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第2回(仮称)長岡京市ふるさと資料館検討委員会会議録

[2013年5月9日]

ID:3080

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日時

平成25年2月5日(火曜日)午後2時~

会場

図書館3階生涯学習課講座室

出席者

委員

芦田委員、國定委員、樫村委員、小林委員、田中委員、田端委員、鞆岡委員、中尾委員、中村委員、増田委員、山本委員、渡邉委員

事務局

中尾課長、関主幹、百瀬専門員、馬部技師、福家技師、小田桐埋蔵文化財センター局長

案件

1「基本構想(案)」のうち1部・2部の検討について

開会

・委員13名のうち12名出席

・傍聴人の承認(1名)

・第1回議事録の確認

案件1

(会長)

まず1部から進めたいと思います。さて、基本構想を広い視点から議論していただくために、三重県や萩市の事例など、参考資料が事前に送付されております。審議に入る前に、これについて説明を事務局のほうからお願いします。

<事務局説明>

(会長)

今の説明で何かご質問はありませんか。今日的な博物館のありかたについて説明をいただいたわけですが、無いようでしたら次に進めさせていただきます。この前は、構想案の概略を口頭で説明していただいたんですけれども、今回はパワーポイントを使いまして、もう少し詳しく説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

<事務局説明>

(会長)

只今の説明につきましてご質問等ありましたらお願いします。

(委員)

よろしいですか。この間送っていただいた三重県の資料や萩市の資料をみてみると、自然環境というのが博物館構想のなかに高いウェイトを占めているように思ったんですけれども、基本構想のなかには周辺環境という形で文化財に付随するか、あるいは指定樹木などしか触れられていません。たしか長岡京市には「乙訓の自然を守る会」という非常に活発な市民団体があって、里山の自然保存だけでなく、希少植物・ミドリシジミ・ササユリ、あと絶滅危惧種の植物の保存等の活動も活発にしておられますし、一般に呼びかけて体験見学会みたいなこともしておられるように、市民自発型の活動をしておられます。このようなソフトの位置づけがどうなっているのかと、先日送っていただいた資料と見比べて思いました。長岡京市は城下町の佇まいで勝負をするというタイプの地域ではなく農村地帯なので、里山との関係というのは歴史を考えるうえで重要です。ポンポン山の登山口もありますし、景観もすごく魅力的だと思うので、そういったことも含めた位置づけ等も必要かと思います。

あともう一つ、長岡京市の構想では市民との協働や生涯学習ということはすごく留意されているとは思うんですけれど、教育委員会の方々がうまく市民をオルガナイズしておられるという実績もあるうえに、市民の自発的な活動もすでにあるので、ハコモノではなく行政も市民もソフトの蓄積がいっぱいあるということを具体的にもっとアピールしたほうが伝わるのではないかと思います。ボランティアガイドの方も積極的に活動していますし、私も行政にオルガナイズされたくちで、古文書輪読会のメンバーです。あちらにも私たちの先生が座っておられて、月謝も払わないのに懇切丁寧に教えていただいて住民税を大変活用させていただいていると思って感謝しています。古文書輪読会のメンバーの方のなかには、自主的に平日の昼間に勉強会を開いているような方もいらっしゃいますし、他にも力有り余っている方がいらっしゃって、こっちに資料館がないばかりに向日市の資料館に行って、企画展示にも参加されて、長岡京市民でありながら向日市の江戸時代の街並み再現の調査に参加されて、ジオラマを作るところまでやってしまったりしておられるんです。向日市には市民をうまくオルガナイズされる学芸員の方がおられて、あの人は人を使うのがうまいと言っておられますが、長岡京市の教育委員会の方々も負けずにそれだけオルガナイズする力をお持ちなのに資料館がないので、人材流出という感じで向日市に取られている。ですから小学校の研修だけでなくて、市民活力自体を活かす場がないということもアピールしたらハコモノではなくて、果物は実っているのにそれをまとめる篭がないんだというようなアピールができるのではないかと思うんです。

(会長)

ありがとうございます。たしかに仰る通り市民活動も活発で、西山から学ぶ体験学習なども盛んに行っております。そういったあたりも策定の背景などに織り込んでいく必要があるのではないかというご意見と、長岡京市の実態をもう少し書いたらどうかというご意見でございました。他にご意見ありませんか。

(委員)

萩の場合は、広島での戦国大名の時代が終わってからなので、近世の歴史が中心です。狭いところなので城下町を歩いて回れるし、萩焼とかいろんなものを付け加えながら、うまく町じゅうを博物館的にやっており、狭い地域での特徴や歴史に基づいての特徴があります。

長岡京のほうは、各時代の特徴点があるところなので、だいぶ性格が違うと思います。私は中世史専門なんですけれども、調子家文書や今井用水など、中世は中世なりにすごくおもしろい特徴を持ったところなので、長岡京市の今までの歴史のなかで、古代にはこういう古墳がたくさんあるとか、中世にはこうだとか、近世はこうだとか、現在に至ってはどうだとか、各時代の特徴をあげていかれたらいいのではないかと思うんです。

そうして古代の特徴、中世の特徴という一通りの見通しが出た段階で、誰に向けての中核博物館をつくるのかということになります。学校教育向けだったら道具類に焦点を合わせるとか、少し玄人の中高年だったら、古墳好きの人だとか、考古学好きの人だとか、あるいはお城好きの人だとか、もしくは学生でも特に男子学生には戦国時代や織豊政権期大好きというのがいっぱいいるんですけれど、そういう少し玄人向けに対象を絞ったらこうなるだろうとか。そういうのではなくて、市民教育というか市民のニーズに合わせた博物館だったらこうなるとか。こうした問題を整理していかないと、いろんなものを取り入れてやってしまうとすごく散漫なものになっていくような気がします。

三重県の場合は県単位で広いから、古い写真を集めるというところに特徴を持たせてやろうとされているんじゃないかと思います。それぞれの博物館の特徴がどこに力点を置いているのか、というようなところから考えてみたらいいのではないのでしょうか。

(会長)

ありがとうございました。たしかに萩は狭いところで、武家屋敷とか指月城とか、近世の部分が多いわけです。その点長岡京市は、縄文時代からの長い歴史に関わる史跡や文化財がありますから、そういったものを含めてやっていったらよいというご意見でした。他にどうですか。

(委員)

前回は欠席しましてすみませんでした。前回の議事録等を読ませていただいて、理念とか概念とかそういった部分はパーフェクトであろうし、展示したり勉強したりする場をつくるのは、たしかにいいことだと感じました。私の家の資料二千数百点も、市に寄付して図書館の倉庫で保管して頂いているんですけれども、あるときにその資料を見せてもらおうと来たときに見られなかったんです。そういった面から考えたときに、たしかにこのふるさと資料館のようなものがあって展示されていていれば、いいんだろうと思います。

ですが、実際に今点在している施設をまとめる資料館ができたときに、もともと施設があった場所をその後どう使うのかということや、建てる場所を考えなければなりません。保存・展示または教育の観点からみた場合には、例えばこの図書館や記念文化会館がある文化的なゾーンがいいのかなという気もしますし、こういうものができれば観光目的の一つに必ずなると思うので、その観点からみたときに、例えば勝龍寺城の横がいいのかあるいは長岡天満宮の周辺がいいのか、このような建てる場所についても考えなければいけません。ということは、市全体の構想まで広く視野を広げて考えなければいけないと思うわけです。例えば、市庁舎はまちの真ん中にあります。図書館・文化会館は天神にあります。体育館は西山です。スポーツセンターは国道171号線より東側です。バンビオは駅前です。このように点在していることが、果たしていいのか悪いのかは別問題にして、つくるとしたらそのなかのどこに持ってくるのか、ということも考えなくてはいけないと思うんです。

あれば確かにいいんでしょうけど、実際につくるとして予算のことを考えたときにどうなるんでしょうか。長岡京市の年間予算がおそらく250億円くらいだったと思います。バブルのときに長岡京市の一人あたりの市民税の納付額の平均値が、当時三千以上あった自治体のなかで、1番芦屋市、2番西宮市で、長岡京市が10番目という時代があります。竹下総理がふるさと創生で1億円を各地方自治体に配りましたが、京都府では長岡京市と久御山町だけ税収豊かということで除外されています。こういったバブルのときの財政状態と今の長岡京市の財政状態というのは全然違うのだろうと思います。それを考えたときに、資料館が市の年間予算のなかで優先順位の上位に持ってくるのが可能なのか、それができないのなら何年かにわたってお金を貯めていくことが行政として可能なのでしょうか。

あるいは、もっと優先すべきことがあるのではないでしょうか。例えば長岡京市の市役所は築40年以上経っています。3庁舎に分かれていますが果たしてそれでいいのかどうか、そういうことを考えたとき、資料館を建てるところまで行き着くのかというのが実際問題ですよね。行き着かないのであればやる意味がないんです。行き着くために何とかしようとは思うんですけれど、実際問題それらを一緒にひっくるめて考えないといけないんじゃないかと個人的には思います。

(会長)

ありがとうございます。財政上の問題、建てる場所の問題、あるいは資料館の中身の問題など、懸案事項についていろいろとご意見賜りました。他にご意見のある方どうぞ。

(委員)

よろしいですか。まず、長岡京市の文化財保護審議会は、平成23年11月2日に「長岡京市指定文化財指定の指針について」という答申を出したわけですが、そのなかに「資料館構想の早急な具現化」という項目を作りまして、「本審議会では、博物館施設の必要性をくりかえし述べており、平成21年6月8日には、『(仮称)長岡京市ふるさと資料館の開設を期待する要望書』を教育長に提出した。市民からの強い要望もあり、第3次総合計画に掲げられている『(仮称)長岡京市ふるさと資料館検討事業』を早急に具現化すること。」という答申をしたことがございます。そういうことで、今回このふるさと資料館の検討委員会が発足したことは、審議会としては非常にありがたいことと評価しています。

ただ、私は前回欠席しましたので、いただいた議事録を読みましたが、その感想は今言われたのと全く同じ思いです。第1回のなかでは、ふるさと資料館について、事務局からいろいろと説明をしておられまして、長岡京市としてどういうふるさと資料館を目指しておられるのかということがうかがわれるわけですが、それを私なりに要約しますと、ふるさと資料館は、まちなか博物館ネットワークの中核施設として、地域住民が調べる・学ぶ・伝える活動を行う施設であるということと、多くの人々の期待に応えるために資料館の機能は総合性と多機能が必要で、収蔵庫・公文書館・生涯学習施設の機能も欠かすことができないと位置付けています。具体的には、ふるさと資料館は博物館法による博物館施設であるとおっしゃっているわけです。今日もパワーポイントで出てきましたけど、具体的には構想案の9ページにありますふるさと資料館機能イメージ図に示されているような資料館をつくりたいと私は受け取りました。

確かにこれが実現すれば、非常にすばらしいものになると思うのですが、具体的に博物館施設としてつくるということになれば、相当規模の施設になります。そうしますと先程おっしゃっていましたように、それだけの大きなお金を使ってハコモノをつくるということになるのでしょうか。他のところでは何もかも集めて大きなものをつくろうという考え方はないとおっしゃっているわけですが、知りたいのは長岡京市としてかなり大規模な博物館法に基づく博物館施設としてのふるさと資料館をつくろうと考えておられるのかどうかということです。そういう前提で、我々は具体的な博物館・資料館をどういったものにするか検討していいのでしょうか。先程おっしゃったように、今の状況のなかで、果たして基本構想に謳われているような総合的な博物館施設をつくるだけの余裕があるのかどうか、そのへんの本音を知りたいと議事録を読んで感じた次第です。

(会長)

今、お二方から懸案事項としてご意見が出されましたけれど、事務局から何かございますか。

(事務局)

まず、全部の機能をこなしていく施設として、大きなものが想像されるということでございますけれど、前回の話にもありましたように、中核施設ということについては変わりありませんが、そういう大きなものはできないだろうと思います。耐震の問題等もありますけれども、埋文センターなどの現在ある施設を活用しながら、中核的施設で案内していくつもりですが、施設の大小につきましては、財政の問題等がありますので、やはりその視点から考えなければならないと思います。博物館法に基づく施設にするかどうかということにつきましては、重要文化財などを展示する場所が市内にないという点で、最低限の条件を備えた施設がどうしても必要となってくるだろうということで、ご説明させていただきました。

(会長)

庁内検討会議でも、ハコモノが果たして必要なのか、建てる財政力があるのかというあたりが懸念されたため、「ふるさと資料館へのみちのり」というかたちでこの構想案がまとめられていると伺っております。確かに財政的なことを考えると、見通しは暗いわけですけれども、例えば恵解山古墳にしろ、20年程かかって買収しているわけです。今は、23年度に工事を始めて26年度までかかる予定となっています。一時に建ててまとまったお金を払うとなると、なかなか財政的に無理だと思いますけれど、例えば亀岡の資料館などは裁縫学校の跡を使っています。うまく時代ごとに展示をされて、特別展示もやっておりますし、市民と共に汗をかく「共汗」する資料館という格好で運営しておられます。長岡京市もどこか空いた建物もあるのではないでしょうか。

(委員)

よろしいですか。こういう会をつくって、この会から広まってふるさと資料館をつくろうという市民の声があがってきて、そうすると優先順位が上へあがっていくのではないかというのが、行政側の方法なんだろうとは思います。我々が納めている税金をどういうふうに使うのか、皆さんで考えなければならないと思いますが、行政だけで考えられるか、市民に展開しようとなるのかわかりませんが、新しいハコモノを作らないということになれば、中途半端なものが市内にいっぱいできるということにもなりかねないので、もっと長い目でみた構想というのも考えなければなりません。

例えば市役所一つ建て替えるにしても、あの場を潰して建て替えるわけにはいきません。一時、小学校を統廃合して、小学校の空き地に市役所を持ってきてというようなことを考えた時代があったと思うんです。第六小学校のところに生涯学習センターをという構想もありましたけどすぐ潰れてしまいました。いろんな構想をうまく進めるために、こういうことを考えているのではないかという気がするんです。

にそと(第二外環状道路)などもそうでしたけれど、行政のやり方は、ここに高速道路をつくるという計画路線を発表し、反対意見が出てきてもしばらく放っておくんです。構想して40年程かかっているはずですが、みんなが痺れを切らして、つくるんだったら早くつくってよというのを待っているんです。行政はそういうやりかたをしないと進まないのかなという気がするんですけど、庁内会議を経てこの場が設けられるまで何年もかかってるんですよね。どんどんこういう話をして、話が大きくなって、市民に広がっていって、市民からつくったらいいという声があがってくると優先順位がどんどん上へあがっていく、そういうパターンなのかなという気はします。資料館があれば本当にうれしいですが、場所的なもの、位置的なもの、予算的なものを含めて実際問題できますか。

(会長)

そういうご意見ですが事務局どうですか。

(事務局)

いま仰っていただいたように、財政部局のほうから当然そのような声が出てきて、たしかにあればいいが、維持管理するお金や職員体制など、風呂敷を広げて広げっぱなしというわけにはいかないということで、議論した内容が構想案の第3部なんです。当初は第3部はありませんでした。第3部をみていただくとわかりますように、文化財の関係で今ある施設の写真などを載せております。こういう既存のものをコーディネートしながら、長岡京市に必要とされているものと結びつけていくことが大事です。

例えばガラシャ祭などで大河ドラマを誘致しようとか、勝龍寺城や観光協会の観光案内所が連携しながら11月3日から1週間程のガラシャウィークを実施しています。そういう取り組みができていない段階では、勝龍寺城の展示やガラシャの取り組みはバラバラでやっていました。庁内検討会議のなかでも、そのようにすでにあるものをもっと有機的に結ばないといけないという議論が出てきて、第3部ができたという経緯があります。

ですので、いま仰られたようにお金の問題とかいろいろありますが、一方で必要性も高まっております。いまそんな大きなものを考えておりませんという中途半端な言い方をしたんですけれども、有機的なつながりをどう図っていくのかという取り組みを延長していくなかで、最終的に資料館というものが出てきているというのが現状です。より、有機的に連携を深めていくために、中核的な施設として何とかこのふるさと資料館をつくる必要があるのではないかというのが現在の考えです。

(委員)

現在の行政を考えたときに、新しく阪急の西山天王山駅やにそとができ、南の玄関口ができるということで、いろいろ構想が言われていますが、では次に何かしようとしているのかというと、駅前のロータリー周辺のことだけです。ご存知のようにあの駅の周辺はうちの土地ばかりです。もうすでにビルの工事にとりかかっていますけれども、やる前に市のほうに何か協力することはないのかと話に行きました。けれども何一つ協力してほしいとは言いませんでした。例えば銀行・マーケット・病院などの設置を考えているのか、あるいは観光案内所はいらないのか、そのような話を行政としましたけれど、何一つ協力してくれないし話もしてくれません。

振り返ってみれば、JR長岡京駅が整備されたときは、バンビオなど大きく開発しました。そういったことを考えたときに、長岡京市は新しい駅や高速道路をいったいどうするつもりなのかと思います。例えば道の駅みたいなものを農家の方と協力してつくるとか、そういう発想があってもいいのではないかという気もします。市長はいつも新しい駅を起爆剤にするといい、京阪電車まで路線バスを出すというけれど、未だにその話は進んでいません。立命館も来るというけど、工事が一年間遅れました。従って駅の工事も今しばらく遅れています。

確かにこういう構想というか理念にもとづくものが長岡京市にあったらいいなとは思います。ただ、我々が納めた税金の行方を考えたときに、やはりこれをつくろうと思えば市民に広げないといけないし、そのための種を蒔くのがこの会なのかなと思います。

(委員)

本題である1部・2部の検討というところが全く止まってしまっていると思うんですけれども、今の意見をまとめますと、市民のなかに博物館を欲する気持ちを高めていこうというためにこの構想案が用意されていて、これを検討して市民に公開するという考え方でいいんですね。

(事務局)

そのあたりにつきましては、第1部のなかに書いてありますように、必要性も含めてこの場でご議論していただきたいというのが本会の趣旨です。

(委員)

必要ないという意見は出ていないと思いますので、では必要だとしたときになぜいるのかということを説明しないといけません。この基本構想案をかなり時間を費やして熟読しましたけれど、一言でいうと非常にインパクトの弱い文章ではないかと思います。なぜ必要なのかということをアピールできていなくて、納得させる文章とは言い難いです。熟読してみて確かに間違っていることは書いていませんし、正しいことばかりが書いてあるとは思うのですが、逆に何が書いてあったのかなという印象が残ります。

一つ提案したいのですが、長岡京市の博物館にしかできないことという要素が構想案のなかには出てこないような気がします。長岡京市を取り巻く状況の一つに、人口が8万人を超え、今でも少しずつ増えている、つまり外から移り住む人が増え続けているということがあげられます。それともう一つ、はっきりしたデータをもとにしているわけではないのですが、少子高齢化が言われるなかでも、比較的子供の多いまちということもいえるのではないでしょうか。

それに対して博物館のスタンスとしては、やはり外から長岡京市に移り住んできた人に、地域の歴史を身近に知ってもらうための施設という位置づけができるかと思います。それと同時に、ここ数十年にわたる埋蔵文化財の調査や市史編さんで集積された資料を再度公開して、身近に触れることによって、長く住んでいる人たちも改めて地域を見直すための施設でもあります。さらに子供が多いという話をしましたけれど、市内10小学校と4中学校以外に、特徴としては乙訓3町村のなかで、唯一府立高校が2校も存在しているという事実もあります。ちょっと話がそれますが、国立博物館が再来年、高校の歴史研究部が見つけ出した歴史資料をテーマにした展示を企画しているという話もありますから、直接は関係ないですけれども、高校教育との連携も可能性があるのではないかと思います。さらに長岡京という歴史上の都を求めて外地からここに観光に訪れる人たちに対する情報提供です。外から移り住んだ人、ずっと長く住んでいる人、子供たち、それから外から訪れる人に対しての資料館という、そういう見方というのはいかがでしょうか。

それからもう一つ思いついたんです。余生を送る、長岡京市で子育てをしてよかったと思えるまちというのがどこかに出ていますが、引退したあとに住みたいまちであるというキャッチフレーズみたいなことを提唱してもいいんではないかと思います。受け手、資料館を享受する人、相手になる人が基本構想にはあまり出てきてないような気がしますので、それを提案したいと思います。

それと、今の事務局の説明でも、どこの資料館でも出てくるものですという言葉が2、3回出てきましたけれども、確かに私が30年近く前に博物館学の基礎を学んだときに出てきていた要素、博物館の基本機能としての収集・保管・展示、このほか研究と公開であるというのは基本概念として出てきたと思いますが、まさにその通りのことしかここには書いていない。それではインパクトが弱いのではないかなという気がします。公文書館というのがついているのは特徴だとは思いますけれども、基本的なことだけで終わってしまっていて、何でそれが必要かということまでのイメージがこの文章からはうかがいにくいです。ただ、どうすればいいのかということまでは、今、にわかには言及はできません。

それと、まちかど博物館ネットワーク、フィールドミュージアムの話は全国でよくいわれていることなんですけれども、まちなか博物館ネットワークの表ですが、この表をこれから公表するのであれば、すごく限界がある表だと言わざるをえません。自然史や埋蔵文化財等を除くと、歴史的に一番古いのは古墳時代前期の長法寺南原古墳、一番新しいのがたぶん神足ふれあい町家になるかと思うんですけれど、旧石器・縄文・弥生の話が全く触れられていないし、近現代のことも出てこない。地区を行政のマスタープランで分けているということだったんですが、下海印寺・奥海印寺あたりは土御門天皇の御陵のことぐらいで、にそとで発掘が大規模にされていましたけれど、それの情報についてもこの表では触れていない。たまたまこう抜き出されたということだと思うんですけれど、これがまちなか博物館ネットワークの構想として出るのであれば、不足しているのではないかと思います。

(会長)

ありがとうございます。資料館構想というのができるだけあればいいという意見をうけて、では市民のためにどういったインパクトある文章をつくって支持を得るかという観点からご意見を賜った次第です。他にどなたかありませんか。

(委員)

私は京都に住んでいるので、あまり長岡京市の財政状況がわからないのですが、こういうものが大きい施設としてあればいいなという観点から発言してきたのですけれど、今いろいろ聞いて心配になってきまして、やはり博物館法に基づくものというと、大きな展示スペースとそれよりももっと大きな収蔵庫、それから個人・団体用の学習スペースとなると大変なものになってくると思います。しかし、そういうものでないとしたら、中核施設としてつくられるふるさと資料館と、他の既存の施設との役割分担についてもっと踏み込んで書いていただかないと、この資料では考えにくいと思いますので、その点の加筆をお願いしたいと思います。

(会長)

ありがとうございます。他にどうぞ。

(委員)

私は今回の構想のなかで、公文書館が併設されるイメージを抱えていて、それは現在とても大事なことではないかと思っています。図書館とか美術館とか博物館などは、よく知られているんですけれども、公文書館というのはなかなかイメージが持ちづらい、まだまだこれから普及していかなければならない施設なんですけれども、そのことで少しお話させていただいてもよろしいでしょうか。

事務局からの説明にもあったのですけれども、国では「公文書等の管理に関する法律」というのが、平成21年にできまして、24年に施行されています。その法律がどのような内容のものかといいますと、まず公文書というのは、行政機関が行政を行ううえで、橋や道をつくる、検討会を設置する、学校をつくるといったことをするのに先だって作成される文書なんですけれども、その文書に対して公文書館法が新たな位置づけをしました。一つは、国や自治体の諸活動が歴史的事実の記録であるということを踏まえて、公文書等が健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源であると法律は位置づけたわけです。その次に、そういう知的資源を行政の適正な管理、それから歴史公文書の適切な保存や利用を図って、行政が適正に効率的にされるようにする必要があり、あわせて将来の国民に対する説明責任として、そういう文書を残す必要もあるというのが法律の趣旨です。

私は今回この資料館構想のなかに公文書館を入れてもらえているのは非常に時宜を得た考え方かと思っております。公文書というのは日々作成されていますので、どんどん増えてくるわけですが、普通は保存年数というのが決められていまして、その保存年数が過ぎたら廃棄されるという流れになっています。今回の法律は、文書の作成から歴史的な資料として公文書館で保存するまでを視野に入れて効率的な管理をしようというのが趣旨で、これは自治体に対しても努力義務として位置づけられています。長岡京市も歴史が古い自治体ですので、そういう文書もたくさんお持ちのようですし、文書取扱規程をみさせてもらいますと、文化的・歴史的価値のある文書は残すということになっているんですけれども、一定期間経過したら廃棄されるものもあります。そういう流れをシステム化して、市民の情報資源として保存して活用してもらうという建物が公文書館です。

公文書館は、市長部局か教育委員会のどちらかに所属しているのがこれまでの他の自治体の形態でして、最近はどちらかというと市長部局に設置される場合が多いですが、教育委員会に設置されている公文書館は、それなりに資料を積極的に運用しています。例えば埼玉県ですと、学校連携事業の一環として所蔵している資料を活用しています。学校連携事業のなかで、子供授業や子供教室というのをやって、巻物を実際につくってみたりとか、和本を作成してみたりしています。また、子供体験教室だったら展示室を見学とか職務見学とか、10年後の手紙というのをつくったりしています。山口県も教育委員会の所管なんですが、学校教育支援事業というのを行っています。これは主に学校教育に携わる先生方に対する事業なんですけれども、古文書を読むためのアドバイスとか、郷土史研究のためのアドバイス、そういう講座を開催して授業に地域に残された資料を利用して地域を振り返ってもらい、これからのことも考えてもらうということが企画されています。

文化財の話もありましたが、公文書もやはり文化財として最近文化庁のほうから指定されておりまして、私が以前いました京都府立総合資料館の京都府の行政文書は、全国で初めて国の重要文化財に指定されておりますし、そのあとも次々と他の府県で指定されています。そういう意味で、公文書館に視点をあてていただけたということは非常にいいことだと思いますし、是非ともこれはうまくいけばと思っております。

私も京都府という行政機関にいて、いつも感じたことなんですけれども、文化行政はどうしても後回しになってしまうということがありまして、確かに緊急性から考えるとこちらのほうが先だと言いづらい部分があるんですけれども、長いスパンで考えればとても大切な事業ではないかと思っておりますので、このように公文書館について述べさせていただきました。

(会長)

ありがとうございます。もう時間がそれほどないのですが、6ページにある資料館実現の必要性というあたりについて意見があれば賜りたいと思うのですが。

(委員)

先程の事務局の話でも、これも山城郷土資料館に預けていますという発言が続き、恵解山古墳の出土品も山城郷土資料館にあるのですが、京都府の場合、山城郷土資料館も収蔵機能のみにしたらいいではないかという話がないわけでもありません。展示や子供たちへの教育などをしたら人も置かなければならないけれども、蔵だけにすれば管理する人だけを置けばいいという極端な意見の方もあるので、この話も収蔵庫としての機能だけつくればいいという話になりかねないとも思います。役割分担でいえば、展示は埋文センターや図書館のロビーですればいいとか、そういった意見も出かねないので、そのへんも含めて市民に対してどういう施設にするのかということを議論していかないと、山城郷土資料館に預けているのを元に戻してもらって、それを納める大きな蔵を建てようという管理棟的な発想も出てくると思います。そうではなくて、博物館を建てる以上は社会教育施設なので、子供たちも高齢者の方も含めて市民と一緒に学んでいく場所を作るんだという理念を強く出していかないと、蔵だけつくって終わりということになりかねないと思います。

それと構想案の文章のなかで気になりましたのは、「文化財」という言葉以外に「歴史文化」「歴史文化遺産」「歴史公文書」といったいろんな言葉が出てくるんですけど、同じなのか何を指しているのかよくわからないんです。「歴史文化」というのは「歴史」と「文化」という意味でもないみたいですし、「文化財」という言葉も出てくるのに、なぜ他の言葉も使われるのかよくわかりせん。6ページの「歴史文化の真正性(本物)です」なども「本物」といえばいいのにと思います。気持ちはよくわかるのですが、市民に伝わりにくい言葉が結構みられるので、そこを整理していただいたらと思った次第です。

(委員)

「真正性」には私も引っかかったので、『広辞苑』を引きますと出てきませんでした。インターネットの辞書を調べますと、世界遺産の概念の日本語訳みたいですね。だけど、一般的な言葉ではないと思うのでやはり引っかかります。

もう一つ、実物の展示が必要だということをアピールしている気持ちはわかるのですが、文章として「本物の資料に触れる場が必要です。人々の心を動かすのは、そこにある歴史文化の真正性です」といわれると、僕はストレートに勝龍寺城は真正性が低いとか、ふれあい町家は虫籠窓だけが真正性があるとか、恵解山古墳を5世紀の姿に復元にするにせよ真正性はどうなのか、みたいな気持ちになるので、行政自身の足も引っ張りかねない表現ではないかと思いました。実物の展示空間が必要だということに洗練すべきだと思います。

それと同じことになりますが、「歴史文化」「文化財」「歴史遺産」「歴史文化遺産」という言葉です。どこかにありましたが、「歴史文化遺産」として建物などが並列して書かれていて、最後に「歴史文化」の保存が大事とされる。では、埋蔵文化財は保存の対象にならないのかという読み方もできるわけです。枝葉末節的な点も探せば出てくるので、言葉の整理は必要ではないかと思います。

それから自然史のことについて最初に意見が出ましたが、自然史の資料は「乙訓の自然を守る会」以外にも、去年オオサンショウウオの発見があって、天然記念物が長岡京市にもいるという話もあったと思います。それから、にそと建設の環境アセスメントで、随分自然の調査をされていたと思いますけれど、そういう資料が公開されているかというと、にそと工事館には一部ありますけれど、その後はそのままになってしまっているのではないかと思います。

(会長)

ありがとうございます。文言の整理とか自然についてことを補強すべきだという意見でした。萩市の事例や三重県の事例など、他の資料館がいっぱいあるわけですから、それらを参考にしながら、市民にアピールできるような中身でやっていただけるとありがたいです。他にございませんか。

(委員)

すみません、もう一ついいですか。まちなか博物館ネットワークに関連してなんですが、「古今伝授の間ゆかりの地」や「長岡京発見之地」の石碑などが最近建ちましたけれど、一方で、にそとが整備されてから拡幅工事で歴史看板がなくなってしまってそのままというところがあります。これは明らかに後退だと思いますので、元に戻すべきではないかと思います。正直、古今伝授の間の立派な石碑の半分の予算でもあれば、下海印寺遺跡の看板は復活したのではないかと思うんですが、これから元に戻るのでしょうか。下海印寺遺跡については、長岡京市の文化財行政の歴史のなかでも出てくる遺跡名ですが、今、長岡第五小学校には、そこに遺跡があるということを知っている子はほとんどいないと思います。

(事務局)

ご指摘のありました下海印寺遺跡の看板につきましては、道路の変更に伴って取り外しておりまして、道路ができた段階で復旧していく予定です。その際、発掘調査の成果も含めて新しいものをつける予定をしています。

それと関連しまして、道標の関係ですが、これも現地から撤去して一時保管している状況です。これも道路ができた段階で設置をしていく予定です。それから、道路の下を京都府埋文センターを中心にして発掘調査をしています。その発掘調査でもいくつかの大きな成果があがっております。特に下海印寺の伊賀寺遺跡では、縄文時代の全国的にも希少な遺跡がでています。今後現地に看板を付けたり、市民が散策できるような形で整備計画を立てようと、現在準備しているところでございます。

(委員)

塚本古墳の看板もなくなっていたと思うのですが、あれはどうなるのでしょうか。

(事務局)

塚本古墳も同じように看板を付け直すということで動いております。

(会長)

ふるさとガイドの会からは何かありませんか。

(委員)

この間、中山修一記念館10周年の講演に行ったときに、この10年間で市民の利用回数が減ってきていると言われていたんです。私もまわりで記念館に行ったことありますかと、友達も含めて何人かに聞いたのですが、結構行っていない方が多いんです。久貝のほうなのでちょっと行きにくいというのと、いまいち関心がないというのが理由かと思います。修一記念館も埋文センターも、中途半端な利用法にならないかということを懸念しております。

(委員)

ちょっとよろしいですか。先程も意見がありましたように、一つは人の動きというのを考えなければなりません。JR長岡京駅を降りたら、西国街道があって、勝龍寺城へと行く。それから犬川のところをあがっていって、修一記念館を通り調子八角のほうに行くとか、そういう人の流れができるような構想を練っておかないといけないと思います。長岡京の人間やそこの子供だけが見に行くだけの施設ではなしに、他府県から来た方がこうした人の流れのなかで見てもらって、長岡京はこういうところだとわかってもらうほうがいいかと思います。光明寺や長岡天満宮などもいろんな人の流れがありますから、そうした人の流れも含めて資料館の場所についても考えていかないといけないのではないでしょうか。

(委員)

今日、皆さんのいろいろな意見がでてきて、問題が指摘されているわけですが、それらをうまくクリアしていって、つくりたいんだということを市民にアピールして、そのときにはできるだけ反対意見を少なくしたいです。賛成意見というのは声を大にして言わないけど、反対意見は声を大にして言いますから。先程私が言った予算の問題とか、場所の問題とか、皆さんの意見から出てくるいろんな問題を一つ一つクリアして、市民にこういう構想があるんですよと資料を出したときに、極力皆さんから賛成を得られるものを考えるのが、この会の目的なんだろうと思います。しかし、あと2回で果たしてそこまで辿り着くのか、非常に難しい問題だという気はします。

(委員)

勝龍寺城建築のときに私も担当となりました。あのときにお金の問題で、事務所棟にすれば安くあがると市のほうが言ったんです。ゆくゆくはそこに展示しないといけないだろうということで、無理言って、ある程度の消火設備をわざわざ付けてもらいました。今展示ケースの前にエレベーターがありますが、展示物の前にエレベーターがあるだけで文化財を置くような建物ではないんです。そういった建築基準のようなことまで考えておく必要があります。以前、石田家の前には長屋門がありましたが、開発でなくなりました。西国街道との関係がなくなったわけです。そういったものや西山の保全も含めて、全体的に考えていかないと、それだけに固執してしまうと無理なんではないかなと思います。

(委員)

なかなか行政というのは、全体的に考えるのが非常に苦手なんですよね。トップが次から次に変わっていくという日本の情勢で、自分が構想を練ったところで、それが行き着くまでにトップが変わっているから、中身も変わってしまうというパターンです。だから長岡京にはいろんなものが点在してできていくのでしょう。ハコモノをつくれば目立つけど、その後の維持管理は知りませんということですよね。

(会長)

厳しい指摘が出てきましたけど、ここの場としては、ふるさと資料館をつくるという方向で、では次にどういうふうにアピールして支持を得るかという形でまとめていけばいいのではないかとおっしゃっておりますし、皆様方もそういう意見だと思います。約束の時間が過ぎましたけれども、もう少しご意見があれば賜りたいと思います。

(委員)

実際に他の市町村で、今考えている規模の博物館をつくっていったいいくら掛かっているのか、それから年間にどのくらい掛かっているのか、多少のことは知っていますけれども、正式なところはよく知りませんので、調べていただくわけにはいきませんか。

(会長)

たしかに博物館は見に来ている人が少ないようです。特別展示等あれば違いますけど、どこも苦労されており、住民に支持される形でイベントを組んだり工夫されております。多額のお金が掛かるわけですから、市民にできるだけご支援をいただくような方向でこの構想をまとめていく必要があるというのが皆さんのご意見だと思いますので、文言の統一とか、自然との関わりとか、ソフト面の充実とかいう部分もたくさんございますし、もう一度議論をしていきたいと思います。パブリックコメントをいただく予定になっておりますから、支持されるような方向性でまとめられればと思います。そういった意味で、今後とも建設的な意見を賜ればと思います。

次回は3回目です。今日の意見をまとめていただいて、資料として出してもらってそれを入れてまた第3部の検討をしたいと思います。では次回の日程について事務局からお願いします。

<次回の日程調整>

(会長)

今日は本当にたくさんのご意見が出てきまして、大変濃い中身になりました。これからの方向を見定めていくうえで貴重な意見を賜ったと思います。今日は大変お忙しいなか遅くまでご協力いただきありがとうございました。

<閉会>

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