令和6年度第2回 長岡京市情報公開・個人情報保護運営審議会
- ID:14814

日時
令和7年1月23日(木曜日)午前10時00分から11時まで

場所
長岡京市役所 会議室402

出席者
委員(敬称略、五十音順)
井原悠造委員、植田利江子委員、小暮浩史委員、小松浩委員、上米良大輔委員、下村誠委員、瀧川正子委員、寺嶋智美委員、本多滝夫会長
事務局:総務課長 秦谷耕平、市民相談担当主幹 望月夏奈子、市民相談担当主査 米富心咲

傍聴者
1名

配布資料
当日机上配布
・ 次第
・【資料1】「令和6年度個人情報目的外利用協議」一覧

議事
開会
1 案 件
(1)個人情報目的外利用協議の報告について
(2)その他
閉会

会議内容(以下、概要)

(1)「個人情報目的外利用協議の報告」について
【会長】
今回の論点は3点。
1 個人情報保護法第69条第2項第2号の内部利用、第3号の他機関への提供を根拠規定としている今回の案件について、記載している「目的外利用の理由」が「相当な理由」に当たるものと考えてよいか
2 【6-19】「地域敬老行事対象者リストの自治会等への提供について」、目的外利用の根拠規定を個人情報保護法第69条第2項第4号(特別の場合)と判断したことが正しかったのか
3 【6-24】「空き家等に該当するか否かを判断するための水道使用状況の目的外利用について」。空き家担当課が、現地確認や電気、ガスの使用量の確認等をしてもなお、空き家と判断できない場合に限り、水道使用量を目的外利用できる、としているが、業務効率化の観点から、現地確認や電気、ガスの使用量確認をせずとも水道使用量の情報を目的外利用できるか。
ご意見はいかがか。
【委員】
【6-16】「高額療養費支給申請手続きの簡素化に伴う福祉医療(障がい、ひとり親、老人、子育て)受給者情報の目的外利用について」。今回は、制度が始まった直後であり、当初利用する可能性のある情報を取得したが、実際に運用をしてみて、一部の情報は不要であったとのこと。必要見込ということで目的外利用の申請をしているのか。
【会長】
本来は、あらかじめ精査した上で、目的外利用の依頼をすべき。「初めての制度で、よくわからないことが多いため、情報を全てください」というのはまずいのではないか。今後、協議をする段階で、精査し、必要最低限の情報のみ依頼し、情報が足りないのであれば、追加で依頼をするなどを検討してもよいのでは。後で追加依頼することが時間的に間に合わない等の事情があれば、改めて検討することかと思う。
また、論点1 個人情報保護法第69条第2項第2号の内部利用、第3号の他機関への提供を根拠規定としている今回の案件について、記載している「目的外利用の理由」が「相当な理由」に当たるものと考えてよいか、ご意見をいただきたい。
(意見なし)
【会長】
では、目的外利用の根拠規定を個人情報保護法第69条第2項第2号の内部利用、第3号の他機関への提供を根拠規定としている案件について、了とする。
次に、論点2【6-19】「地域敬老行事対象者リストの自治会等への提供について」。目的外利用の根拠規定を個人情報保護法第69条第2項第4号(特別の理由)と判断したことが正しかったのか。同じ案件に対し、20年以上前の平成12年度に当審議会で「情報の提供は可能」との答申を出しているという経過もあり、個人情報保護法第69条第2項の中のどの項目に該当するか検討したところ、第4号「特別の理由」とした。「特別の理由」とは、個人情報保護法第69条第2項第2,3号の「相当な理由」よりも更に厳格な理由である必要がある。個人情報保護委員会のQ&Aにも、当案件について「個人情報保護法第69条第2項第4号の該当性を検討することとなる」との記載があることも踏まえ、ご意見をいただきたい。
【委員】
自治会に情報を提供することに対し、「特別の理由」があるということで認めるという判断は適切かと考える。
【会長】
それでは、当案件について、了とする。
次に【6-24】「空き家等に該当するか否かを判断するための水道使用状況の目的外利用について」。空き家担当課が空き家と判断するために水道使用量の情報を目的外利用してほしいということである。これについて、空き家担当課が現地確認や電気、ガスの使用量の確認等をしてもなお、空き家と判断できない場合に限り、水道使用量を目的外利用できる、としているとのことだが、昼に現地確認しても空き家の判断がつかない場合、夜間にも現地確認に行かないといけないことも出てくると思う。なお、電気・ガスの使用量については、電気事業者やガス事業者に問合せをして確認しているということか。
【事務局】
電気事業者やガス事業者に問合せをして使用量を確認していると聞いている。事務の手間も大きく、郵送料もかかる。また回答までに時間がかかってしまうなど、業務上の大きな負担になっているとのことだ。
【会長】
電気事業者やガス事業者等の個人情報取扱事業者に外部提供の負担を強いていて、本市の中で類似情報を持ってるのに本市の中で全く利用できないということは、どういうことかとまず思う。「情報の提供を受けなければ目的を達成することが困難な場合であり、本人または第三者の権利利益を不当に侵害するおそれがないと認められるときや、空家等対策の推進に関する特別措置法第1条の趣旨から、空家が生活環境に深刻な影響を及ぼしており、空家の特定が急がれる緊急の場合であって、時間をかけて建築物の使用実態を確認できないときに限り目的利用ができる」とのことだが、かなり絞り込んだうえでの情報提供になる。個人情報保護法第69条第2項第2号とは別に、空家等対策に推進に関する特別措置法第10条第1項で「固定資産税の課税その他の事務のために利用する目的で保有する情報であって、氏名その他空家等の所有者等に関するものについては、この法律の施行のために必要な限度において、その保有に当たって特定された利用の目的以外の目的のため内部で利用することができる」と言う規定がある。空家等対策に推進に関する特別措置法第10条第1項がそのまま当てはまるかということは若干議論の余地はあるが、特別措置法の趣旨に照らすと、本市における空き家対策の早期の確認・発見のためには、わざわざ外部から情報提供を求めることによって、その労と外部への負担を強いるより、個人情報保護法69条第2項第2号に則って空き家と判断するための情報を内部で目的外利用するといったことはあっていいのではないかと考える。例えば愛知県が整理したガイドラインを参照したところ、「空家等対策に推進に関する特別措置法第10条に基づく空き家等の所有者等に関する情報の内部利用については、この法律の施行のために必要な限度において行うものとされております。なお、空き家等の所有者等に関する情報として所在地が明らかになっており、その所在地が空き家であるかどうか確認するためには水道情報を内部利用することは可能です」と、中部地方整備局が愛知県に回答をしている。所在地が特定しているときに水道使用量の照会をかけるのは、空家等対策に推進に関する特別措置法第10条の、「この法律の施行のため必要な限度に当たる」と行政解釈している。
一方で、本来は所有者がわからないときに参照する法であると考えると、そのまま参照してよいかどうかは非常に疑問には思うが、国土交通省が示している「空家等に関する施策を総合的かつ計画的に実施するための基本的な指針」に書かれている空き家の使用実態の調査方法等によると、やはり電気・ガス・水道の使用状況による確認が挙げられている。電気・ガスについては民間の企業が運営しているが、そうした民間の企業から提供を求めるのではなく、内部で同種の情報があったら内部で情報を情報提供してもらった方がいいのではないかということで、空家等対策に推進に関する特別措置法第10条第1項の趣旨に照らして、個人情報保護法第69条第2項第2号を根拠規定とし、水道使用量の情報提供するのは、あっていいのではないかと思う。
だからこれほど厳密に「現地確認や電気、ガスの使用量の確認等を含め、時間をかけて建築物の使用状況を確認できたときに限り、水道使用量を目的外利用できる」と限定をしなくてもいいのではないかと思っているが、それについてご意見はあるか。
【委員】
空き家がかなりの勢いで増えている。今後、空き家かどうかを判断するのに、やはり効率的な業務遂行を視野に入れていかないといけない。今のようなやり方では、業務としてはかなり煩雑になる。もちろん現地確認は必要だとは思うが、空き家かどうかの判断を、市の内部で情報収集して、より効率的に遂行できるのであれば、これを認めていくべきではないか。厳密にしようとして、細かく規定をすればするほど、業務が困難になるとこともあるため、もう少し議論の余地はあると思う。
【会長】
他の方はご意見いかがか。
(意見なし)
【会長】
空き家かどうかを確認するときに、外部の事業者に負担を強いるのではなく、行政内部で情報の目的外利用をする方が事務の効率的な運用になるのではないか、というのが審議会の意見である。
【事務局】
空き家かどうかの判断において、効率的な業務執行の観点がいるのではないかとのご意見を参考にし、空き家担当課、水道担当課とも共有する。
【6-16】「高額療養費支給申請手続きの簡素化に伴う福祉医療(障がい、ひとり親、老人、子育て)受給者情報の目的外利用について」。今回、新しい制度であったために、必要見込みの情報を目的外利用の依頼をされたが、提供を受ける情報というのは必要最低限であるべきということは、原則であると承知している。毎回、目的外利用の協議をする際は、制度を把握するようにしているが、今後、担当課とも協議の上、利用する情報について精査したいと考えている。
【会長】
他にご意見はないか。
【委員】
【6-22】「生活応援給付金事業に伴う個人情報の目的外利用について」の案件で話題に上がったDV被害について。DV被害者の情報は、被害者本人だけでなく、その子ども等からも洩れることがあると聞いている。子どもの転校先などの情報は,とても重要な個人情報である。子どもが友達と話をする中で、友達から情報が漏れ伝わり、DV加害者に居場所が特定されることがないように、避難先の情報を確実に保護するという観点を持っておくべきかと考える。
【事務局】
大事なことであるので、ご意見を教育部門に伝えさせていただく。なお、今回の目的外利用の協議を行った給付金の通知文送付については、給付金の対象者である納税義務者を対象に通知文を送付しているので、お子様に送付することはないことは申し添える。
【会長】
DV被害を受けている家族の情報について、慎重に取り扱う必要がある。例えば学校現場において、先生や事務員等が、外部の人に問合せを受けたときに、引っ越し先等を漏らすようなことがないよう、慎重な配慮が求められる。
ご意見が他になければ、「(2)その他」にうつる。事務局から何かあるか。
【事務局】
個人情報の安全管理措置について報告する。令和5年4月に個人情報保護法が改正され、これまで以上に厳格な安全管理措置の実施が求められるようになった。具体的には、保有個人情報の漏えい、滅失又は毀損の防止などのため、組織的、人的、物理的及び技術的な安全管理措置を講じることが義務付けられている。そこで、本市として、これらの法改正に対応し、市民の皆様の大切な個人情報を適切に取り扱うとともに、より一層の個人情報の保護を図るため、昨年度から新入職員を対象に個人情報保護に関する基礎研修を対面で実施している。
また、本年度より新たに「個人情報保護監査」を実施することとした。この監査では、各課において個人情報が適切に管理されているか、また、法令の規定に基づいた安全管理措置が適切に講じられているかについて、調査・評価を行う。デジタル戦略課がかねてより実施していたセキュリティ監査に個人情報の項目を追加し、総務課とデジタル戦略課の共同で実施しているところ。今年度は8課を対象に実地監査を行っており、監査の結果については、単に指摘を行うだけでなく、課題や改善点に対する具体的な助言等を行うなど、組織全体としての個人情報保護体制の強化に努めている。
【会長】
以上で本日の案件は全て終了した。これをもって本日の審議会は閉会とする。
