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第14回国史跡恵解山古墳保存・整備委員会会議録

  • ID:4024

日時

平成25年11月15日(金曜日)

場所

市立図書館3階生涯学習課講座室

出席者

委員

石湯俊子、小畑秀夫、佐藤兼司、高瀬要一、中尾芳治、中田晃一、中村修、奈佐保、増渕徹、宮本純二、山本茂喜

関係機関

文化庁文化財部記念物係文化財調査官、京都府教育委員会文化財保護課、乙訓教育局、公益財団法人長岡京市埋蔵文化財センター

事務局

生涯学習課 中尾課長、関主幹、岩﨑専門員、福家技師

公園緑地課 小山課長、向井係長、松永技師

キタイ設計株式会社

欠席

(委員) 都出比呂志、森良男、佐々谷明光

案件

  1. 第13回恵解山古墳保存・整備委員会以降の経過報告
  2. 第9・10回専門部会の報告
  3. 保存整備工事その2の進捗状況報告
  4. 保存整備工事に伴う調査成果報告
  5. サイン施設関係について

開会

(教育部長あいさつ)

皆様、本日はご参加いただきありがとうございます。今日の朝方は雨がしっかり降っていて、調査官の視察や午後の委員の皆さんの足取りを心配しておりましたが、調査官の現地視察の時間帯は小降りになり、視察いただくことができ、また午後からは晴れまして、皆様にご出席いただくことができました。ありがとうございます。ひと月前は、まだ夏の暑さが残っておりましたが、最近はかなり寒さが増してきました。ちょうど良い期間がほとんどなかったように思います。

長岡京市では、この10月から11月にかけて、いろいろなイベントが多い期間です。過日の11月10日の日曜日には、長岡京市あげて例年取り組んでおりますガラシャ祭りがありました。この日はあいにくの天候で、行列巡行が中止になりました。しかし、中央公民館や勝竜寺城公園付近の会場では、雨にもかかわらず多くの方にお越しいただき、お祭りを盛り上げていただきました。行列巡行は、この事業のメインイベントとして始まりましたが、昨年に続き、今年も完全に中止になり残念な思いをしましたが、地元商工会等などのご協力を得て、お祭りは盛況のうちに終えることが出来ました。

本日は、新バス路線運行開始のパンフレットを配布させていただいております。委員の皆様には、恵解山古墳への新たなアクセス手段が出来ることを、このパンフレットでいち早くお知らせしたいと思い、配布させていただきました。皆様ご存知のように、阪急西山天王山駅が12月21日に開業します。その日に合わせて、阪急バスと京阪バスが新路線として運行開始する計画になっております。ガラシャ祭りでも市民に配布しましたが、中央公民館北側の駐車場で明日開催されます環境フェアーでも、このパンフレットを配布することになっております。京阪淀駅と西山天王山駅、またJR長岡京駅を結ぶこの新路線を、市民に広く周知していただくことによって、恵解山古墳への新たなアクセスルートとしても活用していただけるものと期待しております。

さて、本日は、第14回国史跡恵解山古墳保存・整備委員会に足もとの悪い中にお集まりいただきまして、ありがとうございます。また、日頃は、本市の文化財保護行政に深いご理解とご協力をいただき、心からお礼申し上げます。ご承知のように、恵解山古墳の保存整備は、平成23年から整備事業に取り掛かり、造成により築造当時の姿が現れ、埴輪も一部に設置されてきており、迫力ある古墳の様子が感じられるようになってきました。あと1年、平成26年の秋に完成予定を目指して、日夜取り組んでいるところでございます。この場で、地元の久貝地区、勝竜寺地区の皆様方のご理解とご協力の賜物として順調に進めることが出来ているところでありまして、地元の皆様方に感謝したいと思います。

本日の委員会では、工事の進捗状況の報告と、工事に伴う埋蔵文化財調査成果報告、サイン関係に関連しての工事計画についてご報告させていただきます。とくに、施設として整備するためにも、解説板の具体案について、ご意見をいただきたく思います。本日の会議で皆様方のご意見をいただいて、墓地や学校グラウンドなど、多々ある条件の中で、開かれた史跡恵解山古墳の保存整備が実現できればと考えております。さらに、新バス路線による新たなアクセス方法が出来、西山天王山駅が開設されることにより、長岡京市の南部地域が大きく変わろうとしている状況であります。この恵解山古墳が、長岡京市南部地域の文化教育ゾーンの中核的施設として、国史跡の名に恥じない、長岡京市のシンボル的な史跡公園として公開できますように、これからも進めていきたいと考えております。皆様方からのご指導をいただきたいと思っております。どうかよろしくお願いいたします。

本日は、何点かの審議事項がございますので、よろしくご審議賜りますように、お願いいたします。

(調査官あいさつ)

日頃は文化財の保護行政につきまして、ご理解とご尽力賜っておりますことを、厚く御礼申し上げます。また、この委員会に置かれましては、先生方および委員の皆様方が、普段お忙しい中、このようにご出席いただき、様々な観点からご意見いただき、それにより事業を進められていることを、大変うれしく思い、感謝申し上げます。これからも引き続きましてご理解とご指導をお願い申し上げたいと思います。

本日、午前中に現地を案内していただき、見させていただきました。以前はかなり鬱蒼とした状況の中、また周濠部に土手があったりして、古墳の形などがなかなか分かりにくいような状況でした。本日案内していただきまして、埴輪も部分的には3段に並んできて、葺石のやがて復元される範囲も決まってきている様子でした。もう完成形がだいぶイメージできるようになってきたなとうれしく思いました。

整備事業にはなかなか難しい事柄がかなりありますが、整備すると本当に「やってよかったな」といろいろなところで実感をいただいているところです。皆様も、それを実感されてきているのではないかと思っています。あと1年、そして今、ちょうど佳境を向かえてきているなと思っているところです。引き続き皆様からのご尽力を賜りまして、この国の史跡がいい形で整備され、さらに地元の皆様からいい形で活用していただけたらと思います。これからも引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

(委員長あいさつ)

平成18年度の基本構想の策定から今まで、13回の整備委員会を開催し、専門部会を10回にわたって開催いたしました。その中で、恵解山古墳の整備をどのように具体化していくか、専門的な見地だけではなく、地元の勝竜寺と久貝の自治会の皆様や市民から公募された皆様から、広くご意見をうかがいまして、今日をむかえています。今回の第14回整備委員会で、長年やってきました検討会はこれで終わることになるかと思います。最後の機会でもございます。これまでいろいろ審議していただきましたなかで、いくつかの課題が残っております。それを今日、最終的に検討していく機会になるかと思います。

今日は、サイン計画その他が中心になるかと思いますが、屈託ないご意見をお願いいたします。

また、今日は文化庁から調査官が来てくださっています。文化庁には、この整備計画につきましては補助金を含めていろいろご協力とご指導いただき、感謝しております。本日現地をご視察いただいた感想も含めて、ご意見をいただきたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。

(1)第13回恵解山古墳保存・整備委員会以降の経過報告

(委員長)

それではただ今より、第14回国史跡恵解山古墳保存・整備委員会を開催いたします。

本日の案件については、手元に資料が配布されておりますように、5つの案件があります。それを順次、審議していきます。

まず、案件(1)の「第13回恵解山古墳保存・整備委員会以降の経過報告」について、事務局から説明をお願いいたします。

<事務局より報告>

(委員長)

ただ今の報告について、ご質問、ご意見はございますか。

(委員長)

ないようですので、次にいきます。

(2)第9・10回専門部会の報告

(委員長)

案件(2)の、「第9・10回専門部会の報告」をお願いします。

<事務局より報告>

(委員長)

恵解山古墳は、市街地に位置していることや、後円部にある現在の墓地や周濠部にある学校のサブグラウンドが古墳整備と共存していることなどから、墳丘の復元整備がいろいろ制約を受けていますので、いろいろ苦心して整備することになっています。その様子が、今のスライドで垣間見られたと思います。

ただ今の事務局からの報告について、何かございますか。

調査官におたずねします。全国の史跡整備に携わっておられて、恵解山古墳のような現在の施設と共存した整備例をご覧になって、何かご感想をお聞かせください。

(調査官)

整備の手法としては、部分的ではあるが本来的な形を示す例は、いろいろなところで取り組まれていますので、手法自体は珍しいものではありません。たとえば、葺石を復元する部分と植栽で保護する部分の境の部分を曲線にして、葺石復元の端辺を緑に溶け込ませて境目をごまかす手法は、今までに取り組まれた例はないと思います。そこの部分が実際に工事でどのように出来ていくのか、そのへんが面白い、ユニークなことですので、興味深く見させていただきました。

(委員長)

本来なら、各傾斜面は全面葺石で覆われているので、全面葺石で復元することになるのですが、それが難しいということで、大部分を植栽で覆い、前方部前面中央の階段の西側に部分的に復元することになりました。その境目を出来るだけ石張りからコクマザサの植栽に漸移的に見えるように整備しようという取り組みです。いろいろな提案や実験をふまえた中で、今のような計画になったのですが、後は維持管理の方法によると思います。

(委員)

墓地への参道から第1テラスへ降りる仮設スロープは、最終的にどのようになるのですか。

(事務局)

墓地参道から第1テラス面に降りる木製の仮設スロープは、将来的にも、仮設スロープとして、そのまま設置したままになります。

(委員)

分かりました。

葺石復元部分とコクマザサ植栽部分との境の処理について、実験結果をふまえて、葺石復元部分の西半部にコクマザサの苗ポットを一つずつ入れ込む工法でうまくいかなかったから、ある程度苗ポットをまとめて点々と配置する工法にしようということですが、これもうまくいかないのではないかと懸念しています。最初の計画のように、葺石部分と植栽部分の境目は直線的にして、葺石内への植え込みをなくす工法にしてもいいのではないかと思います。中途半端に生育の悪いコクマザサがブロック状になるようなら、かえって見栄えが悪いのではないかと思います。時間の問題もあるとは思いますが、どうでしょうか。

(委員長)

実際にどうなるかは、やってみないと分からない部分があります。しかし、その結果を見て、将来的にどのようにするかという問題が出てくる可能性はあります。

しかし、本来は葺石が覆っていたのを植栽の緑で覆う整備をしたという表現方法として、葺石復元部から漸移的に植栽へ移行させる手法を、可能性のある工法で苦心して施工するということです。

(委員)

現場で工事の担当の方や京都府文化財保護課・長岡京市事務局と、いろいろ相談しながら検討しましたが、私が思っているイメージにはできないということで、なかなか意見が通らず、葺石の端を波打たせて、葺石復元の西半部にブロック状にコクマザサをまとめ植えするような手法になりました。葺石復元部の端を植栽部分に溶け込ますような整備は、今までにやったことが無いことです。今までの部分的な葺石復元の整備例は、葺石復元範囲の端を直線的に止めて、突然植栽になるという方法です。これだとすごく不自然だと常々思っていました。そこで、この恵解山古墳で初めて、自然に溶け込むような整備をやろうということになりました。その意を汲んで設計変更していただいたのですが、この方法でうまくいくのか初めての試みなので不安はあります。まだ気に入らないところはありますが、直線的に葺石復元部を終わらせる方法よりは良いと思います。

(委員長)

葺石を植栽域に自然に溶け込むようにしたいという提案は、今までの委員会や専門部会での検討によって総意にもなっています。

(委員)

墓地との境目については、イヌマキの生垣になっていますが、イヌマキの生育は、植込みの間を埋める枝振りになりますか。墓地でしめやかな法事が行われていて、整備された古墳側では和やかに憩う人たちが過ごしている状況もありえると思います。このハレとケの境がイヌマキの生け垣でうまく分けられるのでしょうか。

(委員長)

イヌマキの植栽は、密植になっていますね。その株の間隔はどれだけ離れているのですか。

(公園緑地課)

イヌマキの植え込み間隔は、1mに2~3本、約50cm間隔になっています。将来的には枝が張り、隙間の無い生垣にすることが出来ます。

(委員)

イヌマキの高さは決まっていますか。

(公園緑地課)

刈り込みなどで、維持管理として調整できます。

(事務局)

高さは具体的な数値として決めておりませんが、下から見上げた時に墓石が見えず、墓地からは周囲が見下ろせる高さに調整していきたいと考えています。

(副委員長)

イヌマキの生垣については、2~3本ほど枯れているので、後で処置してほしいと思います。埴輪もきれいに並んできています。勝竜寺自治会としては、非常に喜んで、また楽しんで見させていただいています。

ただ、墓地にある木々が気がかりです。地元としては、墓地の木々に手をいれたいが、資金的な余裕がありません。今回の古墳整備で、少しでも協力していただければと思います。

今後の管理についてですが、地元としてどこまで出来るのか改めて調整していきたいと思います。また、8月の墓参りの時に区民総出で掃除をしています。生垣できれいに整備されていますが、墓地管理として掃除をする範囲と古墳の維持管理として掃除をされる範囲を調整し、境目については双方共同作業とする必要があると思います。市と調整して進めていきたいと考えています。

鉄製武器類埋納施設の付近の前方部墳頂の整備について、茶色い真砂土舗装がされて広場になっていますが、そこに憩いのベンチを置くとか、うまく有効利用してはどうでしょうか。あのままでは、何かいらぬものが運び込まれたりするのではないかという懸念があります。現地を見て、率直にそう思いました。

芝張りやコクマザサの植栽部分についてですが、植栽の終えている部分ではすでに草が生えてきているので、その管理方法についてお尋ねしたいと思います。

(委員)

私は、墓地管理委員会も担当しております。

古墳の整備については、絵に描かれた整備計画が現実になっていく様子を目の当たりにして、立派にきれいに仕上がってきており、勝竜寺地区住民のほとんどの人が喜んでおります。

イヌマキの生垣について議論されてきましたが、墓石が丸見えにならないようにお願いしておりましたところ、考慮していただく形になってきました。高さについては、人の背丈または1.5メートル程度に、景観を考えて管理していく必要があると思います。苗木が生育していけば、生垣に出来ると思いますが、数年かかることだと思います。墓地管理としては、希望通りの整備になっていると思います。

維持管理の面からは、整備された植栽が雑草に負けないか、懸念しています。

(委員長)

整備状況を見て、好感を持っていただいている方が多いように思います。一方で、皆さんの関心は、これからの維持管理に移っていると思います。特に今、整備された植栽の維持と雑草の処理の問題が取り上げられています。これについて、事務局の方針を聞かせてください。

(事務局)

植栽は2月に完成予定で、広い範囲で芝を張り、斜面地にはコクマザサを植栽します。現段階でも、植栽の中に雑草が根付きだしてきています。来年以後の完成後の整備については、基本は「恵解山古墳を愛する人」という組織を「会」に立ち上げ、サポーター制度というような形で協力していただくこともあるかと思います。また、長岡京市としては、シルバー人材センターに委託する計画を準備しています。ほぼ毎日詰めていただいて、ゴミや雑草の処理、また植栽の水やりなどをしていただきたいと考えています。夏場などについては、雑草の繁殖期にあたりますので、普段1名でお願いするところを3名体制でお願いする計画です。ただ、恵解山古墳に愛着を持っていただく観点からも、サポーター制度として協力していただけることに出来た場合、地元の方の協力も得ながら出来ればと考えております。それがどの程度まで実現していけるかというのが、今後の大きな課題と考えております。

(委員長)

どこの遺跡公園でもそうだと思いますが、整備は行政が担当してやるもので、後の維持管理も行政の責任だという意識がかなり強いと思います。大阪難波宮の整備にかかわってきましたが、町中にあるにもかかわらず、難波宮を大阪の文化財として大事にしていこうという住民意識が生まれてきません。雑草が生えてくれば、大阪市の責任で管理しろという苦情が寄せられます。それで、ガールスカウトなどのボランティアを募り、大阪城や難波宮跡の大切なことを説明して、ゴミ拾いや草刈りに協力してもらっている状況があります。地域の文化財が市民のものになるように、市民と協力しあいながら維持管理できるようにできればと思います。その際に、遺跡の大切さを解説することは、その遺跡の活用にもつながり、愛着もわいてくると思います。難しいところがあると思いますが、ぜひともそういう体制を整えてほしいと思います。

「恵解山古墳を愛する人」の活動は、今どのようになっていますか。

(事務局)

本日、お手元に「愛する人だより」最近号を配布させていただいております。このような「たより」を年2~3回発行しております。また、恵解山古墳関係古墳の見学会を毎年開いております。このような恵解山古墳に関係する勉強会をしておりますので、こういった方々にも、「会」として自立的活動を模索し、維持管理や活用の面でご協力・ご参加いただける内容を探っていきたいと考えております。

(委員)

私も「愛する人」に登録しています。約120名の登録者がおられるようです。その中で、積極的に参加しているメンバーのほとんどは、私も所属している「ふるさとガイドの会」のメンバーのようです。大多数の登録者は、積極的な活動参加はされていません。この組織をまとめて会として活動するのは、かなり難しいと思います。運営費用や活動内容を検討する必要があると思います。

与謝野町立古墳公園では、予算立てをした上で管理をNPOに委託すると聞きました。

(委員長)

維持管理については、これからいろいろな工夫が必要だと思います。ほかの遺跡公園などの維持管理なども参考にしながら、進めていただきたいと思います。

(委員)

維持管理についてですが、「愛する会」に協力していただける範囲は、限られてくると思います。草引きや植栽の水やりのほかゴミ拾いなどは、市民と協力しながらうまくやればできると思いますが、枯れた植栽の修復や崩れた墳丘形状の復旧などの維持管理は、全面的に市民に負担をかけることはできないと思います。軽微な修復で済むものとの線引きを明確にしておく必要があると思います。

(委員)

この整備委員会は整備が完成して終わりではなく、またその後の維持管理はすべて行政がやるというのではなく、形は変わるにしても、行政と市民や専門家が協議する場を維持することが必要だと思います。

行政側も、ボランティアに頼ってしまうのではなく、協力者や協力組織が手薄になっても維持管理できる経費や体制を整えておく必要があると思います。ボランティアに頼り切ることなく、やはり行政が主となって、理解者と協力しあいながら維持管理する体制を整えておく必要があると思います。

長岡京市には、ガラシャ祭りがありますので、恵解山古墳もその一環に加われば、その機会に維持管理の状況を点検し、また気になり出した部分を修復する機会にもなると思います。

(委員長)

長岡京市には、恵解山古墳だけでなくいろいろな文化財があります。文化財保護審議会でも、他の文化財についてもそのような意見が出てきます。それらについてもなかなか難しい所があると思います。

(委員)

墓地管理では、年1回、墓地およびその周辺の清掃と草引きをしています。今後の古墳の整備についての維持管理の面でボランティアやシルバー人材センターの作業内容との関係を調整する上でも、定期的でなく必要に応じてでも良いから、整備委員会のような話し合いの場を持つ必要があると、私も思います。

(委員長)

維持管理については、墓地の部分だけではなく、地域と関連する部分について、またボランティアやシルバー人材センター、活用面では「愛する人」や「ふるさとガイドの会」との関連事項など、関係各組織と手を繋いで、行政が音頭を取って、維持管理と活用をはかっていく必要があると思います。

何か良い例はありますか。

(委員)

昔のことですが、墓地があると申し訳ないが移設していただきたいとか、学校施設があると、グラウンドを移設していただきたいとお願いしてきました。そういう点からすると、今までの捉え方では、墓地やグラウンドを史跡内に残すことは弱点になるわけです。しかし、恵解山古墳では、これらと共存することを前提に、このような整備をすることになりました。その経緯から、これを弱点として捉えるのではなく、強みにするというように、発想を根本から変える必要があります。整備計画の当初は地元の意見として、墓地が周りから見えることへの懸念が非常に強く、周りを整備することに対して抵抗が大きかったのですが、周辺の竹や木が切り開かれ出すと、周辺がきれいになったのだから、繁りすぎている墓地の中に木々も整理してきれいにしてほしいと言う要望が出始めるようになってきました。環境が良くなるということは、両方ともよくなる。共存するからにはそれを目指す必要があります。両方きれいになると、そこを訪れる人たちもきれいにしようという気持ちになると思います。そういう地道な取り組みをそれぞれの立場から毎年続けていくことは一番大事なことです。長岡京市も、維持管理に必要な予算と人出は、十分考えながら工面して、必要な時には重点的に扱う考えのようです。実際にその取り組みがきちんと維持できて、その効果のあることが分かれば、周りにお住まいの小さなお子様がおられるご家庭や、小学校に通っておられる子供たちも、きれいにしないといけないということが伝わるはずです。まずはやってみることが大事だと思います。

(委員)

今先生がおっしゃったように、墓地関係者の機運が変わってきました。今まで誰も見られていない、鬱蒼とした墓地環境が、周りが開けてきれいに整備され、墓地が外から見えるようになると、墓地管理費で墓地をきれいに整理しようということになりました。だいぶ心境が変わってきました。

(委員)

今の話で、いいアイデアが出ていると思います。外からは墓石は見えないが、墓地内からは整備した古墳が見えるようにしたいと言った場合、イヌマキ生垣の高さ管理は、みんなの目線で調整することが出来ると思います。これも強みが一つ加わったと言えます。そういう視点で見ていけばよいと思います。地元の方や墓地管理委員会で気が付いたことがあれば、受ける方は大変だと思いますが市と相談し、その協議する機会を持ち続ける限りうまくいくと思います。

(委員長)

全国でいろいろな整備がされています。その中で古墳は文化財ではありますが、古墳時代の人々のお墓そのものです。これをきれいに整備すると、お墓というより文化財という意識の方が強くなるように思います。古墳に葬られている人の霊を慰めるという意識は希薄になりがちです。恵解山古墳の場合、まさに後円部に現代の墓地があり、供養されています。「恵解山古墳も墓なのです。」という意識を呼び起こす良い素材と言えますし、恵解山古墳の整備で現代の墓地と共存させた意義、強みと見ることが出来ると思います。これも大事なことだと思います。そう考えると、これから先も、両方とも大事にしたいという意識が芽生えてくると期待します。

京都府下にもいろいろな整備例があり、維持管理について苦心されていると思いますが、何か参考になることはありますか。

(京都府文化財保護課)

丹後の加悦町の古墳公園などは外部委託で管理しておられます。しかし、行政の財政に左右されるところがあり、年々経費が削減されていく例も聞いております。ここで検討されていますように、行政の予算立てとともに、地元の方々と協力しあいながら維持管理することが一番大事なことだと思います。

(副委員長)

今、古墳の西側にある民家が取り壊されておりますが、あれは古墳の整備と関係がありますか。

また、トイレとか駐車場のことについて、なにか提案や意見は出ていませんか。

(事務局)

個人の家の建て替えということで、史跡整備に関わることではありません。

(委員)

地元の委員から、今までの会議内容を引き継ぐ時に、専門的な難しい内容と聞いていましたが、今のところついていくことが出来ています。

史跡内の墓地は勝竜寺になりますが、周りの多くが久貝の宅地になっていますので、久貝の方々が利用することが多い所です。久貝自治会の組長会議(約70名の代表者で構成)では、整備完成後の維持管理について、いろいろな意見が出ています。たとえば、犬の散歩に関して、現在犬川沿いで犬の散歩でのふれあいで集まられていますが、恵解山古墳整備後にこちらに集まられるようにならないかという懸念があります。また、今までの恵解山古墳では、傾斜面を利用した滑り台遊びが盛んでした。復元された形状には、3つの傾斜面があり、今までの段ボールを敷いた格好の滑り台遊び場にならないかという懸念があります。さらに東屋の周辺で、爆竹などの花火遊びや集合場所にならないかという防犯上の懸念もあります。今までの竹林や樹木で鬱蒼としていた状況から明るく開け、また新たな施設配置などの環境変化に伴ういろいろな懸念が思い浮かんできます。

このほか、既存施設利用者や今後の公園利用者の駐車場についての懸念があります。特に、北西部の恵解山通りのカーブしているところは見通しが悪く、非常に危険です。公園の周辺部で一時的だからという安易な路上駐車が常態化することへの不安があります。こういったことへの対策は、どういう計画になっていますか。

古墳の南に農道がありますが、この農道を利用する農地はありません。ここをそのまま農道としておくことへの疑問があります。現状では、通学路としていますので、車での通行はしてほしくありません。農道の道路幅を狭くしてほしいと思います。

(事務局)

駐車場の問題については、苦慮しています。今回の古墳整備完成後も、検討しながら取り組んでいきたいと思います。今できる方法として、パンフレットなどで車を誘導する方法を考えています。

古墳南西部の里道については、今までは開渠のU字側溝でしたが、蓋をしましたので、その分幅が広くなりました。南東部の農道の幅については、道路の北側に沿う皿型側溝を新設し、農道西端部分には、農道の南にある整備地からの排水のために蓋付きの側溝を設置しました。その排水施設により道路幅が広く感じられます。

(委員)

社会人テニスサークルが使っておられるテニスコートの南端には、少しスペースがあると思いますが、そこは駐車場に使用できないのですか。

(事務局)

周濠部を含めて古墳の中に固定的な建物を建てるとか、景観的にふさわしくない施設を新たに設置することは良く無いと判断しております。既存施設はそのままに、古墳を復元するという方針で進めてきております。したがって、社会人テニスサークルが使っておられるテニスコートの南にある空地を恒常的な駐車場にすることは、今までになかった古墳復元にかかわらない新たな施設でもあり、またそこに車が駐車されていると古墳を見学するのにふさわしくない景観になると考えております。現在のように、テニスコートのあるグラウンド内の片隅に、来られた方の自転車やバイクを置いておられる程度であればいいと思います。

(委員)

恵解山古墳が整備されて見に来てくださいと啓発された最初は、たくさんの方が見に来られると思います。周辺には、サントリーや中山修一記念館、勝竜寺城公園などがあり、恵解山古墳がこれらに加わることになります。ハイキングや歩こう会の方も見学に立ち寄られることになると思います。また、車で見学に行こうという方も増えると思います。今まで以上に車での見学者が増える要素がある中で、古墳見学をアピールすれば、にわかに駐車場問題が持ち上がります。ですから、十分考えていただきたい。

(事務局)

付属施設を設置する場合は、周濠を含めた古墳範囲より外側にする必要があります。

(委員)

古墳の外側になる個所はどこになりますか。

(事務局)

テニスコート部分は、古墳の周濠の中になります。今回の整備範囲で、古墳の外側になる部分は、東屋を計画している部分は、周濠の外側、古墳より外になります。

(委員)

古墳の外側では、東屋は建てられても、駐車場にできる部分はないということですか。

(事務局)

東屋への入り口部分には、史跡管理用車両1台分の駐車スペースは確保しておりますが、それ以上の余地が取れません。

(委員)

なるほど、わかりました。

(委員長)

駐車場の問題は、非常に大事なことですので、この委員会でも何度か議題に上がって検討してきました。

(委員)

地元久貝自治会として、町内パトロールで、駐車禁止の警告プリントを張っています。そういう迷惑駐車に直面していますので、恵解山古墳に駐車場が設置できない理由を把握しておきたいと思ってお尋ねしました。

(委員)

駐車場を作ろうということになると、乗用車だけでなくバスでの見学にも対応できるものにするような要望が出てきて、際限なく広がっていくと思います。ですから、最初から駐車場はないので、できるだけ交通機関を使って見学に来てくださいということを周知して進めていくことが必要だと思います。100パーセント満足のいく施設というのは、非常に困難だと思います。

(事務局)

駐車場がないことを周知徹底させながら、見学利用を促すように心がけたいと思います。また、テニスコートやそれに付随する物置施設などは、史跡指定以前からの構造物として、現状のままとしています。新たに古墳復元に関係しない施設を設置することはありません。

(委員長)

今回の整備完成以後も、いろいろな問題に対して改善していくことは必要であると思います。トイレの問題では、地元の反対があり実現できなかったのですが、子供を含めた大勢の見学利用の場合、必要になってくると思います。かえって、地元からトイレの設置を要望する声が上がってくる可能性もあります。

(委員)

駐車場のことについては、警察の取り締まりにも限界があると思いますし、トイレのことも含めて、今後の課題として継続して検討することにしていただきたいと思います。長岡第八小学校や第三中学校のトイレを利用できないかの検討もしていただきたいと思います。

(委員)

トイレの件ですが、例えば弁当持参でピクニックのように家族連れで来られた場合、トイレの利用は中山修一記念館か勝竜寺城公園の施設を使ってくださいと言っても、かなわないことだと思います。今回の整備でトイレの設置がかなわないとしても、引き続き検討して、ぜひともかなえていただきたいと思います。

(委員)

トイレの問題は、子供だけではなく、高齢の方や団体での見学利用者にとっても、本当に切実な問題だと思います。駐車場に関しては、バスを利用されての団体を案内する場合、事前に駐車場がないことを打ち合わせをしています。勝竜寺城公園にも、大型バスが置けない状況もありますので、待ち合わせ時間を調節している現状があります。また、サントリービール工場の見学を組み込んで、そこに駐車了解を得てバスを止めている場合もあります。阪急西山天王山駅には、大型バスの駐車スペースを確保してほしいと思います。トイレと駐車場に関しては、引き続き検討していただき、実現していただきたいと思います。

(委員長)

来年度公開されるとすぐに、駐車場とトイレの件は、問題になってくると思います。事務局としても、いろいろな方法を検討してほしいと思います。

(3)保存整備工事その2の進捗状況報告

(4)保存整備工事に伴う調査成果報告

(5)サイン施設関係について

(委員長)

(3)保存整備工事その2の進捗状況報告、(4)保存整備工事に伴う調査成果報告、(5)サイン施設関係について、続けてお願いします。

<事務局より報告>

(委員長)

サイン施設についてですが、文化庁では、日本語以外に英語・中国語・韓国語で掲示しなさいという指導はないのですか。

(調査官)

必ずしもそういう方針を持って指導しているわけではありません。しかし昨今かなり国際化が進んでおりますし、特に古墳などは韓国にもあり、人の行き来もありますので、今回提示されているような形で表示していただくことは、よいことだと思います。ただし、あまり煩雑になるような場合は、かえってよくないと思います。説明板は説明板で大切ですが、印刷物を充実させて補うという方法もありますので、適時判断すればよいのではないかと思います。

(委員長)

事務局は、印刷物としてのパンフレットなどは計画されていますか。

(事務局)

来年度の予算に組み込んでおります。

(委員長)

パンフレットには、三カ国語での説明は計画されていますか。

(事務局)

三カ国語を前提にしながら検討しているところですが、全訳ではスペース的に無理だと思いますので、要約になると思います。大きさや形状については、A4版の三つ折りを考えております。このほかに、詳しいパンフレットも検討しております。

(委員長)

啓発用のパンフレットの置き場所としては、東屋しかないので、配布方法も難しいところがあると思います。また、長岡京市では、「ふるさと資料館構想」が検討されています。これとも関連させながら進めていく必要があると思っています。

サイン施設の具体案は、どのようなものですか。

(事務局)

事前配布資料の「第10回専門部会以後の変更点について」の一件綴じに示させていただいております。

1ページの表の1は墳頂部の検出位置に設置する鉄製武器類埋納施設の模型、2は前方部周濠南端中央部の西側に設置する恵解山古墳の墳丘模型、3はその東側に設置する乙訓の主要古墳を示した地形模型です。2の墳丘模型は、周濠部も含めた模型を計画しておりましたが、周濠外郭形状が不明確であることから、墳丘形状のみの復元模型に変更しております。3の地形模型は、3,000分の1地形を計画しておりましたが、模型規模の大きさを展示前面に立って1見できる大きさを考慮し、幅1m50cm、縦2m40cmに収めるために、4,000分の1に変更しております。地形の起伏は、平面1に対して起伏を1.5倍程度に誇張した表現を検討しております。この模型で、乙訓の古墳群の中での恵解山古墳の歴史的位置づけを説明する計画です。

表の4番は標識です。5・6番は標柱です。7番は史跡恵解山古墳の説明案内として具体例を示した説明板です。8番から18番は、それぞれの部分説明をした解説板です。

19番から21番は注意板で、墓地や保存竹林への立ち入りを規制するものです。22・23番は公園案内板です。24番は史跡名称板で、社会人テニスコートの西辺部にフェンスより高く設置するものです。25番は境界標で、石製の四角柱です。そのほか、史跡境界の屈曲点などの特徴的な個所に26番の境界プレートを設置することになります。それぞれの土台の形状や材質、版面の印刷手法や材質については、「構造図」に示しています。ここに提示させていただいている内容については、専門部会とそれ以後に専門部会委員と調整させていただき、ご了解をいただいております。

(委員)

照明灯の件について、あくまで明り取りのためのものでしょうか。防犯の要件を満たすものではありませんね。

(事務局)

照明については、あくまで足元を照らす機能としています。防犯灯として明るく照らすものではありません。設置理由は見学者が夕刻で遅くなった場合などに園路を誘導する足元灯として設置するものです。防犯カメラの設置も、現時点では考えておりません。

(委員)

照明時間帯は、暗くなってから午後10時までということですが、午後10時までは必要ないのではないでしょうか。夜遅くまでの場合、見学目的以外の人の集まりができる可能性が懸念されます。

(事務局)

午後10時は少し遅いかと思いますので、もう少し早い時間帯で消灯したいと思います。

(委員)

説明文の文面については、専門委員会で検討していただければよいと思います。標柱・標識には史跡恵解山古墳となっていますが、解説板などには国史跡恵解山古墳と表現されています。表現は統一したほうがよいと思います。

(事務局)

校正の段階で、他のものも含めて表現を統一する予定です。

(委員)

サイン施設解説板が多すぎると思いますが、どうでしょうか。

(事務局)

かなり数を減らしてきた中で、専門部会でも検討していただいき、現在の数になったという経緯があります。かなり絞り込んだ数量になっていると考えておりますので、ご理解いただきたいと思います。

(委員)

サインの解説板などに使われている写真の数がかなり多いと思います。特に古墳の概要の挿図にある写真は、多すぎてかえって煩雑になっていると思います。調査をされた内容を多く盛り込みたいという調査担当者の熱意は良く伝わりますが、すこし厳選して掲載したほうが見学者にとってはわかりやすいと思います。

(事務局)

ここに提示させていただいた図は、あくまでイメージとして既存データを仮にはめ込んだものですので、提示資料に掲載した使用写真のカットやイラストなどは、もう少し検討を加えて選別し、専門部会で検討いただいたうえで作成していきたいと考えています。

(委員)

現地の解説板などで説明しきれない部分などは、印刷物で補う方法を考えていただきたいと思います。

また、パンフレットについても、例えば向日市物集女車塚古墳の場合、パンフレットの形状が古墳の形にしたもので、英語版もあったと思います。このようなユニークな発想も参考になるかと思います。ほかの資料も参考にしながら作成に取り組んでいただきたいと思います。

(委員)

パンフレットや解説板にイメージキャラクターを使われると思います。ワークショップ作のキャラクターが提示されておりますが、これらは使っていかれるのですか。

(事務局)

ワークショップで作成していただいたキャラクターは使っていきたいと考えております。

(委員)

武人のキャラクターは、解説板や印刷物にはいいのですが、例えば着ぐるみで、いわゆるゆるキャラのように立体にはしにくいのではないかと思います。また、古墳の形をしたキャラクターは、個人の感性にもよるとは思いますが、あまり気に入りません。一般公募して盛り上げるとか、ほかに親しみやすいキャラクターを考えてもいいのではないかと思います。

(委員長)

ガイダンス施設が現地にあれば、いろいろな方法で詳しい情報発信ができるのですが、恵解山古墳にはそれがないので、できるだけ詳しいサイン施設する必要があります。

(委員)

解説板については、ほかに比べて小さいものですので、多くの情報を入れることができません。専門部会では、例えば、張り出し部分(造り出し)を復元した部分とか、葺石を復元した部分とか、説明すべきポイントを押さえて、要所要所で最小限に厳選した位置に設置するという方向性で検討しました。

標柱などについては、国が決めた設置基準があって、それに即した記載内容、形状、材質で作成することになります。設置基準にないサインについては、市の判断である程度自由に設置することができます。

ガイダンス施設が恵解山古墳にはないので、気さくな発想を取り入れながらわかりやすく面白く解説したハンディータイプの説明パンフレットを作成する必要があります。その配布手段として、恵解山古墳の現地だけではなく、中山修一記念館や勝竜寺城公園、市の観光案内所などに常設配布することも大事だと思います。

すべてを古墳のある現地で処理はできないと思います。

(委員長)

パンフレットは、公開時には配布されると思いますが、長岡京駅、長岡天神駅、西山天王山駅からの交通アクセス方法や経路を地図に示して、掲載する必要があると思います。

(調査官)

現地にパンフレットを置くところがないということですか。

(事務局)

西側導線の休憩所広場に東屋を設置しますので、そこに仮設的になるかと思いますが、自由に持ち帰っていただけるように置きたいと思っております。また観光案内所などにも置き、現地で対応できない部分をカバーしていきたいと考えております。

(委員)

副葬品埋納施設の展示は、原寸大で置かれる予定ですか。

(事務局)

埋納施設は、原寸大に引き伸ばした写真を陶板に焼き付けて展示する計画です。専門部会以後に調整させていただいて規模が変わったのは、埋納施設の両側に余白部分があったので、その部分を表現範囲から減らしたということです。

(委員)

これの維持管理は大変でしょうね。

(事務局)

立体展示ではなく、陶板に写真を焼き付けた平面的な作品ですので、立体模型よりは管理しやすいと思います。また、排水のために、見た目に違和感がないような形でわずかな傾斜を持たせています。

(委員長)

副葬品埋納施設の解説板はどのようになりますか。

(事務局)

文章だけを提示させていただいております。表現や内容はこれから詰めていく必要があると思いますが、挿図に掲載する予定の埋納状況復元図は、専門委員と調整中であります。

(委員長)

ほかになければ、これからの整備工事計画はどのようになりますか。

(事務局)

サイン関係については、もう一度精査し、契約をする予定です。年明けぐらいから作成を手掛け、来年の9月頃には現地に設置することになる予定です。

工事関係では、3月半ばぐらいまで盛土を中心とした工事が進められ、埴輪の設置や斜面地へのコクマザサ植栽、周濠部の平たん地の芝張りなど植栽関係もほぼ終了していくことになります。ただし、サイン施設設置位置については、設置時の工事になります。

サイン関係の設置工事については、古墳全体を安全柵で囲った中での工事になります。

(委員長)

サイン関係の具体的な中身については、専門部会で検討していくことにしてほしいと思います。

委員会について、事務局は今後どのように進めていく計画ですか。今回で最後になりますか。

(事務局)

平成25年度の開催は今回が最後になります。今回いただいた課題については、専門委員会で検討させていただきたいと思います。委員会の今後の予定については、サイン施設設置終了後、7月ごろに開催させていただきたいと思います。

また、工事が今のところ順調に進んでおりますので、来年の10月ごろに公開したいと考えております。竣工式は、来年の10月末頃に計画したいと思っております。その節については、皆様のご協力をいただいておりますので、ご案内をさせていただきたく思っております。

今日ご検討いただきました中の維持管理方法について、確定ではありませんが、竣工後の維持管理について、仮称ですが恵解山古墳保存委員会という名称で、皆さんにお集まりいただき、今後の保存活用について協議していただく組織が作っていければという構想を持っております。来年度は今の形になりますが、その次以降、または竣工した時期に反映させていきたいと思っております。

(委員長)

ほかに、何かありますか。

(委員)

竣工が10月ということですが、標識に、建設という表現になっているのはどういうことですか。

(事務局)

標識等設置基準規則に、建設という表現になっておりますので、表現を変えることができません。

(京都府文化財保護課)

標識に記載される内容は、古墳公園が竣工した時期という意味での記載ではなく、標識を建設した時期を示しているということでご理解いただきたいと思います。

(委員長)

ほかに何かありますか。

(調査官)

標識についてですが、その形状が墓石のように思われるのですが、デザインをもう少し工夫してもいいのではないかと思います。ただし、この形状に思い入れがあれば、それでいいとは思います。

(委員長)

だいぶ時間も超過してしまいました。ほかに何かございますか。無いようですので、これで第14回恵解山古墳保存・整備委員会を終わらせていただきます。皆さん長時間にわたりありがとうございました。

<終了>