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「配食シンポジウム」を開催しました

  • ID:8

自宅で暮らす高齢者の食生活は、さまざまな人たちによって支えられています。
行政の配食サービスに携わる人、配食ボランティア活動をする人、配食などのサービスを提供する事業者など…。
このたび、そのような高齢者の食生活を支える人たちが初めて一堂に集まり、長岡京市全体の高齢者の食事情や配食に関する現状と課題をともに考えました。
企画メンバー14人を中心に5つの配食ボランティア団体の協力を得て開催した今回のシンポジウム。72人の参加があり、当初の定員を上回る申し込みで配食についての関心の高さがうかがえました。
一緒にお弁当を食べ、講演などを聞いたり配食にかける思いを語りあったりと、大変楽しく、また「これからの配食」に向けて一層がんばっていこうと元気の出る機会となりました。
開催にご協力いただきました皆さま、本当にありがとうございました。
終了後、企画メンバーで振り返りをしました。(ページ内リンク) ページの最後に記載していますのでどうぞご覧ください。

「配食シンポジウム~高齢者においしい食事と元気を届けよう!~」プログラム

昼食と配食活動紹介

講演会「これからの配食活動」

講演会「これからの配食活動」について(ページ内リンク)

  • 講師 中山徹さん(奈良女子大学大学院教授)

パネルディスカッション「高齢者においしい食事と元気を届けよう!」

パネルディスカッション「高齢者においしい食事と元気を届けよう!」について(ページ内リンク)

  • パネリスト
    中川美智子(配食・会食サービス燦燦)、伊藤初枝(長岡あじわう会)、高吉直子(長岡京市高齢介護課)
  • コーディネーター 中山徹さん

みんなでわいわい意見交換

みんなでわいわい意見交換について(ページ内リンク)

  • 8つのグループにわかれて配食への思いなどを話し合いました

展示

  • 団体の活動紹介パネル
  • 利用者からのお手紙など

4団体15人が協力したお弁当づくり!

4つの配食団体が初めて合同(団体ごとにメニュー分担)で調理を行い、団体同士の交流の場となりました。
いつもと違う慣れないメンバーとの調理、各団体で材料の切り方から盛り付け位置に至るまでやり方が異なっていることがわかり、調整が大変でとまどいはあったものの、時間内に調理が済み、彩りのいいお弁当が仕上がりました。
「他団体から学ぶことが多かった」「今後の活動に活かせる」「収穫が多かった」という感想が聞かれました。

協力してお弁当づくり
4団体が各テーブルを担当しました
一品ずつ盛りつけます
完成したお弁当
会場の雰囲気はあたたか

サーモンピンクのクロスや花で飾ったテーブルと、手作りの箸袋がセッティングされた温かい雰囲気の中、こだわりのお弁当をおいしくいただきました。

5団体はそれぞれこんな活動をしています!

長岡あじわう会

平成4年11月に立ち上げ、19年経った。会員150人。そのうち、活動の「担い手」となる人は配達をする男性5人、主に調理をする女性49人。お弁当を受け取る「受け手」は85人。毎週火曜日夕食、1食500円で配達している。原則70歳以上の一人暮らしで、介護を必要としているご家族へ配達。奥さんが調子悪い方が多く、ご主人が一番困るのは食べることでありとても喜んでおられる。高齢化が進んでいるが、困っている度合いを見て(面接を行う)、年齢に関係なく困っている順に、65歳でもお届けする場合がある。あじわう会のモットーは、一人ひとりが主役ということ。みな平等。持ち味を活かして活動してもらっている。メンバーは宝物。楽しいグループである。はじめは大変だったが、皆さんの喜ばれている顔を見て、やっていてよかったなと思う。利用者の声が私たちの力の源になっていると感じる。

長岡あじわう会の説明
長岡あじわう会の模造紙

配食・会食サービス 燦燦

来年10周年。高齢者が地域で安心して住みなれたところで暮らしたいという思いと、定年を迎えた私たちが皆さんの役に立ちたいと立ち上げた。場所は市役所の前のスーパーの裏。2時までランチ、その後配食サービス。週4回。火曜から金曜。35~40食。月に1回、土曜日にお楽しみ会(会食会)を実施。年間6500食。会員は169名。食材にこだわり、低農薬の野菜と米、手作り味噌、国産の肉など、こだわっている。安全、安心の食材でお届けしている。季節ごとに3月お雛様、5月こいのぼりなど折り紙を添えて喜ばれている。高齢者の「待ってたよ」のひとことが励みとなっている。2年前に奥さんをなくされた耳の遠い男性は「あかんわ、わし、ひとりやし」といわれる。「そんなこといわんと元気出してね!」と手話で表現して声をかけている。お話をしたい人が多いので、コミュニケーションをとり、お弁当を届けるだけでなく、元気と笑顔をお届けしたいと思っている。

燦燦の説明
燦燦の模造紙

サロン華

平成23年4月から。ほやほやで、サロンを始めたのは21年で、サロンの仲間17人で配食を始めた。「自分たちも年いってるし、無理なくやろう」と第2第4土曜日の月2回15食。1回4人のスタッフで、自宅でおこなっている。まだまだできてないところがあり、みなさんと意見を出し合いながらやっている。15人に満足がいくように・・・それが私たちの夢。「継続は力」ムリして増やさず、長く続けていきたい。配食するだけでなく、安否確認、感想を問いかけながら、弁当箱の回収を行っている。個々に応じた形で。当日夜に電話する場合もあるし、次回に回収もあり、利用者が持ってきてくれる場合もある。利用者とのかけあい、コミュニケーションが魅力。

サロン華の説明
サロン華の模造紙

にっこり会

昨年、「配食を気軽に始めよう講座実践編」で知り合った仲間で4月に立ち上げた。会員7人。プラットフォームの協力のもと、第4木曜の夕食を25食配っている。人と人との信頼を大切に、安心、安全で家庭的な味を届けたいと思っている。みんなの気持ちがひとつに楽しく作ったときには、最高にいいお弁当ができると思っている。みんなで協力して楽しく作っている。料理が得意な人だけでなく、数字に強い人、事務的なことが得意な人、文章が上手な人、折り紙やお手紙、押し花、絵手紙が得意な人、配達、買い物・・・できるときに、いろんな意味で協力してほしいと思う。みなさんの協力があってボランティアは成り立っている。いろんな人とめぐり合って、少しずつ協力者が増えてきてとてもありがたい。「配達してもいいよ」と言ってくれる人もある。いろんな問題もあるが、皆さんのアドバイスをいただきながら少しでも長く続けていきたい。

にっこり会の説明
にっこり会の模造紙

NPO法人ネットワークすてっぷ

平成11年に配食活動を開始。この法人は、介護サービス、青少年(小学生)育成の野外活動なども行っていて、配食はいろんな活動の中のひとつ。活動回数は、昼食と夕食を月1回各40食。活動人数は13人。季節感を大切に多彩な食材を使い、家庭的な味をお届けしている。配達や調理のボランティアスタッフを募集中。特徴は、高齢者だけでなく、子育て中の大変なお母さんを手助けする配食も行っていること。

すてっぷの模造紙

巨大な配食マップをつくりました!

この日のために、行政サービスと5つのボランティア団体のお弁当が、どこへどのくらい届けられているかシールを貼って、一目瞭然でわかるマップをつくりました。完成したマップから見える、現在の本市の配食に関する状況を解説しました。

巨大マップの解説
巨大マップ
  • 団体の活動拠点周辺はたくさんの人が配食を受けている。市の中心部は多い。
  • 勝竜寺、城の里、奥海印寺、今里、柴の里あたりが少ないのがわかる。滝ノ町はボランティアに携わっている人が住んでいるので、帰りに届けている。
  • シールの貼られていないところにも待っている人がいる。まだまだこれから、必要とする人がいる。配食サービスを知らない人もいる。
  • 配食業者さんによる配食はマップにのってないが、毎日業者さんのお弁当をとっている人もいる。
  • 配食サービスだけでなく、ホームヘルパーが食事の支援をしている場合もある。
  • 食べることの楽しさ、元気をどういうふうに高齢者に届けていけるか、みんなで考えていただきたい。
  • 自分の住む近くにも、食生活に困っている人がいることを感じ取ってほしい。

配食の意義を再認識!これからの活動に力が湧くような講演会でした

中山先生の講演

講演内容の概要

  • 社会的に配食サービスが必要になってきている背景は、少子高齢化である。日本は今後、どこの国も経験したことのない高齢化率40%の超高齢化社会となるだろう。子どもの比率は先進国で最下位。一人で暮らす高齢者や高齢者のみの世帯が確実に増えることが予測できる。
  • スウェーデンでは高齢者の食を社会的に支えてくことが大変重視されていた。高齢者の3割は栄養が足りず健康状態が悪化しているということから、どうやってカロリーや栄養をきっちり摂るかが議論の中心であった。そして、配食のような重要な取り組みは、ボランティアでなく仕事ですべきという考え。また、配食サービスもするけれど、高齢者施設も地域に開放されて、いろんな方法で高齢者の食をどう支えていくか、徹底的に考えられている。
  • 日本の高齢者は栄養状態を改善していく必要があり、食事を通じて生活のリズムをとることが重要なポイント。それが、食事を通して高齢者が自立した生活を長く送ることにつながる。配食サービスが高齢者の自立を支えていく上でこの点は重要。
  • 食べることに意欲を持てる、食材などに興味関心を持てるということは、生きていく意欲を持つことになる。食により芽生える、生きていく意欲が、その他の活動に対する関心につながることから、食はとても重要。
  • オーストラリアでは、一週間分冷凍したものをまとめて配って、レンジで温めて食べる。効率的だが、日本にはなかなか馴染まないのでは。あらためて日本の食や配食に感心した。
  • 食事を配ると同時に高齢者の安否確認をどう進めていくか。孤独死を防ぐ方法のひとつは、配食サービス。栄養状態を整える、生活リズムをとることを通じて、高齢者の状態をきちっと確認している。同時に、そこで高齢者と接することが、一人暮らしの高齢者にしたら唯一の接点かもしれない。配食には、高齢者の状態を確認すると同時に社会とのつながりを続けるという意味で、大きな意義がある。
  • 長岡京市でもコミュニティが大きな問題になっていると思う。地域社会の結びつきやつながりが希薄になってきている。これからの地域コミュニティを考えていく場合、日常的には高齢者がポイントとなる。配食サービスというのは主に高齢者に対する課題であるが、それを通じて地域のみなさんがつながっていけるものであり、地域全体のコミュニティの再生に大きな役割をはたすと思っている。
  • 今後の、大きな課題のひとつは、ボランティアでの配食は規模が小さく、どう運営を維持していくかということ。食に対するニーズは山のようにあり、もっともっと増えていく。しかしボランティア団体の経営、運営は脆弱。継続性をどう保障していくか。行政はどう関わっていくか、業者がどう関わるか、どうやって短時間で配達していくか、効率的に配達しながら安否確認もしなければならない。どうすればそれができるのか考えていくのが重要な課題ではないか。
  • 高齢者が自分で調理ができるようにすることも大事。食に感心を持ち、自分の力で動ける間は、自分で調理してみようかというのがいい。動ける高齢者は一週間に1回ぐらいは、頑張って集まって、話しながら給食を食べようかというのもいいし、大事だ。調理できる人にはやってもらってサポートするとか。歩ける人には出てきてもらって、昼ごはんを食べようかとか。配食は、配食だけでなく高齢者の生活全体を支えていくことを同時に考える必要がある。
  • 配食サービスは高齢者にとってはいいが地域の商店街はお客をとられるというのは困る。地元との関わり、つながりをつくりながら配食を考えていくといい。地域ぐるみで高齢者を支えていくイメージにつながる。商店街を巻き込み、資源を活用しながら展開できればもっといい。地元農家から直接仕入れるのもいい。子どもたちも巻き込んで地域全体で高齢者の食を支えていくことになれば、さらにいい。
  • 最後に、仕事ではなく、儲けではなく、ボランティアの精神で高齢者の食を支えている活動は素晴らしい。スウェーデンでは仕事である。ボランティアの精神で、配食を継続し発展してきて、今日これだけの人が集まって、配食について議論するのは素晴らしい。今後高齢者はどんどん増えていく。それを仕事だけで、また行政だけでやっていくのは無理。市民の力で考えていかないと無理。
  • 単に善意だけでやっていくのではなく、地域のコミュニティ再生につながっているとか、商店街や学校、保育所などに広がっていくことで、地域全体で高齢者の食を確保していこうとなっていくと、住みやすいまちに変わっていける。さらに、日本独特のボランティアの配食は、食に対するこだわりもあり大変だが、それを大事にした配食を考えていけば、地域全体が住みやすいまちに変わっていける。頑張っていただきたい。

配食の現状や課題をみんなで共有するための議論をしました

パネルディスカッションの様子
パネルディスカッションの様子2
パネルディスカッションの様子3

概要は次のとおりです。

中川(配食・会食サービス燦燦)

  • 定年後何をするかと考え、やりがいのある人生を過ごしたい、老後をどう過ごすかを考えたら、お互い助け合っていかなあかんし、支援をしていける人間でいたいという思いがあった。
  • 安全、安心な食材で、調理のプロではなく、主婦の長年の経験を活かして家庭の味を大切に届けたいと思った。持っていったときに温もりを感じてもらえるように、多くの食材を使い、色合いや盛り付けも工夫し、開けたときにあったかいなと思っていただくようにしている。
  • 講演を聴いて身の引き締まる思い。私たちの今後の課題をバッチリ言ってもらった。定年後にやったことは間違っていなかったと確信を持て、うれしかった。
  • 定年後、燦燦で配食サービスをやって自分の人生が豊かになったというメンバーがいる。高齢者の役にたっているという実感を持て、やりがいが感じられる。うれしくて、楽しい。

伊藤(長岡あじわう会)

  • 広報などに載ったから、農家の人がぜひうちの野菜を使ってくれと採れたての野菜を持ってきてくれる。常に地産地消。
  • 自分は調理はしないで司令塔をしている。人間関係が第一と思う。それさえちゃんとなればおのずとおいしいものができる。
  • 献立表の通信欄に食べた感想を書いてくださっている人がいる。また、折り紙のボランティアの人にかかわってもらって、横のつながりができて感心している。献立表に添え、大変喜ばれている。
  • 事前に受け手の人を訪問してお話を聞いてきた。奥さんが認知症の男性は、直立不動でお話してくださった。その姿を見て胸がいっぱいになった。こんなにも私たちのお弁当を待ってくださっているという思いでいっぱい。安否確認してもいらってうれしいとおっしゃっている。今日の会の成功を祈っていると電話があった。私たちもさらに磨きをかけていこうと思う。

受け手の人のお話(録音)

  • 私どもは老老で、2人で生活しております。家内は料理を作る意欲をなくしております。私たちの栄養も不足していると思いますが、幸いあじわう会を知り、温かいお弁当を、毎週火曜日を楽しみにしております。この日が来るのを2人で待ち望んでいます。どうか、今後も続けて、おいしいお弁当を作ってくださいますようお願いいたします。
  • 分量も、バランスもちょうどいい。配達の人にも大変親切にしていただいている。

高吉(長岡京市高齢介護課)

  • 自分で食事を作るのが難しい高齢者へ栄養バランスのとれた食事を提供している。65歳以上、一人暮らしの高齢者、障がい者、介護保険の要介護認定を受けている人、心と体のバランス度チェックで機能が低下している人、急な事故や病気で家事ができにくくなった人へ配達。月~金の1回~3回、昼食のみ。
  • きりしま苑に委託しており、業者が作り職員が配達、1人13~16人分を配る。要介護の人が増え、不自由な人が多い。食卓まで運び、食べられる状態にしておく。留守なら一旦持ち帰り、再び届ける。連絡が取れなければ緊急連絡先へ連絡するシステム。
  • 生活保護や非課税世帯は300円、その他は1食500円。実際は1個あたり880円。実際の費用は市の持ち出しになる。
  • 利用者125人。年間延べ8329人。1人あたり5.9回で若干増えてきている。新規30人、抹消25人、曜日回数変更20件。
  • 新規は地域包括支援センターケアマネからの紹介が多い。急な病気や事故などで困っている人にもお届けしている。

コーディネーター

どういう点に困っているか?

中川

  • ボランティアが高齢化してきて、間違いが多くなる。点検項目が増える。利用者の入院、デイケアなどで変更が激しいためチェックが大変。
  • 高齢者から「まだか」と何度も電話が入るし、その対応も大変だが、高齢者ってこんなものとていねいに対応している。利用者が配達のことを忘れて持って行ったときに今日はいらないと言われると欠損になるが、そうですかで済ませる。休みの日に留守電に「まだ届かないが」と入っていることも多く、留守電聞くのも大変。困ったなと思うことも多いが、高齢者へのボランティアはこんなものだと考えている。
  • 魚の仕入れが大変。
  • 甘えず、向上心を持って、調理の腕を上げ、お互い刺激しながらやっていきたい。

伊藤

  • 問題なのは場所、活動拠点がないということ。中央公民館を週1回2200円で使わせてもらっているが、場所さえあれば、週にもう1回ぐらい配食したい。
  • 当番を決めなくても常時30人は来てくれる。モットーは、自分のできることをムリしないでやるということ。金銭的には困っていない。

高吉

サービスの必要な人に十分行き届いているかと感じている。

参加者からの質問・ご意見

  • 認知症の妻の介護をしている。以前すてっぷさんのお弁当を利用させていただいた。「今日はお弁当が来るから安心!」と思い、すごくラクだった。ヘルパーさんが来られたら、何を作ってもらおうかと考えないといけない。お弁当は考えなくてもいい。
  • 高齢者を地域で支えるシステムづくりには新しいコミュニティの育成が必要だと思う。それがないところにはシステムはできない。配食はその意味で重要な役割を果たしていると思う。行政とボランティアは車の両輪。行政しかできないこと、ボランティアしかできないことを補い合い、助け合うことを考えないと進まない。行政に、ボランティア団体との協働作業の支え手として支援をしてほしい。

コーディネーター

各団体からの話があり、行政とボランティア団体との関係はどうなっていくんだろう、地域で支えていくとはどういうことかという話も出た。拠点がないということも出た。市として、高齢者の食を支えていくことを全体としてどう考えておられるのかお聞かせいただきたい。

高吉

  • 市としては大きな話はできないが、高齢になっても住み慣れたところで、地域で暮らしていただけるように、配食はとても大事と考えている。
  • 安否確認も重要な要素になってきている。高齢化社会で、増えてきている状況にある。介護度のある人、一人暮らしの世帯では、多くの回数を希望されている。支援ができるよう、管理機関と調整し、考えていきたいと思っている。
  • 今回、いろんな配食サービスのボランティア5団体に特色ある発表をしていただき、行政だけではこまやかで温かい顔の見える支援は出来にくい部分もある。行政としても、協働で、みなさんと協力しあって、高齢者の食生活を支援していきたいと考えている。

コーディネーター

  • 配食サービスは行政だけでも、ボランティアだけでもできることではない。食は限られたテーマであるが非常に裾野が広い。人間が生きていくには食抜きでは語れない。非常に大きな問題。
  • 今回のように集まり、いろんな団体が意見を出し合い、行政も意見を受け止めたことはよかった。このシンポジウムをきっかけに、もっと活発な配食活動ができていけばいいなと思う。

みんなでわいわいと話しました

限られた時間でしたが、感想や配食に関することをにぎやかに話し合いました。話しつくせなかったことはアンケートに記入してもらいました。概要は次のとおりです(抜粋しています)。

自己紹介

配食事業所の人

  • 1日3食提供している。病気や体調に合わせて複数食用意し選べるようにしている。
  • できるだけ細やかな様子、体調を見るようにしている。
  • 大阪で一括して作り、冷凍して配達している。
  • 規模が大きくて年中無休。

配食ボランティア団体の人

  • 何か自分にできることはないかと探していたので、お役にたててうれしい。
  • 一人ではできない。作る、会計、配達などいろんな力の結集と思う。活動の幅が広がった。知り合いが増えて、いろんな活動があることがわかった。
  • 今まで我流で行っていた調理だが、配食活動を始めていろいろみなさんに教えていただき勉強している。
  • いろいろな人と交流を楽しみながら活動している。
  • 配達に行ったときに、偶然、具合が悪くなった利用者を見つけたことがあった。

シンポジウムの感想

配食事業所の人

  • 業者とボランティアの場合では、作り方(効率)や思いの込め方が違うと感じた。一連の流れをすべて担えるボランティアが羨ましいと思った。
  • ボランティアはほとんど無償で活動されているのに対し、仕事として携わっていることに後ろめたさもある。
  • お届けさせていただくだけでなく、付加価値を今後も高めていきたいと思います。

介護事業所の人

  • 病気になって当たり前にしていたことができなくなったときの配食の大切さ、考え方を改めて知った。

民生児童委員の人

  • 相談を受けることがあったが、今日配食のことがよくわかったので、説明しておすすめすることができる。

一般の人

  • 食べることが大事とわかった。毎日の食事で悩んでいる人が多いとわかった。
  • 配食の相談をどこにすればいいかわからない。
  • 折り紙をお年寄りが喜んでいると聞いてうれしく、やりがいを感じる。これまで、どんなお弁当に折り紙が使われているのか知らなかったが、ボリュームもあり味付けもよく素晴らしい。
  • 食が生きる力の源として重要であることや、配食に携わる人たちのつながりの深さがここまでとは思わず、認識の浅さを痛感した。
  • 配食ボランティアの配達されていない日を知ることができた。その日に活動できたら。
  • これからは、地域の方々が支えあって暮らしていくことが大切だということを感じました。
  • 長岡京市だけではなく、広い地域で、行政とボランティアの人々が協力して、地域を支える世の中になればよいと思いました。
  • おいしい手作りのお弁当、ありがとうございました。初めての取り組みとのこと、継続できますように!

配食ボランティア活動について

配食事業所の人

  • 同じ気持ちであることを認識できました。配食ボランティアは大変温かみがあると感じました。
  • ボランティアの配食は食材が多く、種類が多いのに感心した。
  • 子育て中のお母さんへの配食というのも大切なことでよいことだと思いました。

介護事業所の人

  • どこへ配食をお願いしたらよいかわからない。料金とか、曜日とかを書いた一覧や全体のガイドブックがあればよいと思う。

配食ボランティア団体の人

  • 利用者の生の声を聞き、また頑張りたいと思いました。
  • とても勉強になった。今後もっと手伝ってよりよいものを作っていきたい。
  • 今後も配食サービスの必要性を感じました。
  • 配食を希望しているが受けられない人がいる。まだまだ配食をする担い手が足りない。配食される地域に、配達だけでも担当していただける人がいればもっと良い。
  • 活動時に最も気を付けていることはトイレの出入り後の手指消毒。検便検査は入った時だけであるが、衛生管理には気を付けている。
  • 今後、配食活動者を増やしていくためには、衛生面や安全面に関する講習会の開催等、勉強できる機会が必要なのでは。

民生児童委員など一般の人

  • 多くの人が参加されているのを知りびっくりしました。今後少しでも役に立てればと思います。
  • 頭が下がる思いがしました。続けていってほしい。
  • ボランティアでの活動されている人の高い意識に感心しました。
  • みなさんとてもいきいきしておられてステキだと思います。とても大切な活動をされていると思います。
  • 地域に根ざした活動、家庭の味、温かさが感じられました。
  • きめ細かな配慮のもと配食サービス、配食活動を行ってくださっているのだと感じました。まだまだ足りないと感じることの多い配食数と、それに加えて配食に加わるボランティアさんも増えていただくこと希望します。
  • 配食でも色々な仕事があることがわかった。
  • 配食のない日の高齢者へのケアはどうしているのかと少し心配に思う。そのために医療機関、行政、ケアマネ、地域と包括的な支援が必要だと思う。民間とも隔てなく連携できればもっとよい。お互いの理解が必要。
  • ボランティアの意義は大いにありつつも、行政の施策としてしっかり柱を立てていかないといけないと思います。ボランティア活動を無にすることではないはずです。
  • 配食活動をする拠点場所が必要で、行政の支援が必要です。担い手もなかなか困難ですが、新たに活動をスタートさせるために努力したい。
  • やはり長岡京市でも行政による拠点の整備が必要なのではないか。バンビオにも調理室があるが、使用料が高い。
  • 地域的にアンバランスがある。自治会とも連携して早急な対策が必要だと思う。
  • 就職難の時代、食べることに関して市が雇用を生みだすことも必要では。仕事として配食活動が続いていけるよう、目指してほしい。

企画メンバーで振り返りました

成功をともに喜び、ねぎらい、そしてこれからこのまちの配食をどうしていくのか、課題に向き合うことができました。

シンポジウム全体について

  • 協働とはまさにこういうことだと実感した。協働のかたちがはっきり見えた。
  • シンポジウムの目的・ねらいはほぼ達成できた。
  • 企画会議、マップ作成、展示の準備など、諸々手間がかかったが、今回のシンポジウムでこのまちの配食の実態と問題点がよくわかり、今後の方向性を考える上で大変参考になった。

お弁当づくりについて

  • 大量調理は初めてで緊張したが、他の団体との共同作業はいい経験になった。
  • 収穫が多く、大変勉強になった。

講演について

  • 講演内容もすばらしく、行政との連携が不可欠であることと、長期的な広い視野で高齢者の食を考える必要性を感じた。

他団体や関係者との連携について

  • 交流ができてよかった。
  • 配食ボランティアの仲間に入りたいという人が見つかった。
  • 他の団体から利用者を紹介してもらった。
  • 民間業者、ケアマネへ案内を送付したため、亀岡市や京都市に拠点を置く業者の長岡京市担当者の参加もあった。
  • 民生児童委員全員に案内を渡したことで多数の参加があり、配食を理解していただけたことで今後の配食活動における連携が図れると思われる。
  • 地域で、新たな配食ボランティア団体が立ちあがりそうな気配があった。