教育委員会令和6年4月定例会会議録
- ID:14248
1.日時
令和6年4月24日(水曜日) 午後3時から午後4時8分
2.場所
市役所 会議室401
3.出席者
教育長 西村文則
委員 福澤秀夫
委員 京樂真帆子
委員 大下和徹
委員 盛永俊弘
4.出席説明員
教育部長、教育総務課長、教育総務課主幹、学校教育課総括指導主事、学校教育課主幹、生涯学習課長、生涯学習課主幹、文化・スポーツ振興課長、文化・スポーツ振興課主幹、文化財保存活用課長、中央公民館長、北開田児童館長
事務局職員 教育総務課 総括主査
5.傍聴者
なし
6.開会
(教育長)
開会を宣言する。
7.前回の会議録の承認
承認・署名
8.教育長諸報告
まず、学校関係だが、3月29日、4月1日に行われた辞令交付を経て各校の教職員組織体制が確定し令和6年度がスタートした。8日には小中学校で始業式、9日には小学校入学式、10日には中学校入学式が行われた。委員の皆様にも入学式に出席いただきありがとうございました。さらに、3日、17日には校長会議を開催し、今年度の長岡京市立学校における学校教育の方向性や重点目標を共有した。17日の校長会議では市長、教育委員の皆様にもご出席をいただいた。
22日には教頭会議を開催し、今年度の方向性を改めて共有するとともに、具体的な事務処理等について確認をした。
23日には、長岡京市立中学校米国短期交換留学事業として、アーリントンへの学生訪問団16人が、ボイルコナー団長及び引率者3人とともに米国に旅立った。5月3日に帰国するまで、アーリントンでホームステイをしながら現地の学校や施設を訪問し現地の人々と交流を行う。
次に、この間の行事等について日程順に報告する。
4月12日には、スポーツ推進委員協議会の第1回会議を開催した。冒頭、委員の皆様に6年度から2年間の委嘱をさせていただいた。
18日には、中央公民館を拠点に文化・芸術活動などの生涯学習に取り組んでおられるサークルの連携組織である長岡京市公民館サークル連絡協議会の総会が開催された。
19日には、文化財保護審議会を開催し昨年度の事業報告や今年度の計画について報告をするとともに、「新庁舎歴史資料展示室 基本計画」についてご意見を伺った。終了後の文化財保存活用推進会議では、昨年度の事業報告を踏まえて今年度の事業計画について協議が行われた。
20日には、ふるさとガイドの会総会が、23日には長岡京市女性の会総会が開催された。
9.協議事項
・新庁舎歴史資料展示室基本計画について
(事務局)
令和6年3月1日から4月1日までの1か月間、基本計画案のパブリックコメントを実施した結果、4名(14件)のご意見をいただいた。主な意見の内容としては、文化財施設としての運営体制、施設の構造、展示構成について。
今回のパブリックコメントを受けて基本計画案の一部追記、修正を行った。それを4月19日の文化財保護審議会で承認いただき、本日の教育委員会定例会でご意見を伺うもの。なお、今後は令和6年6月議会定例会に提出する予定である。
(委員)
〇パブリックコメントについて
・6ページの博物館機能と16ページの管理運営計画の箇所で、「複数の学芸員が必要ではないでしょうか」とのご意見があるが、これはそのとおりだと思う。様々な分野の学芸員を任用するなど、ぜひ人員の増員を検討してほしい。
・15ページの企画展示例の箇所で、「継体天皇と弟国宮をいれて欲しい」という意見に対して、「困難である」と回答している。常設が難しければ特別展示を行うことは可能かと思う。例えば滋賀県高島市の資料を借り、滋賀県とも連携するなどして企画展示を検討してほしい。
・13ページの常設展示の箇所では、「随時更新」が重要だという意見をいただいている。ぜひ、随時更新を実現できるよう、後から変えられるような仕組みを作ってほしい。またそのような提案を行う業者を選択してほしい。
・14ページの体験型展示の箇所で、「地図上のポイント」について意見をいただいている。例えば向日市では巨大な復元図と写真を組み合わせて展示しているが、このように、現在地と遺跡地図の融合を図れるような工夫してほしい。
〇基本計画案について
・4ぺージの基本方針について。4つの観点に「2 ミライへつながる」とあるが、もちろん未来も大事ではあるが、ぜひ過去からつながること、過去を学ぶことの意義が分かる文章に修正してほしい。
・6ページの②収集・保存事業について。デジタル化・アーカイブ化という言葉がある。現在、各資料館や博物館ではアーキビストの配置が進んでいるので、本市でもアーカイブ化に取り組んでいただくため、専門家(アーキビスト)を任用してほしい。
・11ページの機能構成概念図には、歴史資料整理室等が記載されている。すべての学芸員さんがそこに常駐することになるのか教えてほしい。
・12ページの③本市に観光等で訪れた人(外国人を含む)とあるが、言語をどうするかが重要になってくる。言語は英語に限らず、韓国語、中国語、東南アジア諸国の言語など、本市に来る観光客の動向を見ながら検討をお願いしたい。やはり自分の国の言語があると観光客としては大変うれしい。商工観光課との連携も図ることができる。
・15ページの企画展示の箇所で、常勤学芸員を2名配置とあるが、これだけの企画展示をするには2名では足りないと思うので、学芸部門の方の体制充実をお願いしたい。
(事務局)
ご指摘のとおり、学芸員という言葉については意味が伝わりにくいと思う。2年後の開設に向けてどのような部門の学芸員を任用するのか、今後議論をしていきたい。
また、パブリックコメントでは多くのご意見をいただき、大変嬉しく感じている。
・基本計画の中の「ミライへつながる」だが、過去があり、今があり、未来に繋がるというプロセスが伝わるように、もう少し文章を再考したい。
・収集保存のアーキビストの採用については、学芸員の議論の中で整理・検討していく。
・歴史資料展示室について、大きさは約95平米。今ある図書館3階の機能は全て移転する予定であり、人もすべて移る。新しい施設では、現在の約1.2倍のスペースを確保できる予定。
・多言語化は必要なことだと考えている。例えば図録だけでも外国語版を用意するなど、今後手法を検討していきたい。
なお、本日の定例会でいただいた意見を踏まえ、今後計画に反映していきたい。
(教育長)
了解いただいたということで、次に進める。
10.報告事項
・長岡京市と大阪大学大学院連合小児科発達科学研究科との連携興協力包括協定について
(事務局)
令和6年4月1日に、長岡京市と大阪大学大学院連合小児発達学研究科との連携協力包括協定の調定が結ばれた。この連携協力包括協定の締結により、いじめ予防や不登校対策について、他市町における先行事例の紹介やデータ分析による助言をいただくことで、本市における取り組みに活かしたい。
また、今後、不登校への対策やかおテレビの活用等、子どもの発達に関わっての教職員研修の計画をするなどし、学びを深めたい。
なお、本協定は健康福祉部とともに締結しており、教育委員会としても福祉との連携がさらに広く繋がることができる機会ととらえている。そして、教職員の専門性のさらなる向上や、福祉との連携が進むことで、学校や子どもたちにとって必要と考える支援にさらにつなげたいと考えている。
・令和6年度アーリントン訪問日程(予定)について
(事務局)
長岡京市米国短期交換留学事業として、別紙の日程のとおり、アーリントンへ訪問する。本事業は今年度で20周年を迎え、2度にわたる選考を通過した16名の生徒と教員4名、計20名が現在アーリントンを訪問している。
現地では、ハーバード大学の訪問やレッドソックスの試合観戦等に加え、生徒が日本の暮らしを紹介したり、けん玉や折り紙、習字等を教えるという新たな取り組みを行う予定である。
また今年度は、長岡京市とアーリントンは姉妹都市友好交流40周年を迎え、市長や議長、友好交流会長からなる代表団も、今週の金曜に日本を発ち、アーリントンを訪問する予定である。
(委員)
今年は、アーリントンから来訪団は来られるのか。
(事務局)
7月初旬に、生徒21名と引率3名の方が長岡京市に来訪される予定である。
(教育長)
了解いただいたということで、次に進める。
11.主な行事・会議結果報告
(事務局)
行事・会議結果(3月28日~4月24日)について報告。
12. 次回定例会までの主な行事・会議予定
(事務局)
行事・会議予定(4月25日~5月15日)について説明。
13.意見交換
(委員)
アーリントンを訪問される子どもたちには、異文化を経験し、貴重な体験をしさらに大きく成長して帰ってきてほしい。訪問準備していただいた方、訪問団に同行される方、アーリントンのホストファミリーの方にも感謝したい。7月に日本に来訪された際にもよろしくお願いしたい。
1点目は学校給食について。4月から給食費が改定(値上げ)されており、食材など物価も値上がりしていると思うが、今後の見直しの可能性など状況を教えてほしい。
2点目は、新聞記事で「年度末に給食費が余ると一人ひとりに返還する。」という記事を読んだが、本市の状況を教えてほしい。
(事務局)
給食費の改定については、今年度から小学校では305円、中学校では378円に改定している。今後は、見直しの必要があるかどうかを含めて定期的な見直しをして、給食の質の確保と負担とのバランスを見ながら対応をしていきたい。
また、現状では給食費の予算内で栄養士が工夫して献立の計画をたてており、食材の変更やデザートの追加などの献立の工夫により、年間を通じて調整を行っている。
(委員)
文化財の話について。京都新聞の記事で、「古文書入門講座」と「古文書輪読会」の記事があり、この講座の経緯と状況について教えてほしい。
(事務局)
現在の状況については、初級編、中級編、上級編を設定しており、各回ともに15名程度参加いただいている。過去からの経緯としては、初級から上がっていかれる方が多く、その後自分たちでサークルを作って活動を継続している。
(委員)
地域の歴史資料を自分達で読み解くことは、大変重要なことである。このような人の支えがあって、文化財の保護、活用が可能となる。今後も講座を続けてほしい。
また、講座のターゲットを中学校にも広げてみてはどうか。中学校への出前授業なども検討してほしい。
古文書講座は、学芸員の方が担当していると思うが、人員増加をして今後も講座を続けてほしい。
(委員)
私からは2点お聞きしたい。
1つ目は、今年度体育館にエアコンをつける予定だとお聞きしたが、夏に間に合うのかどうか進捗状況を教えてほしい。
(事務局)
中学校は4校同時に秋から工事を開始する予定である。体育館は2月、武道場は3月から使用開始予定。また、長四小は体育館建替に合わせて来年5月に完成予定。
(委員)
災害時には、避難所にエアコンが有ると無いとでは全然違う。停電対策も含め、対策をお願いしたい。
(事務局)
防災の強靭性について、今年度の工事は停電しても使える都市ガス自立運転型を採用している。今後の整備も学校の状況に合わせ最適な空調設備を整備していく。
(委員)
2つ目は、以前は年に1回、推薦図書のリーフレットを教育委員会定例会で配布されていたと思うので、また情報提供してほしい。
(教育長)
承知した。
(委員)
回答を要するものでは無いが、先週(4月19日)、中教審の「質の高い教師の確保特別部会」で示された素案の件である。
そこには、「教師の質や量は子供たちへの教育の質に直結するため、現在の教師を取り巻く環境を改善しなければ、我が国の教育の質の低下を招きかねないと考えられる。・・・・教師を取り巻く環境は我が国の未来を左右しかねない危機的状況にあると言っても過言ではない」という現状認識が語られている。そして、その現状への対応策の柱は、マスコミで報道されたとおり、「教職調整額を4%から10%以上に引き上げる(増加額は2.5倍、改定は50年ぶり)」である。
しかし、ここで疑義が生じる。今回の中教審の目的は、「長時間労働を含めた教員の働き方を見直すこと」と「労働環境の改善を通して人手不足の解消」だったと思うが、教職調整額の増額で、その目的は達成されるのか。実際、少なくない識者の方々から、「教職調整額を増額しても教員の働き方は改善されない」「むしろ、増額によって、教員の働き方改革の問題に決着がついたかのような印象を与えたり、増額したのだからこれまで以上に働けという空気が生まれたりすることを懸念する」ことが表明されている。 そこで、このテーマを、勤務先の教員志望者の学生たちと議論してみた。私からの問いは、「教職調整額4%から10%以上にあがったら、教員になるのを迷っていたけど、やっぱり教員になろうと考えるか」だが、学生全員の答えは、いいえであった。学生たちは、「給料は多い方がいいけど、増えるのは1万円から2万円強程度ですよね」と指摘し、それよりも、素案後半の「教員の負担軽減を目的に学校の指導・運営体制の見直しも求める」に注目した。そこには、「持ち授業時数の軽減、授業の質の向上のため小学校の高学年で推進している教科担任制を中学年にも広げること、新規採用者は学級担任にせず教科担任と学級副担任を担当させるなどして経験を積ませる」などが記述されていた。
私は教員志望の学生たちの議論を聞きながら、学生にとって重要なのは「厳しい労働環境のなかでも、教員をしっかり勤めることができるのか」ということだと、あらためて認識した。今後、中教審素案が修正され、教職調整額の増額で終わるのではなく、目的の「長時間労働」「人手不足の解消」を改善し、最終目的の「子供たちへのより良い教育」を実現させることを願っている。
(事務局)
この件については、教頭会議でもお話があった。長岡京市でも夢を持って教員を希望している学生は多くおられる。学校側としても気をつけたいことは、しんどい部分だけではなく、やりがいや働きがいなどを現場でも伝えていきたいと思う。
14.閉会
(教育長)
午後4時8分に閉会を宣言する。