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第7回中小企業振興推進会議会議録

  • ID:15201

日時

令和7年6月27日(金曜日)午前10時から

場所

長岡京市立産業文化会館 3階 第2会議室

委員の出欠

※敬称略

京都橘大学 学長 岡田 知弘

立命館大学 経営学部 准教授 植田 展大

長岡京市商店街連絡協議会 神足商店会 会長 川岸 右文

長岡京市西山会 京都銀行長岡支店 支店長 辻野 周

長岡京市経済協議会 三菱ロジスネクスト株式会社 管理本部 総務部長 公受 正道

長岡京市地産地消推進協議会 小野 洋史

社会福祉法人恩賜財団 京都済生会病院 事務部 次長 西畑 慎二

市民公募 川戸 和英

長岡京市環境経済部 部長 硲 恵

長岡京市教育部 部長 中島 早苗

〈欠席〉

長岡京市商工会 会長 藤井 宣之

(長岡京市商工会 副会長 辻 正志 代理出席)

長岡京市商工会 理事 田中 邦彰

市民公募 大川 宏紀

京都府中小企業総合支援課 課長 田村 弘之

(京都府中小企業総合支援課 参事 奥田 清 代理出席)

傍聴者

0名

内容

開会

  • 成立の確認
  • 委員の紹介

市長挨拶

長岡京市では、令和4年10月に長岡京市中小企業振興基本条例を制定し、様々な取組を進めてきた。本日は、新たな委員もいるため、長岡京市の概況をお伝えしたい。

市では、「定住の促進」「交流の拡大」「まちの新陳代謝」の3つを柱として、様々な施策を推進している。「定住の促進」とは、現在約8万2,000人である本市の人口を、将来の人口減少時代においても8万人規模で維持していくことを目指すものである。近年、人口は微増傾向にあり、現在の周辺の開発状況から見ても、当面はこの傾向は続くと考えられる。

「交流の拡大」と「まちの新陳代謝」については、市制52年目を迎え、大きく発展してきたが、一方でまちの老朽化も進んでいる。そのため、将来に向けて様々な新陳代謝を図っていく必要があり、現在、老朽化した産業文化会館を市役所の新庁舎に移転する計画を進めている。新たな産業文化会館は令和8年12月に開館予定であり、このように「交流の拡大」と「まちの新陳代謝」を着実に進めている。「交流の拡大」では、市民同士はもちろんのこと、市外の方々との交流も促進し、活気あるまちづくりを目指している。コロナ禍で思うように進まない時期もあったが、感染状況も落ち着きを見せ、インバウンドを含む様々な交流が再開しつつあるため、これを機にさらに力を入れて取り組んでいく。

長岡京市は住みやすいまちとして選ばれているが、一方で課題もある。交通の利便性が高い反面、消費が市外に流出する傾向があり、この課題認識が中小企業振興基本条例制定のきっかけの一つになった。コロナ禍を経て、地域内の魅力ある商業機能の重要性を改めて認識した。まちの魅力を高めるためには、商工事業者の皆様との連携が不可欠であり、ガラシャPay事業など、様々な施策に取り組んできた。ガラシャPayをプラットフォームとしてさらに発展させていくことが今後の課題である。

また、地価やテナント料の上昇により、零細事業者にとって新規出店が難しいという課題もある。これらの課題への対策を皆様と共に考え、議論していくことが、この会議の大きな役割である。来年には180室規模のビジネスホテルが開業予定など、市の周辺環境も変化している。これらの変化を捉え、商工振興を推進していくためには、事業者の皆様のご尽力、そして商工会や市民の皆様のご協力が不可欠である。皆様と共に、前向きに取り組んでいきたいと考えている。

建替中の庁舎前には市民広場も設置予定である。JR長岡京東口など、様々な場所で人が集まり滞在できる空間づくりを進めている。にぎわいがあり、人々がこのまちに居続けたいと思えるようなまちづくりを目指している。この会議を通して、皆様から様々なアイデアやご意見を頂戴したい。

会長・副会長の選出

委員の互選により、会長に岡田委員、副会長に藤井委員が選ばれた。

会長挨拶

今回は委員の入れ替わりのため、簡単に自己紹介とこの会議の役割についてお話ししたい。

私は京都橘大学経済学部で地域経済論を専門として講義しており、全国各地で地域調査を行いながら政策提言にも携わってきた。その中で重要な柱として、中小企業振興基本条例を定め、自治体、地域の経済団体、中小企業の方々と共に活用を進めている。中小企業の範囲であるが、長岡京市では農業関係、福祉・医療関係の委員の方にも参加いただいている。地域の産業は、商業や工業、建設業といった典型的な産業だけでは成り立たない。長岡京市は、タケノコの産地であり、農業も盛んである。タケノコの加工は製造業、販売は商業である。このような形で、例えば給食サービスは学校教育や病院と繋がるなど、様々な産業が複雑に絡み合っている。

また、長岡京市は大阪方面や京都市内への通勤・通学圏である近郊都市である。そのため交流人口は多いものの、経済活動という視点からは、地域にお金が落ちにくいという問題がある。一期目の会議では、ガラシャPayに関して具体的な検討・改善を議論した。消費者と生産者の関係は深いが、生産者間の取引(BtoB)は一般市民には見えにくい部分である。しかし、そこにも雇用があり、地域経済を支えている。

地域経済は様々な産業が関わり、その担い手は医療・福祉や行政書士など多岐にわたる。これらを底上げすることで、地域経済の発展、ひいては市民生活の向上に繋がる。このような考えに基づき、中小企業振興基本条例は制定された。さらに、産業全体をサポートするために、金融機関の役割も重要である。大企業の役割や京都府などの行政機関のサポートも必要不可欠である。この推進会議は、そうした知恵を出し合う場と位置付けている。皆様の仕事や生活の中で感じていることや意見を率直に出し合い、より良い地域づくりを目指していきたい。

近年、社会課題を解決するためのNPOや企業の設立も活発である。本学でも、そうした活動を志す学生が増えている。そうした意味では、大学や短期大学、高校との連携も長岡京市で推進していただきたいと考えている。小中学校と教育委員会、給食関係者、子育てに関わる商店街の役割も大きい。これらの点も含め、議論を進めていただければと思う。

議事

第6回推進会議の振り返り

(会長)初めての顔合わせのため、自己紹介をお願いしたい。

(委員)本日、副会長の代理で出席した。長岡京市には約1,800の事業所があり、その内約1,000事業所が当会の会員である。中小企業振興基本条例を踏まえ、長岡京市の事業所が一同となって地域商工業の発展に貢献していきたい。

(委員)朝日新聞の販売店を営んでおり、商店街連絡協議会の代表として参加している。商連協は2か月に一度、4つの商店街の代表者による会議を開催している。会議では、まちの活性化に向けた様々な調整事項について話し合っている。この推進会議で出た話等も持ち帰り、各商店街に共有する予定である。

(委員)現在は京都銀行の支店長をしているが、前までは本部で個人営業部長として、NISAの推進等、資産運用やマーケット関連の業務に携わっていた。以前は、本部でマル長や京都府の制度融資を担当しており、地域ごとの制度融資の重要性を認識していた。地域事業者にとっては大変有益な制度だと考えているため、是非拡充していただきたい。今回、委員として参加しているため、中小企業振興に尽力していきたい。地域金融機関である京都銀行として、精一杯取り組んでいきたい。

(委員)当社は駅前に本社に構え、フォークリフトを中心とした物流機器の製造販売を行うメーカーである。今回は、長岡京市経済協議会の代表として、会議の一期目から委員として参加している。このように多様な分野の皆様と意見交換できる貴重な機会を大変有意義に感じている。活発な議論を通して、地域経済の発展に少しでも貢献したい。

(委員)長岡京市地産地消協議会から依頼を受け参加している。地産地消推進協議会では、学校給食への食材提供を主な活動としており、また直売所を通じて市民の皆様に直接野菜を提供している人もいる。今回は、農家でありながら商業に近い立場として発言したい。

(委員)長岡京市教育委員会の教育部長をしている。先ほど委員からも発言があったように、長岡京市の小中学校の給食では大変お世話になっている。市内の中学校では毎年、中学2年生を対象とした職場体験を実施しており、100を超える事業所・団体に受け入れをしてもらい、大変感謝している。昨年度は、商店街と小学校との連携による授業を長期にわたり実施し、大変お世話になった。今後とも、長岡京市の子供たちの学びと成長のために、お力添えをいただければありがたい。

(委員)環境経済部長をしており、商工観光課や農林振興課の所管をしている。長岡京市はバランスの取れた住みやすいまちである。商工業、農業のバランスの取れたまちづくりを目指し、現在、市では第4次総合計画の第三期基本計画を策定中である。皆様からの意見やアイデアを今後の施策に反映させていきたい。

(委員)京都府中小企業総合支援課の参事をしており、本日は代理出席である。普段の業務は、商工会議所や商工会、中小企業団体中央会、京都産業21等に京都府の商工振興に関する補助金交付事務を行っている。長岡京市、向日市、大山崎町は大都市圏に近く交通の便が良い反面、地元商工業の発展が難しい側面もある。しかし、地域の特性、例えば西山のタケノコのような名産品などを考慮すると、京都府全体で比較しても、十分なメリットやアドバンテージがある地域だと考える。

(委員)市民公募で参加した。30年間大阪で広告制作に携わった後、8年前まで愛知県の大学で教員を務めていた。現在は個人事業所を設立し、情報開発研究所という名称でコンサルタントのような活動をしている。私にとって長岡京市は、大阪の広告代理店や名古屋の大学に勤務していた頃は、まさにベッドタウンだった。退社してからは、長岡京市に何も貢献できていないと感じていた。そんな中、広報長岡京で市民公募を知り、応募したところ採用していただいた。市民の立場として、長岡京市で消費が完結しない現状に課題を感じている。新しい施策を打ち出し、長岡京市の活性化を図る必要があると考えている。微力ながらお役に立てればと思い、参加させていただいた。

(委員)医療・福祉の立場からまちの経済にどのように貢献できるか考えていきたい。当院は「医療を通して地域に貢献する」という理念を掲げているため、地域経済の発展に貢献していきたい。

(会長)それでは次第に戻り、第6回推進会議の振り返りを行う。事務局に説明をお願いする。

(事務局)【資料を基に前回会議の振り返りを共有。】

各団体の取組・成果等の報告

(会長)各団体が前回会議以降に行った取組について、互いに情報共有する時間を設けている。前回、京都銀行より、金利上昇に伴う経営危機や倒産の可能性について、長岡京市の具体的な状況を説明してもらった。消費者視点では、米の価格高騰が大きな問題となっている。長岡京市内の各世帯への米の供給状況についても、大変関心を持っている。

商工会より説明をお願いする。

(事務局・商工会)事業の成功には売上増加が重要だが、現状は物価高により売上は上がっても、利益が出にくい状況である。賃金や仕入価格の上昇によるコスト高で、「売上は過去最高だが利益は赤字」という事業者が多く、先行きへの不安の声が増えている。また、高齢化も進み、廃業を考える事業者もこの1、2年で増加している。このままでは、振興条例の課題のポイントである中小企業の存続や生活密着型企業の減少に繋がることを懸念している。

ガラシャPayや商品券などによる消費喚起策も実施しているが、経済全体の大きな流れに逆らうのは難しい状況である。皆様からの施策に関するアイデアやご意見をいただければありがたい。

もう一点、米の価格高騰について、米を取り扱う飲食店からも大きな影響が出ている。仕入れ価格の高騰により、おかわり自由の廃止や営業時間の短縮を検討している店舗も出ている。

(委員)地元商店街の存在を認識していない人が多く、認知度向上のため各商店街が祭りを開催し、地元の方々に利用してもらえるよう努めている。今年は、2つの商店街が夏祭りを開催予定である。かつてのように一方通行を閉鎖して盛大に祭りを開催する案も出ているが、課題も多く、現状難しい状況である。

(委員)中小企業が次のステップに進めない要因として、コスト上昇、特に人件費の上昇を強く考えている。人件費の上昇はコストアップに直結し、従来の売上では利益を確保することが難しくなっていることが、肌感覚で感じている大きな課題である。

赴任して間もないが、支店の資料などからは、長岡京市の人口構成は他市町村と比べて、高齢化率は変わらないものの、現役世代人口の比率が若干高いという特徴を感じている。

そのため、市内における人手不足感は他市町村と少し異なると考える。赴任したばかりで、まだデータに基づいた分析というよりは肌感覚になるが、長岡京市には大きな可能性を感じている。

(会長)長岡京市内にはどれくらいの米販売農家があるのか。

(委員)長岡京市内には約300の米農家があるが、そのほとんどが5反以下の小規模農家である。米価が倍増したことで、これまで赤字覚悟で生産していた農家もようやく採算が取れるようになり、将来への投資も視野に入るようになった。しかし、備蓄米の放出などにより、再び先行きが不透明になり、農家は不安を抱えている。

昨年まではコスト重視の生産方法が主流だったが、今年は米価高騰を受けて品質重視に転換する農家が増えている。そのため、農家戸数は減少しているが、収量自体は増加する見込みである。

(委員)長岡京市内の米農家の販路は、JAへの出荷が多いのか。

(委員)JAへの出荷は少ない。個人的に売買している農家が多い。

(委員)以前から、京都、特に都市部では農協の占有率が3~4割と極めて低いといわれている。残りは、ほとんどが相対取引である。テレビではJAの独占状態や問題点が報道されているが、京都の現状は大きく異なる。

また、大阪府のある自治体では、市内消費者向けに契約生産農家を組織し、市外も含めた販路で米を直販するという取組が行われている。これは消費者行政の一つのモデルケースといえるだろう。

1970年代のオイルショックによる物価高騰時にも、同様の生活防衛策が多くの地域で実施されていた。

(委員)農業従業者の減少について話があったが、長岡京市に法人化している農家はいるのか。

(委員)ないと思う。長岡京市では、他地域と異なり田んぼの集約が全く進んでいない。真四角ではなく、様々な形状の小さな田んぼが点在している。亀岡市のように集約が進んでいる地域では法人化をする場合もあるが、長岡京市は一つの田んぼが小さく、宅地で農業をしている人も多いため、農地の集約は困難である。そのため、法人化は難しい状況である。過去に法人化の話もあったが、農地面積の少なさから採算が合わず、実現には至っていない。

(委員)法人化とは、建設業など他業種が農業に参入するという意味である。建設業は仕事の閑散時期もあり、かつて国の方針で農業や林業等の他業種への進出が促されていた。そのため、他業種からの農業参入の可能性について聞きたい。

(委員)長岡京市はないと思う。そもそも、新規就農のケースが少ない。

(委員)中山間地域、特に滋賀県では、100ヘクタール規模の集落営農を法人化して行う大規模農業もあるが、調査の結果、規模が大きくても米価が低いため採算が合わないことが分かっている。補助金が約1割投入されて、ようやく維持できている状態である。

また、多くの場合、70歳以上の人が3人程度で100ヘクタールを管理しており、米価が上がらない限り規模の大小は収益に関係しないという現状がある。

一方、長岡京市内や京都市内の兼業小規模農家は副業があるため安定している。建設業の兼業もあるが、不動産業が多いのも特徴である。土地を有効活用し、自由時間を農業に充てることで多毛作を行い、農地を効率的に活用し、高い収益を上げている。

テレビで報道されるような農業問題と異なり、都市農業地域では当てはまらない点が多く、多様性を重視した観光農園や緑地確保といった都市農業振興基本法に基づく施策が必要である。個々の主体と連携し、都市農業をどのように活躍していくか、今後の農業政策の焦点となるだろう。

長岡京市では、都市農業振興プランのような計画は策定されているのか。

(委員)長岡京市では農業振興プランを策定し、農地の保全や担い手の確保など、様々な課題への施策を進めている。しかし、農地の集約や、農地を他人に貸すことへの抵抗感など、農家の意識の変化が追い付いていないのが現状である。

「このままでは農業を続けられない」という切実な危機感が共有されれば、ニーズも明確になると思われる。しかし、長岡京市は利便性が高く、不動産経営などで一定の収益が得られるため、農業振興への積極的な意見が集まりにくいと感じている。

(委員)長岡京市のような近郊都市では、援農ボランティアの活動はあるのか。農地を貸すことに抵抗感があっても、高齢農家にとって農作業は負担が多く、作業を手伝ってくれる人がいると助かるはずである。都市部に近い長岡京市であれば、手伝いに来てくれる人もいるのではないか。そこで、作業を手伝った人に米を少し供給するといった、援農ボランティアのような活動があれば教えて欲しい。

(委員)京都府では、農家とボランティアを結びつけるマッチング制度を設けているが、応募が少ないと聞いている。

(委員)援農ボランティアは今のところない。イベント的な田植えや稲刈り等の収穫体験は多くの農家が実施しているが食育が目的であり、援農支援とは異なる。京都府のマッチング制度もあるが、活用している農家は聞いていない。

(委員)実は10年ほど前に、京都府の都市農業アクションプラン策定委員会の委員長を務めていた。京都府全体を対象としていたため、各地域の事情、例えば農家と集落の関係や土地の問題など、様々な状況を考慮する必要がある。そのため、農家とボランティアのマッチングは、きめ細やかな対応が必要不可欠だと感じている。

農業委員会を窓口として、地域の実情に合わせた取組を進めることが、今後ますます重要になると考える。

(会長)事務局から報告はあるか。

(事務局・市)二点報告がある。一点目が、「長岡京市事業用地等マッチング支援制度」である。

企業の市内進出や市内事業者からの土地探しに関する相談に対応するものである。これまで、市では民有地の情報を把握していないため、相談に対応するのが難しかった。そこで、昨年度、京都府宅地建物取引業協会、全日本不動産協会京都府本部、京都府不動産コンサルティング協会と協定を結び、新たな制度を開始した。この制度では、土地を探している事業者が市に希望条件を申請すると、市が匿名で不動産関係団体に照会をかける。情報があれば各団体の会員である不動産事業者が提供し、具体的な契約などは事業者と不動産事業者で直接行える。本制度は昨年11月から開始し、現在3件の申請がある。

二点目は市内企業の取組である。サントリーがバンビオ広場公園で「ビアフェス京都長岡京」を開催した。観光協会や商工会が出店に協力している。

(事務局・商工会)長岡京市COOLCHOICE実践補助金について説明する。市内の事業者を対象に、2027年度までに段階的に廃止される蛍光灯にLED化促進のための工事費用を補助するものである。8月4日から募集開始である。

次に、ガラシャPayについてである。令和5年度に2回、令和6年度に1回実施し、令和7年度も実施している。令和6年度のガラシャPayの実績は、資料7Pに記載のとおり、申込者数が3,842件、当選者数3,322件、取扱店舗数239店舗である。総発行券面額は9,496万7,000円、総換金額は9,484万9,000円。未使用券面が11万8,000円、換金手数料等は312万2,000円、総事業費は1億100万5,000円である。

業種別利用状況では、小売業が71.5%、うちスーパーマーケットが39.5%を占めている。また、大型店と地域店の利用比率は、4対6となっている。

令和7年度は、物価高騰対策として1回目を既に実施済みである。発行総額は1億4,950万円、取扱店舗数は235店舗である。換金手数料は、商工会会員が2%(大型店は5%)、非会員が5%(大型店は8%)である。

令和7年度からは、ガラシャPayの機能を拡充した取扱事業者独自のセール情報等を発信する機能や、プッシュ通知機能を追加し、お知らせは1投稿あたり1,000ユーザー以上が閲覧している。また、商品券販売の残券対策として、1人あたり5万円を上限に追加購入・チャージできるシステムを導入し、再申込や抽選なしで利用促進を図っている。

今後のガラシャPayの展開について

(事務局・商工会)今後の予定として、令和7年度第2回目の商品券事業を実施予定である。地域内循環プラットフォームと位置付け、スタンプラリーやクーポン発行、ポイント付与機能などを追加予定である。

また、地域店の利用促進のため、長岡京市商工会の情報発信サイト「ええやん長岡京」等で取扱店の魅力を発信し、売上向上と地域活性化を目指す。

(事務局・市)前回会議にて、事業者や団体によるポイント付与について話があったが、市役所としても活用できる場面がないか検討していた。JR長岡京駅西側の市営駐車場は、駅前再開発で整備され、黒字運営を続けてきた。その収益は建設時の借入金返済に充当していたが、完済に至った。

そこで、余剰金の活用方法を検討した結果、地域の公共交通のために活用することになり、いくつかの施策に取り組んでいる。その一つとして、バス利用促進のためのインセンティブとして、約100万円の予算規模で、ガラシャPayのポイントが当たるキャンペーンを実施予定である。

(委員)長岡京市事業用地等マッチング支援制度について、先ほどの農業の話にも関連するが、長岡京市内には放置竹林が多く存在する、井ノ内地域なども同様である。これらの土地の用途地域等を変更することで、大手企業や地元中小企業の進出を促進し、まちの活性化に繋げられるのではないか。将来に向けて、市として検討しているか。

(事務局・市)長岡京市は、他地域と比較して、市街化区域の割合が高い特徴がある。商工観光課としては、商工業、住居、生産業、そして農業も含めたバランスをどのように取っていくのか、長岡京市のあるべき姿を考える必要がある。そのため、総合計画などの最上位計画における議論が重要になる。この場での意見も参考にしながら、長岡京市民がどのようなまちづくりを望んでいるのか、そして京都府の中での長岡京市の位置づけも踏まえ、必要に応じて検討を進めていきたい。

(委員)荒廃竹林の問題は私も非常に気になっている。用途地域とは別に、市として対策や政策的なものは検討しているか。

(委員)西山森林整備の中で竹林整備は計画的に行っている。ただし、放置竹林の手入れについては、農業者の高齢化などにより難しい面があり、管理をお願いしているものの現状は難しい状況である。

(委員)長岡京市では、竹林は地目として畑地認定されている。そのため、税金が他の地域の山林扱いに比べて高くなっている。これは、歴史的にタケノコ産業が盛んで、経済林として扱われてきたことに由来する。

反対に、所有者がタケノコ栽培をやめると税負担が大きくなってしまうという問題も抱えている。

放置竹林の問題は、このように様々な領域に関わる問題であり、今後、環境問題として大きな影響を及ぼすことが懸念されている。

(委員)地域公共交通機関の利用促進としてポイントを付与する施策について、ポイント付与を今後常態化する方向なのか。それとも、期間限定の施策になるのか。

(事務局・市)今回の交通施策については、まだ通年での運用に至っておらず、秋に実施予定のガラシャPayで利用できるポイントを付与する形になる。

(委員)発行総額は昨年より増えているが、最終的に追加募集をしている。募集に対して申込が少なかった要因は何か。

(事務局・商工会)令和5年度からガラシャPayによるデジタル商品券の発行を開始した。1億円規模で発行した場合、抽選で落選する人が出ていた。しかし、令和7年度に実施したガラシャPayでは、発行額を約1億5,000万円に増額したところ、予算に達せず、2次募集を行った。

これまでの経験から、期間限定のデジタル商品券による経済効果は、長岡京市では1億円から1億2,000万円程度が適切な規模だと考えている。周知不足という点もあるが、現状の経済規模を踏まえると、この程度の規模が妥当だと考える。

ご指摘のとおり、今後期間を延長する、あるいは通年化することも含め、検討していく必要があると考えており、現在検証を進めているところである。

(委員)経済協議会に加盟している企業には従業員数が多いところもあり、取組やイベントを社内で展開する等の協力は可能である。

(会長)この会議では、ガラシャPayの効果を市内全体に広げるため、時間をかけて議論を重ね、取扱店舗が増えてきた。例えば、これまで利用が少なかった美容院などに対しても、利用促進のための工夫や努力を重ねることが大切という意見も出た。皆様からも意見をいただきながら、地域経済の活性化や消費の促進につなげていきたい。

(事務局・市)抽選販売方式では、1万円から5万円まで1万円単位で申込できるが、未購入者が増えている。約1割の人が購入に至らない。販売後に未購入分が発生するが、この未購入分をどうするかが難しいところである。

先ほど、商工会より指摘のあった通り、1億5,000万円が長岡京市内におけるガラシャPayの経済規模だと認識しているが、在勤・在学も含む市民全てが利用しているわけではない。東部地域の企業に情報が届いていない部分もある。これらの層への周知をはかりながら、ガラシャPayをより使いやすいツールとして、また、地域活性化に繋がる事業として盛り上げていく方法を検討する必要がある。

(委員)ガラシャPayの現状について、当初目標と比較してどの程度の達成度なのか、また令和7年度の見込や課題、今後の展望について、どのように認識・検証されているのか。

私自身、ガラシャPayの申込手続が煩雑で、スマートフォンがないと利用できない点に不便を感じた。過去、ある店でガラシャPayの決済に手間取った経験がある。このような点も利用の妨げになっているのではないか。

(事務局・商工会)ご指摘のとおり、電子化をしてまだ2年ほどのため、スマートフォンの操作に慣れていない方々にはご不便をおかけしている点もある。キャッシュレス決済の流れや換金の手間などを考慮すると、デジタル商品券の需要は今後も高まっていくと考える。操作方法については、アプリの改善を重ね、より使いやすい形を目指して検討を進めていく。

(委員)広報活動が一般市民にあまり届いていないように感じる。より多くの市民に届くような広報活動を行っていただければと思う。

(委員)やはり市民へのPRが不足しているように感じる。市内の農家の直売所でも、ガラシャPayを利用しているところはほとんどないため、私からもPRしていきたいと思う。

ガラシャPayは30代から40代が中心的に利用しており、高齢者の利用は少ない印象である。高齢者向けのPRとして、老人クラブなどで説明会を開催し、利用促進を図る必要があると思う。

また、高齢者にとって1万円という最低金額は高額に感じるため、5,000円程度の選択肢も用意すれば、より利用しやすくなると思う。

(事務局・商工会)周知が市民の皆様に十分行き届かなかった点は認識しており、今後改善に努めていく。

(委員)事業者の方々は、換金手数料を利益から捻出しているため、手数料の引下げや行政による補助等があれば、ガラシャPayの取扱事業者が増えるのではないか。

(事務局・商工会)換金手数料については、商工会会員は2%、大型店は5%いただいている。

手数料を無料にすると、運営経費の確保だけでなく、事業者自身の販売促進への意識向上に繋がらないと考えており、一定の受益者負担をお願いしている。

一方で、プレミアム率によって消費者に還元することで、販売促進に繋がることを期待しているため、ご理解をいただきたい。

(委員)事業者向けLED化促進事業補助金について聞きたい。施工事業者の選定について、市内事業者優先発注などの工夫はしているのか。

(事務局・商工会)施工事業者は市内事業者に限定している。

(委員)とてもいいことだ。そのようにすることで、補助金を含めた資金が地域内で循環し、環境対策にも繋がるなど、多面的な効果が期待できる。

市内事業者5社を対象とした市内消費動向のアンケート結果について

(事務局)前回報告した市民アンケートに引き続き、今回は市内の大企業で構成される経済協議会の場で、複数企業の協力を得て社員アンケートを実施した。

アンケート内容は前回の市民アンケートとほぼ同様であるが、23P以降に見られるように、社員食堂の利用状況など企業特有の項目を設定している。市のLINEクーポン祭や商工会ガラシャPayの利用状況について、9割が「利用したことがない」と回答している。

その理由として、約4割は「長岡京市で買物をしない」であるが、最も多いのは「事業の存在を知らなかった」というものである。いかに情報を周知するかは、大きな課題である。

(委員)アンケート結果から、大手企業の社員は、夕食を長岡京市内で食べて帰るという方はほとんどいないという認識である。

(委員)会社の宴会は、小規模であれば長岡京市近辺で行うが、大人数になると会場の都合で、京都市内や大阪に出ることがある。私自身なるべく長岡京市内の店を利用するようにしているが、大人数の宴会になると、例えば京都方面へ帰る人がいる場合は京都駅周辺など、参加者の帰宅経路も考慮する必要がある。ガラシャPayを利用すれば必然的に市内の店舗を使うことになる。

(委員)現状では京都市周辺の飲食店の予約は非常に困難で、価格も高騰している。インバウンド観光客向けの価格設定になっているため、市民はむしろ京都駅周辺や四条河原町を避ける傾向にある。この状況は、長岡京市にとってチャンスといえるかもしれない。

今回のような調査は貴重である。商品やサービスごとの地域・年代別の消費動向を数値で把握できるため、商店街にとっても参考になるデータといえるだろう。

来年度に向けた新たな取組の検討(話し合い)

(事務局)冒頭市長からも話があったように、来年には東横インが開業する。また新庁舎がグランドオープンし、この産業文化会館の機能も移転されるほか、イベントに活用できる屋根付きの市民広場も整備される。さらに、市の重要な資源である歴史文化を発信する展示室なども併設された複合施設となる予定である。

これらは中心市街地のにぎわい創出という観点から、大きな転換期を迎えるといえる。このチャンスをどう活かすか、先ほどのアンケート結果から見える課題、そして来年度に向けた新たな取組について、意見を頂戴したい。

(会長)次回の会議予定はいつか。

(事務局・市)今年度は10月に2回目の会議を開催予定である。その頃に、予算案の骨格が出来上がる見込みである。予算編成前のタイミングであるため、会議で出た意見を予算に反映させることが可能になる。

(委員)ガラシャPayの認知度は課題だと感じている。認知度向上に向けた取組の強化が必要だと感じた。長岡京市の特徴として、他地域と比較して子供の数が多いこと、住宅が増加していることが挙げられる。そのため、地域や地域のお店を知ってもらうための情報発信は、他地域よりも効果が高いと思う。

人口が増加している地域だからこそ、新しく地域に根付こうとしている住民に向けた情報発信も重要である。地域にお金を落としてもらう施策はあるが、意外と知られていないお店も多い。店舗の魅力発信など、地域の情報発信には引き続き力を入れていくべきである。

(委員)夕食は週1~2回程度、若手社員や色んな団体で5~50人程度のグループで外食することがある。そのため、いつもお店探しに苦労している。

長岡京市には、古くから伝わる店もあれば、そうでない店もあり、その詳細なマップがあれば、ランチも含めて大変助かる。また、来年開業予定の東横インに宿泊される方は、夕食を外で取ることが想定されるため、飲食店のマップがあると便利だと思う。

(委員)飲食店の開店・閉店のサイクルが早く、老舗の店でも閉店するなど状況が常に変化する。そのため、情報更新を含め、丁寧に情報発信することが重要である。

(事務局・市)商連協で食事マップのようなものを作成できないかという話は、以前から出ていた。私自身も商工観光課の立場として、人数やニーズに合ったお店をよく聞かれる。特に事業者からは個室の有無など、より詳細な情報を求められることが多く、そういった情報をまとめて提供できれば非常に有用だと考える。

また、東横イン開業に備え、宿泊客におすすめできる飲食店情報を整備していく必要もあるだろう。ただし、情報更新作業は煩雑になることが予想されるため、今後の運用方法を検討する必要がある。

(委員)可能であれば、大学や高校との連携も検討したいところ。学校教育の一環として、地域学習で商店街調査を行う取組が各地で行われている。例えば、岡山県津山市では、高校生がお店に、商品の売りや自慢は何かといったインタビューを行い、結果を掲示板に掲載する活動を行っている。子供たちに説明するために、「お店の自慢」を改めて考えることで、経営上の課題に気付くきっかけになる。このような取組が商店街振興の手法として活用される。

次世代の担い手である子供たちに、地域や地域のお店、仕事について知ってもらうことは、インターンシップ以外にも教育的な役割を担うと考えられる。

会議資料

第7回中小企業振興推進会議資料