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令和3年度 第1回 図書館協議会会議録

  • ID:12282

日時

令和3年11月10日(水) 午後2時~3時30分

場所

図書館3階大会議室

出席者

委員

夘滝会長、竹内副会長、高橋委員、井狩委員、小山委員、小林委員、渡邊委員、遠藤委員、

中林委員、馬塲委員、(副会長以下委員名簿順)

事務局

西村教育長、坂内館長、馬淵係長、五十棲総括主査

欠席者

傍聴者

案件

(1)令和2年度及び令和3年度図書館事業の経過の報告について

(2)蔵書構成について


議事

1 開会

(教育長挨拶)

 コロナ禍のため、皆さんが集まって会議をすることが出来ず、令和3年度第1回長岡京市図書館協議会の開催がこのような時期となった。始める前に、長岡京市教育長として、ひとこと挨拶を申し上げる。

 昨今の図書館をめぐる状況は、インターネットやスマートフォンの普及に伴う読書離れをはじめ、少子高齢化や情報化の進展、図書館サービス等への市民ニーズの多様化など大きく変化している。また、昨年2月からの新型コロナウイルス感染症により、臨時休館であったり、利用の制限といった対応を強いられもした。

 こうした中で、だれもが使いやすく、人や情報が交流する図書館、子どもたちの読書活動を推進できる図書館など、時代の変化に合わせて新たな公立図書館の在り方を考えていく必要性が高まってきた。

 先日、タブレット等を利用することによる、子どもたちへの発育に係る研究について学ぶ機会があったので、少し披露する。

 講師は、脳トレで有名となった東北大学の川島隆太氏であり、その中で気になった点が

・スマホやゲームは子どもの脳の成長を阻害する。

・対話は脳を活性化するが、オンライン対話では脳は働かない。

・電子書籍の読書は脳の活動は少ない。一方、紙の書籍の読書は理解力・想像力が養えるものである。

・読書の重要性として、読み聞かせは、心の脳を育て、記憶の脳を盛んに動かす。

 仙台市の小・中・高の15年間の調査より、「読書をする学習時間30分未満の子」と「読書をしない学習時間2時間の子」の学力が同程度の成績であるという結果が出た。学年の低い時に読書をしないことは致命的であるといった衝撃的な話であった。

 本日は昨年度と今年度の事業の経過報告と来年度の事業の方向性を説明する。

 皆さまのご意見を通して、情報の集積、発信地として、より良い充実した図書館を作っていきたいと思うので、よろしくお願いしたい。

(会長挨拶)

 コロナ禍での図書館のガイドラインも示されている。資料の構成を市民のニーズに合わせて充実するため、蔵書構成の見直しを行っている。直ぐには結論は出ないとおもうが、今日は市民の意見として、みんなでこのことを考えていきたい。

2 議題

  事務局説明後、質問を中心に議事を進行した。

1.令和2年度及び令和3年度図書館事業の経過報告について

(事務局)

 ・令和2年度報告 

 コロナ禍における資料貸出数は、平均59冊/日減で収まった。

 ・バンビオでの貸出資料の受渡し数は回復

《行事》

・人数制限を行い、緊急事態宣言中は中止もしくは延期した。

・従来、職員がメインで実施していたが、令和3年度は子どもの読書啓発活動は、市民ボランティアによる多様なメニューで実施した。

《特徴》

・勝竜寺公園で毎月第4土曜日に長岡京おはなしの会ささぶえが子ども対象に昔話の会を開催(勝竜寺城築城450年祭の一環。郷土愛を育てたいという市の施策に呼応)

・市役所の他の部署と連携をし、資料展示を行った。一例としてガラシャプチウィーク(中止になったがガラシャ祭の代替)では、お玉ちゃん年表を作成、ガラシャ関連本を展示した。

《利用》

・毎月約10,000件近くの貸出状況であった。今後も貸出だけでなく、図書館利用を増やしていきたい。

(会長)

 市役所の他部署との連携は今後も積極的に行ってほしい。市役所の仕事は市民の暮らしに深く関わっているところであり、それに合わせたサービスが必要。

 6月に市の基本計画などの資料を送っていただいた。それによると教育部図書館は、社会教育の推進、生涯学習の核となるところであり、情報の提供を日常的に行っている機関であるとしている。市民の幅広い読書啓発活動の推進に向けて図書館事業を担ってほしい。

2.蔵書構成について

(事務局)

❶蔵書計画の作成について

《目的》

 魅力ある図書館、魅力ある本棚とは何か、手にとりやすい本棚とは何かを考えることで、利用者にとってより満足度の高い図書館を目指す。

《課題》

・開架書架や閉架書庫の本が満杯、利用者及び収納面で利用しにくい状態である。

・死蔵本(ある期間一度も貸出に出ていない本)に目が行き届かず、利用に供するための見直し作業ができていない。現在、5年間利用されていない閉架書庫の本が約9万冊ある。

《目指す姿》

 現在の蔵書は約26万冊である。課題解決に向けた蔵書数を20万冊と考える。

 同志社大学図書館司書課程准教授の佐藤翔氏の研究から、「図書館の本の収納力は、6段書架の場合、一番下の棚を空けた状態で本を収納することが推奨されている」という見解がある。本館の一般書の書架は6段書架だけではないが、参考値として、一般書170,307冊の5分の6である141,922冊を蔵書と考える。児童書は4段書架で、同じ理論で、88,876冊の3分の4である66,657冊を蔵書と考える。合計208,579冊が算出される。

 書架の足元の本はあまり見ないことから面置きするなど工夫をし、魅力ある書架にしていきたいと考える。

・「減らすという考え方」について

  未利用の中でも資料的価値等からの保存と除籍の考え方

・「本棚の考え方」について

  本棚に興味を持ってもらう魅力的な本棚づくり

 これらのことにご意見をいただきたい。

(委員)

 死蔵本をどのように減らしていくのか、タグをつけて徐々に減らしていくのか、可視化しないのか、もう少し詳しく話を聞きたい。

(事務局)

 開架の未利用リストを参考に一般室や児童室の棚から本を抜き、書庫へ移す。書庫から除籍候補の本を抜き、除籍するかどうかの検討期間を設け、最終決定する。可視化は考えていない。

(委員)

 児童書の書架は4段で一般書の本棚と異なる。児童書も一般書と同じ本棚の一番下の段を空けるという見解をしているが、実際、一番下は子どもにとって手にとりやすく、本棚が隙間だらけとならないか。

(事務局)

 現在、児童室には児童書の蔵書の半分以上を開架しており、本棚から取りづらい状態である。余裕のある見やすい書架の使い方をしたいと考える。児童書は副本(同じタイトルの本)が多く、そのような児童書から精査していきたいと考える。根拠づけはもう少し考えたい。

(会長)

 機械的にスペースをつくり出すのではなく、利用者にとって魅力的な書架にしてほしい。

(事務局)

 現在本棚の収納スペースに対する26万冊は過剰である。除籍すると市民1人当たりの蔵書冊数は減少するが、陳腐化した本を所蔵するより、適切に魅力的な本・良書といわれる本を提供できる冊数として20万冊を提案している。利用しやすい、魅力ある本棚を作りたいという考えである。26万冊を維持する方がよいということであれば、ご意見をいただきたい。

(委員)

 蔵書計画は初めてという試みとの事で、根拠立て、計画立て、現場の見直しなど、プランを立ち上げるところから大変であったと思う。問題は、今後よくなる施策であるかどうかである。

 死蔵本の約9万冊のうち保存しておきたい資料が約2万冊ということは、実際の死蔵本は7万冊となる。除籍予定冊数は6万冊というプロセスは、7万冊に対しての6万冊で、対象が予定数を上回っているので、除籍を無理に行うものではないので妥当だと考える。

(委員)

 図書館年報(令和2年度)のP25に年間購入冊数として「5,013冊」と記載されているが、今後は、20万冊となるよう、5,000冊も除籍するのか。

(事務局)

 これまでも、年間5,000冊は除籍している。時代にそぐわなくなった本や状態が古く手にとられなくなった本などを除籍している。

 今回の蔵書計画では、更に手付かずのところをコンパクトにし、司書の目が行き届くよう魅力ある本棚づくりを目指している。

(会長)

 今回の提案が望ましいと考えられる基準と大きくかけ離れているということは無いと思う。自治体の規模に見合った身軽に活動できる、利用できる魅力的な書棚をつくってもらいたい。府立図書館の協力貸出しや他館との相互協力も活かし、市民の資料要求には確実に応えることも必要。 

(事務局)

❷蔵書構成について

 蔵書構成比は、一般書と児童書を分けて考える。

 筑波大学准教授の池内淳氏の「公立図書館の蔵書構成と貸出規則に関する実態調査」より提示された一般書の構成比は、本館の構成比とほぼ変わらず、当面現在の構成比率を維持する。

 児童書については、参考とする資料はなく、現状を維持していく。絵本は児童書の34.32%の30,498冊を蔵書している。出版年が古くても内容が時代に左右されず、利用の多い絵本については、買い替えをして更新し、蔵書予定数を28,000冊とし、大きく蔵書数を減少させることなく維持していく。

(会長)

 図書館を利用していない人に来てもらえることを意識することも大切。あまり図書館と関わりの無いような団体(市民グループ)とのコミュニケーションもとって活動すること等。

 供給が需要を高める。求めるものが得られなければ、市民の図書館への要求も高まらないし、期待も大きくならないと思う。

 構成比が大きく変わることはないと思うが、市民の声を大切に、要求に合った構成になるように努力してほしい。

(事務局)

 今回の筑波大の構成比をベースとすれば、一般書の17万冊の1%となると1万冊の値となり、占める割合は大きい。福祉系、手芸や料理本が占める蔵書割合は高いが、利用者のニーズがある。

 一方、スポーツ、演劇の蔵書割合は低く、こういったところをもう少し増やした方がいいのでは等、これからの市民の予想されるニーズ等の意見が欲しい。長岡京市民が求める図書館作りを目指していきたい。

(会長)

 「児童書が多いのでは?」という声もあったが、そのことについての館の考えは。

(事務局)

 長岡京市立図書館の特色の一つである児童書の充実を更に図りながら、利用者のニーズに則した幅広い選書、地域の実情に則した選書を行っていくという事をしっかり位置づけしたいためである。

(会長)

 市民からの資料要求には確実に応え、魅力ある本棚作りを目指して頑張っていただきたい。

(委員)

 大活字本を利用されている方の話を聞いたが、どのように大活字本を選書されているのか知りたい。

(事務局)

 大活字本は毎年、出版元のさいたま福祉会から新刊案内が送られてきて、そのリストから選書をしている。本館にないものは府立図書館からも借りて利用者に提供している。

 他にも弱者にやさしい本には、点字本やLLブック(イラストを多用し文章もわかりやすい言葉で表現された本)などがある。

(会長)

 選書と除籍の基準について説明してほしい。

(事務局)

 選書基準は、内部資料としてある。公共図書館のため、専門的なものではなく各分野の基本的な 本、ノウハウもの等を選書している。

 長岡京市は子育てを大事にしているまちであることから、絵本や児童書に注力し、また地域資料や弱者に活用していただける本なども充実させていく予定である。

 児童書の除籍予定は副本を含み20,000冊である。古い本で所蔵しておきたいものは更新する。提示している数字は、想定比率であり、子育てのまちとうたっているが、「分類3門」の構成比の数値や、農業やスポーツなどを増やすのか等、意見を聞きたい。   

 検討課題など、次回の協議会では提示したい。

 熱心なご議論ありがとうございました。次回協議会は、2月の予定。