令和5年度第2回高齢福祉部会 会議録
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概要
令和5年度 第2回地域健康福祉推進委員会高齢福祉部会 会議録
日 時:令和5年11月29日(水曜日)午後2時00分~午後3時50分
場 所:長岡京市役所 会議室8
出席委員:島田会長、稲塚委員、鵜野委員、上岸委員、澤田委員、瀬戸委員、西小路委員、橋詰委員
欠席委員:菅田委員、中田委員、中原委員
傍聴者:3名
事務局:川村健康福祉部参事、板垣高齢介護課長、黒河主幹、菅原係長、黒岡係長、小川主査、地域福祉連携室 田村主査
1.開会あいさつ
・委員11名中、8名の出席を確認。
・資料の確認
・健康福祉部 川村参事 挨拶
2.議事
(1)地域カルテについて
「地域カルテについて」説明
委員
福祉や高齢者の分野だけで地域の課題が全部解消するわけではないと思う。現在第4中学校区域に住んでいるが、資料で指摘されている点以外に道が狭いという問題があり、高齢者の避難等の足かせになる実態がある。それを資料に記載すればより使いやすくなるのではないか。
会長
今回のニーズ調査は福祉に特化していると思うが、道路状況や防災の視点でのご意見をいただいた。
委員
例えば第3中学校区の高齢化率等が記載されているが、「一番低い校区」と一括りにされてしまうと、校区の中でも差が激しい所が見えてこない。このように大まかな文面だけで取り組みが進められると見落としが出てくる可能性があるため、追記できるなら細かい地域差についても記載していただきたい。
委員
地域カルテはひと目で地域のことを把握しやすいので大変良いと思う。このカルテを今後どう生かしていくのか、市としてはどうお考えなのか。
委員
現在柴の里に住んでいるが、詳細には高齢者の多い少ないがあり、カルテに記載されないような詳細な区域は、どのように把握していくのか?
委員
同じ校区でも差がだいぶあると思う。同じ校区で一括りにされると実態にそぐわないという方もおられると思うので、その点をしっかり把握していただきたい。
会長
これまでの意見に関して、事務局の方から地域カルテを作成した目的について説明があったが、あまり広くない長岡京市を更に校区ごとに分ける意味、逆により細かい視点でみると実態と異なるなどの意見が出たが、今後カルテをどのように反映し活用するのか、話せる範囲で教えていただきたい。
事務局
一般的には防災等様々なデータが記載されているのが地域カルテのイメージだと思うが、高齢福祉計画及び介護保険事業計画の資料とするため今回は高齢者の支え合いづくりや、介護予防という観点でとりまとめたものであり、その推進に活用していきたいと思っている。地域と行政が共通の課題を認識しながら、地域の住民が主体的に活用できるものにしていきたいと思う。中学校区ごとのデータでは地域差がうもれてしまうという指摘があるのは当然のことと思うが、小学校区ごとのデータも持ち合わせているため、具体的に事業を実施する際などに地域の特性に応じて周知方法や広報の仕方を変えるなどの工夫に生かせるのではないかと考えている。
会長
このカルテはニーズ調査を元に介護予防などを分析しているので多くの情報が含まれてはいるが、全ての地域情報等を網羅しているわけではないということか。
事務局
その通りである。
委員
福祉のことだけですべてが解決するわけではない。私は、自然災害が多発する中で高齢者をどう安全に避難させるかについて考えている。平時はお金で解決できることも多少はあるが、災害時はそうもいかないので、福祉分野においても防災・災害分野との連携の上で取り組んでいただかないと住めなくなる可能性も出てきかねない。ダンプカーがやっと通れるくらいの造成地が増えている現状を踏まえ、考えていただきたい。
委員
民生委員をしているが、カルテは大変いいものを作っていただけた。高齢介護課の職員とは民生委員とも連携をとっているので、地域差に関してはよくご承知だと思うし、そのあたりも踏まえて施策を進めていただけると思っている。同じ校区内でも大きなマンションに住む方と昔ながらのコミュニティがしっかりしている場所に住む方など、どの校区でも地域差は課題ではある。高齢介護課にはこれからもよろしくお願いしたい。
委員
柴の里では、60歳代以上が中心に地域づくりを担っている。15人ほど集まって議論し、様々な課題を考えて、自治会長を推薦している。世代別に課題は変わってくるので、課題ごとにどう対応するかを考える必要がある。
会長
このカルテは公表されるのか。
事務局
本編ではなく、資料編として公表する。
会長
現状と課題も掲載されるのか。
事務局
このまま掲載する。
会長
例えば「地域の奉仕的な活動への関心」で関心があると回答した長岡中学校区域内の人93人に基づき市全体と比較分析しているが、さらに小学校区域でも詳細な分析を行うとなると数に変化が出ると思う。この校域の数字はこれと決めていると地域差で違うとなりかねないので、調査によって出てきた数字を踏まえつつ、実際の施策推進にあたっては留意してもらえればいいのかと思う。
委員
第4中学校区に関してはこのカルテの分析どおりで概ね間違いないと思う。防災意識は一番高いと思うが買い物難民は相当数いる。この校区にはコンビニが一軒もないが大きな住宅地がつくられている。このように同じ市内でも格差がある点を分析していただければ助かる。
事務局
ニーズ調査のアンケートの数について、調査対象が2500件、有効回答数が1823件、回答率72.9%となっている。対象者数は国が人口規模で算出し、有効回答率も長岡京市は国の基準を上回っており、数字としては信頼できる。抽出の方も中学校区ごとに人口比率で偏りのない抽出をし、回答も均等な回収であったので、信頼できる数値と認識して今回のカルテをまとめた。
「地域の奉仕的な活動の割合」については、「関心がある」と答えた中の内訳で、ないと答えた方が多数いると理解したうえで分析等を行う必要があると考えている。あとは地域でどのように活動していくかというところは、日常生活圏域ごとに資源開発するのは難しい所もあるので、大きな枠組みでまず分析し、施策推進において詳細な差異も注視していくという方向で本カルテを作成させていただいた。
会長
このカルテは色々なとらえ方のできる良さと、疑問点を指摘できる箇所も多々ある。市が根拠を説明できるところはすればよいと思う。疑問点を指摘される箇所については文章の書き方や説明等で示してもらえればと思う。地域ごとに分けて分析するというのは画期的な試みだと感じるし、今後主流となっていく可能性もある。皆様も興味関心をもっているようなので今後活用していけたらと思う。
(2)第10次高齢者福祉計画・第9期介護保険事業計画(素案)について
「第10次高齢者福祉計画・第9期介護保険事業計画(素案)について」説明
会長
まず成果指標の4(9~10ページ)に関して、保険者機能強化推進交付金・介護保険者努力交付金の各得点率というところだが、国が推進している状況にどれだけ近づけているかによって交付金の額が変わってくるということなのか。
事務局
その通り。獲得点数によって交付金の額が決まってくるが、年によって1点あたりの交付額が変わるので、成果としては額ではなく全体の取り組みの中でどの程度できているかという得点率という形をとった方が、経年での比較は行いやすいと判断して、得点率という形をとっている。
事務局
本日皆様には得点率の値設定についてご意見を求めたいわけではなく、このような目標値で取り組んでいくという方向性をご理解いただければと思っている。令和5年度、本市では80.1%ないし70.5%取れているが全国平均は52.9%で、本市は大きく上回っており、京都府内でも2位、全国でも37位という高順位である。
委員
要支援2の人が要支援1になるというように介護度が改善したら得点が上がるということか。
事務局
個人の状態に注目した評価にはなっておらず、全体としての状態像の傾向評価はある。主としては、重症化防止に対してどのような取り組みをしているかによって、点を得るという形になっている。
委員
取り組みに対しての評価であって、その結果としての各個人の要介護認定の状況を評価するものではないということは今の説明で了解した。
会長
この場で我々が数値を決めるという事ではないということなので、この場では全国平均よりかなり高い得点率の数値を維持ないし更に高めてほしいという意見があれば、実態に即した形で再び数値を設定するという認識でよいのか。高い数値を維持していけたら交付金の増加なり施策反映なりできると思うので、意見がなければ引き続き更に高みを目指してもらう形でよいか(⇒委員・事務局ともに特に意見なし)。
次に指標5介護人材充足率・離職率について、感想や実態など意見があれば。
委員
事業所としては離職率が低く人材の充足率が高い方がよいというのは当然だが、人件費の高騰や国が決められている介護報酬の問題などある。日本全体が人口減少する中で効率的に事業を行っていく事が必要となるので、長岡京市の方でも効率化や人の活用に関してバックアップしてもらえる施策があれば心強い。
委員
長岡京市の取り組みは素晴らしいと思っている。就職フェアや魅力発信について、なかなか就職に結びつかないことも多いが、長岡京市では昨年3名の就職につながっている。一方離職率の考え方について、安定する人は安定するが、介護職の派遣などが絡み、職を転々と移動する人は一定数いるため離職率に関しては個々の事業所の問題だけではない。そのため一概に定着率の低い事業所だからといって職場環境がよくないということにはつながらないと思う。
委員
以前、介護家族の会で、長岡京市の特養などの施設に対し、離職率についての質問をしたことがあるが、やはり働きやすい施設だと離職率は低く、パワハラ等あると離職率は高くなっており、待遇以外の問題がある。待遇も当然大きい問題で、景気が悪い時代にはそれほど離職率は高くならず、景気が良くなり他産業との格差が開けばそちらに流れて離職率が高くなるのは仕方のない事ではある。この点については施設や市が努力したとしても解決できる問題ではなく、地域の問題というよりは国の問題というべきで、この場で簡単に議論できる問題ではないと思う。人の流動性に関しては介護のみにある問題ではなく、介護は世の中のいい影響を受ける最後の順番になり、悪影響を受ける最初の順番になる職業であるので、離職率に関して一喜一憂することはないと思っている。
会長
離職率を追加指標として今回載せるということだが、長岡京市での施策以外の要素が影響するものを載せることはどうなのか。仮に目標値に達しない場合に原因を分析できるのか。これらを含めて載せるのであれば離職率の値は低い方がいいのであろうけども、他の要素も絡んでくる数値を完全に分析しきれるのかという疑問がある。
委員
働き方の変化が根付いた世の中では、よりよい生活をしたければ自分自身でスキルアップしてもっとよい職に就けという流れであるから、福祉現場に関しては大変に厳しく、どうもできない部分もあるので、市の成果指標としなくてもよいと思う。
事務局
離職率については長岡京市の施策だけの要因ではない可能性があるとの意見をいただいたので、充足率のみを掲載するのかをこれから検討したい。なお、全国の離職率については令和2年度の報告値によると14.9%となっている。
会長
長岡京市は十分低いのでいいのだろうが、これから年度別に状況を把握する際に全国平均も鑑みるということでいいのではないか。
委員
介護職に就かれている方の年齢は上がっていると思う。充足率82.2%という数字の年齢構成も気になるところである。
会長
次に、施策領域ごとについて、複数案があるものからより適切な方を選定していきたい。高齢者虐待防止・権利擁護の施策領域において、虐待防止研修参加事業所の割合または介護相談員派遣回数のどちらが市の取り組みとして目標を設定するのが適当かという点に関して意見をいただきたい。
委員
案件とはずれるが関連する内容として成年後見制度について。高齢者の権利は成年後見制度でなければ守られないというような書き方をされるがそうではない。以前、社会福祉協議会と障がい者団体、介護家族の会と専門家と司法書士で1年ほど成年後見制度のメリットとデメリットの話をしたことがあり報告書をつくったことがあるので活用してほしい。成年後見以外にも信託制度もあるので適宜学んでいきたい。
会長
成年後見制度が権利擁護において大きな役割を担っているのも事実ではあるが、信託制度等についてもどう周知していくかは課題だと思う。
委員
虐待防止研修とは市が開催するものを指すのか。
事務局
その通り。
委員
虐待防止研修は来年度から各事業所において必須の研修となるので、かなり高い参加割合となることが予想される。かたや介護相談員の派遣事業の推進はハードルが高いのではないか。大きな施設は外部の評価機関を入れる等の手法がとれるかもしれないが、地域密着型や小規模事業所が介護相談員を受け入れるのはなかなか難しい。受け入れても外部相談員が何を重点的にみるかも留意する必要がある。そのため目標より低い結果が出る可能性もある。
事務局
確かに研修は今後必須のものになる見込みである。介護相談員派遣は受け入れが当たり前になったら虐待の未然防止と早期発見の効果につながりやすいが、事業所が自前で検証する場合には受け入れの依頼をしても協力する事業所が少ないと感じる。
委員
介護相談員の派遣に関して長岡京市としては推進するという方向なのか。
事務局
毎年事業所に対し、受け入れ希望の有無を聞いており、希望がある事業所を中心に、現在7名の介護相談員を2名ずつ派遣している。
会長
虐待防止研修に関しては来年度以降必須となるため今後自ずと充足していく事が見込まれるのであればそれをあえて載せるよりは、長岡京市として力を入れたいと思っている介護相談員派遣回数を目標とした方が良いのではないかと考える。
委員
成年後見制度は説明しにくい制度であるため、支援者がどの程度説明できるかについても疑問が残る。高齢者だけでなく、障がいのある方では親が亡くなった場合の後見人の問題があり、全てを知ったうえで行わないと介護者や本人の足かせとなる場合がある。また成年後見制度は専門職による後見もある。この制度にはメリットデメリットもあるので、安易に利用を勧めるというのは反対である。
委員
自分の死後のことまで成年後見制度で支援されるかを相談しに行ったのに生きている間の話しかされなかったため、成年後見制度を担当される方には死後のことも相談に応じてほしいという話だった。
会長
成年後見制度に関してはメリットデメリット両方あると思うが、今指摘していただいた点も含めた研修や講演会を実施していくことが大切と思う。
次に26ページのケアプラン点検の件数に関して、昨年度24件の数値目標を掲げて実数は下回ったということだが、この数値は国が指定した数値なのか。
事務局
介護給付適正化という事業の中でケアプラン点検は位置づけられており、やらなければならない事業ではあるが目標等については特に定めがあるわけではない。
会長
コロナも5類になったことなので、必要な件数は目標を立ててやっていくということになるかと思う。利用者主体での介護保険利用が目的なので、点検内容の充実または適切な件数が重要な目標値となるかと思う。どちらがより適当と考えるか何か事務局から補足があるか。
事務局
現計画では件数を目標にしてきたが、件数が少なくともやっていくうちに役立ったと思う人が増えることの方が実感を持って事業を進めていけるので、ケアプラン点検参加者のうち参考になったと回答した人の割合で目標を立てていきたいと思う。
会長
委員の皆様、それでよろしいか。異論なしと確認した。では、最後に40ページの家族介護者支援の充実として、家族介護者交流会の開催回数・延参加者数またはホームヘルプ等利用費助成利用率のどちらかを目標値として設定したいということだが、事務局から補足あるか。
事務局
家族介護者交流会は令和5年度は内容を一新し、3回開催で約60人の参加をいただいた。令和2年度に始まったので試行錯誤であるが、今後参加人数の増加を目標にしていくというのがひとつめの案である。ふたつめの案であるホームヘルプ等利用費助成に関しては要介護3で長岡京市内に住んでいる人を介護する家族に対して年36,000円の給付券となっている。保険内のホームヘルプサービスで対応できない部分、例えば大掃除などで使っていただいており、利用率により家族の負担軽減にかかる支援の状況が見えてくると思っている。
会長
どちらも推進に関しては計画中に落とし込むことで利用促進につながると思うが、より目標とするのにふさわしいものについて意見等あれば。
委員
いずれも以前よりもよくなっていることは間違いない。
会長
介護保険外ホームヘルプの利用促進による家族介護者の支援やリフレッシュにも目標をしっかり立ててもらうということでよいか。異論なしを確認した。
委員
次期計画のポイントのひとつとして、市民との協働が大事だと思うため、市民の自主的な活動への支援に力を入れてほしい。今年6月に認知症基本法が成立したことを受け、認知症の方が希望を持って暮らせるような取り組みが住民主体で進むとよい。さらに、長岡京市は公の施設が充実していると感じるが、公の施設だけでない居場所づくりについて、徒歩で行ける距離に市民の運営するサロンを作りたいと思う。
委員
地域カルテが参考資料で終わるのでなく、市民活動の活性化につなげ、独自のカルテを作り上げるくらいに生かしていただきたい。市民が自分たちで気づくことできっかけになればいいと思う。
委員
地域カルテができたので初めて市全体との比較による地域特性が理解できた気がする。これをもとに市民がより具体的な議論を進められれば、安心して生活できるようになるだろう。
会長
人口としてもコミュニケーションを取りやすい規模である。実践も共有し他地域に発展できるので、今日の地域カルテが更に充実するようなきっかけとしていけたらいいと思う。
委員
この会議での議論を皆さん地域に持って帰って広めてほしい。職員が減っていく中このような仕事をしてもらってありがたい。
会長
職員の数が足らないと必要な仕事も回らないので大事な意見ではある。
(2)その他
今後のスケジュールについて説明
パブリックコメントを12月25日より1月15日まで予定している。今回の素案をブラッシュアップし、パブリックコメントの案として皆様から意見をいただくので、パブリックコメント中でも意見をいただくことを期待している。次回会議は2月7日を予定している。
閉会