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平成28年度 第2回長岡京市文化財保護審議会会議録

[2017年6月27日]

ID:6854

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日時と場所

日時

平成29年1月16日(月曜日)

場所

図書館3階生涯学習課講座室

出席者

委員

井上会長、國定会長代理、熊谷委員、小林委員、都出委員、礪波委員、永井委員、中尾委員、佐藤委員

事務局

山本教育長、薮内課長、厚地課長補佐、福家主査、山下文化財技師、橋本文化財技師、重岡事務員、白川埋蔵文化財センター事務局長

案件

  • 長岡京市指定文化財の指定について
  • 国登録有形文化財 中野家住宅の視察

開会

  • 教育長あいさつ
  • 会議成立状況の確認(委員10名のうち9名出席)
  • 会長の選出(会長井上委員、会長代理國定委員)
  • 傍聴者の確認(傍聴者1名の入場)

議事

(会長)
それでは議事に入ります。案件1、長岡京市指定文化財の指定について、まずは教育長から説明願います。
(教育長)
長岡京市教育委員会平成28年度11月定例会におきまして、寂照院金剛力士立像を長岡京市指定文化財に指定することについて、審議会でお諮りくださいますよう、第18号議案として可決されました。
諮問文は次の通りです。
【諮問文読み上げ】
よろしくご審議くださいますようお願いいたします。
(会長)
ありがとうございました。ただ今、諮問がございましたので、審議に移ります。本案件については、6月1日第1回審議会において、既に概要を審議していますが、確認のため、また前回ご欠席の委員もおられたので、事務局から再度説明願います。
(事務局)
【寂照院木造金剛力士立像について説明】
(会長)
ありがとうございました。既に前回一度ご覧いただいていますが、ただ今事務局からありました説明に、ご質問・ご意見はありますか。委員、補充調査をご担当されて、何か補足することはありますか。
(委員)
当該物件である金剛力士像、いわゆる仁王像は日本においては、寺院山門に安置されることが多く、古いものとしては法隆寺中門に安置されるものが、771年の作例として知られます。その後も各時代で作例があるが、その立地から保存状態の良いものは多くない。また、像内納入品が多く残されているものは極めて少ない。今回、審議対象となっている寂照院のものは、修理個所はあるがおおよそ当初の姿を残しており、南北朝期の基準作例になります。所在不明分は残念だが、納入品が多数残り、かつ制作年が判明するだけでなく、造像過程がわかり、南北朝期の宗教的な環境まで知ることができる。日本において、14世紀に制作されたと考えられる仁王像は複数あるが、私が把握しているもので制作年がわかり、納入品があるものは奈良県吉野町の金峯山寺・香川県善通寺市の善通寺と、数例のみです。寂照院の仁王像は、所在不明の納入品もあるが、これらについては記録が残され、内容は詳細にわかっており、仁王像のみならず、地域との関係・宗教的な環境が判明する、全国的にも稀有な例と言えます。
(会長)
ありがとうございます。委員より、詳細に補足いただきました。他にありますか。
(委員)
質問ではないが、本件で該当するという指定基準の1・2・3について教えてほしい。
(事務局)
長岡京市文化財保護条例施行規則に定める、1「各時代の遺品のうちで製作優秀なもの」、2「この地方の文化史上貴重なもの」、3「この地方の絵画、彫刻史上とくに意義のある資料となるもの」です。
(委員)
ここでいう「この地方」とは長岡京市を指すのか。
(会長)
長岡京市を中心とした文化圏、といった意味であろうから、具体的な区分は難しいと思う。
(委員)
この他に長岡京市で仁王像を知らず、気になった。わかりました。
(会長)
他にありますか。
(委員)
納入品に所在不明分があるとのことだが、納入品の出し入れはどこからするのか。
(委員)
そもそも納入品は、立像の場合は制作作業過程で納入する、坐像は底板があるため、制作自体は終わった後に入れることができます。立像は寄木造であり、完成後乾燥によって生じるひび割れを防ぐため、内刳という空洞を設けます。その空間に納入品を納め、部材を組み上げ接着し、表面に彩色を施すため、別に納入品を出し入れする仕組みを設けることはありません。
(委員)
では、所在不明とはどういうことか。
(委員)
そもそも現在知られている納入品は、昭和40年の解体・修理時に発見されました。その際の調査成果が論文で発表され、そのなかで納入品の内容も紹介されました。しかし、その後納入品がどのように経過したかは記録にない。また、執筆者も既に亡くなっており、それを確かめることはできない。仏像に納入品が発見された後の対応には、いくつかパターンがある。一つは、納入品が仏像に欠かせず、宗教上も一体である方が良いと判断された場合には、仏像内に戻して保管する。この場合は、記録を残し、複製を作成するものもあります。もう一つは、屋外に安置される仏像など、経年によって納入品も傷む可能性がある場合です。この場合は、修理が終わった後も戻さずに、取り出したまま別に保管する。寂照院のものは、当時指定物件でもなかったため、論文によって納入品の内容はわかるが、修理後の経過の記録はない。その後、寂照院総合調査・長岡京市史編纂にかかる調査もあったが、既に論文で詳細に報告されていたことから、納入品を直接確認していないという。その時点で既に所在不明になっていたかも知れない。よって、所在不明分のその後として考えられるのは、一部を像内に戻し、残りを別保管した、というもの。他でも、信仰上必要なものに限って、一部像内に戻した修理例がある。飽くまでも推測に過ぎないが、所在不明分は像内にある可能性があろう。なお、寂照院総合調査を担当された京都府文化財保護課技師であった研究者にも確認したが、所在不明分については直接見た記憶はなく、同様に所在不明分は像内に戻されたかも知れない、とのことでした。
(委員)
現在、所在不明分は像内に戻されている可能性と、紛失している可能性がある、ということか。
(委員)
いくつかのケースが考えられるが、像内にあった納入品の一部について、現在確認できない状態にあるということ。
(委員)
納入品の全容についてはわかっているのか。
(委員)
昭和40年の解体・修理時の調査成果である論文に納入品の目録・写真があり、全容は判明するが、公的な記録ではない。ここに掲載されているものの他にあったかどうかについては、現在わからない。
(委員)
その論文に掲載されているものと、現在確認できるものとの突合はできているのか。
(委員)
昨年度の補充調査で確認している。
(委員)
突合の結果、現在確認できないものが、像内に戻されている可能性があるとの理解で良いか。
(委員)
可能性の一つということ。
(委員)
それら所在不明分が像内に戻されておらず、流出していることはないか。
(委員)
現在のところ確認していない。
(委員)
寂照院仁王像は一般に見学できる状態か。また、納入品は公開されているのか。
(委員)
仁王像は野外にあり、参拝可能。納入品は保管されており、公開はしていない。
(委員)
所在不明分は像内に戻されていることを期待するとして、今後仁王像を保存する上で、現在の状態はどうか。これから仁王像を健全な状態で維持するにあたって、仁王門に何か対策が必要な状態か。
(事務局)
現状は、防犯上は問題なかろうが、仁王門とは言え、屋外と同じ状態であるため、風雨にはさらされる状態にあります。
(委員)
かつては木々がうっそうとしていたが、駐車場等付近が整備されて、西日が強く当たると思うが。
(委員)
彩色が残っていれば、紫外線による劣化が懸念されるが、既に彩色はほぼ剥落してしまっているため、現在保存上大きく問題がある、とは判断されない。紫外線を防ぐためにアクリル等で覆ってしまった場合、かえって通気を妨げることによって起こりうる、カビの発生や虫害といった問題の方がより懸念されます。いずれにせよ、屋外と同じような条件であるため、定期的に観察し、維持管理をはかっていく必要があります。
(会長)
ありがとうございました。文化財保護審議会としても市当局としても、指定するだけでなく、その後の維持管理について、助言・支援することも大切であろう。所在不明分については、今後府指定・国指定が検討されることになった場合、その所在調査が要請されるところであろうし、注意しておく必要があろう。
(会長)
他にありますか。他にご質問等がなければ、審議を進めます。今回の諮問について、当該物件は長岡京市文化財保護条例施行規則にある指定基準、1「各時代の遺品のうちで製作優秀なもの」、2「この地方の文化史上貴重なもの」、3「この地方の絵画、彫刻史上とくに意義のある資料となるもの」に該当する、として今後とも適切な保存をはかるべく、長岡京市指定文化財に指定するのが妥当である、ということでよろしいですか。
【異議なし】
(会長)
ありがとうございます。それではこういった内容で答申いたします。答申文の原案をお手元に配布しますので、ご確認いただけますか。
【答申案配布】
(会長)
この内容で答申するということで、よろしいですか。
【異議なし】
(会長)
ありがとうございます。では、今後の指定スケジュールについて、事務局から説明を願います。
(事務局)
【指定スケジュールについて説明】
(会長)
ありがとうございます。2月15日定例教育委員会に議案を提出し、指定の議決を受け、3月1日公示、3月15日以降の広報で市民のみなさんへ紹介する、というスケジュールです。ただ今の説明で、なにかご質問・ご意見はありますか。なければ、この内容で教育委員会に答申いたしますので、教育長へ答申書をお渡ししたいと思います。
【答申文読み上げ】
では、よろしくお願いいたします。
以上で、答申いたしました。それでは、2つ目の案件に移ります。国登録有形文化財 中野家住宅の視察ですが、本案件は現地視察となっておりますので、車で移動します。事務局の案内にしたがって乗車してください。
【国登録有形文化財 中野家住宅の視察】

閉会

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長岡京市教育部文化財保存活用課(図書館内)文化財保存活用担当

電話: 075-954-3557

ファクス: 075-954-8500

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