○長岡京市情報セキュリティに関する規程

令和3年11月1日

合同訓令第3号

長岡京市情報セキュリティに関する規程(平成27年長岡京市合同訓令第1号)の全部を改正する

(目的)

第1条 この訓令は、本市が保有する情報資産の機密性、完全性及び可用性を維持するため、本市が実施する情報セキュリティ対策について基本的な方針を定めることを目的とする。

(定義)

第2条 この訓令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) ネットワーク コンピュータ等を相互に接続するための通信網及びその構成機器(ハードウェア及びソフトウェア)をいう。

(2) 情報システム コンピュータ、ネットワーク及び電磁的記録媒体で構成され、情報処理を行う仕組みをいう。

(3) 情報セキュリティ 情報資産の機密性、完全性及び可用性を維持することをいう。

(4) 情報セキュリティポリシー この訓令及び情報セキュリティ対策基準をいう。

(5) 機密性 情報にアクセスすることを認められた者だけが、情報にアクセスできる状態を確保することをいう。

(6) 完全性 情報が破壊、改ざん又は消去されていない状態を確保することをいう。

(7) 可用性 情報にアクセスすることを認められた者が、必要なときに中断されることなく、情報にアクセスできる状態を確保することをいう。

(8) マイナンバー利用事務系(個人番号利用事務系) 個人番号利用事務(社会保障、地方税又は防災に関する事務)又は戸籍事務等に関わる情報システム及びデータをいう。

(9) LGWAN接続系 LGWANに接続された情報システム及びその情報システムで取り扱うデータをいう(マイナンバー利用事務系を除く。)

(10) インターネット接続系 インターネットメール、ホームページ管理システム等に関わるインターネットに接続された情報システム及びその情報システムで取り扱うデータをいう。

(11) 通信経路の分割 LGWAN接続系とインターネット接続系の両環境間の通信環境を分離した上で、安全が確保された通信だけを許可できるようにすることをいう。

(12) 無害化通信 インターネットメール本文のテキスト化や端末への画面転送等により、コンピュータウイルス等の不正プログラムの付着が無い等、安全が確保された通信をいう。

(対象とする脅威)

第3条 情報資産に対する脅威として、次の各号に掲げる脅威を想定し、情報セキュリティ対策を実施する。

(1) 不正アクセス、ウイルス攻撃、サービス不能攻撃等のサイバー攻撃や部外者の侵入等の意図的な要因による情報資産の漏えい・破壊・改ざん・消去、重要情報の詐取、内部不正等

(2) 情報資産の無断持ち出し、無許可ソフトウェアの使用等の規定違反、設計・開発の不備、プログラム上の欠陥、操作・設定ミス、メンテナンス不備、内部・外部監査機能の不備、委託管理の不備、マネジメントの欠陥、機器故障等の非意図的要因による情報資産の漏えい・破壊・消去等

(3) 地震、落雷、火災等の災害によるサービス及び業務の停止等

(4) 大規模・広範囲にわたる疾病による要員不足に伴うシステム運用の機能不全等

(5) 電力供給の途絶、通信の途絶、水道供給の途絶等のインフラの障害からの波及等

(適用範囲)

第4条 この訓令の対象とする市の機関は、市長(水道事業及び下水道事業の管理者の権限を行う市長を含む。)、教育委員会、選挙管理委員会、公平委員会、監査委員、農業委員会、固定資産評価審査委員会及び議会(以下これらを「実施機関」という。)とする。

(情報資産の範囲)

第5条 この訓令の対象とする情報資産は、次のとおりとする。

(1) ネットワーク及び情報システム並びにこれらに関する設備及び電磁的記録媒体

(2) ネットワーク及び情報システムで取り扱う情報(これらを印刷した文書を含む。)

(3) 情報システムの仕様書及びネットワーク図等のシステム関連文書

(職員等の遵守義務)

第6条 実施機関の職員、会計年度任用職員等(以下「職員等」という。)は、情報セキュリティの重要性について共通の認識を持ち、業務の遂行に当たっては、情報セキュリティポリシー及び情報セキュリティ実施手順を遵守しなければならない。

(情報セキュリティ対策)

第7条 第3条の脅威から情報資産を保護するために、次の各号に掲げる情報セキュリティ対策を講じる。

(1) 組織体制 本市の情報資産について、情報セキュリティ対策を推進する全庁的な組織体制を確立する。

(2) 情報資産の分類と管理 本市の保有する情報資産を機密性、完全性及び可用性に応じて分類し、当該分類に基づき情報セキュリティ対策を実施する。

(3) 情報システム全体の強靭性の向上 情報セキュリティの強化を目的とし、業務の効率性・利便性の観点を踏まえ、情報システム全体に対し、次の三段階の対策を講じる。

 マイナンバー利用事務系においては、原則として、他の領域との通信をできないようにした上で、端末からの情報持ち出し不可設定や端末への多要素認証の導入等により、住民情報の流出を防ぐ。

 LGWAN接続系においては、LGWANと接続する業務用システムと、インターネット接続系の情報システムとの通信経路を分割し、両システム間で通信する場合には、無害化通信を実施する。

 インターネット接続系においては、不正通信の監視機能の強化等の高度な情報セキュリティ対策として、都道府県及び市区町村のインターネットとの通信を集約した上で、自治体情報セキュリティクラウドの導入等を実施する。

(4) 物理的セキュリティ サーバ、電算室、通信回線及び職員等のパソコン等の管理について、物理的な対策を講じる。

(5) 人的セキュリティ 情報セキュリティに関し、職員等が遵守すべき事項を定めるとともに、十分な教育並びに啓発及び周知を行う等の人的な対策を講じる。

(6) 技術的セキュリティ コンピュータ等の管理、アクセス制御、不正プログラム対策、不正アクセス対策等の技術的な対策を講じる。

(7) 運用 情報システムの監視、情報セキュリティポリシーの遵守状況の確認、業務委託を行う際のセキュリティ確保等情報セキュリティポリシーの運用面の対策を講じ、情報資産に対するセキュリティ侵害が発生した場合等の緊急事態発生時に迅速かつ適切に対応するため、緊急時対応計画を策定する。

(8) 業務委託と外部サービスの利用

 業務委託を行う場合には、委託事業者を選定し、情報セキュリティ要件を明記した契約を締結し、委託事業者において必要なセキュリティ対策が確保されていることを確認し、必要に応じて契約に基づき措置を講じる。

 外部サービスを利用する場合には、利用に係る規定を整備し対策を講じる。

 ソーシャルメディアサービスを利用する場合には、ソーシャルメディアサービスの運用手順を定め、ソーシャルメディアサービスで発信できる情報を規定し、利用するソーシャルメディアサービスごとの責任者を定める。

(9) 評価・見直し 情報セキュリティポリシーの遵守状況を検証するため、定期的又は必要に応じて情報セキュリティ監査及び自己点検を実施し、運用改善を行い、情報セキュリティの向上を図るとともに、必要に応じて適宜情報セキュリティポリシーの見直しを行うものとする。

(情報セキュリティ監査及び自己点検の実施)

第8条 情報セキュリティポリシーの遵守状況を検証するため、定期的又は必要に応じて情報セキュリティ監査及び自己点検を実施する。

(情報セキュリティポリシーの見直し)

第9条 情報セキュリティ監査及び自己点検の結果、情報セキュリティポリシーの見直しが必要となった場合及び情報セキュリティに関する状況の変化に対応するため新たに対策が必要になった場合には、情報セキュリティポリシーを見直さなければならない。

(情報セキュリティ対策基準の策定)

第10条 前3条に規定する対策等を実施するために、具体的な遵守事項及び判断基準等を定める情報セキュリティ対策基準を策定する。

(情報セキュリティ実施手順の策定)

第11条 情報セキュリティ対策基準に基づき、情報セキュリティ対策を実施するための具体的な手順を定めた情報セキュリティ実施手順を策定するものとする。この場合において、情報セキュリティ実施手順は、公にすることにより本市の行政運営に重大な支障を及ぼすおそれがあることから非公開とする。

この訓令は、公布の日から施行する。

(令和4年7月29日合同訓令第1号)

この訓令は、令和4年8月1日から施行する。

長岡京市情報セキュリティに関する規程

令和3年11月1日 合同訓令第3号

(令和4年8月1日施行)