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平成24年度 第2回文化財保護審議会会議録

[2013年3月18日]

ID:1411

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日時と場所

日時

平成24年7月30日(月曜日)

場所

長岡天満宮社務所

出席者

委員

井上委員、梶委員、熊谷委員、小林委員、都出委員、礪波委員、永井委員、中尾委員

事務局

芦田教育長、山本部長、中尾課長、関主幹、百瀬専門員、岩﨑専門員、馬部文化財技師、福家文化財技師、重岡事務員、小田桐埋蔵文化財センター局長

案件

  1. 長岡京市指定文化財の指定について

開会

  • 委員10名のうち8名出席
  • 教育長あいさつ
  • 教育長「長岡京市指定文化財の指定について」諮問
  • 平成24年度第1回会議録の承認
  • 傍聴人の承認(3名)

案件1

(会長)
それでは、はじめさせていただきます。今回の諮問は、長岡天満宮の建造物合計10棟が対象ということになります。まず最初に、事務局から概要をご説明いただきます。次いで、実際に境内の対象の建物を実見するということになります。では事務局よろしくお願いします。

<事務局から配布資料で説明、および指定物件を視察>

(会長)
それでは、何かご質問あるいはご意見等ございますでしょうか。

(委員)
あの額は、何を書いているのでしょうか。

(会長)
真ん中の額ですか。何かの和歌だと思いますけど。誰のかわかりませんが、右流れの額ですから新しいものですよね。

(宮司)
「海ならず」という道真公の御歌です。新しいもので、池田桂鳳さんです。

(会長)
そうですか。向こう側は天龍寺のものですね。神仏習合ですけれども。

(事務局)
それと廊下に出ていただきますと、大正4年に描かれました梅の杉戸絵がきれいに当時のままで残っておりますし、今はガラスが入っておりますけれども、もともとは障子でして、懸け出しの造りの部分は落ちないように欄干があるんです。そういった内部からの社務所の構造も、ご覧になっていただけると思います。

(会長)
何か他にご質問は。どんなことでも結構でございます。社務所についてはここまでですね。向こう側の宮司さんのお宅との間は、ごく新しい時期に付け足されたものですよね。

(事務局)
社務所は、東に向かって低くなる地形になっておりまして、この廊下で宮司さんのお宅と繋がっているんですけれども、ここは大正3年で、宮司さんのお宅は大正4年にできて一括で機能していたんです。2階が廊下で繋がっていた形です。この廊下をまっすぐいきますと、宮司さんが住んでいるお宅に繋がるんですけれども、神職宅と社務所2棟が一体となって機能をしていたということでございます。
ただ、今お住まいでいらっしゃいますので、今回はとりあえず皆様にご覧いただけるような範囲ということにしております。本来ならば一体となっているものですので、文化財的には同じような価値があるものでございますが、今回は天満宮さんの社務としてお使いになっている部分だけを諮問させていただいております。基本的なプラン、基本的な構造については変わっておりませんが、一応文化財の場合は50年という国の登録基準がございますので、耐震工事でされた部分、トイレの部分であるとか事務室の西側にある応接室については除外させていただきました。それから昭和16年に、参拝の方が多くなりますので、事務所のまわりを神符授与所としてちょっと拡張されたりするんですけれど、そこまでは指定の対象というふうに考えております。昭和16年までと基本的には考えて網を掛けております。

(会長)
はい、わかりました。何か他に。

(委員)
お聞きしたいんですけど、こちらの社務所は日頃はどのように使っておられたんですかね。

(事務局)
連歌所ということで、こういった神社には、皆さん歌を詠まれたり俳句を奉納したり、いろんな活動をされております。記録にみえるものでしたら、蘭交社という神足の句会があったんですけれども、それが催されていたり、三々五々みなさんお集まりになって、いろんな活動をされる場として使われています。当時コミュニティセンターとかありませんし、これだけのお部屋の空間があるところも少なかったですので、そういった文化的な場として使われたようです。結婚式場が今のようにできるまでは、ここで披露宴がされていたともお聞きしています。

(会長)
ということでございますが、他に何か補足的なお話いただけるでしょうか。

(委員)
特に申し上げることはないし、報告書もちゃんと立派に作られておりますので、お読みいただければいいのですが、こういうふうに明治・大正・昭和と揃ったものがあって、それぞれ作品としてもなかなか優れたもので、それが指定されるということは、やはり長岡京だけでなくて、京都府郡部にとっても非常に画期的なことだと思います。
今ちょっと会議の前に伊東忠太の話をしてたんですが、本殿まわりの祝詞舎は伊東忠太が明治28年に設計するわけですね。そして昭和16年に現在の平安神宮の本殿を建て替えます。もっと立派なものにします。それで不要になったものを長岡天満宮が引き取るわけです。ですから、今残っている本殿と祝詞舎というのは、伊東忠太の設計ということです。
それから大正期に、伊東忠太とは関わりはありませんけれども、京都府が文化財保護課の前身になる社寺課をつくって、優れた技師が来ます。その一人に東京芸大の意匠科を出た亀岡末吉という人がやってきて、卓抜なデザインを京都の社寺に展開するわけです。仁和寺の寺務所の部分が焼けて、現在、仁和寺の宸殿とかその表門とかが立派にできてますけれども、これは全部亀岡末吉が設計します。それで、数年前に全部登録文化財になりました。現在その表門を改修中ですけれども、改修中なのでよく見えませんが、非常に優れたデザインです。亀岡末吉の代表作は東本願寺の表門、これは烏丸から見ることができますが、細かい点をみますとここのものも小さいけれども非常に優れており、彼の代表作の一つに加えてもいいんじゃないかというものがあります。近世・近代の各時代のものが揃っており、いいものが一堂に見られるということは、非常に珍しいと思います。
実は、『長岡京市史』をやるときに私もその調査に参加しているのですけれども、そのときは全部省いているわけですよ。『長岡京市史』で取り上げたのは八幡宮と春日大明神、要するに明治以降は除いてしまったわけです。その程度の認識だったのですが、十数年でそれだけ文化財の対象の考え方が変わってきているということですね。そういう変化のいわば先取りをしているのだと思います。

(会長)
ありがとうございます。今もご発言がありましたように、明治・大正・昭和それぞれの時代の、信心される方はもちろん地域の住民の方々と非常に深い関わりを持ちながら、ここのお宮さんが歴史を刻んでいること、そして現在もそうであるということを、私自身大変興味深く拝見させていただいた次第です。他にご意見等ございますか。

(委員)
今、お話しを聞いた20ページの写真ですが、この平安神宮の本殿というのは伊東忠太のデザインなんですか。今の天満宮本殿になっているものですね。それと今の平安神宮に大極殿を模した拝殿とか、その後ろの本殿がありますよね。あれはいつの建築なんですか。

(委員)
大極殿は伊東忠太のものです。その裏側に本殿がありますね。それがまだ小さいものでしたから、昭和16年にやはり戦争中でしたから神宮を立派にするということで建て替えるんです。建て替えるからいらなくなって、こっちに移されるんです。

(委員)
あれはもともと拝殿として大極殿を模して造られたということですか。

(委員)
それから左右にちょっと建物がこっち側に向いてますね。あの辺は昭和16年に造るんですよ。

(委員)
私も伊東忠太に個人的にいろいろ思い入れがありましてね。随分みてきてるんですけど、ここの本殿が伊東忠太の設計とは今日初めて知りました。

(委員)
伊東忠太の最初の作品です。

(会長)
盛んに伊東忠太という名前が出ていますが、ご存知ない方もおいでかと思います。明治の初めに東京大学の、といいましても大学が東京しかありませんので東京大学とは言いませんけど、そこでかなり大きな業績を残された方で、平安神宮ができますときに京都へ来られます。ただし、ご本人の意に沿いませんでして、後々まで平安神宮の建物に伊東忠太さんは文句を言い続けたという非常におもしろいエピソードもあります。そのことは別にいたしまして、いみじくもおっしゃいましたように、明治から、ましてや大正・昭和の建造物ということになりますと、我々もほとんど最近まで注目してこなかったのは紛れもない事実でございます。そういう建造物が、時代を追ってここに残っているということが本当におもしろいであろうかと思います。

(委員)
伊東忠太は、25歳の東大の大学院生のときに、教授の木子清敬から、おまえ行って平安神宮をやれと言われて来るわけです。25歳という年齢でよくやったと思うんですよ。その復興建築をやらないといけないということで、たやすくする人もいたんですが、自分で奈良へ行って古い建造物を見ていくわけですね。それで日本建築史を組み立てるんですよ。それに関わる建造物なので、建築史のうえではこれは因縁の深い建物です。ですから建造物としてでなくて、学術史の観点から見ていただくと非常に興味深いものと思います。
彼が来たとき、非常に若造なんで、京都市の主だった旦那衆が来て、彼の設計を毎日のように批判するんですよ。例えば、伊東忠太が一番残念だと思っているのは、大極殿の建築です。中国の宮殿というのは、一番立派な建物は寄棟なんです。それをやったら、京都の旦那衆から早々に批判を喰らうわけですね。立派な建物だから入母屋にしろとか。で結局負けて入母屋にするんですよ。そのことは非常に残念がってますね。そういういきさつもあるんですけれど。

(会長)
平安神宮の話をしだしますとキリがないですけれど、平安神宮については、『平安神宮百年史』という大変立派な書物がありますので、それをご覧いただくということにさせていただきたいと思います。他にご質問・ご意見等ございませんでしょうか。
そうしたら、先程の教育長からの諮問にもございましたように、8月末までに答申ということになります。諮問の指定基準ということにつきましては、「意匠・技術の優秀なもの」また併せて「この地方にとって歴史的価値の高いもの」ということになっております。その基準及び内容ということに照らし合わせまして、今回の諮問・指定が適当であるということで、答申をいたしたいと思いますけれども、そういう意見でよろしいでしょうか。

<一同異議なし>

(会長)
ありがとうございます。それでは、教育委員会から頂きました諮問につきまして、指定文化財に指定することを適当と認めるという答申を行うことにいたしたいと思います。今、答申文の原案が配られております。ご覧いただきたいと思います。こういう文言になろうかと思います。

<会長が答申文案読み上げ>

(会長)
この答申文につきまして、字句の整理等細かなことにつきましては8月31日まで若干の日数もございますので、会長にご一任をいただきたいということでお願いをいたしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

<一同異議なし>

(会長)
ありがとうございます。それではそのように取り計らわせていただきます。では、事務局から今後の段取りについて説明してください。

(事務局)
それでは、今後の文化財関係事業につきまして、ご案内及びご報告をさせていただきたいと思います。
まず、11月3日の祝日でございますけれども、平成19年度から約5年間にわたる長岡天満宮での調査成果を中心に記念展を開催いたします。同日の3日に午後1時30分からの予定で、長岡天満宮の美術調査を担当いただいておりました田島達也先生を講師にお迎えいたしまして、歴史講演会を開催する予定でございます。
また、11月5日の月曜日には、先般ご案内いたしておりました「古今伝授の間ゆかりの地」の石碑の除幕式を計画いたしております。当日は細川家の当主でございます細川護煕様をお迎えし、午前11時からここ長岡天満宮の境内地におきまして除幕式を実施する予定でございます。改めまして委員の皆様にはご案内をさせていただきたいと思っている次第です。
次に、国史跡恵解山古墳の保存整備状況についてですけれども、現在、整備工事その2の担当業者を決定する入札業務の手続きを行っている状況でございます。業者がこの8月に決定する予定ですけれども、業者が決定次第、およそ9月の末頃から第2期工事が始まるということでございます。なお、今年度の工事につきましては、主に古墳をもとの形に復元するための盛り土工事が中心となる形です。26年の3月までを工事予定といたしております。
次に、仮称長岡京市ふるさと資料館検討委員会についてですけれども、ふるさと資料館検討委員会の設置要綱を定めまして、この7月1日から施行することになりました。本年の秋までに委員の選任を終えまして、第1回目の会議を年内に開催する予定でございます。なお、この委員会の委員につきまして、文化財保護審議会の委員の皆様のなかから、1名お願いをいたしたいと考えております。今後会長と調整をさせていただきまして、委員の選任をいたしたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
最後でございますが、今後のこの審議会等の日程について、今回諮問をいたしました長岡天満宮建造物に関しまして、先程ご確認がありました通り、答申文につきましては会長一任のうえご答申を頂くということでございます。現段階では、今後特にこの審議会におきましてご審議を頂く案件等がございませんので、必要が生じなければ、開催しないという予定で考えております。なお、今回の諮問に伴う答申に関しましては、日時等が決まりましたら、事務局から皆様にご案内を差し上げたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。以上でございます。

(会長)
ただいま、これからのスケジュールについてご説明を頂いたわけですけれど、何かご意見・ご質問はございますでしょうか。答申につきましてはそのようにさせていただきますし、御承知おきいただきたいと思います。また適宜教育委員会のほうから連絡があろうかと思います。事務局からその他の報告がありましたらどうぞ。

(事務局)
先程の答申ですけれども、字句の訂正等を行いまして、11月3日の文化の日に指定という形で教育委員会のほうに答申して、教育委員会だけでなく市長とも協議をしまして進めていきたいと思いますので、よろしくお願いします。以上です。

(会長)
11月3日文化の日をもって指定ということになろうかと思います。それでは以上で案件及びその他を終えさせていただきました。先程も少し報告がありましたように、ふるさと資料館検討委員会にこの会から出ていく方があろうかと思いますので、お世話になる方よろしくお願い申し上げます。それでは、以上で本日の審議会を終了したいと思います。

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長岡京市教育部文化財保存活用課(図書館内)文化財保存活用担当

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ファクス: 075-954-8500

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