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第1回ふるさと資料館検討委員会会議録

  • ID:2779

日時

平成24年11月28日(水曜日)午後2時~

場所

図書館3階生涯学習課講座室

出席者

委員

芦田委員、樫村委員、國定委員、小林委員、田中委員、田端委員、中村委員、増田委員、山本委員、渡邉委員

事務局

山本教育長、中尾課長、関主幹、百瀬専門員、馬部文化財技師、福家文化財技師、重岡事務員、小田桐埋蔵文化財センター局長、松岡主幹(森委員代理)

案件

  1. 検討委員会発足までの経過と目的について
  2. 委員会の運営と今後の検討方法について

開会

  • 委員13名のうち10名出席
  • 教育長あいさつ
  • 委嘱状の交付
  • 委員・事務局の紹介
  • 会長の選出
  • 会長芦田委員、副会長國定委員
  • 傍聴人の承認(1名)
  • 会議録の取り扱い及び傍聴について確認

案件1

(会長)
まず最初に「検討委員会発足までの経過と目的について」、ということでお願いします。

<事務局資料に基づき説明>

(会長)
では、今までの事務局からの説明につきまして、ご質問等ございましたらよろしくお願いします。

(委員)
よろしいですか。今お聞かせいただいた内容で、読んでいてよくわからなかったところも少しわかってきたなという気がしました。
このふるさと資料館の全体の性格、位置づけといいますか、中山修一記念館や古民家・古墳もあるし、考古資料館のような形もあって、そういうものがあるなかで、ふるさと資料館をつくるというのは、全体の司令塔みたいな形で、こういうことを知りたければこっちへ行ってくださいとか、そういう案内もできるようなものを構想しておられると思うんですけれども、そういう形でいいのでしょうか。そうすると、いろんな機能を合わせ持った内容の資料館になってくると思います。
横並びの形でしたら、松江や鳥取に行ったときに、お城や家老屋敷、文学に関する施設など、そういういろんな見学施設を小型のバスが巡回しているんです。100円でどこで降りてもいいし、また100円払ったら次のところへ行って見学できて、大変いいなと思ったんです。例えばそういう形でいろんなところを結びながら、資料館を中心に位置づけて考えていくのが、今のところはいいとは思っています。その場所がどのようなところに構想・検討されているのかということも、もし今の段階でわかっていれば聞かせていただきたいと思います。

(事務局)
まず資料館の機能でございますけれども、基本構想案のなかでは、今仰っていただいたような形で考えております。その文面は、先程説明しました資料の「長岡京市第3次総合計画第3期基本計画における「(仮称)長岡京市ふるさと資料館」の定義」というところに書いておりますけれども、「市域全体を文化財と周辺環境からなる博物館ととらえ、そのネットワークの中核施設として、地域住民が「調べる」、「学ぶ」、「伝える」活動を行う施設」ということで考えております。今、鳥取県の例をご案内いただきましたけれども、どこに行けばどのようなものを見られるかということを紹介したり、また、現在埋蔵文化財センターはありますけれども、古文書や民具を紹介する施設がありませんので、そういうものを置くとか、基本的には中核施設という形で、何もかも集めて大きなものをつくろうという考え方ではございません。
それから2つめの場所の問題でございますけれども、場所が決まればすぐにでも動きたいという状況ですけれども、財政事情がありまして、場所はまだ決まっておりません。今回は基本構想ですけれども、次の段階の基本計画で、どの程度の建物面積が必要なのかという具体的な議論になってくるかと思います。そういうときには、こんな土地もあるなとかそういう話になってくるかと思いますけれども、どの場所にどうつくろうかという計画は決まっていないのが現状でございます。

(委員)
言い忘れたことが一つあるんですけれども、鳥取と松江には両方とも似たような定額のバスが走っていました。名所旧跡へ行く観光客と同時に、市民の方も乗っておられて、お年寄のかたも100円で乗れるわけですから、病院や市役所・県庁だとか、買い物ができるところだとか、そういうところを含めて循環しているので、大変いいなと思いました。鳥取や松江に比べれば、こちらは交通が便利なんですけれど、観光客だけのために作るのではなくて、市民にも利便性があるバスもいいなと思いながら帰ってきた次第です。

(会長)
ありがとうございます。金沢に行っても、あちこち巡回バスが回っていたり、見学しやすい雰囲気があります。そこにあるから行くというのではなしに、見に行きたくなるような施設であるということがうかがえるのではないかと思います。いろんなものを織り込んでいくと、どんどん建物も膨らみますから、どういう建物をつくっていくのか、どういう中身にしていくのかといったあたりをこの構想で検討していければ非常にありがたいことでございます。
時間の関係で概略説明に終わっていますけれども、もっと質問等ございましたらよろしくお願いします。ご意見もあったらおうかがいします。

(委員)
今日初めてこの検討委員会に出席しまして、いろいろな説明を聞いたんですけれども、今までに庁内検討委員会があったのも知りませんでした。そこでだいたいどこまで決められたのか、この会は最終目的として何を求めているのか、例えば建てることは決まっているのか、それともそれを決めるのか、具体的な我々の目的がわからないんですけれども。

(事務局)
庁内検討委員会で審議した内容は、お手元に案としてあげております、これが最終的にまとまった内容でございます。これからの議論の最終目的は何かという話ですけれども、今回は24年と25年の2か年にわたって、基本構想を検討して策定していきます。それができましたら26年と27年、この2か年で次の段階のもう一つ具体化したものを基本計画としてまとめていきたいという方向性を持っております。基本構想のなかで具体的に何をするのかということですけれども、本当に長岡京市にとってこの資料館が必要なのかどうかという議論をこの場でしていただいて、もし必要としたときに、どういう基本理念・基本方針でいくのか、このあたりを議論していただきたいというのが基本構想でございます。基本計画の段階になりますと、どれぐらいの大きさの、どのような概要のものが必要になるのかという、もう一つ具体化したものになるかと思います。基本的には、基本理念・基本方針・必要性といった部分を議論していただくというのが、この会の目的でございます。

(委員)
では、できる、つくるということでいくんですか。消極的ですみませんが、極端にいうと、この会でこの時代にそのようなものはいらないとなったら、それもあるのですか。

(事務局)
基本構想案の第3部で、庁内検討委員会でも議論したところでございます。平成20年のときには、ハコモノはできないのではないか、つくっても維持をずっとしていかなければならないということで、ハコモノだけを目指すのではなく、そのあたりをどう考えるのかという話になりました。第3部に「ふるさと資料館への道のり」というタイトルであげておりますけれども、現在ある施設にどのようなものがあるのか、そのものをもっと活用することによって、いけるのではないかという議論が出てまいりました。第3部で「みちのり」という表現で書いておりますけれども、そのなかで、単に何もかも新しいものをつくるのではなく、今あるものを使いながら、充実を図っていくという考え方もまとめています。そのあたりをこの会議のなかでも議論していただけたらと思っております。

(会長)
よろしいでしょうか。いろんな施設が11ページにも書いてあります。そういったものをネットワークで結びながらやっていくということでして、その中核施設としてふるさと資料館が必要なのか、必要ではないのか、ということになるのではないかと思います。埋蔵文化財調査センターについては、もともと別の施設でしたし、貴重な文化財を展示できる施設ではございません。特別展示ができるのは、バンビオの特別展示室ですかね。あそこだったら国宝とはいかないですけれども、重要文化財くらいだったら展示できるんですか。

(事務局)
展示する場所のことをご案内いただきましたけれども、残念ながら、バンビオの特別展示室では国宝などは展示できません。自分のところの文化財を展示するのは、そんなにとやかく言われないですけれども、よそから借りてきて展示しようと思ったら、やはりそのような基準に合った施設をつくらないといけませんが、そういう施設は長岡京市にはないです。
勝龍寺のお城も先程ご案内がありましたけれども、永青文庫の文化財を展示するときに、特別に配慮していただいて展示をさせてもらいました。その代わりに何かあったらいけないので、夜通し職員が出て寝ずの番をしました。借りるときにはどこにどんな疵があるかというのを全部書いて、それを預けて、展示して返すときもまた細かくチェックするということをしたり、また乾燥を防ぐためにガーゼを濡らして展示して、湿度計も急遽購入するなど、こういうふうな形で展示をしました。
このように専門の施設が長岡京市には残念ながらありませんので、第3部にも書いておりますけれども、いずれ必要になってくるのではないかという今後の課題があります。

(会長)
そういうような状況でございます。はい、どうぞ。

(委員)
観光で来られる方のなかに、例えば長岡京市というのは二つの都があったということで来られる方がいるんです。けれども、向日市と大山崎町には資料館がありますが、現在長岡京市には資料館がありませんから、例えば長岡京の復元の形といったものは、お客さんに具体的にはご案内することができないんです。ですからそういう場合は、私たちの観光情報センターや案内所では、向日市の資料館をお勧めするのが現状です。大山崎の資料館にも同じように案内します。私たち職員も、総合資料館があれば、お客さんたちが来られたときに二つの都があったんですよということを具体的に知らせることができるんではないかと考えているんです。

(会長)
たしかに向日市には資料館があります。大山崎にもあります。真ん中の長岡京市にはないわけです。間違って長岡京駅に降りて、資料館あるかと聞かれて、実は向日市ですと答えることもよくあったらしいですけれども。

(委員)
向日市の資料館は、こっちから行くときは割と不便なんです。ですから本当に申し訳ないなと思うんですけれども、向こうのほうも今すごくきれいに公園化されていて、行かれた方は満足して帰られています。

(会長)
たしかに朝堂院の跡とかも立派なものをつくってられます。ほかにご意見・ご質問はよろしいですか。

(委員)
さっきのご説明にもあったんですけれども、今大事にされていても、時代が変わると将来失われてしまう文化財もたくさん出てくるんですよね。それはやっぱり、今きちっと保存・修復、ないしビデオに撮るなど記録しておかないといけません。本当に至るところにありますので、長岡京には現在こういうものがありますけれども、それを将来に残すためにはこういうことをやっています、というふうな形で情報発信をしていくふるさと資料館みたいなものは、必ずいるのではないかと思います。
私の大学で、『枚方の女性史』という本を私を中心に作ったことがあるんですけれども、文化財のようなものは女性史ではあまり活用できないので、そのときは聞き取り調査というのをやりまして、戦争中の生活や枚方に火薬庫があった時代や爆発のこと、あるいはいろんな部分で活躍している女性たちのお話を聞いて、それが本当によかったんです。それから10年経つと、亡くなられた方も多くて、どんどん史料が失われていくんだなというのをひしひしと思いましたので、今残っているものはもちろん大事にしないといけないけれども、今から失われるものもたくさんあるという、そういう姿勢でやってもらったらよいのではないかと思います。

(会長)
ごらんのように、第二外環状道路ができつつあります。あそこも縄文時代の遺跡の宝庫でして、それを残すかどうかという話もございました。あちこちたくさん開発が進むといろんな遺物が出てきまして、それを整理するのが大変なんですね。それを整理してきちっと保存して市民にまた還元するということが、非常に大事だと思うんです。やっぱりそうして、皆さん方に長岡京市という歴史あるまちを知っていただく。そしてそれがふるさと愛につながると思いますので、そういう意味から、是非とも資料館は必要ではないかということでご意見を賜りました。他にございませんでしょうか。

(委員)
構想案の9ページの下に、ふるさと資料館の機能イメージ図という図面が描かれているんですけれども、これは多分、庁内検討会議でまとめられたもののイメージかと思うのですが、このイメージ図について御説明いただけたらありがたいです。

(事務局)
この一つの図面をつくるのに、いろんな議論をしました。第3次総合計画で資料館を定義するときに、地域住民が調べる・学ぶ・伝える活動を行う機能とするのか、施設とするのかというところでも議論しました。機能と施設では聞き流すと同じようなんですけれども、現実的には機能というのは形のないものです。施設というのは人と建物がなければ施設とはいいません。というところで、施設という言葉を選びました。
資料館といったら、一般の方々は大切なものを見に行くとか、滅多にみられないものを一度みてみたいとか、そういった形で行かれるかと思うんですけれども、資料館の機能としては、伝える・収蔵する・保存する、そういった大きな使命もあります。資料館といっていますけど、担当者のほうで提案している内容につきましては、博物館法による博物館施設です。長岡京市では、重要文化財であるとか、京都府の指定文化財も展示させていただけません。そういった施設がないという状況のなかから生み出されたものでございます。
それともう一つ大きな特徴は、長岡京市史編さんという調査・研究の膨大な成果のなかから、資料館の構想が生まれてきたということです。したがいまして、なんでもありきのような形で総合性・多機能というものを意識しています。将来、規模や立地が決まれば、機能を選択していかざるを得ないことがあろうかと思いますけれども、基本構想案として提起する際には、総合性と多機能とそういったことがなければ、多くの方々の期待に応えられないということで、抽象化したものをつくっています。そこのなかで、普段は一般の方々にはなかなか評価してもらえない収蔵庫という、長岡京市にとって大きな問題を強調してあります。
それからもう一つは、公文書館の機能も入れております。長岡京市史編纂では、太古の昔の旧石器時代あるいは人類の誕生から、市史編さんが完了した平成までを取り扱いました。そのなかで一番難しかったのは、つい10年前や50年前のことを、歴史として書くことでした。江戸時代のことはよくわかっても、昭和のことはわからない。埋蔵文化財の成果は、長岡京市にとって大きなものですが、残念ながらせいぜい江戸までの内容でございます。そうなってきますと、明治・大正・昭和のこともわからない。なぜかというと公文書が残っていないからわからないんです。新聞記事と広報紙だけで歴史が書けるのかというとそういうわけにはいきません。したがいまして、長岡京市史編纂から生まれつつある資料館構想には公文書館機能は欠かすことができないということで、イメージ図を描いてみました。
また、文化財をめぐる大きなうねりということで、法律や制度も変わり、あるいは歴史公文書に関する法律なども新たに公布されたり、教育・学習との連携も国あるいは都道府県と連携した新しい施策が展開しています。したがいまして、この基本構想案をつくる時点では具体的に書くことはできませんでした。
欲張りといえば欲張りですけど、だからといって選択には慎重にならざるを得ません。どう選択していくのか、いよいよその時期が来ているのではないかと思います。以上で、9ページのイメージ図のご説明とさせていただきます。

(会長)
よろしいですか。時間がそろそろないのですが、まだ発言されてないかたどなたかございませんでしょうか。

(委員)
よろしいでしょうか。実は山城郷土資料館も、京都府の「府民利用施設のあり方検証」に引っかかっています。京都府のホームページから「府民利用施設のあり方検証」で辿っていただきますと、改善すべき点がいっぱいあげられていて、一言でいえば、数値目標設定みたいなことを言われています。こういう資料館施設は数値目標だけが全てではないんだと対応しているんですけれど、それはおいておきまして、先程からの説明では、文化財保護のほうがかなり重点的に説明されている気がしましたが、最近の博物館法の改正以降は、生涯学習などの施設としての面が強くなっています。今日の話のなかでは、生涯学習や学校教育の連携などの説明がなかったかと思いますので、その辺をどうお考えなのか、ご説明いただきたいと思います。

(事務局)
たしかに平成23年12月の文部科学省の告示で、「博物館の設置及び運営上の望ましい基準」というものが出され、博物館施設も新しい社会情勢に対応していかなければいけないということが示されています。博物館法というのは、社会教育法に則っていますので、学校教育・社会教育との連携や、今までのハードからよりソフトの充実を求められているというのは、ご指摘されている通りでございます。
現在、担当事務局が生涯学習課ということで、公民館・図書館と並んで、それぞれの設置要綱に基づいて、この文化センターというエリアでできるだけ市民の皆さんの便宜を図るような形でやっております。新しい国の基準に基づいた施策の施行については、課長のほうからご説明します。

(事務局)
学校教育と生涯学習ですけれど、まず生涯学習の関係では、生涯学習課での事業でわくわく歴史教室というものをしています。結構人気がございまして、現地をみていただくということも含めて、生涯学習のきっかけづくりに文化財を活用しているという状況があります。と同時に、学校教育のなかでは、子供たちに地域への誇りを持ってもらおうということで、埋文センターに見学に来ていただくなど、そのようなことを重ねて現在に至っております。
博物館法の改正に基づいて、その方面にもっと力を入れるということや、体験をするような場をつくっていくことが求められておりますので、今後資料館ができれば、そういうことも含めて進める必要があるとは思います。

案件2

(会長)
そろそろ終了時刻とうかがっておりますので、基本構想案についての質疑はこの程度にさせていただいて、次に、「委員会の運営と今後の検討方法について」という案件2に入らせていただきますが、よろしいでしょうか。
今も出ましたように、博物館法改正を重視した文言についても織り込んでいく必要があろうかと思いますし、構想案をできたら活かす方向で今後検討していきたいと思っているんですが、どのような方向でこの会を運営させていただいたらよいでしょうか。何かご意見がございましたらよろしくお願いします。
具体的に説明をうけたのは今日が初めてでございますから、十分に論議して高めるとはいかなかったと思うんです。今日は質疑で終わりましたけれど、できることならこの構想案について、全体的にみながら進めさせていただきたいと思うのですがよろしいでしょうか。

<一同異議なし>

(会長)
でしたら、庁内検討委員会で検討された中身について、さらに検討するということになろうかと思います。つきましては今後の方向ですけれども、できたら区分けしながら進めたいと思います。次回は1部「基本構想(案)の策定」と2部「基本構想(案)について」について、文言と内容についてそれぞれの立場からご意見を賜って、3回目に3部の「ふるさと資料館へのみちのり」を検討していただきます。そののちパブリックコメントをもらってから全体を修正して調整し、4回目で意見をまとめるということにしたいのですが、いかがでしょうか。
みなさま大変お忙しい方々でございますので、じっくり読んでいる間がないかもしれませんが、それぞれのお立場からご意見を賜れば、より優れたものができるのではないかと思いますので、次回までに1部・2部の2つについて御熟読いただいて、ご意見を賜りたいのですがよろしいでしょうか。
事務局から何かありますか。

<次回の日程調整>

(会長)
今日は予定の時間がきましたので、案件につきましては終わらせていただきます。お忙しいところ御出席賜りまして、また熱心にご討議いただきましてありがとうございます。今後ともよろしくお願い致します。

<閉会>