第7回地域公共交通協議会議事録
- ID:14854

日時
令和7年3月3日(月曜日) 午後3時から

場所
長岡京市役所 新庁舎(1期)会議室402

出席委員
計19名:小林会長、土井副会長、末永副会長、大庭委員、田中委員、依田委員(代理)、筒井委員、石川委員、吉田委員(「吉」は「土」に「口」)(代理)、中井委員、村上委員、忠津委員、畑委員、岩永委員、中野委員、石崎委員、藤原委員、井上委員、中西委員(代理)

欠席委員
阿瀬委員

幹事
中島教育部長、日高建設交通部長

事務局
坂出交通政策課長、藤田総括主査、田中主査

傍聴
0名

議事

1.開会

2.会長挨拶

3.報告

(1)はっぴぃバスの運行間隔の変更等について
<事務局より説明>
【会長】
・今報告のあった件について、ご意見やご質問があれば。
【委員一同】
・質疑なし

(2)長岡京市の取り組み(令和7年度予算)について
<事務局より説明>
【会長】
・今報告のあった件について、ご意見やご質問があれば。
【副会長】
・いくつか質問したい。1つはこの基金について、非常にすばらしい取り組みだと思うが、この執行に関する監査のようなものをどこでやるのかというのを確認しておきたいのが1つ。
・もう1つは、公共交通利用者等を対象としたガラシャポイントということで、これも非常に面白い取り組みだと思うが、どういうタイミングでポイントを渡していくのか、何か考え方があればそれについても教えていただきたい。
【事務局】
・まず1点目基金の監査について、まず基金に積み立てはするが、執行の際には必ず予算案という形で市の予算案の中に計上されていくことになる。そこで当然議会の議決も含めて、この内容が議論され精査されるということになる。そういった中で基金は設けるが通常今行っている事業、一般の会計事業と同じように、進めていくという位置付けになると考えている。
・もう1点ガラシャPayポイントについて、こちらの事業の展開については、今まだ商工会の方でも検討を進めているところだが、例年でいくと、通常の分を使えるのが、11月から12月の期間に限定してこのガラシャPayポイントが使える仕組みになっている。
・検討段階ではあるが、例えば、担当課の方で7月8月の期間を対象に、この乗車のキャンペーンのようなものを実施し、その期間に一定の乗車をされた方を対象に、このガラシャPayポイント本体が使えるときに、ポイントを付与していく。今商工会がやっている本体の仕組みに合わせて、そういった取り組みを展開していくということで調整を進めている。この辺りの詳細については整理ができ、広報できる段階になれば市民の皆様に広くお知らせをしていきたいと考えている。
【副会長】
・特に基金のいろんな活動について契約をするときも、議会の承認の必要があるということなので、何かややこしい話にならないように、注意してもらえるとありがたい。
・それからガラシャポイント商品券は非常に重要な取り組みだと感じる。なぜかというと、地産地消というのか、お金を長岡京市の中でできるだけまわしていこうという取り組みの1つに思えるので、期間が短いであるとか、もしかしたら使いにくいとかいろんな声があるかと思うが、少し使いにくいものかもしれないけども、結果としては、自分たちが支払ったお金が自分たちの地域を潤し循環することで、いろいろな使い方ができるということをぜひ商工会と一緒に考えていって欲しい。
・もう1つ、通学定期について。基本的には高校生対象ということでよろしいか。高校卒業しても、大学に行く人もいるし、さらに大学に行ってからでもいろんな通学定期を買う人たちや、専門学校に行く人たちもいるので、できるだけ枠組みを広くしたらどうかと思う。なぜそれが大事かというと、通学で使ってもらうと、利用体験ができていくので、公共交通の利用と頭でわかっていてもなかなか使うことができない人たちも、こうして日常的に使う機会が増えていくと、もしかしたら家族や、結婚してからでも利用体験が広がっていくことが考えられる。高校を卒業後でもこういう割引制度を使いたいという人たちがいれば、それはありがたいことだと思うので、少し対象者を広げることで、30人から40人の利用者をできたら100人程度に増やしていけたらいいなと思う。
・最後に、バスのお出かけマップもこれも非常にいい取り組みだと思うが、せっかく済生会病院と非常にいい関係を作っているので、公共交通で外出するとか、外に出歩くことによって健康になるというようなことを、きっと済生会病院も考えておられると思う。車で来るのを控えてくださいと強く言っており、その結果行きはコミバス、帰りはタクシーなどいろいろな使い方をされて、今、病院に来られていると思う。移動という切り口で病気にならない人達をできるだけ増やすことも、できれば済生会病院としばらく検討会みたいなものを一緒に作って、できるだけいろいろな形で健康維持できるようなまちにしていく、その1つに移動の手段があるということを、このお出かけマップにも反映できていけたらすごくいいと思う。この基金をどういうふうに使うかというイメージはないが、予算の自由度が増えていくとしたら、そういう継続的な単年度で終わらない調査についてもぜひ検討いただけたらと思う。
【事務局】
・通学定期について、メインは高校生、大学生になるが、通学定期をお持ちの方であれば、どなたも申請できるようになっている。中学生であっても大学生でも阪急バスが認定される通学定期であれば、補助対象となるような形で整理しているので、そういった取り組みの中で、人数を増やしていきたいと考えている。
【委員】
・この基金は非常に新しい取り組みだと思う。とりわけ基金を使って担い手確保であったり、利用者の増加、あるいはお出かけ機会をどう作っていくのかということにアプローチしている点で非常に面白い取り組みだと思うので、ぜひ成果を挙げてほしいと思っているが、一方で今回この地域公共交通計画と紐づけているので、ある一定の期間を経て、おそらくその評価をしないといけないと思っている。
・こういった取り組みをどういうふうに評価していくのかというときに、設定している目標値とどう連動しているのか、あるいはそもそもその取り組みがどういう状況にあれば継続や改善をしないといけないかなど、その辺りの見通しについて、現時点で考えがあれば教えていただきたい。
【事務局】
・ご指摘の通り資料の19ページ等にもあるが、各施策の指標に絡めてこういった事業の位置付けを行っている。したがって、計画全体としての成果は、この計画の定める目標値に対してどのくらい進捗しているかということを毎年度、この協議会の中で報告する予定になっているので、結果の部分についてはそういったところで見られるというのが1点である。
・ただ、今ご指摘いただいているように1つ1つの事業の成果の評価の仕方がそれでいいかと言うと、そこは必ずしもこの計画に載っている目標値だけが、この事業のすべてではないというところもあろうかと思う。先ほど副会長から指摘のあった地域経済という観点はこの指標の中には表れていない部分もあるので、この辺りの具体的な整理の仕方は、今申し上げたような今後の評価をする中で、もう少し整理をした上で、この協議会にも報告しながら、市としても評価をしていきたいと考えている。
【委員】
・特にガラシャPayポイントなどは、すぐ成果が出るかもしれないが、一方でやはり地域経済をどう回しているのかという、やや中期的な見通しなども含めながらとらえる必要があるのと思うので、なかなか評価も難しいかとは思う。その辺りはぜひ整理していただけるといいと思う。
【委員】
・資料の11ページ、公共交通の担い手確保に向けた助成金制度について、何点か質問をさせていただきたい。今人手不足が深刻な中でこういった助成金制度を設けていただくことは非常に有意義でありがたいことであると思う。1点、バスの方の最大5年で合計50万を上限というところの費用として、市内の方であれば1年で15万円、市外の方であれば10万円とあるが、こちらは毎年この金額ということではなく、年々金額が下がっていくような形で、市内の方は合計50万円で、市外だと50万円はいかない金額になるというような計算になるのか。
【事務局】
・質問のあった通り、トータルとしてこの5年間を最大として、市内の方と市外の方でトータルの支給額に少し差をつけ、市内の方は一番手厚くなるような形で支給していくことを検討している。また、ここに挙げている予算はあくまで1年目の金額なので、これが2年目3年目になると支給額を少し変え、年度によっては出ない年度もあろうかと思うが、5年間で最大50万円を本人に支給するということで、制度設計をしているところである。
【委員】
・もう1点、阪急バスへの質問になるが、阪急バスの大山崎営業所勤務の運転士を対象ということで、せっかくなのでこの助成金を活用して運転士になりたいというような方がいた場合、いろいろなところに営業所があって、それぞれで人手不足の状況もあるので、本人が大山崎営業所で勤務したいと言っても他の営業所に回ってもらうようなこともあるかもしれないが、その辺りの何かマッチングを考えることは可能であるか。
【委員】
・入社5年目までの者が大山崎営業所にいるかというと、現状は配属されている者はいない。質問の、こういった制度があるので、希望する人間が配置転換を望めるかというと、阪急バスには20弱ほど営業所があり、全体で人員計画をしているため、そういった個人の希望に沿った人事異動はできかねるところがある。ただ、運転士募集をするときにおいては、長岡京市でこういった取り組みを行っていただいていることをPRしながら採用活動を行っていきたいと思う。
【委員】
・メッセージアプリにおける広告掲載に関して具体的にどういう言葉で掲載するということはまだ決まっていないのか。
【事務局】
・具体的にどういう画面になるか、どういうバナーが出るかというのはこれからになる。
【委員】
・例えば学生さんを対象にして出す場合、どこかの学校で協力していただいて、その学生さんの世代にちょうど刺さるよう、学生さんに聞いたほうがいいと思う。大人がいくら頑張っても多分出てこないと思う。その辺りを考えてはどうか。
・あとガラシャPayはすごくいいと思うが、その交通弱者の方は、スマホを持っているのか。
【事務局】
・まず1点目広告の件については確かにおっしゃる通り、学生に刺さるというのは非常に重要なポイントかと思う。実際には広告業者を入れながらの広告展開となろうかと思うので、このあたりはご意見も参考にしながら、展開を考えていきたい。
・もう1点、ガラシャPayポイントについて、交通弱者がスマホをどのくらい持っているかというところの具体的な情報はない。ただ、ガラシャPayそのものの利用の状況や申し込み状況を見ていると、これも年齢や世代を問わずに、非常に多くの方、市内、市外問わず、申し込まれているという状況なので、必ずしも交通弱者の方はこれを使えないというような状況にはないと認識している。
【委員】
・私の親は80歳以上で2人ともスマホを持っているが、主人の親は持っていない。そうすると何もできない状態になっている。そのためその辺りをもうちょっと考えて欲しいという気持ちがあったので、質問させていただいた。
【委員】
・私はスマートフォンは持っているがガラシャPayは申し込んだことがない。やはり何となく取りつきにくいということがあって申し込んだことがない。親が他市に住んでいるが、そこではスマホ対応の申し込みとそれから紙の申し込みと2通りの申し込みをしており、すごく手間はかかると思うが、そちらの方が取りつきやすい人が増えるのではないかと思った。
・もう1つは済生会病院の乗り降りが無料になることについて、済生会病院のホームページを見ると、アクセスというところにはっぴぃバスという項目はあるが、無料になるという記述がない。長岡京市の路線やいろいろな説明のページに移ることはできるが、多分そういうことをされる方はいないと思う。市のホームページではないので難しいかと思うが、無料について書き加えればもっと利用者が増えるのではないかと思う。
【事務局】
・1つ目のガラシャPayポイントについて、申し込み手続きについては、これはインターネットを通じた申し込みや、窓口での紙の手続きは、いずれも対応したいと市の方では検討しているが、ガラシャPayポイントの仕組みそのものは商工会で取り組まれている事業であり、これがガラシャPayアプリを通じた取り組みに一本化されている。かつては、指摘のように紙の商品券事業もやっていたが、紙からデジタルに移行している。あくまでも今回についてはその枠組みの中に参加するような形での取り組みを考えているので、一旦この辺りは商工会の方にも意見として話そうとは思うが、今はその既存の枠組みの中で取り組んでいくということを検討しているところである。
・もう1点の済生会病院のホームページについてだが、今伺って事務局も把握していなかったところではあるが、もう少し案内できるところもあるかと思うので、病院と話す機会にその辺りを確認した上で改善というか、さらに取り組みを案内できるところがあるようであれば、病院で取り組んでいただけるように相談したいと思う。
【会長】
・この基金はどこに置かれるのか。
【事務局】
・新しい方の基金は属性で言えば一般会計の方に置かれることになる。駐車場の基金は属性としては駐車場事業の中にある。本来厳密に言えば基金に所属というものはないが、本来の位置付けで考えると、駐車場の基金は駐車場特別会計、公共交通の基金は一般会計の方に属するというような意味合いになろうかと思う。
【委員】
・はっぴぃバスの路線図について、北東コースのルートがどちら向きにどのように運行しているかがわからない。他のコースではルート上に午前・午後の記載があるが、北東コースには記載がない状況である。今回はすでに印刷されているので、次回作成する際には配慮していただき、どのような経路で運行されているかわかりやすくしてほしい。
【事務局】
・ご指摘の通り北東コースは8の字の特殊な路線になっているが、同じ路線を午前も午後も北にも南にも走るというところもあって、矢印がうまく入れられないということもあって今の路線図になっているが、今見ていると矢印を入れられるところもあると思うので、この辺りはまた次回の作成時の検討とさせていただきたい。

(3)部会の設置について
<事務局より説明>
【会長】
・ただ今のご説明の内容について、ご意見やご質問等を伺ってまいりたい。
【委員】
・部会の設置について、資料23ページの左側の全国的な状況というところで、部会そのものは市民委員が中心ということで、私どもが入るかどうかは別として、この全国的な状況の中で、日本版ライドシェアが全国でいろいろと始まっているが、私どももおそらく全国2番目ぐらいに早く始めており4月で1年ほどになる。その実績報告というのか、大体こんな感じであるという話をすることもできる。また、「交通空白解消官民連携プラットフォーム」という大きな委員会が今国土交通大臣を委員長として組織されており、私もこの委員の1人なので、いろいろと情報を提供していくということはできるかと思う。委員はもちろん住民代表の委員の方を中心にしていただければと思うが、もし意見聴取や状況をお知らせするということであれば、いつでも参加することができる。

4.その他

(1)京都京阪バス淀山崎線の廃止について
<京都京阪バスより説明>
【会長】
・今報告のあった件について、ご意見やご質問があれば。
【委員一同】
・質疑なし

(2)公共交通の現状について
<阪急バスより説明>
【委員】
・過去、この会議でも少し触れたことがあるかもしれないが、全国的なバスの利用状況であるとかバス会社の状況について話ができればと思う。最後に長岡京線の状況であるとか阪急バスの話をしたいと思う。
・まず全国のバスの輸送人員ということで、1968年が全国でバスのお客様が多く、年間で101億人利用があり、約50年間で57%ほど利用者が減ったというところである。主な理由としては自家用車や自転車・電動自転車の普及がすごく進んだというところと、人口構成の変化が大きいところかと思う。コロナが起きる前の時点で先ほど申し上げた57%ほど減ったというところだが、コロナ禍の一番ひどいときにはさらに28%ほど利用が減ったというところである。直近では15%ほど回復したが、従前から比べて13%減少したままで、これが戻りの頭打ちだと思っている。
・一方、交通手段の推移について、バスの交通分担率は従前から比べると、このコロナの影響が出る前から、モータリゼーション、自家用車の進展があったというところと連動し、バスの交通分担率が年々下がってきているというような状況であり、バス離れが起こっているというのが読み取れるかと思う。
・バス事業者の経営状況というところで、コロナ禍前で全国の状況で、7割5分ほどの事業者が赤字だった。京阪神は人口集積地を中心に運行しているところがあるので、5割強ほどが赤字事業者として運営していた。ただコロナ禍を経て、直近の2023年度には、全国の状況は概ね9割ぐらいの事業者が赤字のまま、関西においても7割5分ぐらいが赤字業者となっている。
・バス事業の特性は皆さんご存じの通り、バス1台運行するのに必ず運転士1人が必要になるというところで、バスを走らせることで必ずかかる「直接経費」というものがあり、バスにかかる経費の概ね6割から7割ぐらいが人件費である。そこに燃料代や車両修繕代など、様々なコストがかかり、バスが走ると必ずかかるコストが7割5分、概ね8割ぐらいかかってくるので、バスの経費を圧縮するというのはもうこれ以上できないというところである。むしろ、ここ数十年バス事業を営んでいる中で、人件費を合理化するであるとか、部門によっては子会社化するとか、経費の圧縮には努めてきているところである。その都度ダイヤの見直しを行うが、見直しの方法としては、その時に利用いただいているお客様が乗れなくなってしまわないように便数を削減なり増やしたりするというものである。先ほど申し上げたように、年々と自然減でお客様が減っていくので、ダイヤ改正をした時点から、時点が経過するにつれてバス事業というのはおのずと収支構造が悪くなっていくというところがある。これ以外にも昨今では、運転手の待遇改善はもちろんのこと物価上昇もあるので、そういったところで収支が厳しくなっていくというのが今後の見通しである。
・どちらかと言うと、この収支状況はここ数年、お客様に負担をお願いしているところであるが、運賃改定によって若干収入は持ち直すこともできるかと思うが、一番の課題として運転士不足がある。この運転士不足についてこの会議でも話したと思うが、ネガティブキャンペーンが張られていて、なかなか運転士になる方が少なくなってきているという話で、具体的には労働時間が長くて年間所得も低いというところがある。そういったところでそもそも就業を敬遠されている方が一定数いるということが読み取れる。バスの運転士は確かに1日朝早い時間から夜遅い時間まで勤めることがあるが、労働集約型産業で運転は集中する業務であり、間の休憩が比較的十分にあるので、メリハリのきいた仕事であるというところをアピールしたいと思っている。見方によっては、人が通勤する前に出勤するので、実際働くものとしてはラッシュに巻き込まれることなく通勤退勤ができるなど、裏返しのPR等もできればと思っている。
・以上が全国的な状況だが、阪急バスの状況や長岡京線の状況でいうと、2022年にこの場でもいろいろと議論した輸送力の調整と運賃改定を行った。コロナ禍前の2019年度と2023年度を比較すると、今お客様は73%ほどになっているというところである。先ほど申し上げた輸送力の調整が80%行ったところであり、減便した以上にお客様が離れているというところがあるが、これは生活様式の変化が大きな要因ではないかと思っている。ただ、運賃改定も行っているので、73%にお客様が減ったが収入としては88%ぐらいにとどまっているというところである。そういった結果、2019年度で概ね1億円この長岡京線で赤字を抱えていたという話をしたが、そこは一定改善できている。
・ただ、改善できているもののまだ数千万単位で赤字を抱えている事業になるので、もともとの見通しでいうと、コロナがない状態でダイヤ改正と協議運賃で収支均衡まではいかないにしても赤字額をかなり圧縮できるのではないかと思ったところが、今はそうなっていないというところがあるので、今後また運賃の話や輸送力の話など、そういったところは計画ができてきた時点でまた話ができればと思っている。せっかく長岡京市がいろいろと前向きな取り組みを発表している中で暗い話をしてしまったが、現状をご承知いただいた上で、これからの展望を議論させてもらえたらと思っている。
・また、最近違う自治体の会議で少し話をする機会があり、その時にそういうこともあるのかと思ったところを紹介したい。よく利用促進で「バスに乗ってください」、「車と上手に乗り分けましょう」みたいな話があるが、中には最初からバスに乗ることがないという方はいると思っており、そういった方に無理に「公共交通に乗ってください」ということはできないだろうと思っていたところ、ある方は乗り物酔いをするのでバスに乗れないという方だったが、バスが停留所に停まり、ウインカーを出して発車するときには絶対追い抜くことなく、バスを絶対的に優先させるような生活をしているという話があった。利用促進の中で乗ってくださいという観点と、バスの運行がしやすくなるような環境づくりに努めてくださいというようなことをPRしていくと、バスの運転士の負担軽減にも繋がって、なり手の囲い込みにも繋がるのかなと思う。
<京都府タクシー協会より説明>
【委員】
・最近のタクシーの流れについて、先ほども説明したように、日本版ライドシェアというのが始まって約1年近く経とうとしている。去年4月20日に京都版ということでスタートしている。当社においては、この間50名のライドシェアドライバーを採用している。運行している時間帯は金曜日・土曜日・日曜日の夕方から朝まで、つまり夜の時間帯ということで、その時間帯が国土交通省から出たデータによると、タクシーが足りないと言われている時間になる。こちらはあくまでタクシーの補完という定義であるので、この穴埋めという意味でその時間を運行しており、その時間だけ運行の許可が出ている。しかし、50名採用しているが、常時出てくるのは6人ぐらいである。延べても20人も出てきていない。つまり、50人採用したが、1回も運行してない人が40人くらいいる。教習もした、教育も全部終わったあるいはまだ終わっていないという人も含めて、大体40人くらいは1年間経過しているのに全然出てこない。常時出てくれる人が6人ぐらいという形である。序盤はタクシーが足りないと言われていたので、ある程度の売り上げはあったが、昨今は日曜日の夜中はゼロ、ノーゲストということがもうほとんどである。つまり夜中から朝まで走らせても、1人もお客さんがいないということもかなりの率で発生している。しかし、もうタクシーが足りているというデータを集めるためには、赤字でも構わないのでそうやって無理やり走らせているという状況である。
・つまり、そうそう簡単にライドシェアで過疎の問題が片づくとか交通の問題が片づくことではないということである。そういう意味ではそんなに働く人はいないので、誰が好き好んでライドシェアのドライバーになるのかというのが私にとっては疑問である。過疎地こそ確かに今の交通の問題は発生しているので、有効活用できるのではないかということはどの市町村のこういった会議の場で出てくるが、今実際に実行している我々事業者としては、そうそう簡単なものではないだろうというふうに思っている。京都の市域中心地でさえその状態なので、なかなか人口がそれほど密集してない地域においては、それがうまくいくとはなかなか思い難いというのが私の感想である。
・一方、タクシー運転手については今増加傾向にある。阪急バスさんの後でこういう説明をするのは何とも忍びない話であるが、ようやく増加の傾向に移ってきている。毎月データを出しているが、プラスの状況で進んでいる状況である。ずっとコロナ前からもマイナスの状況だったが、ついに増えているという状況が今発生しているところである。コロナ中に2割の乗務員が減ったが、ようやく回復傾向に向かっているだろうと思う。当社についてはもう元に戻ったので、これから増えていく一方だと思う。
・ただし、今回補助していただくということは大変ありがたいことであるが、実際採用コストはものすごく上がっている。おおよそ1人当たり40万円から50万円が採用事業者に払うだけでかかる。さらに、2種免許を取ろうと思うと20万円から30万円かかるので1人70~80万円かかる。これは京都だから40万円ぐらいで済んでいるが、東京に行くと120万円ぐらいかかるという現状である。
・ただ、一昨年の5月に運賃改定をしたので、運賃が上がり、ものすごく高いとは言わないが収入が上がり、おおよそ年収400万円というところを目指して頑張っているが、まだ少し足りないような状態で大体月給が32万円ぐらいになるかということで、非常に若い人たちにとってはちょっとした人気の職場になってきている。大変コストはかかるが、割と採用が順調である。その反面、2種免許の取得がいっぱいで、普通に2種免許の養成学校に入学しようと思うと大体3ヶ月か4ヶ月ぐらい待たされてしまうという状況なので、当社の新規採用も京都だけではなく全国の教習所に、合宿などで島根とか鳥取まで行き免許を取っているという状況である。コストもかかるし時間もかかる、ただそうであっても人数が今増えてきている状況なので、そういう意味では運賃改定が非常に功を奏したと思っている。
・ただ、最近調査したところ、去年京都市内はインバウンドや観光客がたくさんいる状況で、とても稼いでいるのかと思ったが、協会員の人たちに調査すると、約半数以上が事業としては今実は赤字であった。それは人のコストや燃料費など、様々なコストがかかっている中で、事業としてはなかなかサステナブルではない。このままいくと事業存続がなかなか難しいという状況が発生している。
・そこで、運賃改定の申請を行った。これも当社がやりたいからできるわけではないし、各事業者がやりたいからできるわけでもない。ある1つの道路運送法上のルールがあり、運輸局がどう判断するかに委ねられるわけだが、事業者としては運賃改定を申請した。そして今運輸局の要否判定をいただき、今後運賃改定の運びとなる予定である。明言はできないが、おそらく今年の6月~7月頃に運賃改定をすることになろうかと思うので、利用者に負担はかけるとは思うが、何とか事業の存続をかけるために、利用者からの負担をいただきながら、何とか供給を不足させないようにこれからも続けて参りたい。
・全国的な状況については先ほど説明したとおりだが、そちらの委員にも入っているので、全国から知見を得てきたことを長岡京市にも活かしたいと思う。そして各先生方がおっしゃるとおり、今日の基金の話は非常に画期的な話で、全国としてもこういう事例はなく、しかも積極的にタクシーにも支援いただいていることはなかなか稀有で、我々にとっては非常に貴重でありがたい取り組みだと思っている。この働きについても全国に広めていきたいと思っている。
【会長】
・今報告のあった件について、ご意見やご質問があれば。
【委員一同】
・質疑なし
