令和3年度 第2回 図書館協議会会議録
- ID:12298
日時
令和4年2月18日(金) 午後2時から3時30分
場所
図書館3階大会議室
出席者
委員
夘滝会長、竹内副会長、高橋委員、井狩委員、小山委員、渡邊委員、中林委員、馬塲委員、(副会長以下委員名簿順)
事務局
坂内館長、馬淵係長、五十棲総括主査
欠席者
小林委員、遠藤委員
傍聴者
無
案件
(1)令和4年度図書館事業計画案について
(2)蔵書計画案について
議事
1 開会
(会長)
年度末の忙しい中、またコロナ禍の中、対面で直接意見を聞きたいという図書館の意向の元会議を開催した。積極的な発言をお願いしたい。
事務局説明後、質問を中心に議事を進行した。
1.令和4年度図書館事業計画案について(事務局)
大きく読書啓発事業と図書館維持管理事業で予算取りを行っている。
《啓発事業》
・読書講演会を春先に児童文学の方、秋に歴史文学の方を予定
・図書館にて、読書啓発に繋がる読み聞かせ、科学の実験を用いた事業等
・勝竜寺城公園にて、郷土愛を育てる目的で、管理棟にて30分程度絵本の読み聞かせや
紙芝居等
・バンビオにて、東部地域市民への図書館利用に繋げるため、乳幼児対象 絵本の読み聞かせ
・市制50周年記念事業としてワークショップを取り入れた古典的分野(古今伝授)の講演会と市民から推しの1冊を募って50冊の本を展示する
・その他に、司書による特集(時勢や季節のものの)展示、ひとはこライブラリー、ビブリオバトル、大人による子どもの本を読む会等
《維持管理事業》
図書館は築34年経つ。外壁ついては、平成26年度に、大規模点検修繕を行い、今のまま10年ごとに診断する外壁とするのか、環境に配慮した断熱性の高い外壁にするのか等、更新について検討を行う。
来年度から本の書誌情報購入委託先のTRCへの変更に伴う準備が整った。
(会長)
予算が確定していないため、詳しい資料はないが、来年度の活動予定と図書館の維持管理について報告があったが何か質問はないか。
私から質問だが、維持管理事業で課題になっているのは外壁だけなのか。他にもあるのか。
(事務局)
来年度は外壁のみの検討である。市役所の新庁舎が令和7年度に完成し、その時に現在3階に所在する文化財保存活用課が新庁舎に移り、空いた3階の活用方法を含め図書館の在り方等検討は別途進めていく。令和8年度までに空調設備、換気設備等大掛かりな改修の検討も進める。
(会長)
この建物自体の改修や在り方を含め検討しているということである。
(事務局)
読書啓発事業において、大人向けの読書啓発事業のアイデアをいただきたい。現在は、ビブリオバトルと子どもの本を読む会だけである。
(委員)
子どもへの読書啓発のイメージはしやすいが、大人となると広範囲となる。ターゲットは、図書館に興味のある人に向けたものなのか、図書館に距離のある人に向けたものなのか等、どういった企画を考えているのか、もう少し詳しく提示して欲しい。
(事務局)
目的は2つある。
1点目は、図書館の利用を促すためであり、ビブリオバトルや子どもの本を読む会は、図書館に来てもらうことを目的としている。
2点目は、中高生、20~30代の読書から離れている層に向けて、図書館に来なくてもいいので、読書に触れるきっかけを作りたい。生涯学習の観点から本の文化に触れて欲しいため、アピールしていきたいと考える。来年度の50周年記念啓発事業の1つに、50冊の展示を図書館以外でも展示をし、興味を持って欲しいと考えている。
2.蔵書計画案について
(事務局)
Ⅰ蔵書数の観点から
・当面現在の構成比率は維持する予定。
❶絵本の蔵書の考え方について
・絵本の構成比(34.32%)は他の児童書の蔵書構成比を維持するために現状維持する。出版
の古い利用の少ない本は除籍し、古くても利用の多い絵本は買い替えをしていく。
❷蔵書構成比について
・児童書については、一般書のような参考とする資料がないため、京都府南部図書館の児
童の構成比を参考に比較すると、いずれも同程度であり、現状の構成比率を維持する方向
で考える。
・本館の特徴は、構成比率の平均値と比較して、3門(社会・民俗)、4門(科学・生物)が多
く9門(文学)が少ない。3門は政治や経済、福祉などであるが、民話の本もあり、自治体に
よっては、民話は9門としているところもあり、本館は3門としているので他館より冊数
の構成比が多い。4門は、植物や昆虫、恐竜の図鑑類、夏休みの自由研究の本があり、貸
出もよく出るので冊数が多い。9門は、比率は低いが本館の特徴として児童書総冊数が多
いため、冊数としては少なくない。
❸蔵書数について
・一般書と同じ考えで、児童書は本棚の一番下の段を空けた状態の蔵書量である3分の4の量
の冊数を目標にする。令和2年度末児童書蔵書数88,876冊の3分の4、66,657冊を蔵書数とす
る。その差22,219冊を除籍予定である。
・9門の7,000冊が除籍対象となるが、今の子どもたちは、外装が古かったり、文字のフ
ォントが見慣れたものでない本はなかなか手に取らない。
除籍本は一部は小学校にまとめて300冊程を学級図書として貸出して活用し、全て古紙
回収にしているわけではない。
Ⅱ利用の観点から
・蔵書回転率とは、蔵書冊数にみる貸出冊数の割合である。1冊の本が平均して何回借り
られたかを表す値である。
・令和3年4月1日から令和4年1月末までの蔵書回転率は全体で1.45である。市の総合
計画の図書館の指標は1.7であり、0.25下回っている。一因として新しい本が総冊数に対
して少ないため回転率が低い。
・一般書の蔵書回転率は、児童書の約半分の1.06、傾向として0門(総記)は回転率0.49、
3門(社会科学)は回転率0.57と、他の部門に比べ古くて陳腐になった本が多いため、回転
率が悪いと分析。
・児童書の蔵書回転率は2.19、傾向として3門(社会科学)は回転率0.97であり、冊数が
多く、他の部門と比べ更新ができていないと分析。
Ⅲ購入の観点から
・新鮮率とは、蔵書もしくは開架冊数における受入(購入)冊数の割合である。
・一般書の新鮮率は3.4%であり、人口同規模図書館(6~10万人)の4.9%より1.5%下回っ
ている。4.9%の新鮮率に近づけるためには、新しい本が3,921冊が必要となり、令和2年
度の購入実績でいくと941冊不足である。予算と関係が大きいため、分野の偏りの無い
新鮮率を上げる購入計画を立てる。
・児童書の新鮮率は5.3%あり、人口同規模図書館より0.4%上回っている。開館当初より
長岡京市の未来を担う子どもたちのためにと児童書を充実してきた経緯があるが、今後
一般書の新鮮率を上げるため児童書の購入量の推移について検討する。
(会長)
説明全体を通して質問、意見はないか。
(委員)
前回の蔵書計画は一般的な改善していきたい説明であったが、今回、府内の図書館の具体例として資料があり、説得力がある。資料の提示として大変良い。
(委員)
前回の資料を、小中学校の司書の会議でとりあげた。意見としてあがったことは、各学校少ない年間予算のため、図書館で0~8門の調べ学習用の資料を増やして欲しい。例えばポプラディアの図鑑等を購入して欲しい。子どもたちに本の使い方を説明するには冊数が少ない。
市内10校が同じ時期、同じ内容の授業をするため、複本を揃えて欲しい。
府立図書館でのセット貸出は大変世話になっている。セットにない本の購入を希望する。
(事務局)
ポプラディアの図鑑3版を寄贈していただいた。3版は館内利用のみになるので、1版、2版を是非貸出活用して欲しい。
今後の参考にしたいので、リクエスト本のリストをいただきたい。回転率を上げる本を購入していきたいので、協力お願いする。
(会長)
他館の実情や学校からの意見も参考に、回転率を上げる効果的な方法を検討して蔵書の中身を充実して欲しい。
(委員)
除籍される本は学校図書の他に有効活用されているのか、教えて欲しい。
(事務局)
市内の保育所、放課後児童クラブなどの団体に声掛けをしてリサイクル本として譲渡している。紙芝居は人気である。
今後、良書と呼ばれる本を高齢者施設にまとめて貸出することを検討中である。高齢者の方から、大人の本は字が小さくて読むのも大変であるという声を聞き、児童書は大きな字で手に取りやすいのではないかと考えている。現在のところ、まだ事業所と連携は取れていない状態で、構想段階である。
(会長)古くても授業の教材になるような事例もある。学校の先生や市民の要望や意見も聞きながら進めてほしい。
(事務局)
協議会でデータをお示しするだけでなく、全体像案を検討していきたい。3月は無理だが、4月・5月のどこかで続きの案を提示したい。
年間5,000冊購入する分、5,000冊の除籍が必要である。さらに56,000冊の除籍となるため複数年かけて選書と除籍に神経を使い時間をかけて蔵書計画を進めていきたい。
(会長)
選書もそうだが除籍も大変な仕事だと思う。内容はもちろんのこと、印刷や写真の技術も進化してよい本が出版されていると思う。新しく更新することも必要かと思う。
(事務局)
いただいたご意見を参考に見やすい計画書を作ってお示ししたい。
(会長)
利用者のことを考えて、見やすい、使いやすい本棚を作って欲しい。
(事務局)
蔵書計画から外れるが、お知らせである。
1月31日から2月9日まで蔵書点検を行った。
魅力的な本棚づくりの試みに、2階では絵本を出版社ごとからタイトルの50音順に並び変えを行った。タイトルがわかれば子ども1人でも本を探せるよう、タイトルの頭文字のテプラをつけて整理した。また、背表紙しか見れなかった本を表紙を見せる面見せをして本棚に飾ることで今まで手に取らなかった本を手にとってもらう仕掛けをした。大きな絵本も窓際に集め面見せをして見てもらいやすいようにした。
1階では、ガイドブックの『るるぶ』シリーズは2門である地理の棚とは別に置いていたが、旅行ガイドやマニアが読まれるようなガイドブック(文字的ガイド)が配架されている2門の棚に置きかえ、幅広く探せるようにした。
また、美術全集の買い替えを行った。イメージというコーナーを入り口に設けており、印刷技術の向上した綺麗な美術集を並べているのでぜひ見て欲しい。除籍を行い、書架に空間を設けることで、年間購入5,000冊の本が古い本に埋もれて見えないという声の解消に努めている。魅力ある書架を引き続き作っていきたい。
(会長)
新しい本の面見せ等、新鮮で魅力ある図書館へと努力されている。
何か意見はないか。
(委員)
魅力ある図書館へと努力されている話を聞き、図書館に行ってみたい、見てみたいと思った。もっと市民へアナウンスしてはどうか。
(事務局)
発信力が弱いので、より一層の広報に努めたい。
別件で伺いたい。電子書籍についてどのような考えをお持ちか聞きたい。
京都府では、府立図書館が府民向けに導入していく予定である。
読書啓発として利用する市町が出てきている。頭に残らない等前向きな考えではないが、利用者からしてどうか。長岡京市の小中学生は現在1人1台、ダブレットを持っているが、せっかくタブレットを持っているのだから導入したらどうか、そこまで急がなくてもいいのでは、などの意見を聞きたい。
(委員)
教育現場の人間より皆さんの意見を聞きたい。
(委員)
目が疲れるので電子書籍は使用したくない。アナログと言われようが、プリントして読んでいる。
(会長)
図書館の蔵書として紙とは別に購入するということか。使用の契約を結ぶだけで書籍のように市の財産として蓄積されないと思う。前回の会議の時に、教育長が「紙の書籍に比べ、電子書籍は脳の動きが少ない」と、おっしゃっていたかと思う。早急に整備をという考え、意見もあるようだが、私はそんなに急がなくてもいいのではないかと思う。
(委員)
子どもたちの意見を聞くほうがいいかと思う。1週間本を読んだかチェックする時など、電子書籍ではどこまで読んだかわからないのでは?今の時代子どもは慣れているかもしれない。
(委員)
電子書籍を読んだことがない。子どもたちは学校でもタブレットを使って授業をしている。感覚的に使用しているので身近に使いこなしているように自分の子を見て思う。仕組みづくりをしたら、読むのではないかと思う。良し悪しを除けて抵抗があるないもなく、取り組みを進めるのが普通になってくるのではないかと思う。急ぐ必要はないかと思う。
(会長)
電子図書の導入は子どもたちは抵抗ないかもしれない。
(委員)
学校と連携をとって進めていけばよいのでは。
(委員)
電子書籍導入は自然かもしれない。徐々に浸透している。本屋には本はなくならず存在している。紙の本が電子に置き換わることはないのではないかと思う。
(会長)
学校への文科省の指導はどうか。
(委員)
教育現場ではデジタル書籍よりデジタル教科書の方が議題となっている。個人としては、紙でページをめくる方がいい。タブレットを持っていても電子書籍は要らないと思うが、読書の入口という考えはなるほどと思う。電子になったからといって紙が0にはならない。
(委員)
紙なら記入はできるが、タブレットでも記入はできるのか。
(委員)
できる。
(会長)
みなさんからいろいろ意見を出していただきました。
(事務局)
情報共有で他館から話題があがったので、皆さんのご意見は参考にし、学校教育課の方とも共有したい。
任期が来年度6月末となる。蔵書計画は骨子案まで持っていきたい。また改めて連絡するのでお願いする。