教育委員会令和7年9月定例会会議録
- ID:15384
1.日時
令和7年9月24日(水曜日) 午後3時から午後4時18分
2.場所
長岡京市役所 会議室401
3.出席者
教育長 西村文則
委 員 京樂真帆子
委 員 大下和徹
委 員 盛永俊弘
委 員 生嶌匠
4.出席説明員
教育部長、教育総務課長、教育総務課主幹、学校教育課長、学校教育課総括指導主事、学校教育課主幹、生涯学習課長、生涯学習課主幹、文化・スポーツ振興課長、文化・スポーツ振興課主幹、文化財保存活用課長、中央公民館長、図書館長、教育支援センター所長
事務局職員 教育総務課 総括主査
5.傍聴者
なし
6.開会
(教育長)
開会を宣言する。
承認・署名
8.教育長諸報告
(教育長)
9月9日(火曜日)、長岡京市立中学校の教員が、性的姿態撮影処罰法違反(撮影)の容疑により、京都府警察(向日町署)に逮捕された。当該教員の行為は、生徒・保護者・市民の皆様の学校教育に対する信頼を裏切るものであり、心よりお詫び申し上げる。生徒の心のフォローを第一に、不安を取り除くための対応や再発防止に向けて取り組んでいるところである。この件については、後ほど詳しく報告させていただく。
次にこの間の行事等を日程順に報告する。
8月30日(土曜日)~31日(日曜日)には、小学生アイデア作品展が中央公民館で開催された。創意工夫を凝らした工作・作品や、疑問に感じたことを調査・実験を通して調べた発表など、児童の頑張りが見える数多くの作品が展示され、多くの方が見に来ておられた。
9月7日(日曜日)には、長岡第三中学校体育館を会場に「たそがれコンサート」が少年補導委員会主催で開催され、市内四中学校の吹奏楽部に加えて、立命館中学校、乙訓高校、西乙訓高校の吹奏楽部が素晴らしい演奏を行ってくれた。13日(土曜日)には、勝竜寺公園を会場に「名月の宴」が文化協会主催で開催された。
18日(木曜日)には、第2回教育振興基本計画審議会を開催し、事務局案について協議をいただいた。20日(土曜日)には、令和8年度の米国短期留学にかかる説明会を実施した。
9.報告事項
・長岡京市立学校教員の問題事象について
(事務局)
まず、経過について。 本市の中学校において、9月5日(金曜日)午後の掃除時間中に、生徒が教室後方の隅にあった不審物、モバイルバッテリー型カメラを見つけ報告したことから校長が警察に通報した。その後、警察が来校し当該教室を確認した上で不審物を持ち帰った。そして、9月8日(月曜日)午前に当該教員から校長に、自身が設置したとの申告があり、同日、警察へ出頭し、その深夜、9日未明に逮捕に至ったものである。
学校では、教職員で情報を共有するとともに、他に不審物がないか複数の教員でチェックを行うなどしていたが、逮捕の報道を受けて、9日(火曜日)の朝に全校生徒へ説明を行い、同日の午後7時より、「保護者説明会」を開催した。説明会には、およそ350名が参加されたが、保護者からは「今後、子どもたちが安心して登校できるような具体的な対策を提示してほしい」、「この後、子どもたちにどのようなケアをするのか」、「カメラが見つかった後、他に設置されていないのか、どこを、誰が、どのように点検したのか」、「(更衣をする部屋として)素人のチェックではなく、ものを全て無くした部屋をつくればいいのではないか」、「3年生の進路は最優先。この後、進路指導を誰が務めるのか」などの意見やご質問があった。
次に、この間の対応状況について。生徒の心のフォローが第一と考え、本市の教育支援センターからスクールカウンセラーを当該校に派遣し常駐してもらっている。また、府教委からスーパーバイザーを派遣していただいているところである。そして、生徒の不安解消のため、18日(木曜日)には、市教委職員が警察OBの協力をいただき、当該校の教室やトイレ等に盗撮機器等不審物がないかチェックを行った。
当該校においては、保護者説明会でいただいた様々なご意見を受け止め、教育委員会と連携しながら、生徒の不安を軽減するため、自習室を女子更衣室に変えることや、体操服での通学を認める等の対応を行っているところである。また、当該教員が担っていた教科、校務分掌を他の教員が担えるよう体制を整え、生徒に不利益が生じないよう取り組んでいる。
最後に、再発防止対策について。1つ目は服務規律の確保に向けた教員研修の徹底。教育委員会では7月1日付けの国の通知を踏まえ、7月4日の校長会議において、通知に示されたとおり私物スマートフォンによる撮影禁止の徹底、教室の整理整頓、不審物がないかの見回り、研修の実施などを求めた。当該校においても、職員研修を行い、不審物がないか教職員がチェックするなど対応はしていたと聞いている。そうした中でも、このようなことが生じてしまったので、これを教訓として全小中学校で、改めて職員研修の徹底・充実を図っていく。
2つ目は、ガイドラインの策定。盗撮防止のために文部科学省の通知や他市町の取組を参考にガイドラインを策定することを考えている。学校・教職員がガイドラインに基づいて適切に対応することを求めるとともに、これを公表することで生徒や保護者の不安解消に繋がればと考えている。
3つ目は、外部の専門家による不審物チェック。盗撮行為を防ぐため、警察OBなど専門家の力を借りながら、全小中学校を対象に不定期に学校を訪問し、不審物がないかチェックをしていく。不定期に行うことで抑止効果が高まると考えている。また、教職員による不審物チェックを支援するため「盗撮機器の発見機」を配備する予定である。
4つ目は、更衣室の確保。普通教室での更衣を避けるために空き教室を更衣室に変更するなど、各学校の意見を聞きながら更衣室の整備に向けて取り組んでいく。
以上のように、対応・対策を進めているところだが、今後も当該校の生徒の心のケアに努めるとともに、他の市町村の取組や生徒・保護者・市民の方の意見も参考にしながら、全ての学校で児童生徒が盗撮に不安を抱かず、安心して登校できるよう、再発防止に向けた対策にしっかりと取り組んでいき、信頼の回復に努める。
(委員)
安全であるべき学校という教育現場であってはならない盗撮という性犯罪事件が起きたことを重く受け止めている。私自身も大変ショックを受けているし、残念に思う。何よりも怒りを感じているところである。
被害生徒、それ以外の生徒の心理的ケアに力を尽くしていただきたい。
当該校の教職員の皆さん、教育委員会の学校教育課の皆さんの事件への対応に感謝申し上げる。学校が迅速に警察に通報されたことはよかった。
事件の対応、生徒や保護者への説明が適切だったか検証はいずれしていただきたい。
その上で3つの事を改めてお願いしたいと思う。
1 安全を守るというメッセージの発出。ガイドラインという形になるかと思うが、市内の全小中学校でガイドラインを共有していただきたい。PTAとの協働、保護者の考えも含めて取り組んでいただきたい。
今回被害者が女子生徒であったが、男子生徒も性被害の対象になるので含めること。
今回は加害者が教員であったが児童生徒が被害者になることも加害者にもしてもいけないということを受け止めていただきたい。無邪気に撮ってしまうようなこともありえる、それは人権問題なのだと被害者にも加害者にもしないと受け止めていただきたい。
ガイドラインは急いで作っていただきたい。
2 教職員の研修、教員だけでなく職員も含めて、安全を守る実行力のある研修を受けていただきたい。軽い気持ちで盗撮という犯罪に手を染めてしまう。盗撮機の発見の仕方も知ってほしい。
3 更衣専用の部屋、安全を確保できる空間を作っていただきたい。トイレなど、さまざまなところで子どもたちの安全の確保をしっかりして頂きたい。
(委員)
原因究明は本人の性的嗜好があり、いろんな条件がそろって起こってしまう。流れを追って再発防止対策に繋がるようにガイドラインをリンクした形で見直してほしい。
多重防護とそれぞれの対策のクオリティを上げることが重要と考える。それらの対策が原因とリンクした形で説明をされるべき。保護者や児童の安心安全につながると理解している。引き続きよろしくお願いしたい。
(委員)
私からは、二度と事件を起こさないための未然防止と初動の大切さをあらためて教訓化することを強調したい。
未然防止で言えば、職場で起きる問題の多くは、人と人との関係性の中で生み出される。つまり、職員個人の問題に見えることも、組織の問題として見直すことで、真の解決策が見えてくることがある。職員が問題を起こした時、「個人だけの問題か、それに加えて、組織の問題はないのか」という視点が必要だ。
また、初動で言えば、保護者説明会の運営に課題があったと伺っている。ぜひ、その課題の教訓を各校で共有化して今後に活かしてほしい
なお、学校は、生徒からも意見をとられているかと思う。その生徒のリアルな思いを、保護者に紹介することも大切だ。
最後に、私の知人で、保護者説明会に出席されていたある保護者の声を紹介する。
「事件が、自分の子どもの学校で起きたことにショックを受けています。決して許せない犯罪行為ですが、こんな時だからこそ、学校と保護者が協力して、より良い学校になっていけたらと思います。・・・いま、そんなことを保護者の間で話し合っています」とのメールをもらった。
そうした保護者の思いや期待を大切にして、再発防止の徹底、安心安全な学校づくりを推進してほしい。
また、他の小・中学校は、同様の事件が起こらないように全力で取り組んでほしい。
(委員)
あってはならい事件が起きてしまった。なし崩し的にすべて変えるのは懸念がある。
保護者説明会のあり方について、反省すべき点はあると思う。
通知やガイドラインを出すだけでなく、その結果を確認しなければならない。
10.主な行事・会議結果報告
(各所属長)
行事・会議結果(8月28日~9月24日)について報告。
(教育長)
質問、意見等はないか。
(委員)
アーリントン説明会、40組参加というのは例年に比べてどうか。
(事務局)
例年より多い。
(委員)
大学でもそうだが、海外指向の高まりを感じる。
11.次回定例会までの主な行事・会議予定
(事務局)
行事・会議予定(9月25日~10月15日)について説明。
12.意見交換
(委員)
9月12日に開催された市町村研究協議会の報告。
新しく作っていただいたプロモーション名刺を交換し反響があった。
開催場所がリサーチパークであったが、平安時代の貴族住宅が初めて発掘された場所として有名である。平安貴族の暮らしと文化展示室があり、協議会の前に見学した。
協議会は2つ参加した。1つ目は学校部活動の地域連携・地域移行について。部活体験会の実施や男子バレーボールクラブチームのブレイブについての活動を紹介し、反響があった。
学校の枠を超えたチーム作りをすることは在校チームでの人間関係がリセットされるのでそれも良いと好意的な意見があった。
ある市では、生徒が練習メニューを自分達で決めるという自己決定の取組みを行い、満足度につながっているとのことだった。自主性に任せてみるのはよい試みだと感じた。
2つ目は不登校対策、いじめ対策についての協議会。本市からは心と体の健康アプリ、シャボテンログを紹介したところ大きな反響があった。
適応指導教室と福祉部門との定期的に連携会議を行い、効果が上がっているという市があった。学ぶところがあるのではないか。
またある市では幼小連携の試みとして、幼稚園と小学校の教諭が相互に訪問交流しあっていた。小1ギャップをなくす方法のひとつとして興味深かった。
2つ目は文化財。リサーチパークの展示室に英語表記がついており明らかな誤訳があった。本市の展示室にも英語表記をつけると思うが業者へ丸投げしないようにしてほしい。
また、埋蔵文化財センター主催の発掘調査成果報告会について簡単に説明をお願いしたい。
(事務局)
本市展示室の英語訳について、ベースは業者にお願いしているが、英語に精通した市職員によるダブルチェックなどしていきたい。
埋蔵文化財センター主催の調査成果報告会について。前年度の発掘調査の成果についてセンターから報告しており、例年50~60名が参加いただいている。
全調査の要所を説明しているが、令和6年度は、朱雀大路の一部が見つかったことを大きな成果として紹介している。出土したものを直接見ていただくというのが好評をいただいている。引き続き来年度以降も続けていきたい。
(委員)
発掘調査の暑さ対策について。ファン付き空調服を本市は導入されているか。
(事務局)
埋蔵文化財センター職員は着用しているが、委託業者には行きわたっていない部分もある。暑さ対策として配備も検討していきたい。
(教育長)
市町村教育委員会研究協議会での、他市町の報告を参考にし、取り組んでいきたい。
(委員)
10月には各学校で体育大会開催されると思う。日中はまだ暑いが、暑さ対策はどうされているか。
(事務局)
基本はガイドラインに従っている。朝晩涼しくはなったが、ガイドラインに従うことを徹底している。
(委員)
新装オープンされた長岡公園を見学してきたが、休憩所も立派で、素晴らしい公園にリニューアルされていて感激した。
さて、私からの質問テーマは1つ。それは、数日前のテレビ番組で、長岡第六小学校の食育の取り組み、具体的には地元の「菓子処・喜久春」とのコラボの様子が紹介されたが、この地元商店との連携の目的は何か。また、成果と課題は何か。加えて、こうした事例は他の小学校でも実施されているのか、教えてほしい。
(事務局)
当該校について昨年度から総合的な学習の時間で、地域の商店会の方にお世話になりながら、取り組みを進めている。
目的は3つある。
1つ目、自分たちのふるさとへの愛着を持つ
2つ目、学校以外の多様な人と繋がる
3つ目、自分たちで自分のふるさとを作っている大人の姿を見ることを通して「自分たちも自分たちで自分のふるさとを作る。」という主体的な態度を育てるということを目的としている。
成果について、現段階でいえることは、子どもたちが地域の方に自分から声をかける、逆に声をかけていただく機会が増えるなど、地域が身近になったと聞いている。また、昨年の取り組みを通して「学校では学べないことを学べた。」と子どもの声も聞いている。
課題は、長期的な取り組みになるので、それをコーディネートしていく人材育成が必要だと思う。いかに継続していくかが、今後の課題と考えている。
他校の事例については、コミュニティの方に防災学習、地域の方に友禅染を教わるなど地域と繋がりながら学習を進めている。
(委員)
取り組みの目的が大変よく分かった。
机上の知識から実践知への授業実践の工夫は、子どもたちの学びを深め、社会に開かれた教育課程を進める上でも大切。引き続き、こうした授業実践が進展することを期待したい。
(委員)
小学生アイデア作品展、市町村教育委員会研究協議会、名月の宴に参加した。
アイデア作品展、自由研究や作品は力作ぞろいだった。
研究協議会の感想は次回にお伝えする。
令和7年3月策定の第2期長岡京市スポーツ推進計画からスローガンが「みんなもスポーツ心を」に変わっているはずだが、自分の地域のパンフレットが以前のスローガンのままだった。しっかり周知が必要である。
北開田児童館は特定の地域に特化したものか。
(事務局)
設立当初は特定の地域の方の利用が多かった。
地域に特化しすぎるのもいかがかという意見があり、平成9年から事業は主に六小校区対象、利用は市内一円の方が可能となっている。
(委員)
図書館、中央公民館での取組みと北開田児童館での取組みの違いを明確にされた方がよいと思う。
(事務局)
北開田児童館の乳幼児向け事業は、子育て支援センターたんぽぽと共同実施しており、中央公民館の事業と内容は違う。
(委員)
すくすく教室について、長岡第十小学校だけが開催数が他と比べて多いのは何故か。
(事務局)
長岡第十小学校は1日に複数のプログラムを実施されているので、開催数が多い。
(委員)
すくすく教室の主たる目的は、児童の放課後の居場所確保なのか。
もし居場所確保なのであれば、開催日数が足りていないのではないか。位置づけ、方向性を教えていただきたい。
(事務局)
すくすく教室は、居場所の提供より体験活動に重点を置いている。
(委員)
放課後児童クラブの年間行事はどのクラブでも同じか。
(事務局)
クラブによって内容は異なる。
(委員)
放課後児童クラブの運営主体はどこか。
(事務局)
公設のクラブの運営は市であるが、行事は保護者が行っている。
(委員)
クラブの行事が保護者の負担になっているという声を聞いた。運営に対する意見の窓口はどこか。
(事務局)
窓口は市である。委員の言われた課題があるのは事実。預かりを希望される保護者は、放課後児童クラブを選択されることになるが、行事の負担がある。最近は民設民営の預かり事業もあり、選択肢が増えている。
(委員)
1校区にクラブが2つある学校は、A・Bのどちらに所属するか、どのように選ぶのか。
(事務局)
お住まいの地域で分けている。
(委員)
五小では学年でわけていると聞いたが。
(事務局)
五小は急激に利用児童が増えたため、4年生のみ学校の一部を借りて保育スペースを確保した。
しかし、A・Bいずれかには属し、下校のグループなど活動によっては地域の所属に戻っている。
13.閉会
(教育長)
午後4時18分に閉会を宣言する。