教育委員会令和6年9月定例会会議録
- ID:14577
1.日時
令和6年9月25日(水曜日) 午後4時00分から午後4時45分
2.場所
市役所 会議室402
3.出席者
教育長 西村文則
委員 福澤秀夫
委員 京樂真帆子
委員 盛永俊弘
欠席委員 大下和徹
4.出席説明員
教育部長、教育総務課長、教育総務課主幹、学校教育課長、学校教育課総括指導主事、学校教育課主幹、生涯学習課長、生涯学習課主幹、文化・スポーツ振興課長、文化財保存活用課長、中央公民館長、図書館長、北開田児童館長
事務局職員 教育総務課 総括主査
5.傍聴者
なし
6.開会
(教育長)
開会を宣言する。
承認・署名
8.教育長諸報告
(教育長)
まず、教育委員の交代について。福澤委員におかれては、平成28年10月1日から2期8年、うち5年間は教育長職務代理者として、長きに渡って本市教育委員会を支えてきていただいたが、この度、9月30日をもって退任されることとなった。福澤委員は民間企業、特に海外勤務のご経験が長く、非常に広い視野から本市教育の推進にご意見をいただいてきた。特に、小中学校への訪問をはじめ、小中学校の体育大会、米国短期留学事業のアーリントン訪問生徒の報告会、長岡京市中学生英語暗唱大会等の行事にも参加いただき、学校の状況や児童生徒の様子、教育委員会の事業等を把握いただいたうえで、様々なご示唆をいただいてきた。さらに、乙訓教育委員会連合会幹事や京都府市町村教育委員会連合会副会長などの役員を数度にわたって務められるなど乙訓地域や京都府の教育の推進に貢献されてこられた。
長きにわたって本市教育の充実・推進にご尽力をいただいたことに改めてお礼を申し上げる。なお、先ほど行われた市議会本会議において福澤委員の後任に、生嶌匠氏が承認されたので報告させていただく。
次に、8月の定例教育委員会から本日までの間、本市の行事等について公式に報告させていただく。
まず、フッ化物洗口の導入について。虫歯予防にフッ化物洗口が有効であることから、乙訓歯科医師会と連携し、学校・教職員や保護者への説明を丁寧に行い、教職員に体験してもらうなど環境も整え、小学校でのフッ化物洗口の導入に向け取り組んできたところである。そして、「ブクブクうがい」の練習も行ったうえで、この9月にスタートし、各校順調に導入できたと聞いている。
次に、8月28日に開会した市議会9月定例会であるが、一般質問、文教厚生常任委員会、予算審査常任委員会、決算審査特別委員会、同小委員会総括質疑などを経て本日閉会した。今回も教育に関して多くの質問をいただいた。特に、長岡第三小学校の再整備に係る質問に対しては、グラウンドの面積を確保するため現在のプールは撤去すること、再整備は行わず水泳指導を民間委託すること、保護者に新たな負担は求めないこと、バスで民間施設に移動することなどを答弁している。
次に、行事等を日程順にご報告する。8月31日・9月1日に予定されていた小学生アイディア作品展は、残念ながら台風の影響により中止となった。9月7日には文化協会主催による「名月の宴」が勝竜寺公園で開催され、歌や演奏、踊りなどの発表で盛り上がった。今年も子どもたちの作ったランタンが会場を美しく照らした。8日には長岡京市少年補導委員会主催のたそがれコンサートがバンビオで開催された。あまりの暑さで熱中症の危険が高まったため3階メインホールに会場を移して行われたが、市内の中学校5校、高校2校の素晴らしい演奏に魅了された。また、当日の夜には、令和7年度米国短期交換留学事業に係る募集説明会を開催した。13日には令和6年度市町村教育委員会研究協議会・第3回会議が大阪国際会議場で開催された。17日には校長会議を開催し、様々な課題について共有した。
9.主な行事・会議結果報告
(事務局)
行事・会議結果(8月29日~9月25日)について報告。
10. 次回定例会までの主な行事・会議予定
(事務局)
行事・会議予定(9月26日~10月16日)について説明。
11.意見交換
(委員)
1点目は、学校の通学路等の安全面について。
9月18日に中国広東省で、登校中の10歳の日本人児童が刺殺されるという悲しい事件が起こった。私も以前、香港に赴任していた時期があり、9月18日の時期には安全に注意するよう通知がされていたため、当時は十分注意して過ごしていた。そこでお願いなのだが、通学路を含めた学校の安全面について、今一度確認していただきたい。
次に、先ほど教育長から報告があったが、長岡第三小学校における水泳授業の民間委託について。保護者負担は決まっているのか。また、民間委託について保護者から何かご意見が出ていたら教えてほしい。
(事務局)
保護者負担は今のところ考えていない。アンケート調査を行った結果では、「保護者の負担が心配」、「移動手段はどうなるのか」などの声をいただいているが、具体的なことが分からない今の時点では賛成とも反対とも言えない、という意見が多かった。
(委員)
私からは大きく2つ。市町村教育委員会研究協議会の話と、文化財について。
まず、9月13日に「市町村教育委員会研究協議会」に参加したので、そこで得た情報をご紹介したい。
1つ目は、全体会で初等中等教育施策の動向についての説明の中で、「教育委員会の会議の公開」について。一部の自治体では、障がいがあることを理由に会議の傍聴を認めていない自治体があるそうだ。そこで、このように不合理な制限を設けないよう、今一度、傍聴規則等を確認してほしいと要請があったのだが、本市の状況を教えてほしい。
2つ目は「ICT機器の活用」について。アンケートの結果、肯定的に回答した児童生徒ほど、挑戦心、自己有用感、幸福感についても肯定的に回答しており、また、そのような傾向は特に低SESグループ(本をあまり読まない)で顕著であるという説明であった。ICT機器の活用が、学びを変えることの重要性のひとつの根拠にされているという点で、少し驚いた。つまり、本を読まない子がICT機器を活用して学びを深めることは大切だと思うが、そのことが本を読むことを軽視することに繋がってはならないと思うので、十分注意してほしい。
3つ目は、いじめ問題における警察との連携について。いじめ事案に的確に対応するためには、警察との連携が重要であるという話であった。そこで、本市でも警察との連携は行っているのかお聞きしたい。
私は分科会で「いじめ対策」グループに参加し、協議したのだが、その中で、学年別の不登校のデータを分析してはどうかと提案を受けた。また、小学1年生の不登校児童が増えているという報告も受けた。そこで、本市の状況を教えてほしい。
(事務局)
1つ目の会議の傍聴については、長岡京市教育委員会傍聴人規則第4条により、「次のいずれかに該当する者は、傍聴することができない。」と規定されている。
・酒気を帯びていると認められる者
・危険物又は会議の妨害となると認められる器物等を携帯している者
・前2号のほか、教育長が傍聴を不適当と認める者
以上が規定されており、先ほどご指摘いただいたような不合理な制限は行っていない。
(事務局)
3つ目の警察との連携について。今年、「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」が改訂され、学校だけでは対応しきれない場合は直ちに警察への援助を求め、連携して対応する必要があると明記されている。この改訂については、既に各校へ周知を行っている。
また、学校と警察で連絡協議会を設け、その協議会の中で、いじめ事象を含めた現在乙訓管内で起こっている生徒指導事象を報告し、協議をしている。
(委員)
常日頃から情報共有を行うことは大事である。例えば通学路の安全問題など、そういうことも含めて連絡協議会で情報共有されているとお聞きし、安心した。
(事務局)
学年別の不登校の人数は、毎月、各学校から報告していただいている。そのデータを校長会で報告した上で、各学校で対策を行っている。
なお、長岡京市では、近年特に小学1年生で不登校の児童が増えているという報告は受けていない。とはいえ安心はできないので、今後も各学校で不登校の児童が少しでも登校できるように、対策を行っていきたい。
(委員)
長岡京市では、小学校入学前のケアが十分にされていると思う。その段階で、不登校の芽のようなものを認知できれば、より早く対策を取りやすいのではと感じた。
(委員)
2点目は、文化財について。今年、恵解山古墳公園開園10周年を迎える。そこで、10月6日に長岡京市ふるさとガイドの会主催で歴史講演会が行われると思うが、他にも何か予定している関連事業があればご紹介いただきたい。
(事務局)
開園10周年の関連事業の1つが、歴史講演会である。そして、11月2日には「いげのやまフェスタ」を開催予定である。タイトルに「響け 古墳で奏でるハーモニー」とあるように、古墳と音楽をミックスさせ、市内中学校吹奏楽部(立命館中学校、長岡第二中学校)の演奏会などを企画している。
また、イベントの告知と合わせて恵解山古墳を知ってもらうため、イズミヤ長岡店と神足ふれあい町家でパネル展示を予定している。イズミヤでは、整備当時の空撮や出土遺物の写真を展示し、神足ふれあい町家では出土遺物の写真の展示とスタンプラリーなどを企画している。
(委員)
スタンプラリーはぜひ実施してほしい。子ども向けには紙媒体が良いと思うが、大人向けにはデジタルスタンプラリーも検討してほしい。観光協会やお店も参加できて良いのではと思う。
(委員)
私からは、文部科学省が先月末に発出した「不登校児童生徒が欠席中に行った学習の成果に係る成績評価について(通知)」に関して質問する。
これまでも各学校では、自宅や教育支援センター・フリースクールなどの学校外の機関等において、懸命に学習を続けている児童生徒の努力、学習成果を校長の裁量として積極的に評価してきた。また、「不登校児童生徒への支援の在り方について(2019)」の通知を受けて、より適切に学習評価を実施し、その結果を不登校児童生徒に積極的に伝えてきたが、今回の省令改正で、さらに、その趣旨が法令上で明確化されたことになる。
そこで質問だが、学校現場の先生方は今回の通知をどのように受け止めておられるのか。
また、学校教育課として何か運用基準(成績評価への具体的な反映方法や典型的な事例)を示し、成績評価を促進させることを検討されているのか。
(事務局)
まず、文部科学省の通知については、先日校長会でお伝えしたところである。以前から各学校では工夫しながら対応しているため、それを改めて確認したという点で、特に混乱はなかったように思う。「フリースクールで行った学校の課題や定期テスト等が成績に反映できる。」と明記されたことにより、今までは公平性の点から疑問の声があったが、一定の基準ができたものと認識している。
教育委員会が運用基準を策定することは、現状では考えていない。学校としては個別対応しており、一律の基準を設けて成績評価を行うことは、今のところは難しいだろうと思う。今後、府からの通知などを踏まえて検討していきたい。
(委員)
ご指摘のとおり、確かに、一律の対処だけではなくケース毎の個別対応が大切かと思う。
ただし、市内小中14校の実際の具体的事例を情報共有することは、学校間での差異をなくし、より学習成果を成績に反映させることにつながると考える。
なお、先月、「京都府内公立高の入試で、中学校の欠席日数の報告を取りやめる方針」と新聞報道されたが、不登校児童生徒にとっては、欠席日数だけでなく、この成績評価も大きく進路実現に直結する。
ぜひ、今回の文部科学省の省令改正をきっかけに、校長会と連携して不登校児童生徒の成績評価の運用の在り方を積極的に深めてほしい。
12.閉会
(教育長)
午後4時45分に閉会を宣言する。