○長岡京市空き家等対策の推進に関する条例

平成30年9月29日

条例第23号

(目的)

第1条 この条例は、適切な管理が行われていない空き家等が防災、防犯、衛生、景観等の生活環境に影響を及ぼしていることを踏まえ、空家等対策の推進に関する特別措置法(平成26年法律第127号。以下「法」という。)とあいまって、市及び所有者等の責務並びに市民、住民組織及び事業者の役割を明らかにするとともに、空き家等の発生の抑制、適切な管理及び活用並びに跡地の活用を促進することにより、生活環境の保全を図り、もって安全で安心して暮らせるまちづくりの実現に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 空き家等 本市の区域内に存する建築物(長屋建てにあっては、各住戸)又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む。)をいう。ただし、国又は地方公共団体が所有し、又は管理するものを除く。

(2) 特定空家等 法第2条第2項に規定する特定空家等をいう。

(3) 管理不全空き家等 次のいずれかに該当する空き家等であって、周辺の生活環境に影響を及ぼすおそれがある状態のもの(特定空家等を除く。)をいう。

 立木の枝葉又は雑草が隣地又は道路上にはみ出している空き家等

 立木又は雑草が繁茂している空き家等

 外壁、屋根その他の建築材の一部が剥落し、又は破損している空き家等

 不特定の者が容易に侵入することを防止できず、犯罪行為を誘発するおそれがある空き家等

 猫、蜂、蚊その他の動物による影響又は悪臭が発生している空き家等

 廃棄物が放置されている空き家等

 その他市長が周辺の生活環境に影響を及ぼすおそれがあると認める空き家等

(4) 長屋建て 2戸以上の住戸を有する1の建築物で、隣接する住戸間又は上下で重なり合う住戸間で内部での行き来ができない完全分離型の構造を有するもののうち、廊下、階段等を各住戸で共有しない形式のものをいう。

(5) 跡地 空き家等を除却した後の敷地をいう。

(6) 所有者等 空き家等を所有し、又は管理する者をいう。

(7) 住民組織 一定の地域住民等で組織された団体をいう。

(基本理念)

第3条 空き家等の対策は、空き家等の発生の抑制及び適切な管理により生活環境の保全を図り、市民の安全及び安心を確保すること並びに空き家等及び跡地の活用による地域の活性化の両面から総合的に推進するものとする。

2 空き家等の発生の抑制は、空き家等が市民の良好な生活環境並びに安全及び安心に影響を及ぼすおそれがあることを認識し、行うものとする。

3 空き家等の適切な管理は、特定空家等及び管理不全空き家等が市民の良好な生活環境並びに安全及び安心に影響を及ぼす重大な問題であることを所有者等が認識し、行わなければならない。

4 空き家等及び跡地の活用は、生活環境の保全に配慮して行うものとする。

(市の責務)

第4条 市は、基本理念にのっとり、空き家等の対策に関し必要な施策を実施するものとする。

(所有者等の責務)

第5条 所有者等は、その社会的責任を自覚し、基本理念にのっとり、自らの責任及び負担において空き家等の適切な管理を行うとともに、市が実施する空き家等の対策に関する施策に協力するよう努めなければならない。

2 所有者等は、自ら利用する見込みがない空き家等を、解体、賃貸、売却等により有効に活用するよう努めなければならない。

3 所有者等は、空き家等の所有又は管理の状態を確知することができない状況を予防するために市に情報を提供すること及び必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

(市民の役割)

第6条 市民は、基本理念にのっとり、生活環境の保全に努めるとともに、市が実施する空き家等の対策に関する施策に協力するよう努めるものとする。

2 市民は、特定空家等又は管理不全空き家等があると認めるときは、市にその情報を提供するよう努めるものとする。

(住民組織の役割)

第7条 住民組織は、基本理念にのっとり、市民への声かけ等による空き家等の発生の抑制その他の空き家等の対策に関する施策に可能な範囲で協力するよう努めるものとする。

2 住民組織は、空き家等が地域の生活環境に影響を及ぼすことがないよう、可能な範囲で空き家等の状況を把握し、市にその情報を提供するよう努めるものとする。

(事業者の役割)

第8条 事業者は、基本理念にのっとり、空き家等又は跡地の活用及び流通に努めるものとする。

2 事業者は、基本理念にのっとり、市が実施する空き家等の対策に関する施策に協力するとともに、自らの事業活動を通じて、必要な取組を行うよう努めるものとする。

(特定空家等の認定)

第9条 市長は、空き家等が特定空家等であると認めるときは、当該空き家等を特定空家等として認定するものとする。

2 市長は、前項の規定による認定をしようとするときは、第22条に規定する長岡京市空き家等対策審査会の意見を聴かなければならない。

(特定空家等に対する措置)

第10条 市長は、法第14条第2項の規定による勧告を行おうとするときは、あらかじめ、当該勧告に係る者に意見を述べる機会を与えなければならない。

2 市長は、法第14条第2項の規定による勧告を受けた者が正当な理由なく当該勧告に従わない場合には、規則で定めるところにより、その旨を公表することができる。

3 市長は、前項の規定による公表を行おうとするときは、あらかじめ当該勧告に係る者に意見を述べる機会を与えなければならない。

4 所有者等(特定空家等の所有者又は管理者に限る。)は、特定空家等を周辺の生活環境に影響を及ぼすおそれがない状態に改善したときは、市長にその情報を提供しなければならない。

(情報の利用)

第11条 市長は、市が行う事務において保有する情報であって、所有者等に関するものについて、この条例の施行に必要な限度において、その保有に当たって特定された利用の目的以外の目的のために、内部で利用することができる。

2 前項に定めるもののほか、市長は、この条例の施行のために必要があるときは、関係する地方公共団体の長その他の者に対して、所有者等の把握に関し必要な情報の提供を求めることができる。

(管理不全空き家等に対する措置)

第12条 市長は、所有者等(管理不全空き家等の所有者又は管理者に限る。第5項において同じ。)に対し、当該管理不全空き家等に関し、立木の伐採、雑草の除去その他周辺の生活環境に影響を及ぼすおそれがある状態を改善するために必要な措置を講ずるよう助言又は指導をすることができる。

2 市長は、前項の助言又は指導をした場合において、なお当該管理不全空き家等の状態が改善されないと認めるときは、当該助言又は指導を受けた者に対し、相当の猶予期間を付けて、立木の伐採、雑草の除去その他周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置を講ずるよう勧告することができる。

3 市長は、前項の規定による勧告を受けた者が、正当な理由なく当該勧告に従わない場合には、規則で定めるところにより、その旨を公表することができる。

4 市長は、前項の規定による公表を行おうとするときは、あらかじめ当該勧告に係る者に意見を述べる機会を与えなければならない。

5 所有者等は、管理不全空き家等を周辺の生活環境に影響を及ぼすおそれがない状態に改善したときは、市長にその情報を提供しなければならない。

(緊急安全措置)

第13条 市長は、特定空家等又は管理不全空き家等の状態に起因して、人の生命、身体又は財産に対する危険を防止するため緊急の必要があると認めるときは、所有者等(特定空家等又は管理不全空き家等の所有者又は管理者に限る。以下この条において同じ。)の負担において、その危険を防止するための必要最小限の措置を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した者に行わせることができる。

2 市長は、前項の措置を行ったときは、当該特定空家等又は管理不全空き家等の所在地及び当該措置の内容を当該所有者等に通知(当該所有者等を確知することができない場合にあっては、公告)しなければならない。

3 市長は、第1項の規定の措置に必要な限度において、その命じた者又はその委任した者に、当該特定空家等又は管理不全空き家等の敷地に立ち入らせることができる。

4 前項の規定により当該特定空家等又は管理不全空き家等の敷地に立ち入ろうとする者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。

(長岡京市空き家等対策協議会の設置)

第14条 本市の空き家等の対策の推進に関する協議等を行うため、長岡京市空き家等対策協議会(以下「協議会」という。)を置く。

(所掌事務)

第15条 協議会は、次に掲げる事項を協議する。

(1) 空き家等対策計画(法第6条第1項に規定する空家等対策計画をいう。)の作成及び変更並びに実施に関すること。

(2) 空き家等の適切な管理に関すること。

(3) 法第14条第2項の規定による勧告、同条第3項の規定による命令並びに同条第9項及び第10項の規定による代執行に関すること。

(4) その他空き家等の対策の推進に関し、市長が必要と認めること。

(組織)

第16条 協議会は、委員15人以内で組織する。

2 委員は、次に掲げる者のうちから市長が委嘱し、又は任命する。

(1) 地域住民及び法務、不動産、建築、福祉、文化等に関する学識経験者

(2) その他市長が必要と認める者

(任期)

第17条 委員の任期は、2年とする。ただし、委員が欠けた場合における後任の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

2 委員は、再任されることができる。

(会長及び副会長)

第18条 協議会に会長及び副会長を置く。

2 会長は、委員の互選により定める。

3 会長は、会務を総括し、協議会を代表する。

4 副会長は、委員のうちから会長が指名する。

5 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、その職務を代行する。

(会議)

第19条 協議会の会議は、会長が招集し、会長が議長となる。

2 協議会は、委員の過半数が出席しなければ会議を開くことができない。

3 協議会の議事は、出席した委員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

4 会長は、必要があると認めたときは、委員以外の者に対して会議への出席を求め意見若しくは説明を聴くこと又は必要な資料の提出を求めることができる。

(守秘義務)

第20条 協議会の委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。

(庶務)

第21条 協議会の庶務は、市長の定める機関において所掌する。

(長岡京市空き家等対策審査会の設置)

第22条 本市の特定空家等及び管理不全空き家等の対策を適切に実施するため、長岡京市空き家等対策審査会(以下「審査会」という。)を置く。

(所掌事務)

第23条 審査会は、次に掲げる事項を審議する。

(1) 特定空家等の認定に関すること。

(2) 法第14条第1項の助言又は指導に関すること。

(3) 管理不全空き家等に対する措置に関し、市長が必要と認めること。

(組織)

第24条 審査会は、委員5人以内で組織する。

2 委員は、次に掲げる者のうちから市長が委嘱し、又は任命する。

(1) 法務、建築等に関する学識経験者

(2) その他市長が必要と認める者

(準用)

第25条 第17条から第21条までの規定は、審査会について準用する。

(自主的解決の原則)

第26条 空き家等に関して生じた問題については、その当事者間で自主的な解決を図るものとする。

(委任)

第27条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成30年12月1日から施行する。

(長岡京市空家等対策協議会条例の廃止)

2 長岡京市空家等対策協議会条例(平成29年長岡京市条例第3号)は、廃止する。

(経過措置)

3 この条例の施行の際、現に存する長岡京市空き家等対策計画については、この条例の規定に基づき作成されたものとみなす。

4 この条例の施行の際、現に附則第2項の規定による廃止前の長岡京市空家等対策協議会条例(以下「旧協議会条例」という。)第4条第2項の規定により長岡京市空家等対策協議会の委員に委嘱され、又は任命されている者は、第16条第2項の規定により長岡京市空き家等対策協議会の委員に委嘱され、又は任命されたものとみなす。この場合において、当該委員の任期は、当該委員が旧協議会条例第4条第2項の規定により長岡京市空家等対策協議会の委員に委嘱され、又は任命された日から起算する。

5 この条例の施行の日以後最初に開かれる協議会及び会長の職務を行う者がいない場合における協議会の招集並びに会長が選任されるまでの間の協議会の主宰は、市長が行う。

6 この条例の施行の日以後最初に開かれる審査会及び会長の職務を行う者がいない場合における審査会の招集並びに会長が選任されるまでの間の審査会の主宰は、市長が行う。

(長岡京市特別職非常勤職員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)

7 長岡京市特別職非常勤職員の報酬及び費用弁償に関する条例(昭和39年長岡京市条例第15号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

長岡京市空き家等対策の推進に関する条例

平成30年9月29日 条例第23号

(平成30年12月1日施行)

体系情報
第10編 設/第3章 都市計画・公園
沿革情報
平成30年9月29日 条例第23号