平成24年度第2回長岡京市平和ビジョン懇談会議事録
- ID:2988

日時
平成25年1月31日(木曜日)3時~4時30分

場所
長岡京市役所 会議室2

出席者
川北会長(学識経験者)、秦会長代理(女性の会)、小泉委員(自治会長会)、藤井委員(老人クラブ連合会)、川口委員(戦没者遺族会)、秋元委員(マスメディア関係)、森下委員(マスメディア関係)、高橋委員(労働者団体)、山地委員(ほっとスペースゆう いずみの家)、前原委員(公募市民)、安部委員(小中学校長会)、佐原委員(市内高等学校)、原爆被災者の会からの委員

欠席者
中嶋委員(済生会京都府病院長)、森企画部長

事務局
城田政策推進課長、角野主査、貝野主事

傍聴者
なし

議事
1.会長挨拶 (要約)
北朝鮮による核実験が行われるのではとの報道があった。近隣諸国との関係が緊迫している中、インターネット等では、強硬な意見が見られる。今こそ平和の大切さを訴える必要性がある。
2.新委員の紹介
川口委員(新委員)をご紹介し、ごあいさつ頂く。
3.平成23年度平和施策報告
4.平成24年度平和施策(案)
事務局より資料説明。内容ごとの委員の意見は以下のとおり。
(1)平成24年度平和を考える市民フォーラムの結果について
<献花式について>
- 平成25年度の学習発表担当の小学校は第九小学校である。校舎が献花式会場から近い場所にあることから、献花式へ出席するよう児童に呼びかけてはどうか。
<小学生の学習発表>
- 6年生の1学期から取り組む必要があるが、歴史の学習が始まってすぐの時期であり、授業では現代史よりも古い時代を学習している。そのため、児童は、基礎知識のない状態で学習発表に臨むこととなる。指導方法やカリキュラム構成に工夫を要するが、児童にとっては新鮮な体験であるとも言える。
- 歴史学習は古い時代から始めることが常となっている。ただ、新しい時代から教えようという動きもあるようだ。また、現代史はあまり学習に時間をかけない分野である。
- 戦争を知る世代の語り部が少なくなっていくことが懸念される。
- 老人クラブ連合会の会員のうち、長岡で生まれ育った語り部が少なくなってきた。市は、積極的に実体験の記録や資料の保存に努めて欲しい。
- 今後の社会を担う子どもたちへの取り組みは、最も重要な部分の一つである。戦時中の暮らしだけでなく、現代の平和に向けた取り組み等も学習する機会があればよい。
- 小学生の学習発表に感動した。平和が当たり前のことではないことを痛感した。
- 現代の子どもは、どこまで戦争について理解できているのか。過去のものという意識が先立ち、深く理解できないのではないか。
- 確かに、うわべだけの理解に留まってしまう場合もある。自分たちの親の世代のことでさえ、彼らには全く想像ができない世界である。しかし、実物に触れたり、実体験を聞くといった学習により、理解が一段と深まっている。
<映画>
- 平成25年度の映画案のひとつ、「ちいちゃんのかげおくり」の原作の絵本作家あまんきみこさんは、長岡京市にゆかりがある。新聞にも記事が掲載されており、多方面でご活躍されている。
<すいとん試食>
- すいとん試食の活動に対して、以前、個人が表彰されたことはあったが、今回は女性の会が団体として表彰された。団体として活動を続けてきたという想いがあったため、表彰が非常に感慨深かった。また、平成25年度は、すいとんづくり体験の対象について、小学校5、6年生であったものを、小学校4年生から中学校1年生に広げることは、参加者の増に繋がると考える。いかに市民の参加を増やすかが重要である。以前、6年生の参加者からは、来年から参加できず残念だとの声があったので、そういった参加者にとって、とても良いことである。1回参加した子どもは次年度も参加しやすいようだ。
- 高齢者が、すいとん等昔風の食事を口にすると、当時のことが蘇るらしく、色々とお話をされる。若い世代に、苦しい時代があったこと、物をいかに大切にしないといけないかということを教えることができればと思う。
- ひもじかった記憶や、戦争中のつらさは、体験したことのない人に伝えることはなかなか難しい。
- 例えば、すいとんづくり体験者の感想の中に、大根を薄く切ることが難しかったという記述があった。そこで、薄く切らなければならなかった理由を伝えることで、物をいかに大切にしていたかを伝えられるのではないか。子どもとの関わり方次第で、多くの情報を伝えることができる。
- すいとんを提供する際には、感想を聞きながら、当時のすいとんについて伝えるよう努めている。ただ、配膳に手一杯で、啓発に時間を割けない時間帯がある。平成25年度は注意したい。
- 「すいとん」だと上品に聞こえる気がする。当時はだんご汁と呼ぶことが一般的であった。水の中にほんの少しの醤油と塩しか入っておらず、ねぎが入っていれば上等だった。空腹だから食べられたようなものだった。今の子どもたちなら決して食べないだろう。
- フォーラムで提供しているすいとんは、少量の煮干しを使用する等してだしを減らし、塩のみで味付けし、おいしくなりすぎないよう配慮している。
- 当時の暮らしぶりについて、食べ物だけにこだわらず、参加者に直接的に伝えることができればよい。
<展示>
- いわさきちひろパネル展はファンが多いため、多くの参加者を見込めるだろう。
<その他>
- 新規参加者が5割近くいたとのことで、平和啓発の成果があったと感じる。
- フォーラム参加者が増加しているが、広報の方法を変えたのか。
- (事務局)広報の方法は昨年度どおりであるが、参加者の増加は、老人クラブ連合会、女性の会の表彰に伴い、関係者に来場頂けたこと、また学習発表参加者の保護者等への呼びかけを積極的に行って頂いたことによると考える。
(2)その他啓発施策全般について
- ガラシャウィークや人権のつどいなどで、市の平和施策を紹介することで、認知度が高まり、効果的と考える。様々な機会で紹介して欲しい。
- 新規性を求め、平和施策の進め方について、広報でアンケートを採ってはどうか。
- 地道に事業を継続することに意義がある。ただし、8万人の市民にどれほど市の平和施策が浸透しているかは疑問である。自治会の中でも、担当者しか市の取り組みを認識している人はわずかである。
- 京都では、西陣空襲、東山空襲、舞鶴空襲等、大規模な空襲があったにも関わらず、行政が地元の空襲をとりあげ、平和啓発事業を行っている例は極めて稀であり、貴重な取り組みである。新規性が必要との意見があるが、敢えて変えずに継続することも評価できる。戦争体験者が日に日に少なくなっており、映像等による記録が急務である。
- 長岡京市は良い取り組みを行っていると思うが、PR方法を工夫し、市内外に広く知ってもらう必要があると考える。注目度を高めるには、若者をいかに取り込むかが重要である。現在、若者と戦争を考えるラジオ番組を企画しており、大学生が戦跡や記念館等を取材し、様々な事実に触れる機会となっている。長岡京市でも、若者を取り込み、市内の戦跡を巡る企画等を実施してはどうか。マスコミ等も取り上げやすい。
- すいとんの参加対象者の年齢の幅を広げる等、今後も少数派の意見を吸い上げて事業を改善し、参加者増を図ってほしい。
- 神足空襲を学ぶにあたり、いかに当時の実物に触れられるかが重要となる。兵器工場や防空壕等、その跡地とわかるものが資料として確認できれば、フィールドワークを通して学ぶことも可能である。しかし、それらは姿を消しつつある。
- 事業に関わった人が、その内容を周りに伝えることでも、啓発が進む。例えば、職場である福祉施設で、本懇談会の活動を話題に出すと、利用者と共に鶴を折って届けようという話になった。
- 原爆被災者の会からの委員を講師に迎えた講演会を、高校1年生、2年生の人権学習の時間に実施した。悲惨な時代の事実を知る機会が少なくなりつつある中、生徒にとって非常に貴重な体験であったと思う。正しい判断は、正しい知識による。平和施策、フォーラムの重要性を感じる。人殺しが悪であることは周知の事実であるにも関わらず、戦争が繰り返されていることの難しさがある。悲惨な過去の歴史と共に、現代の平和問題も学ぶ機会があればよいと思う。
4.閉会
事務局より事務連絡。
平成25年4月1日付で長岡京市平和ビジョン懇談会設置要綱を改正する旨を説明。
政策推進課長から委員の任期満了に伴う2年間の活動のお礼を伝える。