平成29年度 第2回 図書館協議会会議録
- ID:7312
日時
平成29年11月28日(火曜日)午後2時~3時45分
場所
図書館3階大会議室
出席
委員
夘滝会長
上島副会長
藤山(仁)委員
肥後委員
滝川委員
木村委員
藤山(善)委員
荻委員
上野委員
小森委員
(副会長以下 委員名簿順)
事務局
井木館長
池野係長
三谷総括主査
五十棲総括主査
欠席
無
傍聴者
無
案件
(1)学校図書館(室)との連携について
(2)長岡中学校図書館、視察
(3)その他
議事
1. 開会
2. 会長挨拶
今日は、お忙しい中、図書館協議会にご出席いただきありがとうございます。子どもたちが成長の過程で、楽しみながら本と出合うことは、心を豊かにし、自己の能力を伸ばし、社会に関する知識を知るためにとても大切なことだと言われている。1970年代に子どもと本を結び付ける運動が全国でまきおこった。このことも日本の公共図書館が大きく飛躍する要因の一つであり、私たちの長岡京市でも文庫活動が展開され現代にいたっているとのことである。
今日の議題は、学校図書館(室)との連携ということで、学校現場での取り組みからも学ばせていただき、公共図書館と学校図書館がしっかり連携して、子どもと本を繋げる市民の思いを更に進めていくことができたらと思う。委員の皆様には、何時ものように自由に、活発に考えをだして頂けたらと思う。どうぞよろしくお願いいたします。
3. 事務局 日程について説明。前半は議事(1)、(3)について協議、 後半は議事(2)長岡中学校図書館を視察予定。
4. 議題
(1) 学校図書館(室)との連携について
事務局 説明。学校と公立図書館との連携がなかなか難しい。学校は学校教育課が担当し、図書館は生涯学習であり、縦割りの中で横のつながりを設定するのが難しいと思う。そういった状況の中で、小中学校と公立図書館の連携の状況を説明する。
- 司書は、全小中学校に1校あたり一人配置。勤務時間は、週2回、12時間から15時間。業務内容は、図書室便り作成、夏の図書室解放、選書、本の整理など。学校に司書が入ってきて学校の図書室が変わった。展示など工夫をこらして子どもに興味を持たせたり、読みきかせなどで子どもの読書意欲の向上を図ったりしている。
- ふるさと納税で子どもたちに本を送ろうプロジェクト開催。小学校では、市の予算として、1校につき20万~35万円あるが、子どもたちに本を送る目的で、昨年度からふるさと納税を始められた。今年度は、目標額210万円で現在は163万円集まっている。昨年度は、目標の100万円を達成し、英語の本を各小学校に購入。
- 各小学校は生活科の中で市立図書館を見学。図書の貸出券を作り、貸出体験をしてもらう。また、図書館で長岡中学校の生徒が職場体験をしている。
- 市内の幼稚園、保育所、各小学校・中学校、高等学校、大学など団体貸出で、まとめて借りてもらっている。また、各地域の場所で文庫活動されている団体にも本の貸出をしている。
会長 今の説明の中で何か質問はあるか。
委員 小学校の貸出冊数の中で、第七小学校が多いのはなぜか。
事務局 本を借りても誰が本を運ぶのかが難しい状況である。団体貸出を利用しても運搬できる体制が整っていない。うまく運ぶ手段が整っている学校は借りてもらっている。
委員 司書の勤務時間が限られている。勤務中は、読み聞かせなど司書の仕事があり、学校をあけられない。学校の図書室の利用が多いほど動けない。勤務外で車やバイク、自転車で本を取りに行っている状態である。
委員 1校あたり一人の司書がいるということだが、週12時間から15時間というと、週2日出勤されていることになる。普通の先生のように、月曜日から金曜日までおられない。勤務時間は、校内の業務で終わってしまうのではないか。司書がいるからということで、特別に長岡京市がすぐれているわけではないと思う。他の市ではどうなのか。
事務局 乙訓管内はほぼ同じような状況である。
会長 長い間、学校図書館に司書がいなかった。必置義務ではないが学校図書館法が改正され、学校にも司書を置くようになってきた。京都府下でも司書のいる学校が増えている。長岡京市では、同じ人が複数校を兼務して担当していることもあるのか。
事務局 ない。
委員 学校司書は、図書便りを作るといっても、パソコンに向かう時間がない。お便り作りや本にフィルムをかけるなど自宅に持ち帰ってしている。
会長 第一歩として人(司書)が配置されたことはとても大きなこと。これから充実していくことを望む。
委員 資料の新聞記事について質問だが、学校図書室で実際の貸出などをしているのは図書ボランティアの方か。
委員 この新聞記事は、長岡中学校である。学校の図書委員(生徒)が本の貸出などを行い、その手伝いを保護者の図書ボランティアの方にしてもらっている。図書ボランティアが、本のブッカーかけや読み聞かせなどを行い、図書室の整備をしている。
事務局 図書ボランティアの方はすべての学校におられるとは聞いていないが、多くの学校で活動されていると聞いている。
委員 事前に、長岡第五小学校の図書室の状況を聞いてきた。第五小学校は児童が974名。図書館は、本が好きな児童が多く利用している。夏休みの図書室解放にも来てもらっている。PTAの文化委員会でも読み聞かせの取り組みをしたり、司書の方には図書だよりで定期的に本の紹介など、子どもの読書に興味を持つように、週2回であるが尽力してもらっている。ふるさと納税で、OBから本の寄贈を受け感謝していると聞いている。やすらぎスペースを先生や司書の方が工夫されていて子どもたちが本に触れる憩いの場として利用している。課題として、児童数が多いので、本を置くバランスと本に親しむ子どものスペースの確保が問題である。雨の日、外で遊ぶことができないので、図書室に来てもスペースがない。立って読んでる子どももいる。学校図書室と市立図書館との連携については、司書の方に聞いてきたが、図書館見学や職場体験学習、また授業に伴うテーマの本を事前に先生から要望を聞いて、市立図書館から本を貸出してもらって非常に助かっているとのことだった。今後ともよろしくお願いします。
会長 他に何かあるか。なければ、事務局から(3)について説明してほしい。
(3) その他
事務局 10月11日に文庫の方に参加してもらい、市長と“対話のわ”を行った。市長から、長岡京市の課題を共通の理解を持つため説明。その後参加者からの意見をもらった。例えば、未就園児を持つお母さまより、遠くに出られないので図書館まで行けないが近くの文庫を利用してもらっている話、子育てしている中で縦割り行政となっていて、市民活動と行政が話し合って進めていく場がほしいといった話、また図書館が民営化になったら大変だといった話が出た中で、市長からは、長岡京市の図書館がどういった図書館をめざすのかが一番大事なのではないかといった話があった。参加者より、図書の購入費が少ないなどご意見をいただき、最後に、行政の方と一緒にやっていると意識をもって市民活動をさせていただきたいという話で終了した。
新聞記事から、長岡京市立図書館が開館30周年行事を説明。
会長 特に何かあるか。
委員 前の会議でも申し上げたが、中学生まではこの図書館がとても配慮されていて感心しているが、高齢者の利用をどう考えていくのか。新聞を読んでいる人が多いが、利用の目配りを図書館として今後していってほしい。もう一点、会長に聞きたいが、地方議会には図書館をつくる義務があるのか。また、長岡京市ではどうか。
会長 義務はある。
事務局 長岡京市の場合、議会の図書室はある。小さな部屋に集約されていて、置いている資料は過去の資料である。
委員 関西に国立国会図書館ができた。先日国立国会図書館関西館に行って驚いた。国には国会図書館があり、地方議会には地方の図書館があるべきだと初めて知った。大津市は議員から質問を受けて、その資料が大津市の図書館になかった場合、近くにある龍谷大学で資料を集めていた。高齢者に対する対策に利用できないかと思った。このままでは、後期高齢者と縁のない図書館になる。年配の人が利用したり興味を持てるような図書館になってほしい。
会長 議会の図書室は各自治体に必ず設置しないといけないというしくみになっている。それが機能していることが大切。議会や議員が活動するときに、資料によってサポートすることがその役割である。それに公共図書館がどう関わっていくかも大切である。高齢者への図書館サービスは、国立国会図書館や大学図書館の協力も受けながら、公共図書館が主になって担うサービスである。
事務局 次回の日程調整。2/16金曜日。
(前半は終了。後半は、学校図書館の視察のため、移動)
(2) 長岡中学校図書館、視察
中学校 中学校ではビブリオバトルを開催しており、使用した図書紹介カードを市立図書館で展示してもらえないか。
事務局 図書館の掲示板に展示させてもらう。連携の一歩と考えている。
事務局 図書ボランティアとはどんな仕事をされているのか。
図書ボランティア 開館支援をしている。現在約30名ほどいる。昼休み、2~3名ずつが当番で開けたり、新聞を整理したり、子どもたちとお話している。午後からは、掲示物や飾りを作成している。保護者同士のコミュニケーションにもなるし、たくさんの本を知ることで子どもとのコミュニケーションにも役立っている。
委員 基本的には、昼休み、図書室は図書委員の生徒が開けるが、すぐには開けられない。司書は週2日しかいないし、毎日図書ボランティアの方に来て開けてもらうことで、生徒が待つストレスがない。昼休みいつ来ても開いているということは生徒にとって大変良いことである。また、ビンゴカードを作っていて、分類ごとに読むとビンゴを達成し、その景品として、ボランティアの方に、飛び出すカードやHPからダウンロードしたブックカバーを作ってもらっている。
委員 貸出数は。
中学校 年間5千冊である。
事務局 図書館は、塾通いなどで中学生の利用が少ない傾向があるが、学校図書室の読書推進活動はどういった取り組みをしているか。
中学校 全校をあげてビブリオバトルをしている。その前に本を読まなければならないので、その時の利用が多い。ビブリオバトルは担任の先生も一緒に参加している。
(校長先生所用のため途中から出席)
中学校長挨拶 本日は中学校を訪問いただき大変嬉しく思っている。日頃は、司書やボランティアの方のおかげで、充実した図書館運営をしてもらっている。去年、貸出冊数が5千冊を超え、これは非常に多い利用である。また図書館だよりを見ていると、「テスト中でも来ている」といった生徒のコメントがあり嬉しく思っている。
事務局 ふるさと納税で本を購入されているが、本の予算はどうなっているか。
中学校 昨年度、27万円だったものが、今年18万円に減っている。なぜかと思っている。
ふるさと納税をもらって、なお同じ予算をもらえるといいと思う。また、本を入札で購入するせいか、リストアップしてから納品までの時間がかかる。何ヶ月も待たなければならない。
委員 自治会や老人会も同じ。申請からお金がおりるまで半年くらいかかっている。
委員 ビブリオカードは学校で書くのか。
中学校 学校でも時間をとるが、これは夏休みの宿題である。紹介方法は、1年生は本を使って、2年生はカードを使って、3年生はカードと本式のルールで5分間のスピーチをするなど学年毎の段階を追って紹介している。
委員 ここにおいてある本は子ども向けか。
中学校 小学校5・6年生向け~高校生向けくらいの本を置いている。大人の本は大人になってから読む方がおもしろい。中学校1年生と3年生では読む幅が違う。
事務局 ボランティアの募集はどのようにされているか。
中学校 始業式早々に、学校からボランティア募集のお手紙を出している。
委員 中学校の図書室をみせてもらうのは初めてだが、きれいにされていると思った。蔵書も多い。こじんまりした小学校の図書室と違い、部屋が広いと思う。小学校は1年から六年生まで対象で、絵本から揃えているので、置いている本の内容も違う。ボランティアの方に、週1~2回自分の子どものクラスに読み聞かせに入ってもらっていたり、司書の先生にもクラスに読み聞かせに入ってもらい、その時に必ず本を1冊は借りるようにしている。ビブリオバトルは興味深いが、小学校では少し難しいと思う。ビブリオカードを見ていると、カラフルなカードやインパクトのある書名など、自分が読んだことがない本など目にいくので、そういったところは小学校でも活用できるのではないかと思う。ビブリオバトルなどいろいろな取り組みに感服した。
事務局 新聞の利用はあるか。
委員 閉じておいたままではなかなか見ないが、机の上に広げておいて興味をひくようにすると、見ている子もいた。また見出しなど、新聞を作るためのレイアウトの参考にしていた。
委員 司書の活動日数を増やしてほしいと思った。
事務局 それでは時間となったので、終わりにしたいと思う。本日はありがとうございました。