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第4回(仮称)長岡京市ふるさと資料館検討委員会会議録

  • ID:3634

日時

平成25年10月10日(木曜日)午後2時~

場所

図書館3階生涯学習課講座室

出席者

委員

芦田委員、樫村委員、國定委員、小林委員、田中委員、田端委員、鞆岡委員、中尾委員、中村委員、増田委員、山本委員、渡邉委員

事務局

中尾課長、関主幹、馬部主査、福家文化財技師、生嶋事務員、白川埋蔵文化財センター事務局次長

案件

1. パブリックコメントの結果とその公表について

2. 「基本構想(案)」の総括

 

開会

  • 委員13名のうち12名出席

案件

(会長)

今回は第4回目、最終回の(仮称)長岡京市ふるさと資料館検討委員会です。

今日は基本構想へのパブリックコメントに対して、市の回答案を提出していただいております。このパブリックコメントと、それに対する回答は、市のホームページなどに載せる予定でございます。これから基本構想の1部・2部・3部と分けて、コメントの内容とそれについての回答案を事務局から説明していただき、その後構想案についても検討したいと思います。

 

<1部について事務局説明>

 

(会長)

このパブリックコメントへの回答案について、ご意見はございませんか。

(委員)

意見5への回答で、「観光の振興」という言葉が入っています。今までなかった観光の話が突然入ってきたうえに、「振興」までするというのは、教育委員会の施設として適当なことなのでしょうか。「振興」とまで言わなくても、「観光や地域の活性化」でもいいのではないかと思います。

(委員)

観光協会から来ている者とすれば、もっと観光を重視してほしいくらいです。やはり観光客を誘致することは地域の活性化にもつながりますから。

(会長)

事務局、どうでしょうか。

(事務局)

ただいまご指摘のありました観光の「振興」については、市では商工観光課が担当しておりますが、我々教育委員会も、これまでも連携を取りながらさまざまな取り組みをしてきております。ですから「振興」を入れたとしても、それは教育委員会だけの役割ということではありません。関係部署と連携をはかりながら進めていくことになりますので、この回答の中では「振興」という言葉を入れたいと思います。

(会長)

「そこには、観光の振興や地域の活性化といった視点も欠かせません」という部分は、このままでよろしいでしょうか。

(委員)

はい、結構です。

(会長)

ほかにご意見はございませんか。

(委員)

1部の意見6への回答案「向日市や大山崎町をはじめ京都府、京都市など」についてですが、「京都府」の入る位置が「京都市など」の前になるのは、少し落ち着かない気がします。基本構想では、都としての長岡京域のことを考えて「向日市や大山崎町をはじめ京都市など」とされていたのかと思ったのですが。

(会長)

長岡京跡の範囲を考えれば「向日市や大山崎町をはじめ京都市」のあとに「京都府など」としたほうがいいかもしれません。よろしいですか。

(委員)

ここに「京都府」を入れるということには賛成です。しかし、4つの自治体の名前が入ると、公立機関との協力だけを強調しているように見え、公立でない研究機関・教育機関との協力が入らない印象を受けます。「近隣の資料館」というのが公立の資料館に限定されない文章のつなぎ方をすればいいと思います。「また、近隣の資料館や機関と連携した」としたらいかがでしょうか。

(会長)

大学の歴史研究室など、いろいろありますから、いっそ「近隣の」を取ってしまって、「資料館や関係機関」でもいいのではないでしょうか。

(委員)

向日市や大山崎町などをひとまとめにして「乙訓地域の資料館や機関」としてしまえば、行政関係だけでなく民間の施設も含まれます。現在の「乙訓地域」のイメージとは少し違うかもしれませんが、古い歴史的な地名としては向日市、大山崎町、京都市を含む、もう少し広い範囲でしたし、そんなに厳密にとらえる必要もないと思います。それとも、「近隣の公私の資料館」としますか。そうすればほぼすべてが含まれることになります。

(委員)

私立の資料館を思いつかないのですが。

(会長)

「資料館」としたら「公私の」は入れなくてもいいのではないでしょうか。「資料館や機関などと」と、「など」を入れるか、「近隣の」でくくってしまうという方法もあります。

(委員)

「京都市、京都府など、近隣地域の」としたらどうでしょう。

(委員)

「向日市や大山崎町をはじめ京都府、京都市などで活動する」または「などにある」としてはどうですか。

(会長)

「近隣」を取ると、「向日市や大山崎町をはじめ京都市、京都府などの地域の資料館や機関」となります。「京都府」というと全部含んでしまいますので、「京都府」は取りますか。

(委員)

京都府の埋蔵文化財調査研究センターがあります。あのような施設を含めるとすれば、やはり京都府というのはあってもおかしくないと思います。「京都府」を取るならば、「向日市や大山崎町をはじめ京都市など乙訓地域の資料館」という表現にすればいいのではないでしょうか。

(委員)

「向日市や大山崎町の近隣地域、および広く京都府域の」と、並列してはどうでしょう。

(会長)

事務局、何か案はありますか。

(事務局)

今の趣旨をふまえてもう一回、会長と相談して決めさせていただきます。

(会長)

1部の1ページから6ページの全体を通してほかにございませんか。

(委員)

パブリックコメントとは関係ないですが、5ページ(3)で法律の名称が「公文書の管理に関する法律」となっています。正式には「公文書等の管理に関する法律」ですので、修正をお願いします。

(会長)

ありがとうございます。では2部に進みたいと思います。

 

<2部について事務局説明>

 

(会長)

2部のパブリックコメントへの回答案などについて、ご意見をお願いします。

(委員)

基本構想8ページ、ふるさと資料館の機能イメージ図について質問します。ここに書かれている公文書館というのは、いわゆる公文書館法に基づく公文書館でしょうか。公文書館というと、国または地方公共団体が保管する公文書その他の記録を収蔵・保管する施設です。そのような公文書館をつくるということなのか、それとも『長岡京市史』編さん時に収集した文献資料を保管する場所・収蔵する場所として、公文書館という名前の収蔵・展示機能を持った施設をつくるということなのかで、意味合いが違うと思いますが、どちらなのでしょうか。

(事務局)

意図しているのは公文書館法に基づく公文書館です。生涯学習課では、市史編さん時にごく最近の資料がなかったという事情があり、公文書を保管するという仕事もしています。しかし溜めておくだけでは活用できませんので、それをどう活用するかも視野に入れて、このような形にしています。いわゆる行政の説明責任を果たすための機能を持たせようと考えています。

(委員)

公文書館法に基づく公文書館であり、それに加えて市史編さん時に収集した資料などもここへ収蔵することを考えておられるのですね。

次に、8ページの機能イメージ図には、「保存・公開」「調査・研究」「展示・学習」と、資料館の機能が四角囲みで書かれています。これは博物館法でうたわれている博物館の機能を書いてあると思うのですが、博物館法に従った文言を使うとすれば、「保存・公開」は資料の「収集・保存」、また「展示・学習」は「公開・普及啓発」となります。「展示」というのは「公開」の一つの方法であって、同じ範疇のものです。「公開・普及啓発」は、それに代わる分かりやすい言葉として「展示・学習」でも問題はないと思います。このあたりの、中身が重複しているところは、直すほうがよいと思います。

(会長)

まず公文書館ですが、これは「公文書館法」に基づく公文書館であるということです。イメージ図の「保存・公開」は資料の「収集・保存」、「展示・学習」についてはこのままにするという、ご意見のとおりでよろしいですか。

(事務局)

イメージ図の「保存・公開」というのは「公文書館」にもかかっています。「保存・公開」を「収集・保存」に変えることになると、公文書の「公開」というのが消えてしまいます。

(委員)

特に公文書館の文書の公開を重視したいということであれば、「展示・学習」の「展示」を「公開」に変えればいいのです。展示は公開の一つの手段を表しているので、広い範囲を示す場合は「展示」のかわりに「公開」を使えばいいと思います。そうすれば、そのなかに博物館資料の展示も、公文書の公開も含まれます。

(事務局)

それではイメージ図の「展示・学習」の場所を少し変えたほうがいいということでしょうか。現状では「歴史文化総合資料館」の「展示」になっていて、「公文書館」の機能になっていません。

(委員)

「ふるさと資料館」というのは「公文書館」も含めたイメージで考えられているわけでしょう。そのなかに「歴史文化総合資料館」と「公文書館」が含まれるということですね。ですから「ふるさと資料館」のイメージとしてはそれでいいのではないですか。

(委員)

今の話で「収集」のことが出ました。資料の「収集」というのは公文書も含めてですが、非常に大切なことだと思います。一方、特に公文書については「公開」というのは非常に重要な意味があります。この図はこのままにして、「保存・公開」にもう一つ加えて「収集・保存・公開」という形でもいいのではないでしょうか。

(会長)

「展示」と「公開」を分けるわけですか。いかがですか。歴史文化総合資料館の「収蔵庫」というのが全部にかかっていますから、私はその中の一部として解釈したらいいと思います。この「公文書館」という字も大きいですね。パブリックコメントでも「公文書館」の字の大きさの割には説明が少ないと、意見9に出ております。

(委員)

ふつう公文書館というと「文書」という意味で図書館などに併設・併立される場合が多いです。博物館のなかに公文書館が含まれるというのはあまりありません。しかし、こういう形があっても総合的な一つの資料館として、おかしくはないです。

(会長)

歴史文化総合資料館の機能と公文書館の機能を分けずに考えればよいという解釈でどうでしょう。「収集・保存・公開」と3つ書く、という案についてはいかがですか。

(委員)

特にこだわりません。この図の四角がいろいろなところにかかっていますので、結構です。

(委員)

この左上の「展示」に替えて「公開」を使えばよいと思いますが。「学習」は残すか、あるいは博物館法的な「普及啓発」という言葉を使いますか。

(委員)

その点に関して、私は「学習」のほうがいいと思います。人権啓発月間などと言いますが、いかにもお役所的な発想で、啓発されていない人ばかりいるような感じに聞こえますから、やはり「学習」のほうがいいと思います。その点、検討してください。

(会長)

「公開・学習」でどうでしょう。「保存・公開」を「収集・保存」にして、「展示・学習」を「公開・学習」にするということでよろしいですか。

(事務局)

上の本文部分の(5)(6)の表題も下のイメージ図と合わせておりますので、そこは変わってくることになります。

(会長)

そうですね。

(事務局)

「公文書館」の「公開」については、私どもも行政文書を公開できていない状況であり、一つの大きな課題となっています。枠のところでいえば、今の「収集・公開」のほうが、収まりがいいと思います。

(会長)

「収集・保存・公開」ということですか。

(事務局)

はい、そうです。

(委員)

私どもからすると、公文書館の「公開」というのは、目録をまず整えて、みなさんにどんな文書があるかということを知らせて、特別に興味のある方が公文書館に出かけて行って調べる、というイメージです。一方、博物館や資料館の「展示」というのはもっと視覚的な、小学生が行っても分かる、噛み砕いた展示というイメージです。ですから公文書館の「公開」と、生涯学習・情報発信としての「展示」とはイメージ的に違います。行政側の作業としても違う形になるのではないでしょうか。そこのところが一緒になると、素人は分かりにくいと思います。

(委員)

私は以前、京都府の個人情報保護審議会の委員をしていた時期があります。そのときに京都の公文書のなかの戸籍を研究のために見せてほしいという個人的な要望がありました。戸籍というのはいろいろなことが書いてあって、書かれている人にとっては都合が悪い部分もありますので、公開はやめようということになりました。公文書というのは全部は公開しない、というところがあります。ですからこの点は少し慎重に市役所の方にも考えていただきたいのです。「公開」を広げるのではなくて、図の左に少しかかるくらいにするなど、検討していただいたほうがいいと思います。

(委員)

さきほども市史を編さんするときに直近の文書が見当たらなかったという話が出ましたが、行政を執行する過程で作成されている文書というのは、たとえすぐ公開できなくても、10年・20年経過したあとに、行政が何をやってきたか、長岡京市がどういう歩みを続けてきたかということが検証できる資料として重要なものです。そういう意味で、公文書というのは保存するだけでは意味がないので、公文書館等で公開までのシステムを築く必要があります。一般的に普及している図書ですと、不特定多数の人を対象に出版されているので、公開にあたっていちいちいろいろなシステムを築く必要がなく、図書館ですぐ見られるわけです。そこが少し公文書は違い、「公開」ということが重要な意味を持つのです。「公文書館」という施設をつくるのであれば、「保存」と「公開」、「収集」も含めて、一つの流れとして位置づける必要があるのではないかと思います。今、他府県や政令指定都市、それ以外の市でも、順次公文書館や公文書管理条例などがつくられています。長岡京市も歴史のある市で、公文書等の積み重ねもあるでしょうから、そういうシステムを築いていくという話を行政機関とまとめていく必要があります。そのことからしても、「公開」という部分はここに入っていたほうがいいと思います。

(会長)

ありがとうございます。そうすると、「展示・学習」は残し、さきほどのご意見のように「収集・保存・公開」と3つ書く、ということになります。

(委員)

図の「収蔵庫」の字を少し小さくして、そのあとに括弧して「収集」と入れるというのはどうでしょうか。文章のほうも「収蔵庫」だけ別枠になっていますので、「収集・保存・公開」と3つ並べるのではなく、「収集」だけを別に出してしまえば、あまり全体に手を入れなくてもすむのかと思います。

(会長)

そうすると「保存・公開」は残るわけですね。

(委員)

その図はイメージです。いま出ているようないろいろな問題点は、具体化するなかで当然出てくるでしょうが、この図にそれを盛り込もうと思うと、イメージ図にならなくなります。できるだけ単純化したほうがいいのではないでしょうか。これはあくまで「ふるさと資料館」の機能を示したものです。その「ふるさと資料館」のなかに、施設としては「総合資料館」と「公文書館」と「収蔵庫」があり、論点となっている4つの機能を持っている、というイメージ図だと私は理解しています。2字ずつ4つでまとめるということにこだわれば、「収集・保存」「調査・研究」「情報発信」、それから「展示」は「公開」に替えて「公開・学習」でいいと思います。しかしこの4つの白ヌキが「収蔵庫」や「資料館」に重なっているからややこしくなる。これをはずして下へ横並びに並べれば、「ふるさと資料館」全体がこういう施設で構成されて、その機能は4つの機能に代表される、と分かるのではないですか。

(会長)

たしかにこれは単なるイメージ図で、ここに全部盛り込もうとすると、いろいろとちぐはぐなところが出てきてしまいますね。事務局で整理できますか。

(事務局)

分かりました。

(委員)

10ページの図の「自然環境」に関して書かれている部分ですが、ヤマモモやビャクシンとあるところの3番目の「乙訓寺のモチノキ」は西部地区に入っていますが、「乙訓寺」は中部地区に入っているので、おかしいのではないでしょうか。中部地区の「八条ケ池のキリシマツツジ」の下に入れるべきです。

(事務局)

失礼しました。

(委員)

さきほど意見10に対する回答で、「バンビオ」でなく「中央生涯学習センター」という名前にしているのに、この図では「バンビオ」になっています。

(事務局)

ご指摘、ありがとうございます。それと、10ページの図のなかで、長岡天満宮が「西部」に、「八条ケ池のキリシマツツジ」が「中部」に入っていますので、見直して正しいところに入れさせていただきます。

(会長)

では3部のパブリックコメントの説明をお願いします。

 

<3部について事務局説明>

 

(会長)

ご意見ございましたらお願いします。パブリックコメント以外でも結構です。

(委員)

長岡京市の資料館で私が行って一番印象が深かったのは中山修一記念館です。長岡京というのは長岡京市だけでなく、よその自治体にもまたがっていて、大極殿跡は向日市にあります。その展示は向日市文化資料館がとても充実していますが、長岡京市の強みは、それを発掘した中山修一さんがいらした、そのお宅があるということです。中山さんは「ふるさと資料館」の理念にかかわるような、地域活性と歴史資料の公開・保存の運動もされた方だと聞いています。俗な言いかたをすれば非常にキャラの立った方で、それこそ単発ドラマのテーマにでもなりそうです。以前「まぼろしの邪馬台国」という映画がありましたが、まぼろしでなく本物を掘った人がいるというのは、長岡京市の持つ財産でもあります。「観光」というと目の前の人を呼ぶだけのようになりますが、もう少し学術的な魅力で人を惹きつけられる、すばらしいキャラクターだと思います。

例えばふるさと資料館の展示で入門的な形で中山さんに触れて、「おお、すごい人がいるんだな」と思って記念館へ行けば、それだけでも感慨が違うでしょう。記念館には、長岡京の今のまちと昔の条坊を自分で墨で描いて、この辺を発掘すればいいのではないかと見当をつけたという、大きな絵図があります。例えばそれをCGにしたものが資料館にあれば関心を持たれると思います。パブリックコメントというのは総論を言うもので、あまり具体的な細かいところで風呂敷を広げてはいけないかもしれませんが、せめて中山修一さんの存在をもう少し基本構想の本文で強調してもいいと思います。

(委員)

中山修一記念館に行く交通手段自体がありません。バスも少なく、足を運ぶのがむずかしいというのが現状でしょう。もう少し交通の面を考えていただきたいです。中で働いている方々はなんとかみなさんに足を運んでいただきたいという一念で、いろいろなことをやっていらっしゃいますが、なかなかそれが広がっていきません。

(委員)

中山修一先生については、小学校4年生の『わたしたちの乙訓』という副読本でかなり大きくとりあげられているので、たいていの市内の小学生は知っていると思います。しかしその親たちで、長岡京市へよそから移り住んだ人々の間での認知度は低いのではないでしょうか。ですから、小学生からその親へ、もっとフィードバックしていけば興味を持つ人が増えるのでしょうが、今、そこで断絶があると思います。

(会長)

中山先生について、補強して文章を付け加えるよう、事務局で検討していただけませんか。

(事務局)

はい、検討させていただきます。一つの案として、9ページ「3 まちなか博物館ネットワーク」の「(4)文化財関連施設と中核施設」で、「設置条例で定められているものは、現在のところ埋蔵文化財調査センター・中山修一記念館・神足ふれあい町家の3カ所があります」とある次に、長岡京市が生んだ中山先生・記念館のことについて、魅力を付け加え補強していきたいと考えています。

(委員)

1部で出たご意見のように、観光も兼ねてやるとなれば、神足ふれあい町家~勝龍寺城~小畑川~恵解山古墳~中山修一記念館を歩くルートにやはり標識等が必要だと思います。今度、立命館の中学校・高等学校ができてJR長岡京駅からの通学路にも入りますし、阪急の新駅ができて新しいアクセスもできるわけです。西国街道の整備も含めて、長岡京市全体としてどのようにしていくかを考えないといけないでしょう。ただ資料館という箱モノをつくるだけで終わってしまうのではなく、興味を持てば2回・3回と廻れるように整備しなければなりません。

(会長)

散策コースや観光コースといった、できるだけ市民が歩きやすい案内ガイドをする必要がある、ということですね。

(委員)

今のご意見は非常に大事なことで、9ページの「(2)ネットワークを動かすプログラム」、10ページの施設のネットワークがありますね。これをどうつないで観光資源として活用するかが重要です。大阪市には歴史の散歩道―史跡連絡遊歩道―というものがあります。そういうルートを作って、それを辿って行けば、市の史跡・遺跡・施設に行けるという工夫がないと、活用できません。(2)に「移動手段や観光ルートを視野に入れておく」という簡単な文章ではなく、もう少し具体的な形でネットワークをこう活用する、と書いたほうがいいのではないでしょうか。

(委員)

私は逆だと思います。第2回検討委員会に参加させていただきましたが、そのときに資料館を建てる場所の問題や、予算の問題などが話題になりました。それを通じて、この委員会は街じゅうのことを考える委員会ではないと理解しました。要はこういう構想でこういうふるさと資料館が必要です、ということを提示すればいいのであって、そこから先は行政や議会・首長が考えることだろうと理解しております。そこまででとどめておいたほうがいいのではないのでしょうか。

(会長)

ここまでが基本構想で、それから基本計画へと移っていく段階でより具体的に進める、という方向でいいのではないでしょうか。

(委員)

これはあくまで基本構想ですから、あまり細かいところまでは出す必要はないですが、ふるさと資料館はネットワークの中核施設として位置づけられているのですから、このネットワークと中核施設をどうつなぐかというのは非常に大事です。9ページの(2)に新しく入れた「移動手段や観光ルートを視野に入れておく」という文言が、それに当たります。しかしこの表現では具体性に欠けるので、まちなかネットワークと中核施設としてのふるさと資料館をどう有機的につないでいくのかということをうたったほうがいいと思います。

(事務局)

ここは事務局で検討させていただきます。また会長とご相談して、基本構想の中身として膨らませたいと思います。

(会長)

ほかはございませんか。

(委員)

構想全体のことで、2部についてです。私は前回の検討委員会に出られなかったので議事録を読んだのですが、ふるさと資料館は国や府、市町村の指定文化財が展示できるような、博物館法に基づいた施設をつくるということで、意見が決したと受け止めました。強調されているのは博物館法に基づくということですが、ここから具体的にどういう施設なのかが全くイメージできないのです。博物館法に基づく施設ということだと、登録博物館か博物館相当施設となり、かなり本格的な博物館をつくることになります。この案をつくった事務局としては、博物館法に基づく施設というのを具体的にどうイメージしておられるのでしょうか。前にお聞きしたときにはそんなに大きなものをつくるつもりもなく、お金もかけられないということでした。例えば向日市文化資料館は、博物館法に基づく施設ではなく、いわゆる博物館類似施設です。しかしこちらのふるさと資料館が、どの程度の博物館を想定しているのかという、肝心のところが基本構想を読んでもよくわかりません。これを一般市民に見ていただいたときに、「博物館法に基づく施設」というのがどのようなものなのかという疑問が出てくると思います。

(事務局)

そのあたりは前回も議論していただきました。12ページ「3  既存施設の現状と課題」の、「しかも、市内の既存施設は、いずれも博物館法による博物館相当施設ではなく、防犯・防災や保存の対策も不十分で」という表現については、防犯・防災ができるような施設にしたい、という意味で用いています。

(委員)

ここの文章を読むと、現在ある市内の既存施設は、いずれも博物館法に基づく博物館相当施設ではないから重要な資料は展示できないので、博物館法に基づく登録博物館か博物館相当施設をつくるとしか読めません。登録博物館か博物館相当施設ということになれば、それはかなり具体的なイメージになってきます。今の段階で言うべきことではないかもしれませんが、管理者の問題もあります。最近は指定管理者制度の導入とも絡んで、博物館法に基づいた、いわゆるきちんとした博物館はあまりつくられていません。その中であえて博物館法に基づく博物館施設をつくるということであれば、長岡京市直営の形にするのか、あるいは指定管理者制度にするのかという点も、当然考えておかねばなりません。そのようなある程度具体的なイメージがないと、今後の基本計画はなかなかつくりにくいと思います。

(事務局)

このあたりは、まだ明確には決まっていません。今はとりあえず博物館法に基づくものにしたい、という程度でとどめておいて、そのくらいの意気込みをもって施設をつくりたいということです。

(委員)

今のは一番、核心のところです。つくろうとする博物館がどのようなものか、長岡京市の考えがなければ、今後、具体的な計画はできないと思います。また、どの程度の規模のものをつくるかによって、金額も大きく変わりますから、基本的なイメージというのはある程度持っておく必要があります。

(会長)

ありがとうございます。たしかに、具体的にどのような博物館をつくろうとしているのかということは、財政面の問題や場所の問題もありますから大事なことです。しかし具体的なことを言い出すときりがありませんので、この基本構想の場では、博物館法に基づく、と繰り返し言ってきておりますから、いちおう博物館法に基づく資料館をつくるということで、まとめておきたいと思います。

今後、より具体的なことについては、後日、基本計画の検討委員会で検討されますので、我々としてはここでおさめておきたいと思います。再度事務局で検討される部分がありますが、その案ができたら委員に送られます。そこでまた委員からご意見をたまわり、事務局にまとめていただくことになります。今日はこれで終わらせていただきます。

では、事務局から今後の日程について説明をお願いします。

 

<事務局より今後の日程について説明>

<会長あいさつ>

<副会長あいさつ>

 

(会長)

2年間にわたりありがとうございました。それではこれで解散とさせていただきます。

 

<閉会>