ページの先頭です

共通メニューなどをスキップして本文へ

令和4年度 第1回長岡京市立図書館協議会会議録

  • ID:12526

日時

令和4年5月20日(金) 午後2時~3時30分

場所

図書館3階 大会議室

出席者

委員

夘滝会長、竹内副会長、寺尾委員、小山委員、小林委員、田中委員、馬塲委員

事務局

木下館長、馬淵係長、五十棲総括主査、菅沼主査

欠席者

委員

井狩委員、遠藤委員、中林委員

傍聴者

案件

(1)令和3年度図書館事業報告について

(2)令和4年度図書館事業計画について

(3)蔵書計画(案)について

議事

1 開会

(館長挨拶)

 当会議は図書館事業の進行と相互協力を図るための情報共有を行い、図書館の活性化を図っている。新型コロナウイルス感染症の影響で制限処置を受けていたが、国が感染対策拡大と社会活動を両立させる観点からまん延防止処置を解除し、従来の制限処置も緩和された。まだまだ感染防止対策は継続しているが、本日一堂に会することができたので審議の程お願いしたい。

(会長挨拶) 

  本日より新しい委員も加わった。思っていることをしっかり発言していただきたい。この協議会は、図書館長から相談したいことがあれば諮問を受け、委員である私たちが協議をして図書館長に考えを伝える(諮問)機関である。また、普段思っていることを図書館長に伝えることが私たちの役割である。よろしくお願いしたい。

2議題

(1)令和3年度図書館事業報告について

(事務局)

・貸出状況について

 令和2年度はコロナウイルス感染症拡大防止のため4月19日~5月19日休館したが、令和3年度はその理由での休館は無いため、開館日数が24日増えている。

 貸出冊数は前年度より71,481冊増え19%の増加となった。

 貸出者数は前年度より21,139名増え15%の増加となった。

・予約冊数について

 予約方法は、業務端末(図書館にてカウンターでの予約)、電話予約、Web(パソコン)予約、携帯・スマホ予約の4種類ある。電話予約とWeb予約は令和2年度の方が多い。主な増加要因は、Web予約としては減っているが、携帯・スマホ予約が前年度より20,000件以上の増加となっていることが考えられる。1年を通し令和2年度より令和3年度は増加している。5月のみ、令和2年度の方が予約冊数が多いのは、休館中、予約した場合のみ貸出が可能であったためだと察する。

・事業報告について

 2回の読書講演会を開催した。『細川ガラシャの生涯』と題し笠谷和比古氏と長岡京市在住の児童絵本作家のあまんきみこ氏を迎えた。

 令和3年度は、子ども向きから大人向きに加え、中高生向きへと広げた事業展開を図った。

(2)令和4年度図書館事業計画について

 2回の読書講演会に加え、今年度は市制50周年を迎えるため、記念事業講演会を開催予定である。新しい事業として「英語絵本の選び方」の講座を予定している。また、バンビオでの「えほんのひろば」を再開し、「ボランティア養成講座」も3年前に戻って、初級、中級の2回実施予定である。

(3)蔵書計画(案)について

 読書を通じた生涯学習の中核的な拠点として市民に広く親しまれる図書館をめざし、社会情勢や市民のニーズの多様化に合った蔵書の充実を図る。将来像を意識した蔵書構成、魅力的な本棚づくりに取り組むため、蔵書計画を定めるものである。

 ●長岡京市立図書館の現状と課題

 ・蔵書数の観点から

 現状としては、蔵書数は約26万冊である。5年前から1度も貸出に出ていない(死蔵)本の冊数は、約11万冊ある。(一般書約76,314冊、児童書約33,468冊)

 課題としては、死蔵本に目が行き届かず、利用に供するための見直し等更新作業ができていない。閉架書庫や保存書庫の本が満杯になっており、利用者にとっても、収納面においても利用しにくい状況である。

 一般書、児童書共に蔵書構成の比率を過去3年間で比較すると大きな増減はない。

 一般書の構成の特徴は、3門(社会科学)と9門(文学)を合わせると54.69%となり一般書の総冊数の過半数を超える。3門の内容は、テレワーク等の働き方を扱ったビジネス書や、相続、保険、各種手続きの本、教育書など生活に役立つ本があり、幅広い分野であり出版点数が多いため蔵書数も多い。9門は、主にベストセラーなどの人気がある小説を揃えている。本館の一般書の構成比は参考資料として「公共図書館の蔵書構成比と貸出規則に関する実態調査」を基準とした比較構成比と同程度であり、今後も現在の構成比を維持する。

 児童書の構成比は参考とする資料がないため、京都府内(主に南部)図書館の平均の児童書の構成比と比較したところ、同程度であり、今後も現在の構成比を維持する。

 ・利用の観点から

 令和3年度末の「蔵書回転率」は全体で1.72である。「蔵書回転率」とは、蔵書冊数にみる貸出冊数であり、1冊の本が平均して何回借りられたかを表す値である。比較参考値として、公共図書館統計(『図書館年鑑2021年版』)より、平均蔵書回転率は1.6で、本館は0.12上回っている。

 回転率が低い分野の共通要因は、蔵書が古く内容が陳腐化した本が多く、更新が間に合っていないことがあげられる。

 ・購入の観点から

 一般書の令和2年度末の「新鮮率」は3.7%である。「新鮮率」とは、蔵書もしくは開架冊数における受入(購入)冊数の割合である。比較参考値として、『日本の図書館 統計と名簿2020年版』より、人口同規模図書館(人口6万人以上10万人未満の市区立図書館)から割り出した平均新鮮率は4.9%で、本館は1.2%下回っている。

 児童書の「新鮮率」は5.1%で、0.2%上回っている。

 今後、一般書の新鮮率を上げるために児童書の新鮮率の推移について検討した上で蔵書計画を立てることが必要である。

 ●めざす姿

 「魅力ある図書館、魅力ある本棚」を考えることで、より満足度が高く集客力の高い図書館運営を目指す。効率的予算の執行のため、新しい書架づくりを各分野のバランスに配慮する。

 課題とする「魅力ある本棚づくり」を解決する蔵書総数は20万冊と考える。魅力ある本棚づくりのため「図書館の本の収納力は、本棚の一番下を空けた状態で本を収納することが推奨されている」とした研究がある。これを参考にした場合、除籍想定冊数として、一般書28,385冊、児童書22,219冊を合わせて計50,604冊の除籍を行う。一度に実施するのは内容の精査作業を伴うため、5年を目途に計画的に除籍を行う予定である。

 除籍は過去5年間の未利用資料を中心に行う。一般書では、特に3門(経済・法律等)の本は構成比が基準比より高い傾向があり、内容的に社会情勢を反映した本、法律や教育など生活に役立つ本が多いため新刊出版点数が多い。本館受入(購入)冊数も多いため3門を中心に内容を精査し除籍を行う。

 蔵書計画の中で注力することは、社会事情の変動に合わせて内容的に古くなった本を除籍し、開架書架における新規受入図書の更新を意識しながら、新鮮で魅力ある本棚づくりを目指すことである。

 魅力ある本棚づくりとして                                                                                         ・各分野の蔵書の更新                                                                                             ・読みたかった本が見つかる本棚                                                                                     ・新たな本を読みたくなる本棚 を指標とする。

(会長)

 蔵書計画の根拠となる基準、考えの説明をしていただいた。利用者と職員とのコミュニケーションから活きた、市民に魅力ある書架づくりを目指すということである。何か感想や意見、質問などはあるか。

(委員)

  学校の図書室で子供たちは図書館の本を活用している。色々と分析され勉強になった。回転率は、学校などの団体において貸出数はどのようなカウントになるのか。

(事務局)

  団体は貸出数にカウントされない。個人のみの貸出数が対象となり、人気のある本は何度も借りられるので、回転率も上がることになる。

(委員)

  話題の本を図書館はいち早く購入されているのか。

(事務局)

  出版されてからの発注となり、その後装備されデータ入力するため、本屋より遅い受入となる。

(委員)

  死蔵本の冊数は、多いのか、少ないのか。

(事務局)

 比較資料もなく、他の図書館の死蔵本の冊数は把握していないため、当館としてもわからない。

(委員)

 回転率の高い児童書は除籍しなくてもいいのではないか。一般書の回転率の低い本から除籍していけばいいと思う。市民ニーズと相違するのでは。

(事務局)

 今後の作業過程でご意見は参考にさせていただく。

(委員)

 2年間を通して、いろんな工夫をされてきたことがうかがえた。

 児童書の除籍については人気があるから、ボロボロになり傷んだ本を除籍されると理解しているが間違いないか。

(事務局)

 お察しの通り。

(会長)

 複本の基準について考えを教えてほしい。

(事務局)

 児童書の人気のある本は2~3冊購入する。目安として一般書においては、予約数が20人を超えると、複本を購入し上限3冊とする。

(委員)

 蔵書計画では、回転率をあげたいのか。

(事務局)

 新鮮率をあげたい。古い本が並び横積みになっている書架を新しい本がある印象を持たせたい。読みたい本を見つけやすくする本棚づくりを目指したい。

(会長)

 回転率は蔵書計画をすすめる上で、参考材料の1つとして考えて欲しい。図書館はたくさん売れて利潤を目的とする、書店とは異なるところだということを理解されたい。よく読まれる本ばかりでなく読み継がれている本も必要であり、いろんな分野の基本的な本が必要である。

(委員)

 児童の紙芝居の回転率は低いが、潤っている。今後、大型紙芝居を受入れて欲しい。購入予定はあるか。

(事務局)

 公民館に図書室があった時からの紙芝居を受け継いでいるため、かなりボロボロの状態の紙芝居が多い。新しいものはほぼ購入している。大型紙芝居は高額で、出版もあまりないが、人気があるものは購入の方向で検討したい。

(会長)

 児童図書の除籍がたくさんでるが、学校図書館への移管について、基本的な考えを教えてほしい。

(事務局)

 調べものは、新しい情報が必要である。古い内容のものは子どもたちに適さないため、学校への提供は考えていない。

(4)その他

(事務局)

・(報告) 4月27日 京都府連絡協議会にて「科学あそびの会」様が表彰

・(お願い)市制50周年記念事業 ブックバトンの協力お願い

3閉会

(会長)

 思ったことを本音で語り合える会としていきたい。今後ともよろしくお願いしたい。

(事務局)

 熱心なご議論ありがとうございました。次回協議会は、7月の予定。