教育委員会令和5年6月定例会会議録
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1.日時
令和5年6月21日(水曜日) 午後4時から午後5時7分
2.場所
市役所 会議室402
3.出席者
教育長 西村文則
委員 福澤秀夫
委員 京樂真帆子
委員 大下和徹
委員 盛永俊弘
4.出席説明員
教育部長、教育総務課長、教育総務課主幹、次長兼学校教育課長、学校教育課総括指導主事、学校教育課主幹、生涯学習課長、生涯学習課主幹、文化・スポーツ振興課長、文化・スポーツ振興課主幹、文化財保存活用課長、中央公民館長、図書館長、教育支援センター所長、北開田児童館長
事務局職員 教育総務課 総括主査
5.傍聴者
0名
6.開会
(教育長)
開会を宣言する。
7.前回の会議録の承認
承認・署名
8.教育長諸報告
教育委員会関係の会議では、5月24日には乙訓地区小中学校使用教科書採択協議会が、26日には京都府都市教育委員会教育長協議会、31日には京都府市町村教育委員会連合会定期総会が開催された。
学校教育関係では、5月26日から6月19日にかけて本市及び乙訓教育局の指導主事訪問が行われた。指導主事が午前中の授業を見学し、中心授業の授業者との意見交換や、学校運営に関する管理職との意見交換などを行った。委員の皆様にも授業見学へ参加いただき感謝する。
また、米国短期交換留学事業のアーリントン訪問については、5月18日に市長・教育長への報告会が開催され、6月17日には市民報告会が行われた。出発から帰国まで現地での活動の映像を視聴した後、16人の団員それぞれが現地での活動を振り返り、英語でのコミュニケーションや、ホストファミリーの温かいもてなし、現地の人々との交流、授業体験などについて、市民の皆さんに報告してくれた。3人の引率者からの報告も含めて聴く中で、あらためて事業を再開できて良かったと思う。報告会の後、次年度に向けての説明会を行い、参加者から具体的な内容について質問をいただくなど来年度に向けての取組がスタートした。なお、報告会及び説明会はオンライン配信も行い200人を超える方に視聴いただいた。
そして、コロナ禍で中断していた職場体験を4年ぶりに実施した。6月13日~16日の間、各中学校の2年生が2日に渡って、市役所や小学校の他、民間の事業所や店舗などに通い、作業や接客など貴重な体験をした。
生涯学習に関しては、今年創立40周年を迎えられた文化協会が5月18日に総会、6月 2日に記念事業を実施された。長きにわたって本市の文化活動の推進にご尽力をいただいてきたことに感謝する。文化協会は19日に京都府市町村・地域自治功労者表彰を受けられた。
5月20日、21日には公サ連祭が、27日には人権啓発推進協議会総会が開催された。また、6月17日には、文化財保存活用地域計画のキックオフ講演会が長岡天満宮を会場に開催された。
25日には令和5年度第1回社会教育委員会議が開催され、委員の皆様の新たな2年の任期がスタートした。10年間委員・委員長としてお世話になり昨年度で退任された田中久美子前委員長に御出席いただき感謝状をお渡しした。また、6月1日にはスポーツ推進審議会が開催され委員の皆様の2年間の任期が終了した。40年の長きにわたって審議会に関り本市のスポーツの推進にご尽力いただいた桝岡義明会長が6月末の任期終了をもって御退任されることとなった。
また、6月9日には、市議会6月定例会が開会し、15日、16日には一般質問が、本日21日には文教厚生常任委員会が行われた。
9.議案
・第7号議案 長岡京市社会教育委員の委嘱について
・第8号議案 長岡京市スポーツ推進審議会委員の任命について
・第9号議案 長岡京市図書館協議会委員の任命について
(教育長)
全件が人事案件となるため、一括して提案の説明を求める。
(事務局)
・第7号議案「長岡京市社会教育委員の委嘱について」
人事異動に伴い、その後任を委嘱する必要があるので提案するもの。自治会長会からの推薦委員に交代があったため、新たに1名を任命する。任期は、議決日から前任者の残任期間。
・第8号議案「長岡京市スポーツ推進審議会委員の任命について」
任期満了に伴い、その後任を任命する必要があるため提案するもの。学識経験者4名、市内関係団体7名、公募2名、関係行政機関1名の14名を任命する。なお、14名のうち新任は4名、再任は10名。任期は、令和5年7月1日から令和7年6月30日まで
・第9号議案「長岡京市図書館協議会委員の任命について」
長岡京市図書館協議会委員のうち団体から選出される委員の人事異動に伴い、その後任を任命する必要があるため提案するもの。備考欄に新任と記載されている5名を任命する。任期は令和6年6月30日まで。
(教育長)
質問、意見等はないか。
(意見なし)
(教育長)
特に、意見等が出なかったため、採決する。
まず、第7号議案「長岡京市社会教育委員の委嘱について」、承認いただける委員の挙手を求める。
(全員賛成)
(教育長)
全員賛成。よって、第7号議案は可決された。
(教育長)
次に、第8号議案「長岡京市スポーツ推進審議会委員の任命について」、承認いただける委員の挙手を求める。
(全員賛成)
(教育長)
全員賛成。よって、第8号議案は可決された。
(教育長)
次に、第9号議案「長岡京市図書館協議会委員の任命について」、承認いただける委員の挙手を求める。
(全員賛成)
(教育長)
全員賛成。よって、第9号議案は可決された。
10.報告事項
・全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果について
(事務局)
「令和4年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果」に基づき、本市児童生徒の体力合計点の経年変化(全国平均値を50としたときの相対的な位置の変化)及び総合評価(体力テストの合計得点の良い方からABCDEの5段階で評定したもの)の経年変化について、報告する。
体力合計点については、小学校男子は令和3年から4年にかけて、女子は平成30年から令和4年にかけて全国平均を下回っており、特に令和3年は顕著に下回っている。一方、中学校では、男女ともに全国平均を上回っている。
令和4年度の結果の要因としては、コロナ禍における運動機会の減少や活動制限により、必要な体力を培う活動が十分できなかったことが考えられる。今後の対策としては、令和5年度の結果を見ながら、特に小学校においては、子どもの体力や運動能力の向上に繋がる方策を検討していきたい。
(教育長)
質問、意見等はないか。
(意見なし)
(教育長)
了承をいただき、次にすすめる。
・公益財団法人長岡京市埋蔵文化財センターに係る経営状況を説明する書類の提出について
(事務局)
地方自治法の規定に基づき6月議会に提出するもの。令和4年度は一般発掘調査16件、国庫補助事業に伴う発掘調査3件を実施した。啓発・研究事業として、調査成果報告会、関係者説明会、また、センター設立40周年記念事業として文化財講演会や特別企画展などを開催した。
(教育長)
質問、意見等はないか。
(意見なし)
(教育長)
了承をいただき、次にすすめる。
11.行事・会議結果報告
(事務局)
行事・会議結果(5月18日~6月21日)について報告。
12. 次回定例会までの行事・会議予定
(事務局)
行事・会議予定(6月22日~7月19日)について説明。
13.意見交換
(委員)
6月17日のアーリントン市民報告会に参加した。参加された団員の感想の中で印象に残ったことは、ホストファミリーの温かい受け入れに感動し、異文化に接することができ貴重な体験になったということ。この事業の実施準備に奔走された方々や引率の先生に心から敬意を表する。今後もぜひ、英語でのコミュニケーションを続け、英語力を高めてほしい。
次に、学校訪問について。6月に小学校2校と中学校2校の学校訪問をした中で、印象に残ったことをお話しする。子どもたちがタブレットを上手に活用していた。教科書は昔に比べて紙質が良くなっている一方で、教科書の重さも増していると感じた。学校に置いて帰れるスペースもあると聞いて安心した。
また、マスクを着用している子どもが多いと感じたが、今年の夏も暑くなるので熱中症などにも気をつけてほしい。
給食について質問したい。材料費が高騰している中で給食の質を保つことは大変難しいと思うが、今後どのように対応されるのか。
(事務局)
今年度に入り牛乳と主食の値上げが大きく影響し、厳しい状況が続いている。そこで、物価高騰への臨時的な対応として、食材費を小学校で一人あたり20円、中学校で一人あたり23円を公費補助し、材料費の不足に充てていく予定である。
(委員)
学校訪問ではカレーをいただき、大変美味しかった。成長期の子どもたちのために、栄養価も今までと同じレベルを維持できるよう工夫してほしい。
マスクについては、先生たちも結構マスクを着用していると感じた。英語で話す授業などでは、マスクを着用していると発音が聞き辛くなり、そういう場合にはマスクは外したほうが良いと思う。
(委員)
私からは4点。1つ目は学校訪問について。小学校3校を訪問した中で、子どもたちの頑張っている様子や、先生たちの熱心に子どもたちと向き合う様子を見ることができ、有意義だった。タブレットの使い方もスムーズにできているという印象を受けた。
一つ質問で、各クラスに置かれている学級文庫は、どのように配置されているのか。学級によって置かれている本が違ったので教えてほしい。
(事務局)
図書室から貸与したものと、学習に関連した図書を並べている場合が多い。また、担任が子どもに読ませたい本を持ってきて並べ、それを代々受け継いでいる場合もある。
(委員)
古い本が多いと感じたので、もし子どもたちから希望があれば、新しい本も購入してほしい。
2つ目は、学校健診について。5月の定例会でも質問したことだが、その後のエプロンタオル等の使用状況をお聞きしたい。使用した生徒の数とパーセンテージ、男子の人数、養護教諭の声などを教えてほしい。
(事務局)
今年度、ほとんどの学校で内科健診が実施済みで、あと数クラス残っている。途中経過の人数を報告する。
・エプロンタオルを使用した人数は301名。うち男子19名。
・家庭からフェイスタオルを持参し、エプロンタオルとして活用した人数は46名。うち男子は1名。
・家庭からラップタオルを持参した人数は176名。うち男子は1名。
現時点でいずれかのタオルを使用した人数は、合計523名。うち男子は21名。健診を受けた生徒のうち、約8%がエプロンタオル等を使用している状況である。小、中学校の内訳としては、小学校は287名、うち男子は16名、中学校は236名、うち男子は5名。
また、養護教諭からの声としては、「保健だよりでエプロンタオル等の使用を丁寧に周知した結果、タオルの使用者が増えたと感じた。」「学校医が女性医師であってもタオル持参の方が増えた。」などがあった。
なお、個別対応を行ったのは3件であり、前回の報告から変更はない。
(委員)
全体の約8%の方がエプロンタオル等を使用されているということで、良かったと思う。今後も、こうした配慮を続けてほしい。
3点目は、発掘調査について。発掘調査の現場では、調査内容等の関連情報を掲示されていると思う。長岡京市には発掘調査に関心のある市民の方も多いので、QRコードを掲示しホームページへ誘導するなどの対策を、引き続きお願いしたい。
「長岡京跡右京第1277次」の発掘調査のことで、1点気になることがある。私が現場を見たときはコンクリートの建造物が出てきており、中が攪乱されていた。これは、遺跡が破壊されている可能性がある。ホームページにもこの発掘調査の写真が掲載されているが、遺跡が出なかったので終わりではなく、このような建造物の建設によって発掘調査ができなくなったということを、教訓としてホームページ等で周知していくことを検討してほしい。
(事務局)
「長岡京跡右京第1277次調査」については、本来、遺跡が破壊されている状況はあってはならないことだとは思うが、このような事例を教訓として、文化財保存の視点の大切さを伝えていきたい。手法は埋蔵文化財センターと協議して検討していく。
(委員)
4点目は、ジェンダーギャップ指数の話。
6月21日に2023年版ジェンダーギャップ指数が発表された。日本は、146か国中125位で、前年から9ランクダウンしている。スコアは0.647とほぼ横ばいであるが、他の国のスコアが伸びているため相対的には順位が下がっている。また、分野別のスコアでは、教育分野は0.997とスコアが高く問題はない。しかし、経済分野のスコアは0.561と低く、特に女性管理職比率の低さが原因となっている。学校でも同様に女性管理職比率は低く、これは、学校現場におけるジェンダー平等の問題にもつながる。ぜひ、長岡京市においても教育分野での女性管理職の比率を上げるための機運を高め、働き方改革などを進めてほしい。
(委員)
私からは3点。
まず、体力テストの結果について。先ほど説明のあった総合評価(体力テストの合計得点の良い方からABCDEの5段階で評定したもの)の経年変化について、少し意見させていただく。一番気になったことは、小学校5年生男子では、DやEの割合が少しずつ増えていること。一方で、小学校5年女子はCが一番多く、全体的に底上げすべきという対策が考えられる。今後、小学校5年生が中学2年生になったとき(3年後)のデータを注視してほしい。
2点目は、教育委員会などで様々なイベントを開催するときに、後日、好評だったイベントをユーチューブで配信される場合があると思う。これは、参加できなかった方も見ることができ、大変良い取り組みだと思う。しかし、ユーチューブ配信だと、視聴者の年齢層や在住などのデータは取得できないため、作業量は増える可能性はあるが、できればzoomなどオンタイムでの実施を検討してほしい。
3点目は、健康診断のこと。現在、エプロンタオル等を積極的に使用していただき、おおむね皆さんに納得していただけていると感じている。そこで、実際に健診を行った医師からは、診察に際して、診察がしにくいなどの意見は出ているか。
(事務局)
乙訓医師会と連絡を取り合っている中では、特に目立った意見はなく、今のところ順調に進んでいる。
(委員)
私からは3点。
最初に「中学生の職場体験」のこと。近隣の自治体が体験施設等を確保できないなか、本市では先日、4年ぶりに116の施設等で職場体験を実施できたことが地元新聞でも報道された。各学校では、このあと、職場体験で学び考えたことを、クラスや学年で交流していくが、この体験報告はいつも貴重で感動的だ。今回、厳しい状況下でご協力いただいた施設・事業所、さらに、この事業の実施準備に奔走された学校と教育委員会事務局に心から敬意を表する。
2つ目は質問だが、先ほどから話題になっていて、私も数校参加した「指導主事の学校訪問」の件である。この学校訪問で指導主事の先生方は、各校の授業の成果をどのように分析されているのか。
(事務局)
成果としては、授業改善に熱心な先生がおられたこと。指導案にも先生の思いが現れていて良かった。また、中心授業を積極的に実施したいと希望した先生がおられたことが、成果である。
(委員)
なるほど。引き続き、指導主事の先生方で分析を深め、市内の授業の様々な工夫や成果を現場に還元、共有化してほしい。
なお、グループ学習やタブレット端末活用が盛んだが、これは目的ではなく手段と捉えることが大切ではないか。目的はあくまでも質の高い授業である。関連して、OECDのPISA調査委員会の研究では、ICT活用は情報や知識の獲得や浅い理解には有効だが、長時間の活用は深い思考や探究的な学びには有効ではなく、学力の向上と逆相関になると報告されている。目的である質の高い授業を展開するには、あくまでも深い教材研究に裏付けられた授業デザイン・構想と、児童生徒への本質的な問いの的確さではないだろうか。その目的を実現するために、グループ学習や端末活用を手段として上手く取り入れてほしい。大リーグで活躍の大谷翔平ではないが、先生方がアナログとデジタルの二刀流で、さらに質の高い授業を目指されることを期待している。
3つ目は「教員不足と新任教員の退職問題」のこと。
文部科学省が、昨日、本年度4月時点での、全国の公立小中高校などの教員不足に関する集計結果を発表した。それによると1年前より悪化したと回答した都道府県・政令指定都市教育委員会が43%に上る。また、今日は、ある新聞が一面トップで、「新任教諭増える退職」(目立つ精神疾患、09年度以降で最多)と報じた。
この2つのニュースは根底でリンクしていて、いずれにしても現場では大変な問題である。本市もこうした苦境に陥らないように知恵と力をあわせたい。なお、新任教員の退職問題の解決を考える上で、本人の問題というより、職場・組織の問題と捉える視点も必要ではないか。
つまり、個人の問題というよりは、むしろ、職場・組織の関係のなかで起こっているという関係論的視点に立つことが退職の未然防止につながることも共通理解してほしい。
14.閉会
(教育長)
午後5時7分に閉会を宣言する。