令和6年度 第1回 児童対策審議会 会議録
- ID:14536
開催日時
令和6年8月8日(木曜日)午後6時30分から8時30分
場所
長岡京市役所 新庁舎 4階 会議室401
出席者
11名
東委員、安藤委員、大久保委員、荻委員、金子委員、辰野委員、辻委員、中川委員、西畑委員、平野委員、森脇委員(五十音順)
欠席者
6名
加藤委員、佐々木委員、杉本委員、滝川委員、西野委員、山本委員(五十音順)
行政・事務局
川村健康福祉部長、杉原健康福祉部参事、名和健康福祉部参事兼福祉政策室長、田端健康福祉部次長兼地域福祉連携室長、中村子育て支援課長、藤崎健康づくり推進課長、厚地生涯学習課長、中川生涯学習課放課後児童クラブ担当主幹、庄子育て支援課主幹兼子育て支援係長、松浦子育て支援課主幹、西河子育て支援課保育係長、山﨑子育て支援課子育て支援係保健師長、城谷子育て支援課子育て支援係総括主査、苅屋田子育て支援課子育て支援係主事
会議次第
開会(健康福祉部長あいさつ)
1. 案件
(1)第2期長岡京市子ども・子育て支援事業計画令和5年度事業概要報告について
(2)長岡京市こども計画および第3期長岡京市子ども・子育て支援事業計画ニーズ調査結果及び課題等の報告について
(3)その他
閉会
案件1 第2期長岡京市子ども・子育て支援事業計画令和5年度事業概要報告について
事務局より参考資料に基づき説明。
(委 員)保育所入所申込/入所保留/待機児童の状況について、令和5年度、6年度における保留者の急増の原因について伺いたい。入所の意思がないのにもかかわらず、育児休業給付金を受給するため、また、育児休業を延長するために、保育所入所の申し込みを行い保留となった方も計上しているのではないか。
(事務局)保留数合計には、育休をあえて希望するという人も含まれている。例えば、令和6年度では、135名の保留数のうち、育休を希望するためあえて申込時に「育児休業延長の減点」の申し出をし、入所しない状態を希望された方が46名いる。また、減点の申し出以外にも、入所希望園を1園のみ記入するなどの方法で、育休延長のための入所申し込みをされる場合もある。そのため申込者における入所の意思の有無を確実に把握することは難しい。
(委 員)育休希望による保留数が増えていることに対して、保育園を増設するのには違和感があるが、どう考えているか。
(事務局)令和6年度のデータでいうと、保留者の合計135名のうち、46名が育休希望であるため、残りの89名については、数字上では育休希望ではなく、入所を希望していることとなり、保留数は増加している。また、後に説明するニーズ調査のアンケートにおいても、もっと保育所を増設してほしいといった自由意見が多くある。現状でも枠が足りない状況なども考慮して、保育所増設の必要性があると考えている。
案件2 長岡京市こども計画および第3期長岡京市子ども・子育て支援事業計画ニーズ調査結果及び課題等の報告について
事務局より資料に基づき説明。
(委 員)資料2-3課題シート中、基本目標Ⅱの「(2)地域で安心・安全に子育てができる環境づくり」において、通学路の道路交通環境の安全確保とあるが、これについて聞きたい。現在、自身の小学生の子が夏休みで放課後児童クラブに通っており、登校時に、車の交通量が多く、学校からも危ないと注意喚起をされている場所を通る。普段はシルバー人材センターの方が交通整理をしているが、夏休みの間はないようである。夏休みにおいても登下校時の安全を確保できるよう検討していることはないのか。
(事務局)放課後児童クラブの事業において、学期休みの期間に安全に放課後児童クラブに通えるよう、どのクラブも少なくとも年に1回、警察に来校していただき交通安全教室を実施している。現状このような形で、子どもたちに交通安全についての認識を持ってもらう取組を行っている。引き続きこの教室も毎年実施し、安全を確保していきたい。
(委 員)高学年になると1人で家にいられるようになり、学童に通わない子が増える傾向があるが、そうなると夏休みに、1年生だけで放課後児童クラブに通うことなども出てくるため、これをケアできる方法はないか検討してもらえるとありがたい。
(委 員)基本目標Ⅳの「(3)子育てに関する情報提供の充実」において、「従来とは異なる情報提供の方法の工夫」とあるが、これについて聞きたい。親に限らず子どもへの情報発信、特に不登校の子どもなどへの発信について検討されてはどうか。ニーズ調査でも子ども自身のインターネットの使用率が高いことから、子どもが見ているメディアやSNSで「困ったときはここを訪ねてみてください」というような発信があれば良いのでは。
(事務局)子どもへの発信について、今回のニーズ調査のアンケートについても、自由意見の記載欄を設けたり、相談先を掲載したりと、工夫を行った。また、普段の学校においては、いじめやその他のアンケートを実施することで意思疎通を図っているほか、不登校などの子どもに対しては、現状としては、担任が頻繁に連絡を取るなどの取り組みをしており、このあたりが原則ということになるだろうが、ご意見は庁内で共有したい。
(委 員)基本目標Ⅰの「(3)子どもの社会性を育む遊び・交流の場の充実」において、「ニーズ調査における公園や運動できる施設の充実を求める意見についての検討」とあるが、具体的にどうされるのか。長岡京市内の公園は、球技禁止の所が多い。子どもがキャッチボールをしていると、「この(球技禁止の)看板が見えないのか」と仰っておられたのを目撃したことがある。子どもが体を動かして、健全な体を作っていくためにはやはり球技も大事であり、公園がうるさいということも当たり前だと思うが、公園では静かにしてくださいと言う方も最近おられるようだ。
(事務局)公園でボールが使えるようにという意見については、ニーズ調査の自由意見でもかなりの意見をいただいた。今、また改めて意見をいただいたこともあり、課題として認識している。どのように対応していくかについては今すぐにお伝えすることが難しいが、学校のグラウンドが使えるのか等、市役所内で共有したい。また、運動できる施設の充実については、現在、整備計画が進んでいる公園もあるため、そういったところで、子どものための公園という視点が大事であるということを再確認し、事業に取り組みたい。
(委 員)基本目標Ⅲの「(1)保育サービスの充実」において、放課後の過ごし方の変化、放課後児童クラブへのニーズ増への対応とあるが、具体的に何を行う予定か。
(事務局)放課後児童クラブに通う児童は年々増えてきている。長岡京市では放課後児童クラブの待機児童を一切出さないような取り組みをしている。ニーズ増となれば、新たな施設を建て替える等の方法で現在も対応しているため、引き続き、そのような対応を進めていきたい。
(委 員)放課後児童クラブのニーズの増というのは、5、6年生をも対象としてほしい、または、5、6年生についても長期休みの間だけでも預かってほしいといった意見もあるだろう。それら個々のニーズを満たそうという方向性か。
(事務局)現状、長岡京市については1年生から4年生までが放課後児童クラブの対象としている。先にも述べたとおり、現状、入会児童数が年々増え続けている状況のため、対象者を6年生まで広げることとなると、待機児童を出さないと運営ができない状況となることが予想される。そのため、5、6年生の通年入所や長期休み期間のみの受け入れについては、現在のところ予定がない。
(委 員)基本目標Ⅱの「(1)親子の健やかな成長を支える母子保健・医療体制づくり」において、産前産後の支援の関心の高さへの対応としての産後ケアについて、現在、産後ケアは、一定の条件の方しか利用できないと思うが、利用可能な対象者の幅を広げることを考えているのか。
(事務局)産後ケアの希望者は増傾向である。産後ケアの利用が、もう少し大きくなってからの子育てのしやすさにも影響してくるということもあり、できる限りの対応をしていきたい。現状では、家族のサポートが得られにくい方、育児手技に不安を抱えている方等を対象にしている。対象者の幅を広げるにあたって、産科医療機関の受け入れの枠が十分に確保できるかという問題がある。受け入れ枠が十分にない中で事業の拡大を進めていく場合、かえって必要な人が利用しにくいという状況も起こりうるため判断が難しい。令和5年度から開始した訪問型の産後ケアは、病院のキャパとは比較的関わりなく利用できるため、こちらも勧めていきたい。また、次期計画に向けては、さらに受入れ先事業所を増やしていくことは考えていきたい。
(委 員)事務局の説明の中で、年収が1000万円以上の家庭でも、衣食住に困った経験があるという方が、中にはいらっしゃるとのことだが、1000万以上あるにもかかわらず、生活に最低限必要な衣食住の部分が満たされないというのは、どういう理由があるのか。
(事務局)ニーズ調査のアンケートにおいて、衣服、食料が買えなかったことがあるか、公共料金の未払があるかという質問を行い、年収の設問とのクロス集計をしたところ、年収1000万円以上の家庭においても、一部「まれにあった」と回答された方がいるということが判明した。なぜそういったことが起こるか、アンケートから明確にはわからないが、推測できることとして、生活のレベル感も挙げられる。例えば、子どもの塾代等に非常にお金をかけていて、食料等に少しお金が回らない、それが思うようにならないとの捉えになる、といったこと等が考えられる。相対的な経済状況に関わらず様々な課題を抱えている家庭に対して、相談の分野において対応していくというのが基本になっていくと考えている。
(委 員)ニーズ調査の自由意見にあった、雨の日に遊ぶ場所がほしいということ、また、先に他の委員からも意見があったが、公園でボール遊びができないということについて、小学生と中学生の子を持つ私自身、及び周りの友人たちからの声も含めて意見がある。長岡京市には児童館が1ヶ所しかないため、ボールを投げてということまではしなくても、少し体を動かせるような場所があったらいいなと思う。今後、新しい施設を建ててほしいということではなくて、費用をかけるのではなく、長岡京市の今ある施設の中で空きがある場所を有効利用することで、光熱水費や、ボランティアの方に来てもらう等の多少の人件費の支出に抑えた場所の提供について検討の余地があるのであれば考えていただきたい。
(事務局)公園や運動ができる施設として、西山公園体育館やスポーツセンターなどもある。今いただいた意見についても共有したい。
(委 員)資料2-3課題シートは、たたき台ということで、次期計画に向けた課題等の部分がそれぞれ「検討」という末尾となっている。これは、第2回の10月ごろの審議会において素案という形で、具体的な内容が出てくるという認識でよいか。
(事務局)「検討」と表現している課題については、より議論を深めて、次回以降の審議会で明らかになるものもあれば、逆に5年間かけて考えるというようなものも中には出てくる。
(委 員)基本目標Ⅱの「(3)子育ての経済的負担の軽減」において、現時点でどのような考えをもって進めるつもりか教えてほしい。
(事務局)経済的不安などへの対応について、次回以降に具体化することになると思うが、児童手当の対象者が拡充されるため、対応していくこと、また、ひとり親に対する手当である児童扶養手当についても拡充されるため、そういった国の制度変更による手当関係にしっかり対応していくことが挙げられる。それ以上のことについては、さらにできることがあるのかどうなのか、今後検討していくこととなる。
(委 員)基本目標Ⅰの「(1)子どもの人権尊重の視点に立つ環境づくり」において、こどもの意見を政策に取り入れる取り組みの検討とあるが、小学生、中学生の意見をどのようにして取り入れるつもりか。
(事務局)現時点で未定のところが多くあるが、今回、小・中学生からもらった意見について、自由意見含めて市役所内で共有しているため、これを受けて、例えば公園関係、どのようなニーズが高いかというところを情報提供することは考えている。子どもの意見をどこまで聞くべきなのか、聞いた意見をどれだけ取り入れられるのか、新しい取り組みであるため、随時検討していく。
(委 員)基本目標Ⅱの「(3)子育ての経済的負担の軽減」について、意見がある。受験生がいる家庭の話を聞いていると、昔はバス停方式であり学区があったため、中学校の先生から成績を考慮した進学先のアドバイスがあった。しかし、現在は、京都府内はどこでも受験することができるようになったため、中学校の先生との三者面談の際、進学に関わる部分は、塾に行って情報を得てくださいというスタンスで話される先生が多いということを頻繁に耳にする。情報を持っている進学塾に情報を得るためだけに通塾させる方も多い。国が実施している授業料の支援や児童手当の拡充といった金銭そのものの支援にとどまらず、中学校の先生が、もう少し進学に関する情報に精通している状態となれば、長岡京市としての独自の経済的負担の軽減に繋がっていくのではないか。もちろんすぐに実施できるものではないと思うが、現状を知ってほしい。
(委 員)子育ての経済的な問題について、他の委員の意見を伺いたい。例えば、この夏休みの期間は、小学校の給食がない。小学生は昼食をどうするのか。夏休みの放課後児童クラブでは昼食はお弁当だが、お弁当を持ってこられる家庭はよいが、そうでない家庭はどうするのか。家庭生活そのものが1日3食という形になっていない世帯も全国的に増えてきていると聞く。
(委 員)確かに、近年、諸外国の給与や1人あたりGDPが上昇しているにもかかわらず、日本だけが下がっている状況である。戦後79年経った今、子どもが満足に食べられない国を我々が作ってきたことは情けないように感じる。どうしてこんなことが起こったのか、学識経験のある委員の意見を伺いたい。
(委 員)経済的に苦労している層が多い時代は、全員で乗り越えようという気持ちがあった。その後、バブル景気で暮らしにゆとりがもたらされた。しかし、バブル景気が崩壊して以降、その壁に立ち向かえていない。これからの時代に一番必要なのは地域社会を作っていくこと。実家を例に話すと、もともとの家があっても、子が他の地域に出て、親が亡くなったらその家は消える。このようにそれぞれが別のところに自分の実家を作っていく流れに変わってきている。自分の家だけがよかったらそれでよい、それが正しいような時代になっている。そのような時代の中で、地域みんなで助け合いましょうということが本当に実現できるのか。今回話題となった子どもの食の問題でも、自分の子の問題にとどまらないよう、みんなが関心を持っていかないといけない。「福祉」という言葉がある。これまでは”Welfare”を訳した言葉であったが、近年では”Well-being”と言い、誰もが主体性をもって満足する状態となることを意味する。満足とは人それぞれであり、お金があったら満足という人もいればそうでない人もいる。人それぞれの思いを地域で共有できればよいのではないか。
(委 員)学童の保護者会連合会においても連合を解消しようという話も出ている。保護者の意見として、「それぞれの学童の保護者会の活動に参加するのも負担であり、その上連合の会議に出席するのは、たとえ年に6回であっても負担である」、「別に保護者会がなくとも、子どもさえ預かってもらえたら充分だ」。他にも、「休日に行事や合宿を開催することを企画しても、休日は家族でくつろぎたいから不要である」という声がある。先に他の委員の発言にもあったように、自分の家族さえよければいい、必要な情報はSNSで得るため繋がりは不要だという考え方が主流となっている。この考え方が広がっていくと、一人で、一家族だけで生きられると勘違する人が増え、今日も宮崎で地震が発生したが、そのような被災した際等にやっと勘違いに気づくのではないか。しかし、それでは遅い。だからこそ今、このような現状があることを知ってほしい。
(委 員)行政或いは地域の中で自治会や町内会といった組織が減少している。だからこそ足元から見ていかないと、絵に描いた餅になって、上手な絵が描けたと、そこで止まってしまうことにならないように、絵に描き実行していくことが必要だ。
案件3 その他
(委 員)先日、行政職員が幼稚園に訪問され、幼稚園の前に認可保育施設が建設されるという話があった。昨年度の児童対策審議会でも開田地内に保育施設が建設される可能性があるという話はあったが、急な展開に驚いた。本日の資料にもあったように、長岡京市は合計特殊出生率が全国平均より少し高いことや、希望の保育施設に入所できなかった待機児童がいることは承知しているが、目の前に建設されることは幼稚園にとってショック。行政はより早く知らせることができなかったのか。また、遊戯室にクーラーをつけたいが、高額の経費が必要で悩んでいる。幼稚園経営に対する補助を検討できないのか。
(事務局)保育所建設自体については、前回、前々回の審議会でもお知らせしたところだが、具体的な場所については、事業者や京都府の認可、国庫補助の都合など、一定の目途が立つまで伝えるのが難しい面もある。長岡京市では全市域を一つの保育の区域としていることもあり、ご理解いただきたい。
閉会
配布資料
- 第1回次第(PDF形式、62.70KB)
第1回次第
- 参考資料_保育児童数等の推移 (PDF形式、156.63KB)
参考資料保育児童数等の推移
- 資料1_令和5年度事業概要報告(PDF形式、1.59MB) (PDF形式、1.72MB)
資料1_令和5年度事業概要報告
- 資料2ー1_長岡京市進捗状況・スケジュール (PDF形式、128.00KB)
資料2ー1_長岡京市進捗状況・スケジュール
- 資料2-2_長岡京市子ども子育て_体系図素案(PDF形式、319.75KB)
資料2-2_長岡京市子ども子育て_体系図素案
- 資料2-3_課題シート (仮)(PDF形式、440.83KB)
資料2-3_課題シート(仮)
- 資料2-4-1_ニーズ調査結果の顕著な傾向(PDF形式、376.65KB)
資料2-4-1_ニーズ調査結果の顕著な傾向
- 資料2-4-2アンケート調査結果報告書(1.就学前保護者) (PDF形式、17.60MB)
資料2-4-2アンケート調査結果報告書(1.就学前保護者)
- 資料2-4-2アンケート調査結果報告書(2.小学生保護者) (PDF形式、17.29MB)
資料2-4-2アンケート調査結果報告書(2.小学生保護者)
- 資料2-4-2アンケート調査結果報告書(3.小中学生、高校生本人、自由意見) (PDF形式、11.44MB)
資料2-4-2アンケート調査結果報告書(3.小中学生、高校生本人、自由意見)
- 資料2-4-3(報告書⑤高校生ワークショップ) (PDF形式、586.33KB)
資料2-4-3(報告書⑤高校生ワークショップ)
- 資料2-4-4(報告書⑥支援学校ヒアリング) (PDF形式、436.81KB)
資料2-4-4(報告書⑥支援学校ヒアリング)