平成28年度 第1回 図書館協議会会議録
- ID:6111
日時
平成28年7月1日(金曜日)午後2時分~4時10分
場所
図書館3階大会議室
出席
委員
肥後委員
上島委員
境田委員
藤山(善)委員
荻委員
夘滝委員
上野委員
小森委員
(委員名簿順)
事務局
山本教育長
高田教育部長
井木館長
大前係長
三谷総括主査
五十棲総括主査
欠席
藤山(仁)委員
大杉委員
傍聴者
無
案件
- 平成27年度図書館事業報告について
- 平成28年度図書館事業計画(案)について
- 「次世代の長岡京市立図書館の在り方について」(答申)・「図書館サービス推進計画」(骨子案)について
- その他
議事
1.開会
2.任命書交付
3.教育長挨拶
うんざりするような暑い季節となった。熊本では大地震があり、被災された方には心よりお見舞い申し上げるとともに、被災地の一刻も早い復旧をお祈りしたい。最近では、1時間に70~80ミリといった予期せぬ雨が降り、町の中で、内水氾濫といって、側溝の排水能力をはるかに超える雨量で浸水被害がでる。地球温暖化を防ぐために工夫が求められるところだが、自然災害が出るのは避けられない。防災、防ぐ、ではなく、災害に備える備災という発想の転換で、被害を最小限に抑えるというのが昨今の災害に対する考えである。
さて、図書館法は昭和25年の法律であり、図書館は一貫して本、読書を通じて、日本社会における文化の維持を目的としている。しかし法制定から約60年以上経つと、先ほどの気候の話と同じく、時代認識の中で文化観が変化してきている。文化も不易流行で、守るべきものは守り、新しく変えていかざるをえないものは変えることが求められる。変えるものの中で現在一番変わってきているのは、情報処理である。今の子どもたちはあふれる情報の中で生きている。上辺に流れる水のような情報をいかに捌くか、スピードはあるが中身がない情報の処理をしている。現代社会の病める部分であり、それを是正するには、やはり本、活字であると考える。基本的なことは本を読んで考える。頭にしっかり文字を刻む。小さいころからの食習慣、運動習慣と繋がる部分である。図書館の重要性は共通の認識である。しかし、図書館を運営する中で、本の購入費などを考えるとき、「次世代の長岡京市立図書館の在り方について」(答申)の中でも、図書館の事務事業のアウトソーシングについて挙げているが、限られた税財源の中で、運営を工夫していけないかという課題もある。
当市の財政規模は、平成27年度の一般会計決算では約300億円にのぼる。平成28年度の図書館予算では約1億1600万円で、図書館を運営することになる。その内860万円が図書費であるが、もう少し確保したいところである。図書館の職員にも色々工夫してもらっている。財政側と税の配分をすると、議論になる。どんな人が何人来館するのか、そもそも活字文化を否定するような話にもなるが、これには反対である。今年度、市では、ふるさと納税の対象の一つとして、学校図書の購入に充てることを発信している。図書、本を読むことを身に付ける文化は重要なことと位置付けている。委員の皆さんの真摯な意見を頂戴し、図書館活動の充実に努めていきたい。
4. 委員自己紹介
5. 事務局 紹介
6. 会長及び副会長の選出
会長 夘滝委員 副会長 上島委員 選出
7. 会長 挨拶
事務局より指名を受け、会長という重責を担うことになり、また、府立図書館長をされていた前小山会長には、長岡京市立図書館のことを含め、若い頃より色々伺っていた。これからしっかりやっていこうと思っている。教育長もお話しされていたが、図書館をめぐる環境には変化が求められている。どこの図書館でも財政や職員は大変厳しい状況である。そんな中で長岡京市の図書館が、市民にとってより良い活動をしていけるよう皆さんと協議してまいりたい。しっかりと館長の相談に応じ、また市民目線で意見を言えるようにしていきたいと思う。
8. 副会長 挨拶
長岡京市文庫連絡会の上島です。大役を仰せつかってどこまでできるかわからないが、皆様に教えていただいて、より良い図書館の運営にお手伝いできたらと思う。
9. 館内見学
事務局 傍聴者なし。資料の確認。これより夘滝会長に進行をお願いする。
10. 議題
(1) 平成27年度図書館事業報告について
事務局 年報より説明。昨年10月に新しい図書館システムを導入。貸出状況については、貸出冊数は、427,327冊で前年度比4.1%、16,927冊増、特に児童書が増えた。貸出者数は、162,733人で昨年度より7.1%、10,850人増。特に10月以降新システム導入後増加している。図書館資料数は、蔵書数は、251,520冊で、人口1人当たり3.12冊。第3次長岡京市総合計画の実施計画の目標値として平成27年度までに3.1冊をあげていたが達成した。予約受付件数は、1,608冊増の46,098冊となり、前年度比3.6%増となった。インターネット受付が伸びている。総合交流センターでの返却数は、27,125冊で、全体の6.3%バンビオで返却されている。相互貸借、各種行事、各種指標説明。
会長 報告について質問はあるか。
委員 新図書館システムとはどういうものか。
事務局 貸出・返却、蔵書管理をするシステム全体を、今まで使っていたものと違うメーカーのものに更新して入れ替えをした。利用者用館内OPACの画面が新しく変わったり、ホームページも更新した。ウエブ上に自分の本棚をもっていただくMy本棚や、自分で目標冊数を決めてその達成度が数字で表される読書マラソンなど新サービスなどを導入させてもらった。
会長 システムの名前は何か。
事務局 NEC LiCS-Re である。
会長 全国的に、貸出が減っている中で、どの項目も増えている。次に案件2について説明をお願いする。
(2)平成28年度図書館事業計画(案)について
事務局 平成28年度図書館事業計画、運営方針、資料収集の範囲、本年度の努力点、行事年間計画説明。
会長 何か意見などあるか。学校図書館や文庫の連携などあがっているが、その点についてはどうか。また、市民の利便性についても何かあればお願いしたい。
委員 司書個人としての意見なのか、学校側の意見か悩んでいる。
会長 ボランティアについてはどうか。
委員 小学校は、たくさんボランティアの方が入っている。長岡中学校は、3年前から開館支援、受け入れ作業、飾り付けのお手伝いをしてもらっている。中学校は、ボランティアのある学校とない学校がある。
委員 文庫連絡会は、各文庫主催者が、読書講演会や子ども読書の日記念行事のお手伝いをさせてもらっている。また、文庫主催者は、読み聞かせボランティア養成講座など図書館の多くの行事に関わらせてもらい、勉強させていただきお世話になっている。
会長 ほかになければ、次、案件3について要点をお願いする。
(3)「次世代の長岡京市立図書館の在り方について」(答申)・「図書館サービス推進計画」(骨子案)について
事務局 答申について説明。
会長 要点の説明から、質問や意見はあるか。
委員 窓口業務をされている方は、正規職員の方とパートの方がおられるのか。時間延長などの関係から、どの図書館でも必要な措置だと思う。利用するにあたって、不便は感じていない。基本的には、主体は市であるが、外注としてパートの方で補っているとの理解でよいか。
会長 外注ではなく、嘱託や臨時であっても、長岡京市直営の雇用である。指定管理など、外部に丸投げするなどして、議論がある図書館もある。今までの協議会で十分学習、議論されたと思うが、必要であれば私たちも勉強するといいかもしれない。
委員 答申の7ページに「図書費の増額を行うことが求められています」とあるが、図書費が低いと思うが、他の図書館と比べてどうなのか。また、増額する見込みはあるのか。
事務局 昨年度、図書購入費824万円ですが、この金額は減ってきている。今後の見通しも苦しいと思う。
会長 市民1人当たりはいくらになるのか。
事務局 102.4円である。
会長 答申の資料16ページに、同一人口規模の自治体の市民1人当たりの図書費が載っている。その中で、長岡京市の位置がわかる。
委員 これを見て、他市に比べても、低いと感じる。具体的にこんなに予算が削られ低かったら、何もできないのではないか。運営方針を色々聞くが、それを実現するのは、予算の裏付けがないとできない。
会長 同規模人口8万以上10万未満の図書館の1人当たりの図書費の平均は、222円である。全国市区立図書館の平均でも147円です。教育長もふれられていたが、この協議会でも図書費は少ないという見解である。
委員 新刊の本を申し込んでも、1ヶ月経っても2ヶ月経っても借りられない。1年以上待つ本もある。余談ですが、新刊は貸出期間を2週間を1週間にするなど何か方策をしないといけないのではないか。
会長 予約がどれくらい増えたら、複本を入れる等、基準はあるのか。
事務局 図書館としては色々な種類の本を揃えたいと思っているが、ベストセラーと言われる本については複本を入れている。予約が数件たまったからといって、複本を入れることは、他の本を入れられないことになるので、目安としては、20人以上予約が入れば、複本を入れることにして、上限3冊までと一定基準としている。他にご寄贈があることもあるので、それ以上所蔵することもある。
会長 利用者の声として、協議会でもそういった市民の声があるととらえておくことも大事かと思う。資料費は去年と比べてどうか。また、ここ数年はどうか。
事務局 ここ数年は、800万円程度である。
委員 寄贈を受けていることについて、市民の方は知っているのか。
事務局 館内に掲示したりホームページで呼びかけている。
委員 本気で寄贈を呼びかけたら、長岡京市はハイレベルなので、集まるのではないか。本が汚れていたりしたら寄贈を言い出しにくい面もあると思うが、私自身は寄贈してもよいと思っている。市民1人当たり約100円の図書費であるので、寄贈を積極的に呼びかけたらよいのではないか。
会長 寄贈を何でも受けるというのと、ベストセラーや新刊を受けるというのは少し違うと思う。要らない本を廃品回収に出すよりも図書館に引き取ってほしいという寄贈もある。そういうこともあるので、館内掲示やホームページ掲載等、館の説明のとおりの手法が良いと思う。
事務局 寄贈対象は、ベストセラーと地域資料をぜひお願いしたいと出している。
会長 基本的には、自治体がしっかり資料費をつけるという原則を押さえることが重要だと思う。
事務局 「図書館サービス推進計画」(案)説明。今年の10月施行予定。
会長 提案の説明で意見はあるか。
委員 ところどころに出てくる「ヤングアダルト」という表現だが、答申の時にも問題になったがイメージが悪い。この際に「中高生世代」と変えたので、「高齢者」などの表現と合わせて、推進計画の方も変えた方が良い。
会長 「学校図書館」や「学校図書室」等、図書館の方で用語の調整をお願いする。
事務局 推進計画は、7月に意見をいただき、8月に市民に対して、パブリックコメントに出したい。9月に第2回目の図書館協議会でまた意見をいただき、10月に施行と予定している。パブコメの段取りをするためには、7月中に修正を終えたいと考えている。
委員 単純作業をボランティアでできないか。善意でやってくれる人がいれば活用してもいいのではないか。また、気になっていることは、図書館は死角になっているところが多い。階段、エレベーターなど、構造的に仕方がないところもあるが、安全面で若干欠けているのではないかと思う。
事務局 監視カメラはついている。小学校は6画面だが、ここは18画面くらいある。この図書館の人手がかかる部分は、1階2階にカウンターがあるところで、入り口付近に共通のカウンターがあればというのは他でも声を聞いている。ボランティアの点でいえば、市民との協働というところで、本の修理や緑化を考えてはいるが、本の貸出は難しいと思う。返却された本の配架のボランティアは、他館でもしている。
会長 財政上の問題だけではなく、市民と行政がそれぞれ主体性を持った図書館運営、職員の専門性という視点が重要だと思う。図書館サポーターの制度、そういったこともこの項目の中に膨らませて入れてほしいという意見なので、事務局の方で考慮してほしい。危機管理も大切な課題となっている。
委員 中高生の利用については、大人のところを見たらいいのか。
事務局 答申の4ページ、年齢区分別貸出者数の表があるが、13歳~18歳のところをみていただくと、12歳までと19歳~39歳までとを比べると少ないことがわかる。
会長 これは人口の総数との割合であるが、それぞれの年齢層の人口別で比率を出すとまた違ってくると思う。人口の中で60代以上は多い。そういった分析もしてみてもいいのではないかと思う。どちらにせよ中高生の利用は少ないようだが。
(4)その他
会長 他に何かあるか。
事務局 本協議会は、年間3回の開催で、次回9月、3回目を3月にと考えている。
会長 特に何もないようなので、それで進めてもらうといいのではないか。本日の案件はすべて終わったので、閉会したいと思う。ありがとうございました。
11. 閉会