答、その他ございましたらお願いします。
(文化財保護課)
今まで聞かせていただいて、いろいろな議論、特に工事内容について、ご検討いただきました。実施設計にあたり、どのような工事内容が国庫補助金で実施できるのか、そのあたりの仕分けを事務局と詰めさせていただきながら進めさせていただこうと思っています。また、おそらくまだ少し検討する細部のところがあったのではないかと思うのですが、それも含めて検討させていただきたいと思います。
(委員長)
乙訓教育局から、なにかご感想、ご意見ございませんでしょうか。
(乙訓教育局)
今回、初めて出させていただいたのですけれども、非常に立派なものができるということで、また今後も長岡京市や府教委含め、またもっと広く2市1町、乙訓の地方の地域などの教育の現場として使っていけるように、いろいろと相談していきたいと思っています。
(委員長)
先程のスケジュールでいきますと、26年度末には一応完成して公開という手筈になるのですよね。実践は間近に迫っているということなのですが、できますとそれで終わりということではなくて、それからまたそれをどうやって維持管理し、それを活用していくか、という大きな問題が出てくるのですよね。そういう問題に新たに備えようということで、「恵解山古墳を愛する会」というのができておりまして、今日の資料の中にもニュースが入っておりますけれども、活動されているわけですが、今どのくらいの人数の方がいらっしゃるのですか。
(事務局)
だいたい110名から120名くらいの方に登録いただいています。
(委員長)
その構成メンバーというのは、市域全域から参加されているということですか。
(事務局)
大多数の方は長岡京市民の方です。また、地元、久貝と勝竜寺の方にも、さらに多くの方にご協力いただけたらと思っています。これからまたいろいろご相談させていただけたらと思っています。どうかよろしくお願いいたします。また他に、京都府下の方あるいは近畿地方の方、大阪や滋賀の方もおられます。こういった遺跡の保存整備に興味をもっておられる方もおられます。そういった遠方の方などは、日頃の活動には参加していただけないという反面もございます。
(委員)
今の葺石のことが書いてある「だより」がありますけど、恵解山を愛する会で葺石をやった体験というのが出ていますね。たとえば市民参加の人たちが、自分で葺石を葺くと、もちろん指導及び勉強は必要ですけれど、そういうことは無理ですか。やっぱ職人でないとだめですか。素人の集まりでは無理ですか。
(事務局)
体験できる部分はないか、設計業者の方にも相談をさせていただいているところでございます。ちょうど葺石を葺く体験の企画をした時に、当日が雨で、残念ながら実施することができませんでした。工事が始まってから、実際の整備そのものではなくても、付属的なところでそういったことができたらと考えております。
(委員長)
葺石を運び上げるぐらいのことは、別に誰でもできると思います。こういう市民参加の方法も、また探っていただけたらいいかと思います。
(委員)
このスケジュールで、平成26年10月に完成になっているのですけれど、それまでに公園として、下のレプリカとかは別になくてもよいとして、公園として使えるのはいつからになりますか。やっぱりこれが終わらないと公園として使えないわけですか。
(事務局)
はい、26年度の後半ということです。そうでないと使えないということです。
(委員)
他の部分がほぼ出来上がっていても、見学に使えないということですか。
(事務局)
そうです。使えないということです。
(委員長)
出来上がってからの維持管理とか活用については、広く市民の支援・協力は必要なのですが、何と言っても地元の皆さんの支援協力がないことには活用なんかとてもできません。そのへんについてはどうですか。地元の皆さんとしましては、出来上がった後の維持管理とか活用で、地元としてはこういうふうにやりたいというような、地元の抱負みたいなものはないですか。
(委員)
行政が我々に草刈りとか人促などの要望がくるのかというような話はあります。それはそれで我々も勝竜寺城公園の草刈りもしているくらいですから、まあ農家が多いですから、それはそれなりのかたちで、人促的なものも地元に要望が来れば、地元の人に相談して、勝竜寺地区から恵解山をどうしようというような思いもあると思います。だけども、180世帯ぐらいありますが、やはり勝竜寺城公園で清掃自体でも60~70人が出てくる。そんな状況でございます。うまくやっていけるかどうか分かりませんけれど。一番困るのは、他の団体や組織と一緒にやる場合、恵解山もどうのこうのと言われてくると、ちょっとこちらも、いかがかなあと思います。きれいにしてもらうのは結構ですけれど、それが自分たちの活動の補助金目当てにされると困ります。勝竜寺自治会としても年間何回かの清掃掃除なんかも勝竜寺でとなればさせてもらいたい。それも今探っているところですし、地元としても何か割り当てがこういう内容で、というのもありますし、説明会のその時にもそういう話が出ていました。きれいに使ってもらうにおいてはやはり、我々も何かしなければいけない、我々のお墓ですから何とかしていく必要があるということだけは、みんな思っています。出来上がってから今後どうやっていこうというのは提案してほしいという意見は出ておりました。
(委員長)
委員、何かありますか。
(委員)
やはり久貝としては、公園ができたあかつきには、生活環境面、どういうふうに変わるのだろうかということを皆さん心配されています。今のところ人の流入経路ですか、そのあたりの定かでない面もありますから、不安があります。
(委員長)
公園になったのはいいけれど、大勢の人が来て困るというようなことは出てくるし、あろうかと思うのですけどね。
(委員)
一番は、車の駐車の問題とか、学校の子供たちの通学の安全の確保とか、他に細かなこともいろいろ出ておりました。完成のあかつきには、久貝住民としては、よりよい憩いの場であればと願っております。
(委員長)
地元の誇るべき文化遺産として、これから大事にしていってやりたいと、そのへんのことは前向きにご検討いただきたいと思います。それでは、時間も若干過ぎましたので、特にご意見ございませんでしたら、今日の整備委員会はこれで終わりたいと思います。よろしいでしょうか。
では、長時間どうもご検討いただきましてありがとうございました。

<終了>