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第2回(仮称)自治振興条例検討委員会 議事録

  • ID:11324

開催概要

日時 令和3年12月1日(水)午後6時30分~8時30分

場所 長岡京市立産業文化会館1階大会議室

出席者

(敬称略)

  • 委員 10名 福嶋浩彦、中田華寿子、長谷 忍、山下忠史、福増久美子、山本 治、植田利江子、藤野勝弘、西垣 亮、五島圭子
  • 市事務局 自治振興室 藤田室長、田邉室長補佐、赤松主査、今北主事
  • 構想日本 石渡、平山

欠席者

(敬称略)

  • 委員 1名  田中昭美

主な論点

  1. 自分ごと化会議から提出された提案書について
    4つの班で共通する問題は、地域コミュニティの弱体化。
  2. 今回の条例の位置付けについて
    理念や枠組みを考えていく。自治会などの人と人とのつながりの必要性と、それを保つために市民や地域活動団体が行政とどう協力・連携していくかが重要。
  3. 条例を検討するうえでのヒント
    ① 地域の人との繋がりについて、普段から顔が見えて話せる関係性が大事。しかし、そのような場がない。そこに行けば話ができるという場や、グループ同士の交流ができる場を色々なところにつくり、拡げていくことが大事。この場づくりや情報発信などについて考えていく。
    ② 地域の活動をしている方と、テーマで活動している方が出会わなくなってきている?自治会にスペシャリストがいても、自治会はそこにいることを知らない。出会いの場が必要である。
    ③ 規模の小さい自治会は、担い手の負担が大きいため、行政の補助を手厚くしてはという意見を基に、「規模の小さい自治会をより手厚くする」という考え方の方向性について考えていく。

次回について

  1. 条例について、事務局で作成する条例骨子案を「たたき台」として具体的に議論する。
  2. 現在の長岡京市における市と市民等との体制について確認する。

◆内容

開会

福嶋会長) 自分ごと化会議の議論の結果、提案書が提出された。自分ごと化会議と条例検討委員会がキャッチボールをしていく。条例検討委員会からもいいボールを投げ返したい。

要綱により、本委員会は公開することとなっているが、本日市民の傍聴はなし。市職員が2名傍聴。 

議事

(1)条例検討委員会の今後の進め方の説明

  • 構想日本より、条例検討委員会の今後の進め方の説明。

 

福嶋会長) 条例の骨子と素案との違いは?

構想日本) 骨子は条例に何を盛り込むか、項目とその概要。素案は条文まで書いたほぼ完成形となる。

福嶋会長) 骨子は何を載せるのかというイメージで、条例検討委員会では素案までを作る。議会に提出されるのは条例案となり市長が作成・提出する。

 

(2)自分ごと化会議の「提案書」の説明と意見交換

  • 構想日本より、自分ごと化会議の「提案書」の説明。

 

構想日本) 自分ごと化会議の目的は条例をつくるにあたり検討材料を得るため。第1章にまちづくりの担い手たちの連携とその課題・解決策について書いている。第2章は協力・連携の課題を議論する中で地域コミュニティの弱体化が多く議論されたため、ピックアップして記載。第3章は、第4章に掲載している会議の中で出てきた各課題と解決策について、それぞれの担い手がどうすればよいかというものを横ぐしにまとめて整理した。

福嶋会長) この委員会の議論に直接関係するのは第1章。しかし1章だけではなく、その背景となる2章以下の議論があってのこと。自由に気づいたこと思ったこと意見を出してもらいたい。今日はフリー討論の気持ちで。

長谷副会長) (自分ごと化会議の異なるテーマの)4つの班で共通する問題点として、コミュニティの弱体化。ここが今回の条例制定の肝になると理解している。どうすれば弱体化を防げるのか。なぜ弱体化しているのか。共助にかかわる自治会や地域コミュニティ協議会、市民活動団体の方から、それぞれの専門の立場からなぜこうなったのか、解決策はあるのかについて議論していきたい。行政と結びつけるにはどういった手立てが必要なのかを時間をかけて議論するべきではないかと考えている。

福嶋会長) 自主防災組織から出ていただいている植田さんはどうですか。

植田委員) 長谷さんと一緒に活動することも多く同じようなことを感じていた。子ども会が終わると、中学生・高校生は自治会の行事に参加してもらえない。防災訓練も中高生に参加してもらえれば活気が出てくると思っている。子ども会が終わった後、中高生たちが結婚して自治会員として独立するまでの間が空いている。その間を埋める青年会のような組織があれば横のつながりが続くのではと思う。

福嶋会長) 自分ごと化会議で出された課題と解決策で紹介できるものはありますか?

構想日本) 少子高齢化で、次に引き継ぐことが難しい、担い手がいない。また一生懸命されている活動の内容が知られていない。それを地域住民に知ってもらうための場づくりが必要という意見があった。

福嶋会長) 解決方法としての場づくり。植田委員も場づくりについて問題提起されていたが、そのあたりはいかがですか。

長谷副会長) 自治会に関するテーマとして、担い手がいない、活動内容が分からない、そもそも長岡京市で生まれ育った人でも自治会について知らないという人もいた。従事している身としては非常にショックだが、若年層から複数こういったご意見を(自分ごと化会議で)聞いた。結局、自治について、自治会や地域コミュニティ協議会などの団体、社会関係資本、いろいろなところとの協働についての効果や意義を知らないし、勉強をする機会がない。一番の問題は教育だと思う。年少時から継続して伝えないと、社会人になったからと勝手に知るものではないなと。地方自治に自治会が必要だということは伝わらない。ただ、条例の条文の中でどう表現するのかは難しいが。

福嶋会長) 今回の条例にどう位置付けるかという話になると、場づくりや情報発信などと、行政との関係を考えていくというのがこの場の議論となる。一次的に言えば自治会の話は自治会が、地域が自分たちでやるのが基本。そのときに、自治会や団体が行政に何を求めるか、関係をどう考えていくかについて、頭を悩ませないといけない。検討委員会にも自治会に入っていないという委員もいるし、自治会の必要性を感じていない委員もおられた。自治会について、市がどこまでメッセージを出せるのか。

長谷副会長) 自治会は今の時代に本当に必要なのかについて、自治会は明確に意見表明しないといけないのではないか。私自身約7年間役員をしているが本当に今の時代に必要なのだろうかと考えることもある。地域性もあるが、長岡京市という都市において、自治会活動が真に必要なのか。疑問に感じることもあった。自治会の存在理由についてそれぞれの思いやご意見を聞きたい。

福嶋会長) 条例の整理をしておくと、(仮称)自治振興条例というのは、地域の住民の自治組織を振興していくイメージもあったが、第1回を経て行政と市民・事業者・自治会などが連携して協力しながらまちづくりを行う基本的な考え方を示すものとなった。その中で自治会をどう位置付けるかということ。

山下委員) 地域コミュニティ協議会の会長をしており、自治会長の経験もある。30代からずっと何かしらの役をやっている。今は寺関係もやっているし、遺族会や子供会なども関わってきた。テーマから外れるかもしれないが、コミュニティ組織の必要性については、必要性があったからできたはず。今活性化しているか衰退しているかというと、小学校の150周年の準備をしている。一生懸命やってくれる人は60代後半から70代の方。本当は30~40代の若い方にも手伝ってほしい。PTA役員は抽選で1年交代。言えば言うほど出てこられなくならから、勘案しながら声をかけている。それでも積極的に来てくれる人もいる。ただ、仕事で忙しくされている。なかなか話がすすまない。しかし期日が決まっている事業もある。(新型コロナのこともあり)従来通りが無理だということは認識しているが、話をしないとすすまない。役員をやる人が溢れていた時代もあった。我も我もという状況。他の地域から来た人から「地域がこんな活発に活動されているのは珍しい」と驚かれることもあった。長岡京市の方はたくさん活動されている。校区で運動会をしていたが、小さい町内だと全員でないといけない。打ち上げのときも下から上までみんな大勢集まっていた。昨日今日引っ越してきた人でも一緒になって活動していた。その頃は自治会の組織率は問題にならなかった。条例を作って違う側面から活性化をしようとされているのにできるだけ協力したいと思うが、今は(小学校の周年事業で)ドローンで学校の写真を撮ろうとしても地域から家が写ると困るなど言われ、子どもの集合写真を撮ろうとしても、写さないでくれと言われる。個人と地域というのが難しい。イベントにしても熱中症になるからやめろと言われることもある。対策しながら開催していたが、そういうことも含めて地域コミュニティについて条例を作らなければいけないような状況なのかなと。提案書どうやってまとめるのか。

福嶋会長) 条例に「自治会は大切です」などと書いたから問題が解決するわけではない。かつては働いている現役世代も参加していた。運動会がなくなったのもそういう変化からなくなったのかなと。時代の変化を無視していい方向に行くわけではない。何を変えていけばいいのか。現役世代ということで企業から来られている藤野委員からご意見を。

藤野委員) 提案書の第3章で、担い手ごとに横ぐしでまとめられた部分に「民間」がある。民間企業もいまCSRやSDGsに力を入れている。自分ごと化会議の中で担い手としての民間企業への意見がもう少し出るのかなと思っていた。これ以降の自分ごと化会議でまた意見を出していただけたら。自治会の必要性について、自治の手段としては必要だと思うが、さまざまな要因を昔に戻すのは無理。それを前提にして考えていく必要がある。

福嶋会長) 事業者がまちづくりの中でどうしていくのかが議論として弱かったなという指摘かなと。

藤野委員) 「特になし」というものが多い。市内にある企業で、高齢者への場の提供をされているところもある。もう少し企業への働きかけをしてもいいのかなと。

福嶋会長) 企業として、社員として、会社の活動で地域のことを知ると意識は変わるか?

藤野委員) 私自身は自治会にはずっと入っている。属人的になるのでそれが直接結びつくかはわからないが、マイナスにはならないのでは。

福嶋会長) もうひとり、企業の立場から中田委員。

中田委員) みなさんの話を伺って、民間企業に勤めていたのでマーケティングをしていた。「巻き込む力」という観点が自治会でも大事かなと。皆さんほんとに忙しいので、一人の人間の時間の取り合い。貴重な時間を自治会に割きたいと若い人に思ってもらえるか。いくつか観点があって、具体的な課題を「協力して解決できる」という実感。災害などを乗り越えられたよね、という経験。あとは、わくわくを感じることができれば限られた時間でも時間を割いてもらえる。場づくりなどの体験で、「自分の家族のために」「自分のコミュニティのために」と思ってもらえるために、マーケティング的な要素も取り入れていいのではないか。

福嶋会長) 自治会とはまた違う、地区での活動をされている立場から、山本委員。

山本委員) 自治会に関して、私の地域は自治会がないが、不自由は感じていない。行政からの情報はまかなっていける。コミュニティの弱体化について、地域コミュニティ協議会の取り組みが一般に知られていないのが悲しい。協議会の役員が従来からいる地元の方に限られている。そういった方でずっと運営されている。新しい方が入る余地がなく、へだたりがある。うちの地区は特にそういったところを気にしている。

福嶋会長) 不便になる可能性としては何がある?ごみとか、自治会を通してのお知らせとか…。自治会を通しての情報伝達は自治体によって差がある。長岡京市は、自治会に入っていないと情報が入ってこないということはない?

市事務局) そうではない。

福嶋会長) 福増委員は民生委員として地域に密着されている。

福増委員) 民生委員をしている。自治会から推薦されて民生委員になるので、自治会とも密に連携をとる。未組織のところもあるが、自治会は必要。あるからどう、ではなく、最小限の人とのつながりだと思う。何もなくても、そこにおれば見守ってくれるものが自治会なのではないか。しかし民生委員はさらに小さなコミュニティを大事にしている。普段から顔の見える、話せるコミュニティがだんだん大きくなって自治会になるのではないか。それぞれ委員と地域との声かけ、顔の見える関係を大切にしている。企業の方から場を提供していると聞いたが、なかなか集まる場所がない。高齢者は遠くに行けないので近くで集まりたい。公園でというわけにもいかない。そういった場があれば小さなコミュニティがいろいろなところでできてくる。お年寄りが集まれば、元気な方が「いっしょに少しお手伝いしようか」とだんだん広がっていくのではないか。行政に作ってほしいのは場づくり。空き家を利用しているところもあるが、なかなか民生委員では入り込めない部分もあるので、行政に積極的に場をつくっていただいて、そこに行けば話ができるという場所がいろんなところにできれば広がっていってグループ同士の交流ができる。近くで、そういった場所がほしい。

福嶋会長) 行政との連携のヒントになる話。自治会がいる、いらないについてここで決めるわけではない。理念や枠組みを考えていく条例である。

福増委員) やはり自治会がある地域と未組織地域では、活動で回っていてもまちの雰囲気も違う。なんとなくであり、いい悪いではないが。

福嶋会長) 市民公募委員の方も。

西垣委員) 自治会は市に60弱ある。世帯数が50世帯だったり1200世帯だったりとさまざま。自治会どうのこうのよりも、行政とどう協働していくか。長谷副会長や山下委員はずっと地域の活動をされていて、担い手がいないと。しかし長岡京市に新しく入ってくる方が増え、その方々はわからないことも多いと思う。ずっとおられる方はいろんなことをご存知。「知らないのか」と言われることもある。しかし知らないのが当たり前。市内の自治会の規模もさまざまで同じように活動はできない。だから、検討委員会で4項目についてどう落とし込んでいくのかではないか。民間もある程度巻き込んでいけたら。銀行は必ず協力してくれる。金融機関も巻き込んだ方がいい。金銭的な助成も含めて考えていければと。

福嶋会長) 4項目とは1章の4項目?

西垣委員) そう。自分ごと化会議を巻き込むということなので。自主防災や高齢者、子育てなどがあっての話かなと。

福嶋会長) 単に自治会が大変だから行政が支援するということではなく、行政と市民や自治会がどう連携していくか、連携の一つとして行政は自治会へこういう応援をするよ、ということを条例に落とし込んでいくというのがこの会議。

五島委員) 弱体化について、以前住んでいた地域は自治会がしっかりしていた。集合住宅であったが立ち上げて、自治会館を建てるまでになった。今住んでいるところは小さい地域だが自治会はある。年間行事は地蔵盆だけだが。昔、大きい自治会に入り、会費を払っていたが、会議しようと自治会館を使おうとした際に使えないといわれて抜けたらしい。何のために自治会費を払っていたのかとやめたそうだ。市のお知らせなどもこなかったと。自治会として溝掃除や公園掃除などしている。自治会が弱体化して高齢化しているが、若く転入してきた新しい人を拒否してきた部分もあるのではないか。自分たちのコミュニティでやってきたからと、たとえば新しい団地ができたときに「自治会入らせてください」と言われて「どうぞ」と入会させても、「でも何も貸しません」「使わせません」と。そういった話をいくつか聞いている。新しく建ったアパートは回覧板などを別にされるなど。新しい方は新しい方でしてくださいと。そういう風潮が30年くらいあって、その結果が高齢化であり担い手不足では。新しく入ってきた人はその印象があるので。なかなか人間関係として難しいところがあったようだ。

長谷副会長) 自分の地域も、そういったことがあった。できた当初、弱小自治会なので自己資金で自治会館を建てることができないので、別の自治会館をお借りしていたが、ある日突然使うなと言われたと。自治会それぞれに長い歴史がある。いわゆる、昔から自治会組織的な村会であるような村の中心に組織的なものがあったところの「村落組織の継承型自治会」が市には18ある。組織も大きい。そこから分離・独立した自治会も2つある。集合住宅の「管理組合型自治会」が5つ。一番多いのは「新組織型」で32。自分の地域もこちら。新組織型自治会は長岡京市の発展とともに生まれてきた自治会。おおよそが昭和40年代に入ってからできあがったもの。来年長法寺小学校は150周年、2年後神足小学校も150周年。そこから3番目の長岡第三小学校ができたのは95年後。そこから毎年のように小学校ができ、第十小学校までできた。これが長岡京市の発展の歴史。村落組織継承型自治会は歴史が古い。寺・講を中心にした集まりなど、自治会以外で地域の人が結びつく組織体がいくつもある。しかし、新組織型は自治会組織しかない。地域住民が寄り集まって連携する組織がない。あっても自主防災会や子供会。また、村落組織継承型自治会は自治会として資産を持っている。歴史が違い、古老がおられる地域もあれば新米が自治会長をしているところも。数十人から数千人まで、自治会のスケールもまちまち。同じ目線で市から同じ施策を打てるかというと難しい。そこも踏まえた条例でないと実効性は薄い。市長は第1回会議で理念条例だと言っていた。難しいテーマではあるが、どうすればうまく地域がそれぞれ仲良くとはいかなくとも、行政・ほかの組織とのどういう協働がいいのかというのを考えていきたい。

福嶋会長) 自治会もさまざま。どちらがいいというものではない。それぞれの地域を尊重しあいながらやっていくことを前提としつつ、行政とどう連携すれば課題が解決されるかについて、意見をいただきたい。

山下委員) 難しい。長谷副会長の言っていたことがすべてでは。歴史なり実態なりがさまざまで、理念で決めてもらえればいいのでは。これで何かをするのは大変難しい。

福嶋会長) おそらく自治会は自治会で課題を抱えて力を発揮できなくなっているし、行政は行政で、長岡京市は弱体化した行政ではないが人口が減り、税収が減り、サービスも同じようには提供できないだろうという課題を抱える。どちらも今まで通りではいかない。

山下委員) 事件が起これば集まる人も。住民の方なんでもご存じで、そのうえで参加されていないと思う。校区でも入会率は60%いかない。力の入っていない、入っているという区別をつけても意味がない。みんなを巻き込んでいくのはどうするか。民間のそういう手法を使いながら。ただ、地域にはスペシャリストがいっぱいいる。いろんなことをされてきた方がたくさんいる。

福嶋会長) 地域の活動をやられている方と、テーマで活動している方が出会わなくなってきているのではないか。自治会にスペシャリストがいても、自治会はそこにいることを知らない。「こんなことに知識がある人が自治会と関わったらもっと面白くなる」と思う自治会と、「地域と結びつきたい」と思っているテーマ型の団体が出会う場があると両者にとってプラスをつくる。行政だのみではなく、出会いの場を行政と連携して作るのもいいのではと思った。

山下委員) 長岡京市はいろんな活動をしている方がいるのでうらやましい人がたくさんいる。取り入れたいと思うが、それには手間も時間もいる。自治会の真ん中に据えてそれを行うと活性化する。しかしコロナで会う機会がなくなっている。

福嶋会長) 我孫子市の例で、地域のコミュニティセンター運営のために地域の自治会代表とテーマ型のNPO両方で運営委員会を作った。運営は自治会だけでもなく、NPOだけでもなく、両方で運営してくださいとしたら、両者が出会うようになり、お互い力になった。市がうまくかかわることで場ができるということはあるのかなと。

もうひとつ、自分ごと化会議で、地域コミュニティ協議会について自治会との関係性などよくわからない、という意見が多かった。課題などはどうか。

山下委員) 未組織の人も地域コミュニティ協議会という場に引き入れるということが行政の目的でもあったのだと思うが、自治会がコミュニティ協議会の行事を自分の行事にしてしまう。昔、自治会長会で三重県のコミュニティセンターを視察した。総合型地域スポーツクラブも地域コミュニティ協議会も学校の教室の一部を使って今常駐のコーディネーターがいるが、ちょっと。校区に数千人もいるなかで、コミュニティセンターを作ってもいいのでは。行政がどこまで力を入れるのか。そこが中途半端だと、地域コミュニティ協議会なんか作って何をするんだと言う人もいる。色々な団体を作るが作った後はほったらかしだと感じている。

福嶋会長) 地域コミュニティ協議会の方向性についても大きなテーマだと感じる。地域の自治会などを中心とした議論になっているが、そのほか何かあるか。

五島委員) 地域コミュニティ協議会できてきたが、活発に活動しているのが一部のコミュニティという印象。昔から住んでおられる方の意見が多いのでは。一つは、マンションに住んでいる方をどうするか。これからまだ市内にマンションは増えていく。分譲であれ賃貸であれ、マンションごとの自治会までいかない、町内会くらいでもいいが、住民の方の人数や家族の把握、入会を強制はできないが、入っていることで行事への参加ができる。行事ができることで、一緒に子どもさんも参加できますよ、と小さなことからの積み重ねで。参加のハードルを低くするにはどう積み上げていったらいいのかなと考えている。

福嶋会長) 管理組合が自治会を兼ねる?

長谷副会長) 管理組合はマンションの建物の管理で別物だが、自治会費を管理組合が徴収代行しているところが多い。

福嶋会長) ずっと聞いていて、当たり前だが、やはり自治会は住民自身の課題であり、行政にどうしてくれという話が中心にはならないなと。場づくりなどは行政と一緒にできることもあるが。自治会をテーマに徹底議論しようと無作為でもう一度集まってもらって自治会のワンテーマできいてみたらいろいろなことが出てくるかなと。無作為でやると、自治会に入っていない人なども出席してもらえる。それは行政がやってもおもしろいなとは思ったが、条例にそこまで細かいことを書くことはない。

西垣委員) 自治会の規模によって支援を分けないと。昔から自治会があるところもあれば、マンションができてばかりで自治会を作ろうかという声が出てきてやっとというところも。声がなければ自治会なんかなくてもいいよという地域も。地域コミュニティ協議会についてもあまり必要じゃないよと、何やっているのかわからないという意見も。普通の人は知らない。自治会長になったりすると、顔なじみになって、知ってということになる。昔からいろんな経験している人が条例検討委員会にはでてきているからいろんな話がでてくるが、条例検討委員会としては、高齢者についての取り組みや自主防災会の取り組みとか、条例としてこういう形に持って行くと。自治会単位でいえば、多いところにはいろんな団体ができていたり民生児童委員が複数いたりするので、こういう支援にしましょうとか。助成についても金融機関を巻き込んだりというやり方も。

福嶋会長) 自治会にいろんなタイプがある。あまり条例でどうしなさい、とは踏み込めないが、条例では市との連携で助成金など支援の考え方は出てくる。現在、市の自治会への補助金は?

市事務局) 自治会への補助金は均等割りという一定額が決まっており、あとは世帯数に応じて額に差がつく。

福嶋会長) 西垣委員はむしろ小さいところに厚くしたらということか。

西垣委員) そう。

福嶋会長) 大きい自治会と小さい自治会で意見がいろいろ変わりそうではある。

長谷副会長) たとえば50名の自治会と3000人の自治会と差があるが、少ないからといってさまざまな役員は自治会ごとに人数が決まっていて、人数が少なくても役員は出さないと。選択肢が違う。小さい自治会はそういった苦悩がある。

西垣委員) 大企業でも社長は一人。

長谷副会長) 後釜が見つからないというのは、小さな自治会こそ切実。候補者がいない。

福嶋会長) そうすると、むしろ小さい自治会ほど手厚くしてはと。均等割りを多くすると結果として小さいところを支援する形にはなるかも。条例は基本的なところを定めるため、補助金の算定まで条例では書けないが、考え方として、小さいところにより手厚く、というのをどういう表現で書けるかというところ。

西垣委員) そういう方向性を書けばいい。

長谷副会長) 後釜がいないために、自治会活動を中止せざるを得ない。休会。未組織地域と同じになってしまう。数年以内にこういう危機的状況になる自治会が市内に1つや2つはある。それを避けるために、福嶋会長が市長をされていた我孫子市でされていたが、自治会の負荷を減らすというのをされていた。できるだけ自治会にしてもらう仕事を減らすと。第1回の会議で自治会は最低限のことをするというのも一つの在り方という話もでていた。とある自治会では、自治会役員の外部委託も。複数自治会で共通した仕事、たとえば自治会長会への出席。今長岡京市では57自治会長みなでなければいけないが、そこでは弱小自治会同士で提携して有償で委託する。代表で出てもらって、報告書をもらう。自治会長や3役の仕事を委託で肩代わりするという考え方。

福嶋会長) 外部に出すというと別のイメージがあると思うが、5つの自治会の代表者が出るというのは自治会同士の連携。もうひとつ、市の仕事を自治会に云々は、我孫子市では市の仕事を自治会に頼まないというのを原則にしていた。市のお知らせは回覧板を一切使わない。広報も自治会を通して配布しない、と。長岡京市と自治会の関係は?

西垣委員) 規模や条件にもよるとは思う。条例でそのようなことができるのかどうか。

福嶋会長) 我孫子市は13万人の都市。規模的にそこまで変わりはしない。小さい方が機動的に住民と連携しながら動けると思う。いろいろな話が出たが、条例について、市民と行政が協力・連携してまちづくりを進めるための理念と枠組みを定めるということを、次回からは本格的に具体的に議論していきたい。そのひとつの例として、自治会というものを中心に議論していった。自治会に限らず、こういう課題でこういう条例の議論が必要だということがあれば。

山本委員) 自治会がないが、高齢者がまちに多いが、亡くなられたあと、その土地に新築を建てて若い方が入ってくる。子どもが増えてきている。自治会はいらないが、子供会はほしいという声があり、となりの自治会の子供会に入りたいという方が増えている。ますます子どもたちが増えてくる地域。

福嶋会長) 民生児童委員として何か。

福増委員) 長岡京市は道路事情がよくなくて、通学路がとても危険。通学路の安全が気になっている。住宅街の中に入ってくる車も多い。

福嶋会長) 課題を出していくとどんどん広がっていく。限られた時間となっているが、企業の立場として藤野委員。

藤野委員) 企業としては、企業との連携も盛り込んでいただければ。企業から行動を起こすよりも地域から働き掛けをしてもらえるように。企業も地域貢献とのマッチングを考えている部分がある。

中田委員) 市外からみて、57の自治会が本当に必要なのかということは感じた。歴史もあると思うが、小さな組織でも、組織運営ってすごくたいへんだなと感じた。数ごとにモデル化していくことで、小さい自治会には広報や会計業務など共通業務を行政でプラットフォーム化して利用できるような工夫や、企業の人的リソースなど。市がもつデータベースを市でまとめて情報提供などを行政が担う連携もあるのではないか。具体的な事業で条例ではないかもしれないが。

福嶋会長) 自治会の共同代表とも通じる。自主防災会は複数の自治会にひとつなのか、一つの自治会に一つなのか。

植田委員) うちでは自治会に自主防災会がある。自治会の会員さんイコール自主防災会の会員という認識で対応している。自治会員じゃない人にも防災訓練なども案内するが、入っていない人は「入っていないから」と子どもが行きたいと言っても来ない、という話も。地域一帯で防災に対しては取り組んでいきたい。自治会が弱体化すると災害時の連携や共助が薄くなってくるのを心配している。

うちでは伝統的に世帯調査をしている。年齢と家族構成と。自治会に入っていないと調査できない。マンションにどれだけすんでいて、二人暮らしなのか、子どもがいるのかもわからない。大地震の際などにみなさん無事かどうかチェックできない。隣同士の連携でも、自治会員とそうじゃない場合で、隣近所と関係をもちたくないと自治会に入っていない方がいるので心配している。地域に住む方が子どもから高齢者まで自治会に興味を持ってもらえるような条例になればなと思う。

福嶋会長) 今回はフリー討論だったので集約を行うものではないが、次回は条例骨子について、具体的な議論をしていきたい。

  

事務連絡

市事務局) 次回開催日12月下旬から1月で調整したい。


閉会