教育委員会平成29年6月定例会会議録
- ID:7021
教育委員会会議録
1 日時
平成29年6月21日(水) 午後3時01分~午後4時16分
2 場所
市役所 大会議室A
3 出席者
教育長 山本和紀
委 員 竹下 賢
委 員 藤原有希子
委 員 安久井由紀子
委 員 福澤秀夫
4 出席説明員
教育部長、文化・スポ-ツ振興室長、同室担当主幹
教育総務課長、教育部次長兼学校教育課長、総括指導主事、
生涯学習課長、中央公民館長、図書館長、
教育支援センター所長、北開田児童館長
教育総務課主査、同課主事
5 傍聴者
なし
6 開会
(教育長)
開会を宣言する。
7 前回の会議録の承認
承認・署名
8 教育長諸報告
(教育長)
5月の教育委員会定例会以降、毎年この時期は様々な総会・幹事会など、年度当初の定例的な会議等が続いた。
教育委員会関係としては、地教委連の会長用務で、5月24日に全国市町村教委連総会に出席するため東京へ日帰り出張した。昨年度10月と今年度早々の4月にも上京したが、東京の空気に触れるたびに京都とは異なる文化を感じる。東京での人の多さと動きは尋常ではないものがあり、エネルギッシュな首都圏の人たちの経済活動・社会活動を見ていると、世界に誇れる大都会だと思う。
会場は、神田神保町にある学士会館。旧帝国大学のOBの皆さんが資金を拠出して財団を創り、設立した建物だとのこと。ここは学術的な人たちの砦、中心的な役割を担っており、文科省の会議も行われる。会場へ最寄りの駅から歩いていくと、明治大学や日本大学の学生さんが多く歩いている学生の街であり、ビジネスマンの街でもある。
書店街である神田界隈を昼休みに書店巡りしてみると、小学館や講談社、集英社など有名な出版社のほか、周辺には三省堂の本店や大中小の多くの書店がある。昼間人口が多いからだろうが、長岡京市役所の前にある書店の半分ほどの小さな書店や古本屋も含め、昼休みもあってか、いずれの店にも人が沢山入っている。古本屋も含めてこれだけの数の本屋が営業していて何故に共倒れしないのか不思議だ。
「さおだけ屋はなぜ潰れないのか」という本が流行ったことがある。目立たない仕事だが連綿と続けられている仕事。書店を“さおだけ屋”の発想で比較できないが、沢山の本屋が同じような沢山の本を並べ、沢山の人が来店しても、本当に売れているのか気に掛かる。一般書を扱う店、仏教・神道など宗教関係の高級書だけを扱う店、一般の書店では扱わない希少本や1冊何万円もするような装丁の本を並べる店など様々な書店が混在する。本屋を覗くと、独特の古本の黴臭さ、何とも言えない墨やインクや紙の匂い、これが文化の香りというべきなのかといつも思う。
この辺りは、平日の昼休みには当然にサラリーマンや学生が闊歩するが、お年寄りや主婦、勤め人で無さそうな人も多く見かける。この人たちを見ていると、普段から本の文化によく親しんでいると感じる。東京に行くたびに、この雰囲気が好きなのでこの付近を見学するが、本市にもこういうアカデミックな区域があればいいのにと思う。
スマートフォンやコンピューターも大切だが、子どもたちにはしっかり本を読むこと、活字や書物を手にするアナログ文化を大切にしてほしいものだ。
5月26日、京都府市町村教委連の総会・研修会が、府の総合教育センターで開催され、委員の皆さんに参加していただいた。本市教委の前の委員長、浅輪信子氏を始め、永年勤続者や功労者への表彰も行われた。
5月29日、近畿市町村教委連の会長・事務局長合同会議が和歌山で行われた。京都府の代表として出席、久しぶりに和歌山を訪れたが、徳川吉宗を輩出した紀州は、徳川氏の香りが色濃く残る歴史ある街である。街の中心に和歌山城があり、どこを歩いても城が見える。道が整然としていて、町並みは歴史をしっかり抱いている良さがある。城の近くに県庁、県文化会館が配置され、インテリジェント・スペースを醸し出しているが、この辺りを歩く人は殆どが県や公共機関の職員で、官庁街独特のムードである。
さて、この時期は子どもたちの修学旅行の季節でもある。子どもたちが、普段住んでいる家や地域、学校から離れた土地に出掛け、社会見学をするのと同時に、その土地の空気を吸ってくる、文化を肌で感じてくる、友達と一緒に同じ空間を過ごす、これもアナログの世界だ。アナログな世界の中での自分の身の置き方、自分の感じ方、これを自分の意見として外へ発出する、という繰り返しが人格の陶冶には大事だ。子どもたちには、できる限り経験を積ませる、体で感じさせる、ということが大切だと思う。
市議会6月定例会が始まり、行政的には第一四半期が終わりつつあるが、特に大きなトラブルもなく、議会も最終日を残すのみとなった。最終日には、教育委員会からの契約案件の議案を追加上程するが、円滑に審議が進められ、当初上程の議案と併せて議決されることを願う。
9 行事・会議結果報告
各課長諸報告
(行事・会議報告資料に基づき説明)
(質問・意見等)
(委員)
アーリントン訪問団について。先生方に引率していただき、生徒たちにとって海外との良い交流ができていると感じている。行政や、周囲の家族も含め、大変な努力をされていると思う。
そこで質問だが、アーリントンを訪問したメンバーの友の会、同窓会的なものはあるのか。1年ごとの報告、業績は出てきているが、それらが積み重なり、後々によい展開となるよう蓄積し、連携していければ、より充実した体験が出来上がるのではないか。
(事務局)
アーリントンに行ったOB、OGの正式な会は存在していないが、前年度参加者が今年度参加者のダンスの練習に付き合ったり、アーリントン訪日団を受け入れる際にホストファミリーが足りなければOB、OGのご家族が受け入れたり、といったつながりはある。
国際理解教育交流指導員という、アーリントンへの引率をしている市教委の非常勤のコーディネーターが呼びかけたりする形で連絡を取り合っている。
(委員)
そのような会が出来上がればいいと思う。
(事務局)
検討する。
(委員)
毎年のことだが、この季節はプールが始まるので、塩素濃度を守り、けがや病気が発生しないように気を付けてほしい。
先日の新聞で、「ランサムウェア」と呼ばれる身代金を要求するウイルスを、高槻市の中学3年生が3日間で作成し、逮捕されたという記事が載っていた。午前中、長岡第4中学校に行ったので、こんな感じの子どもが恐ろしいものを作れるのだ、と怖さを感じた。
スマートフォンの扱いについては学校でもかなり指導されていると思う。パソコンについてもコンピュータールームで色々なものを作られたりすると思うが、長けている子たちはウイルスを作成することもできる、という事実を踏まえた上で、その扱いについて指導する機会があってもよいのではないかと思うので、現状をお聞きしたい。
教育委員会月報を見ておもしろいと感じたのは、東京2020教育プログラム(ようい、ドン!プログラム)。せっかく日本でオリンピックが行われるので、オリンピックに向けて、教育に取り組もうとしていることはあるのか、お聞きしたい。
(事務局)
コンピューターウイルスに関しては、技術・家庭科の授業ではウイルスや情報モラルについて触れているが、対応はそこにとどまっている。道具は使い方で、例えば刃物の場合、台所で使う分には良いが、人につきつけたら犯罪になる。そういう意味で、コンピューターに関してもマナーやルール、規範意識と関連付けて粘り強く教えていく必要がある。
東京オリンピック、パラリンピックに向けては、文部科学省から案は出始めており、それを京都府が具体化して市教委へくる形になると思う。来年度は新学習指導要領が動いていくので、それにからめながら出てくるかと思うので、正式に情報が出てきたときに、市教委でも方針を立てていく必要がある。全体図はまだ伝わってきていないので、様子を見ている状態である。
(委員)
長岡京市は市民8万人の地域だが、意外にオリンピック選手を輩出しているすごい市だと思う。ぜひ今後もアスリートが育っていければよい。取り組めるものには取り組んでいけたらと思う。
(委員)
先日、淀川水系で最大規模の洪水が起こった時の危険区域というのが公表されていた。今朝も雨がよく降っており、集中豪雨や台風等、心配しなければならない時期がきたと感じている。
昨年、台風が接近してきた時に怖いと思ったことがあった。まだ暴風警報は発令されておらず、ちょうど1年生の下校時に雨と風が強くなった。先生が引率して下校したが、あまりの雨と風で、途中で引き返した学校もあったようだ。状況判断は難しいし、大切だと思う。避難準備や避難勧告が発令されたら学校が避難場所になるが、子どもの下校時と重なる場合、避難するのか、下校するのか。警報発令時に保護者が迎えにくるなど、様々なことが重なった時、十分連絡を取り混乱しないように注意してほしい。
午前中、長岡第四中学校の視察に行った。中学校時代というのが人生の成長段階においていかに大切な時期だったか、この年になって痛感している。今日参観させていただいて、大変落ち着いて学習に取り組んでいる、よく頑張っていると感じた。
しかし一方で、国際学習到達度調査(PISA)によると、日本の子どもたちは、基礎学力は高いけれども学習意欲は弱い。中学校生活に適応できない「中1ギャップ」や、最近は学習離れが起きやすい「中2問題」もよく聞く。中2の約6割が勉強嫌いだという調査結果もある。学習内容が難しくなってきているのか、成長段階による特異的なものなのかは分からないが、実際何名かの中学生に聞いてみたら、「中学2年生の勉強は難しい」と感じているようだ。
学校現場では、学ぼうとする意欲を高める工夫に十分頑張って取り組んでいると思うが、中学生のそのような状態の中で、何か手立てがあるのか聞きたい。
(事務局)
集中豪雨や大雨については、校長会でも話題になっており、ああいう場面でどうすればよいか協議してきた。通学距離が違ったり、川沿いを通る経路があったり、環境が違うため学校によって対応の差はあるかもしれないが、子どもの安全を最優先に考え、下校時間を遅らせる、暴風警報が出そうな場合は時間を早める、といった対応を各校していこうと申し合わせた。6月に、学校ごとに異なる対応をさせていただくことがあるけれどもご了承くださいという形で各家庭に周知をしたところである。
2点目について。中学生は卒業後の進路を決めねばならない。子どもたちの学習へのプレッシャーは学年が上がるごとに大きく変化していく。特に昨年は、中学3年生で不登校になる生徒の多くは、その原因が進路のストレスによるものであった。かつては進路があるから頑張って再び学校に来るきっかけになっていたものが、そうではなく耐えられなくなっている子どもたちが増えている。
充実した授業をする中で、力をつけさせることが必要である。中学校では、生涯学習課が行っている学習支援や、大学院生等による学習サポーターによる個別対応をしている。
(事務局)
学力的に厳しくなってきて、わからなくなってくると意欲が下がってしまう。中学校は部活動があるので、そちらを頑張ってやりたいということで、なかなか補充学習が落ち着いてできていない部分もある。
個別学習的なものを行うなど、手立てを打てるものは打つがどう改善させていくかが難しい。学校では、いろんな事をみんなでするのが楽しいし、達成感がある。そういうところに引き寄せながら、学習も含めいろんなことを進めていっているという現状をご理解いただきたい。
(委員)
定例会前の委員協議会でも話が出たが、昨日の京都新聞に、小学校6年の時には8割の子どもが小学校での英語の勉強は中学校で役に立つと思っていたのに、中学1年になると5割しかそう思っていない、というベネッセ教育総合研究所の調査結果の記事が出ていた。小学校6年生である2015年3月と、中学校1年になった2016年3月に同じ調査を行った結果、小学校での英語の勉強が役に立っていると感じている人の比率が少なくなっている。
2020年には小学校3、4年生から外国語活動、小学校5、6年生からは教科化と、英語教育に大きく力を入れていく。おそらく調査が行われた時とこれからでは小学校での勉強の仕方が違うと思うが、これを機に、小学校から中学校へと英語をつないでいくような勉強の仕方、小学校での英語と中学校での英語のコンセプト、流れやつながりをきっちり考えておく必要がある。せっかく早期に子どもたちに勉強してもらうのに、効果がないということでは非常にもったいないと思う。英語の教育に関しても小中の連携、考え方をきちんとしておく必要があると感じた。
(事務局)
小学校の英語活動と中学校の英語教育は、小学校は「話す・聞く」が重要視されていたところに中学校では「読む・書く」が加えられることや、評価をともなうところが影響すると思う。
小学校ではアクティブな活動をしていて、特に長岡京市ではALTの方がすごく楽しく授業をしてくださっている。小学校ではこういう風にしているということを、中学校の教員がよくよく見せてもらい、それを踏まえた展開をするように考えていきたい。
10.議案
・第8号議案 スポーツ推進審議会委員の任命について
(事務局)
任期満了に伴い、その後任を委嘱する必要があるため提案する。任期は平成31年6月30日まで。
(教育長)
ご意見ないようなので、賛成委員の挙手を求める。
(全員挙手)
(教育長)
全員賛成。第8号議案は原案通り可決された。
・第9号議案 長岡京市公民館運営審議会委員の委嘱について
(事務局)
任期途中の人事異動等に伴い、その後任を委嘱する必要があるため提案する。任期は前任者の残任期間である平成30年3月31日まで。
(教育長)
賛成委員の挙手を求める。
(全員挙手)
(教育長)
全員賛成。第9号議案は原案通り可決された。
・第10号議案 長岡京市図書館協議会委員の任命について
(事務局)
任期途中の人事異動等に伴い、その後任を委嘱する必要があるため提案する。任期は前任者の残任期間である平成30年3月31日まで。
(教育長)
賛成委員の挙手を求める。
(全員挙手)
(教育長)
全員賛成。第10号議案は原案通り可決された。
・第11号議案 長岡京市教育支援委員会委員の委嘱について
(事務局)
新たに1名委嘱する必要があるため提案する。任期は平成30年3月31日まで。
(竹下)
(教育長)
賛成委員の挙手を求める。
(全員挙手)
(教育長)
全員賛成。第11号議案は原案通り可決された。
11.協議事項
・長岡第十小学校給食室・放課後児童クラブ等建設工事請負契約について
(事務局)
6月6日で入札執行。落札業者と仮契約中であり、本契約を締結するため議会の議決を提案するもの。
12.報告事項
・小学生バドミントン選手国際交流事業 ~長岡京市 未来への種まきプロジェクト~
(事務局)
2020年東京オリンピックに関わる社会教育の面での取り組み。市民の関心が高まる中、バドミントンを通した国際交流事業である。京都国体のレガシーである「若葉カップ」と「日本U-13選抜強化合宿」が本市で開催される機会に、海外の小学生選手団を招請する。国際理解教育をすすめるうえで絶好の機会である。将来オリンピックなどの選手として、国際社会に貢献することができる人材として花開くことを願うプロジェクトである。「ワールドマスターズゲームズ2021関西」までの5年間にわたり実施し、バドミントンのまち“長岡京市”を世界に発信していく。今年の招請国はラオスで、14名が7月28日~8月2日の5泊6日で来訪、大会等を通じて交流を深める。
・長岡第九小学校トイレ・外壁等改修工事請負契約について
(事務局)
前回定例会で協議案件としていたもので、落札内容が決定した。本契約を締結するため、議会に提案する。
・アーリントン訪日団の来訪日程について
(事務局)
7月6日~17日までの本市を訪問。
・長岡京市立の小学校及び中学校に勤務する府費負担教職員の服務に関する規程の一部改正について
(事務局)
育児・介護休業法が改正され、特別養子縁組の監護期間中の子、養子縁組里親に委託されている子その他これらに準ずるものについては育児休業制度等の対象に追加されたため、本市でも改正するもの。
・公益財団法人長岡京市埋蔵文化財センターに係る経営状況を説明する書類の提出について
(事務局)
地方自治法の規定により、別紙のとおり市議会に提出した。平成28年度は18件に発掘調査を実施し、そのうち井ノ内車塚古墳の調査では、横穴式石室が初めて発見され、新聞等にも報道された。
(委員)
新聞に、埋蔵文化財センターを訪れた人に缶バッジを渡しているという記事が載っていた。実際に一つもらったが、わかりにくい不便な場所にあり、集客が少ない。作業されている方をみていると、苦労されていると思う。老朽化もあると思うが、いろいろ工夫をし、うまく利用していけるとよい。
(事務局)
場所的には不便なのは確か。缶バッジは、今年で35周年を迎える埋文センターに定期的にきていただく取組として実施している。夏休みには、小学5年生から中学生を対象とした歴史教室もある。埋文センターだけにこだわらず、広域的なPRができたらと考えている。
(委員)
発掘体験が楽しかったという声をきいているので、これからも続けてほしい。
(委員)
常設展示の参加者が載っているが、どういう方の参加が多いのか?
(事務局)
市内だけでなく、市外からの参加もある。
(教育長)
委員の方々もぜひ埋蔵文化財センターに足を運んでほしい。
13 行事予定
(事務局)
行事会議予定について(6月22日~7月19日)資料に基づき説明。
次回の定例会後、総合教育会議の予定。
14 その他
8月の定例会、8月16日から23日に変更。
15 閉会
(教育長)
午後4時16分に閉会を宣言する。