平成25年度協働ワーキング報告書
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協働ワーキング設置から今日までの動き
- 平成20年度から、本市企画部に市民の参画と協働を推進するための部署として市民参画協働政策監(平成23年度からは市民協働・男女共同参画政策監に組織変更)を新たに設置
- 平成21年度から、市民参画協働政策研究会(通称協働ワーキング)を設置し、市民と行政との協働によるまちづくりを考え、「長岡京市オリジナルの協働の形」を探っていくための調査研究を開始
- 平成22年度の活動として「市民協働マニュアル」を作成
- 平成23年度の活動として「市民協働マニュアル」を元に、市内の市民活動団体とワークショップを実施
- 平成24年度の活動として、平成23年度に市民活動団体より頂いた意見をふまえ、市民活動やボランティアを始めたい人への入門編として「市民協働マニュアル(第2版)」を作成
- 平成25年度の活動として、市職員の協働意識の向上を目的に職員基礎研修、職員向け協働アンケート、協働事例紹介実施

平成25年度の活動報告

1.構成員
委員:赤松主事、長沼主事、二井本主事、桝次主事、杉山主事、松矢主事、吉川主事
事務局:市民協働・男女共同参画政策監

2.はじめに
市民参画協働政策研究会(協働ワーキング)は、平成21年4月に市民と行政との協働によるまちづくりを考え、「長岡京市オリジナルの協働の形」を探るために立ち上げられ、5年目となる。
今日、少子高齢化や核家族化等の社会情勢の変化に伴い、地域を取り巻く環境や人々の価値観も大きく変化している。求められるまちづくりも多様化し、行政主導のまちづくりだけでは対応できなくなってきたため、多様な主体が協働してまちづくりを担う必要が出てきた。一方、なぜ「協働のまちづくり」が必要なのかということや、「協働のまちづくり」を行うためには何が必要なのかということが市民も行政も十分には把握できていないのが現状であり、課題となっている。
そこで、協働ワーキングでは、平成23年3月に協働のまちづくりの意義や市民及び行政が協働してまちづくりをしていくための具体的な手法及び道筋をわかりやすく示した「市民協働マニュアル(初版)」を作成した。しかし、この協働マニュアルをより使いやすいものにするためには、それぞれの役割の明確化、市民活動の現場の声の反映など定期的な見直しが必要であったため、平成24年度の協働ワーキングでは、前年度のワークショップの活動を踏まえ、「市民協働マニュアル(初版)」の見直しと改訂作業を行い、「市民協働マニュアル【はじめの一歩編】」を発行した。
平成25年度においては、「市民協働マニュアル」のより一層の活用を図るため、市職員の協働意識の向上を目的とした取り組みを実施したので、その成果をここで報告する。

3.活動実績
平成25年度の協働ワーキングでは、市職員の協働意識の向上に向け、以下の取り組みを実施した。
- 全職員向けの協働に関するアンケートを実施し、職員意識の現状を把握
- 市民参画協働についての職員基礎研修を入所3年目までの若手職員に実施
- 市民と行政の協働事例紹介を庁内インフォメーションに掲出
協働ワーキングは計10回実施され、第1回から第4回にかけて本年度の活動方針および内容の検討を行い、第3回以降は、上記の実施にあたっての作業を行った。協働事例紹介の実施にあたっては、メンバー自ら実地での聞き取りを行うなどの作業も取り入れた。
日時 | 内容 |
---|---|
平成25年5月29日(水) 午前9時30分~11時30分 | 第1回市民参画協働政策研究会(協働ワーキング) ・平成25年度の活動予定について |
平成25年7月4日(木) 午前10時~正午 | 第2回市民参画協働政策研究会(協働ワーキング) ・平成25年度の活動予定について |
平成25年7月10日(水) 午後3時~4時30分 | 第3回市民参画協働政策研究会(協働ワーキング) ・長七小における協働事例見学 |
平成25年7月29日(月) | 「市民とまちづくりを」No.22発行 |
平成25年8月8日(木) 午後1時~3時 | 第4回市民参画協働政策研究会(協働ワーキング) ・事例紹介班、アンケート班の班分け及び作業 |
平成25年9月4日(水) 午前10時~正午 | 第5回市民参画協働政策研究会(協働ワーキング) ・事例紹介班、アンケート班の作業状況報告 ・職員基礎研修準備 |
平成25年9月19日(木) | 事例紹介取材「市民活動サポートセンター」 |
平成25年9月24日(火) ~同年11月8日(金) | 市職員向け「協働に関するアンケート」実施 |
平成25年10月2日(水) 午前10時~正午 | 第6回市民参画協働政策研究会(協働ワーキング) ・事例紹介班、アンケート班の作業状況報告 ・職員基礎研修準備作業 |
平成25年10月4日(金) | 職員基礎研修「市民参画協働について」 |
平成25年10月28日(月) | 事例紹介「突撃!となりの市民協働」創刊号発行 |
平成25年11月19日(火) 午前10時~11時30分 | 第7回市民参画協働政策研究会(協働ワーキング) ・事例紹介班、アンケート班の作業状況報告 ・職員基礎研修ふりかえり |
平成25年12月19日(木) 午前10時~11時30分 | 第8回市民参画協働政策研究会(協働ワーキング) ・職員アンケート集計経過報告 ・事例紹介2回目の内容検討 |
平成26年1月19日(日) | 事例紹介取材「下海印寺まちづくり協議会」 |
平成26年2月1日(土) | 「市民とまちづくりを」No.23発行 |
平成26年2月6日(木) 午前10時~正午 | 第9回市民参画協働政策研究会(協働ワーキング) ・事例紹介班、アンケート班の作業状況報告 |
平成26年3月11日(火) 午前10時~正午 | 第10回市民参画協働政策研究会(協働ワーキング) ・事例紹介3回目の内容検討 |
平成26年3月19日(火) | 事例紹介「突撃!となりの市民協働」第2号発行 |

4.成果
・職員アンケートの実施と分析
・若手職員に対する職員基礎研修「市民参画協働について」の実施
・協働事例紹介の実施
平成22年度より市民協働マニュアルの作成、見直し、改訂作業を行ってきたが、完成したツールの活用を図るためには、市職員の協働意識の向上を図り、市民と行政が協働の考え方や活動についての共通認識を持つことが重要であることを再確認したところである。
現状を把握するため実施した、市職員を対象とした「協働に関するアンケート」の結果において、協働の必要性については87%の職員が必要性を感じているものの、実際に協働した経験があると回答した職員は37%にとどまり、「協働という言葉の意味がよく分からない、聞いたことはない」が30%を超えていた。また、「協働マニュアル」については約75%が「読んだことはない、知らない」という結果であった。
入所1年目から3年目までの若手職員を対象として実施した職員基礎研修においては22名の受研があった。協働についての基礎知識の講義、ワーキングメンバーによる協働マニュアル作成の経過説明の後、ワーキングメンバーがファシリテーターとして加わりグループワークを実施した。「今まで何となく知っていると思っていた協働が少し具体的に感じられた」などの受研者の感想が寄せられた。
協働事例の紹介は、庁内インフォメーションを活用し、協働事例をより身近に感じてもらう機会として全職員に向け発信をするものである。本年度は2件の事例紹介を実施した。

5.おわりに
「ワーキンググループとして3年をかけて作成、改定を行ってきた協働マニュアルは実際に読まれているのだろうか」という素朴な疑問からこの1年の取り組みが始まったといえる。その疑問を検証するために実施した職員アンケートの結果は厳しいものであったが、現状を認識した上で新しい取り組みを始めるステップとなった。今後、取り組みの実践後に再度、職員アンケートを実施して効果の確認を行う予定である。
本年度3名の新しいメンバーを迎えたワーキンググループは、職員基礎研修におけるワークショップのファシリテーターや、協働事例の現地取材などの経験を通して、協働をより深く考えるようになったと思う。
来年度は市職員の協働意識の更なる向上に向け、引き続き職員研修や事例紹介を実施していく予定である。
引き続き協働のまちづくりの推進と実態の研究を行う中で、「長岡京オリジナルの協働のかたち」を模索していきたい。

6.添付
資料1:市民協働についての市職員アンケート
資料2:市民協働についての市職員アンケート結果