西山森林整備の取り組みについて(平成23年度)
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平成23年度の取り組みを紹介します。
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森林整備事業
水源涵養や二酸化炭素の吸収など、森林が本来持っている豊かな機能を取り戻すためには、森林整備を行う必要があります。平成24年3月末で、西山の森林総面積約800ヘクタールのうち、約207.42ヘクタールを整備しました。また、森林整備をした面積に対し、どれだけの二酸化炭素が吸収されるかの算定を、公益社団法人京都モデルフォレスト協会に依頼しています。平成18年度~23年度の6年間で実施した森林整備により、約1150.8トンの二酸化炭素の吸収が認められました。
また、カシノナガキクイムシによる被害を受けて枯れてしまった木を、景観や安全面を考慮してハイキング道沿いなどを中心に90立方メートル(材積)伐採しました。

林道・作業道等の整備
森林整備をした後の間伐材を利活用するためには、まず伐採した木材を山から運び出さなければなりません。そのための林道や作業道、施業路を整備することも、森林を保全するために必要なことの一つです。平成23年度は、浄土谷地区にて435メートルの作業道を整備しました。また、施業路は125mを開設、270mを改良しました。さらに、大雨により、がけ崩れが発生した鉢伏作業道(立石橋~西山キャンプ場)の復旧工事を行いました。


木竹資源の利活用
森林整備後の木や竹をその場に放置しておくと、地球温暖化の原因のひとつであるメタンガスが発生してしまいます。また、平成22年11月には「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が施行され、全国的に地域産木材の利用が求められています。本市では、従前から、整備された林道や作業道により搬出が可能になった間伐材や竹材については、出来る限り有効に利用するよう努めていますが、平成23年11月に「公共建築物等における長岡京市産材の利用促進に関する基本方針」を策定し、平成23年度の森林整備により搬出した木材は、市内の保育所等への利用を進めています。また、チップ工場に販売し、収益を森林整備をするための費用にしました。竹材は、獣害対策の防護柵として利用したり、チッパー処理をして土壌改良材にして配布したりしました。
その他に、市民対象の「薪割り大会」を開催し、伐採して玉伐りをした木を山から搬出し、オノや薪割り機を使って割る作業を体験していただきました。



自然環境調査・植生調査
- ヘリコプターによる西山全域の航空レーザー計測を実施。得られたデータをもとに、次年度はコドラート調査(現地プロット調査)を実施し、西山全域の現存植生図を政策する予定です。
- 日本自然保護協会のモニタリング1000里地調査を実施(平成24年4月~)
- 森林整備箇所の整備前環境調査を、ボランティアの皆さんの協力を得ながら実施。希少な植物などがある場合は整備する上で配慮しています。


学術研究機関との共同研究
平成21年度から、独立行政法人森林総合研究所と共同で「現代版里山維持システム構築のためのモデル事業」を進めています。これは、人の手が入らなくなった里山を維持していくために、今の時代に合った方法を確立するための研究です。
平成23年度の取り組みは以下のとおりです。
- 長岡京市内における薪の需要を把握するため、市内全戸の煙突や薪の有無などを確認する方法で薪需要調査を実施したところ、76箇所という結果が得られました。
- 平成22年度に0.07haの里山を皆伐(実験地2)したときに出た薪の搬出作業や、シカ食害対策のためのネット張り、萌芽更新調査を森林ボランティアの皆さんの協力を得ながら実施しました。搬出した薪は、神足小学校や西山グリーンハウスの薪ストーブに利用するとともに、新たな取り組みとして、「西山産の薪」として販売を開始しました。その結果、薪ストーブ利用者等から多くの反響があり、約1000束を販売しました。利益は、森林ボランティア団体の活動費用として次の森林整備に活かしていく予定です。
- 3箇所目の実験地となる0.06ヘクタールの里山を皆伐しました(実験地3)。
- 神足小学校の里山体験学習として、皆伐地エリア内で大径木になりすぎて萌芽しなかったり、植生が貧弱だったりするエリアに補植するための「どんぐり拾いとポット植え」を行いました。育ったどんぐりの苗木は、次年度以降に山に植え戻す予定です。
- 12月17日・18日に「薪」をテーマにしたワークショップとシンポジウムを開催し、これまでの取り組み等を発表しました。



啓発事業

第5回 西山ファミリー環境探検隊
西山でのいろいろな体験を通して、西山の自然のすばらしさを五感で感じていただく親子対象の環境教育事業「西山ファミリー環境探検隊」を5回開催しました。参加者数は延べ151名。西山をフィールドに活動されているボランティアの皆さんや、大阪成蹊大学芸術学部の学生の皆さんに協力を得ながら、西山での楽しみ方を教えてもらいました。

森林ボランティア行事
悪天候のため、平成23年度は中止となりました。

天王山周辺森林整備推進協議会との連携事業
西山と隣接する天王山において森林保全活動を進めている「天王山周辺森林整備推進協議会」と合同で、毎年様々なイベントを開催しています。今年度は、両協議会のボランティア活動を一堂に紹介し、ボランティア同士の交流を図るための「ボランティア交流会」と、両協議会に参画しているボランティア団体の活動に一般の人に参加してもらう「森林ボランティア活動体験会」を開催しました。



各イベントでの活動PR
西山をより身近に感じてもらうため、ボランティアの皆さんの力を借りて、長岡京市農業祭や環境フェアに出展。ヒノキの丸太切りや間伐材を使ったバッジ作り、工夫を凝らした展示をして、協議会の活動や西山の魅力をPRしました。




環境教育事業
市教育委員会主催の環境教育事業で、市内8校の小学生が西山を歩きました。本協議会に参画するボランティアが、自然観察や工作のお手伝いをしました。




その他
- 低炭素活動をPRする全国大会「低炭素杯2012」に京都府代表として出場
- 視察研修:兵庫県立一庫公園