教育委員会平成31年2月定例会会議録
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教育委員会会議録
1.日時
平成31年2月20日(水) 午後3時00分から午後4時20分
2.場所
市役所 大会議室A
3.出席者
教育長 山本和紀
委員 藤原有希子
委員 福澤秀夫
委員 大下和徹
欠席委員 京樂真帆子
4.出席説明員
教育部長、文化・スポ-ツ振興室長、同室担当主幹
教育総務課長、次長兼学校教育課長、学校教育課主幹、総括指導主事
生涯学習課主幹、中央公民館長、教育支援センター所長、北開田児童館長
教育総務課 課長補佐
5.傍聴者
なし
6.開会
(教育長)
開会を宣言する。
7.前回の会議録の承認
承認・署名
第1号議案 「平成31年度指導の重点について」
(事務局)
平成31年度「指導の重点」を策定する必要があるので提案する。
(事務局)
学校教育の重点について。基本的な考え方は昨年と同じである。
1 特色ある学校づくりの推進
新学習指導要領完全実施へ向けての準備として、英語教育とプログラミング教育について記載。また、保幼小連携の具体的取組として保幼小連携会議の充実を追記。
2 学力の充実・向上
「各校の特色を生かしたカリキュラムマネジメント」を追加。小学校の英語指導力の向上に向け、「市小学校英語学習指導安玲の活用」を追加。本市では独自でAETが質の高い指導案を作っている。
3 心の教育の推進
人権教育の「性の多様性」について。昨年は性同一性障がい、性的指向、性自認等個々の表記をしていたが、そのとらえ方は日々変化しているため、女性交流支援センターとも協議し、具体例を記載せず、大きくとらえることとした。
4 特別支援教育の推進
これまでLD、ADHDとのみ記載していたが、学習障がい、注意欠陥・多動性障がいと正式名称を記載することとした。
5 キャリア教育の推進
変更内容は特になし。
6 健康安全教育・食育・体育の推進
「防災教育」を追加。今年度、地震や台風など自然災害が多く、必要性が高いと判断。
7 社会の変化に対応する教育の推進
「企業と連携した授業カリキュラムの開発」を追加。LINE社とのプログラミングカリキュラム開発が予定されているため。
8 教員の力が十分発揮できるための環境づくりと支援
「教職員が子どもに向き合うとともに自らの資質向上に取り組める環境づくり」とし、より効果的な教育活動を行うことができるよう、本人による努力だけではなくその環境づくりを行っていくことを重点とした。
(事務局)
社会教育の重点について。
1 生涯学習社会の実現
意味合いは大きく変わらないが、「府との総合的な連携のもと、市の特色を生かした取組を促進する」と文言を整理した。
2 人権教育の推進
平成30年に策定された「長岡京市障がい者基本条例」を盛り込んだ。
3 家庭・地域社会の教育力の向上と子どもへの支援の充実
4 文化・スポーツの振興
この2点については変更点なし。
社会教育の努力点について。
・生涯学習の推進
生涯学習推進委員制度の平成30年度末廃止に伴い、「中央生涯学習センターや団体交流室など社会教育施設による地域住民の学習活動の推進と学習意欲の向上」と施設の充実化について記載。また、情報提供の手段として新たにできたFMおとくにを追加した。
・地域社会教育力の向上
これまで対象を子どもとしていたが、「乳幼児から高齢者まで」とし、多感な乳幼児期からの育成の重要性と地域の高齢化に対応した取組を重視した。
・子どもへの支援の充実
「地域学校協働本部事業や校区コミュニティなどによる学習や生活体験へのセインの充実」を追加。国としても動きのある学校と地域の協働について、内容を追加。
・文化財の保護と活用
大河ドラマに関する取り組みを追加。
(教育長)
賛成委員の挙手を求める。
(全員挙手)
(教育長)
全員賛成。第1号議案は可決された。
9.教育長諸報告
(教育長)
1月18日、現市長が初登庁、2期目就任、新たなスタートを切った。2月15日、2019新年度予算案の記者発表。277億8400万円と大きな予算額になった。
1月25日、30年度第3回府都市教育長協議会が福知山市で開催、課題対応の情報交換。
1月30日、府市町村教育委員会連合会役員会、藤原委員と出席。
1月31日、乙訓教育委員会連合会教育委員研修で滋賀県守山市へ。スーパーエコスクールの市立守山中学校と、守山市立図書館を視察。雨天だったが有意義な一日であった。
2月6日、乙訓管内教育長会議。第4四半期を迎えて事務事業の状況報告等。
2月14日、社会教育委員会議。社会教育の重点について審議いただき、新たな生涯学習への足掛かりを確認。
2月18日、四中の給食施設が完成、内覧会を実施。2月22日から本市2校目となる中学校給食がスタートする。あと二つの三中・長中での給食開始に向けて、八小、六小の給食施設の建設整備を急いでいる。次年度中には、市内中学校の生徒全員が給食を楽しめるように努力したい。
社会の状況では、インフルエンザの流行がそろそろ下火になってきたたようだが、油断は禁物で、十分に注意してほしい。
また昨日2月19日、大津市での中学2年生のいじめ自殺に関する裁判の判決が大津地裁であった。教育委員会制度に関する法改正やいじめ防止対策推進法の制定等の元になった事件である。いじめを仕掛け、自殺に追い込んだと思われる元同級生3名と保護者に対する損害賠償請求訴訟で、判決は、元同級生3人のうち2人に3750万円の賠償を命じるものであった。また判決では、「いじめによる自殺は一般的に予見可能」とし、加害者に高額の賠償を命じた。
自殺に追い込んだ子どもとその親が賠償するということを、裁判所が公式に示したことは大きい。あってはならないことだが、この判決によりいじめ行為に抑止力がかかるのでは、という新聞の解説があった。
人の命はお金で買うことはできない。いくらお金を得ても命は帰ってこない。しかし、虚しいことであるが、裁判では金額にせざるを得ない。いじめの防止は、学校現場での子どもたちの様子を教職員がしっかり見て、敏感に反応することが大切である。裁判所がこう言ったからといっていじめがなくなることはないだろう。こういう事件を二度と起こさないという決意をもって、教職員は丁寧な対応に努めてほしい。
10.行事・会議結果報告
(各課長諸報告)
(行事・会議報告資料に基づき説明)
(質問・意見等)
(委員)
大津のいじめ問題では、いじめと自殺の因果関係が認められる判決が出た。事件は2011年10月、教育委員になってすぐの頃であった。それから、いじめという言葉を何度となく聞いてきた。本市でもいじめ防止基本方針が策定された。昨年11月、被害者の父親がいじめ防止対策推進法施行から5年を経て、「いじめが問題行動だと意識はされたが、学校現場や教育委員会ではまだ、いじめが人を殺す怖い行為だと認識されていない」と述べておられた。私たちには計り知れない気持ちで言われていると思う。教育委員という立場から、学校現場や教育委員会での努力はわかっているが、保護者にはまだまだ伝わっていないように感じる。今後も、アンケートや聞き取り調査などを進めてほしい。
文部科学省が小中学校への携帯電話やスマートフォンの持ち込み禁止の見直す方針だという。保護者としては登下校時の安全面等から安心だが、学校での保管や盗難など別の問題も出てくると思う。本市としても、遠からずこの案件が出てくるだろう。
長岡第四中学校給食室の内覧会があった。工程によって床の色が分けられていたり、食材の洗浄レーンが分けられていたり、子どもたちの口に入るまでの管理が徹底されていた。内覧会で校長から、給食開始に先立ち「給食総選挙」をしたという話があった。長四中の生徒たちが給食で何を食べたいか投票したところ、一位はみそかつ丼、続いてチキンカツ、豚カツ、豚キムチ、カップケーキなど、子どもたちの好きそうな味の濃い食べ物が並んでいて、給食を楽しみに待っている様子が伝わってきた。一度に全てのメニューを出すことはないが、いつかそのメニューが出るといいと思う。
守山市の視察では、スーパーエコスクールである守山中学校では日光をできるだけ取り込む構造になっていて、照明が少なくて済んだり、雨水を貯めておいて散水に使ったり、環境に配慮した取組がされていた。窓を開けていると鳥が入ってくる、という話もあったが、そのほかは快適に過ごされているようである。建物は簡単に建て替えるわけにいかないが、明るいときは窓側の照明を消すなど、努力できるといいと思う。
守山市立図書館は、設計理念が「街と自然とつながり、「森」を散策するようにほんとの出会いを探す『みちの図書館』」。長細い建物で、本棚は奥の板がなく向こう側を見通すことができるので圧迫感がない。棚も低めで広さを感じ、ゆったり本が探せる環境であった。読みたい本を探すだけでなく、本との偶然の出会いを求めて歩くことができる。特にいいと思ったのが学習スペース。ひとりずつスペースが区切られていて、照明や電源があるのでPCも使える。ほとんど満席であった。数年前、本市の自習スペースは図書館の本を使っての学習のためのスペースであり稼働率が低いと聞いたが、最近の稼働率はどうか。
(事務局)
図書館の一階に閲覧室がある。最近は稼働率が高く、二時間単位で使ってもらっているが、中高生の利用は少ない。図書館のワークショップでも、自習スペースがほしいというとの意見が出ていた。大阪市では、中央図書館のような席数が多いところでは、閲覧に支障がない限り自習を認め始めていると聞いているが、本市ではそこまでの席数がなく、図書館の本を使っての利用に限っている。
(委員)
稼働率が高くなっているのは良かったと思う。守山市では、ティーンズコーナーも作っており、中高生の利用が二倍に増えたという。本市では2階では小さい子ども、1階は高齢の方が多い。一番読んでほしいティーンズのためのスペースがあるといいと思う。
(委員)
1月25日、長二中の研究発表があった。「誰も除外しない、どの子も見捨てない 授業の創造、授業研究の定着を目指して」という難しく、考えさせられるテーマで、校長先生の熱弁が印象的であった。
2月1日、長岡中の公開授業研究会。「タブレットをはじめとするICT機器を活用した『わかる』授業の創造」。パナソニック教育財団特別研究指定校の指定を受けているもの。ICT機器ありきとならないよう、いかに授業を効果的に進めるか、考えてもらう必要がある。
昨年は乙訓教育委員会連合会の研修で大阪市立本田小学校という大阪府からICT活用事業の先進的モデル校となっている学校に行った。また、1月には守山中学校と守山市立図書館の視察があったが、教育委員の研修ではあるが、これらに現場の教職員や職員が参加できるといいと思う。
また、守山市立図書館では、近隣の野洲市、栗東市、草津市との共同利用が可能となっているということであった。本市の図書館の将来像を考えるワークショップでも、図書館が遠いことや収集図書が少ないという意見もあったが、乙訓地域で共有することはできないか。
(事務局)
連合会の研修については、研修先での受け入れ人数の問題もあるので、連合会として検討することとなる。
(事務局)
京都市と宇治市が連携して相互利用ができるようになるなど、これからの検討課題である。現在も、時間はかかるが他館から相互貸借という形で借りることはできる。
図書館のコンセプト自体が昔と今では違ってきているので、先日は館員が箕面の図書館を見学するなど、研究に努めている。
(委員)
使いやすい、行きたいと思う図書館のコンセプトは変わってきている。京都市だと市域が広いため、複数の図書館があり、DVDやCDも含めた資料がインターネットで検索ができ、予約できる。予算もあるが、検討課題としてほしい。
(委員)
1月23日、文部科学省での委員研修に参加した。グループディスカッションは全国から集まった委員が7人くらいのグループとなったが、その時に英語教育に関する話題になった。これから英語教育が正式に教科になる。教員がきっちり教えていくことができるのか、全国でも同じ懸念が持たれていた。リスニングや発声についてはICTを活用することができるし、小学校レベルなら進めていけるのではないかと思うが、現場での感触はどうか。
(事務局)
小学校では、今は担任と日本人AETがペアで授業を行っている。教科化を踏まえ時間数が増えてくると、全時間に日本人AETを配置できるかは不明である。指導の重点で指導案について説明したが、担任と日本人AETの役割分担を打ち合わせに時間をかけなくてもわかるようなものを作り、教員が主となることを目指している。DVDの活用なども検討し、教え方がわからないというハードルは下げていきたい。
(事務局)
小学校の教員自身が、自分たちの発音で英語を教えていいのかと不安に思っている。それを本市の日本人AETも理解しているので、例えば教員が説明した後に、”Repeat after ○○teacher.”と日本人AETに続いて発音するといった、指導案を考えている。教員は子どもを掌握する能力は高いので、それを生かしながら進めていきたい。
11.協議
・平成30年度教育費(3月)補正について
(教育長)
本市情報公開条例第6条第5号の規定する意思形成過程にある情報で、市と協議中であり、公開することにより公正かつ適正な意思形成に著しい支障があると思慮される。よって、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第14条第7項及び本市教育委員会会議規則第15条の規定により議決を願う。規定によりこの議決に関する討論はなしとする。
非公開とすることに同意いただける委員の挙手を求める。
(全員賛成)
(教育長)
この案件については非公開とする。
(非公開協議)
(教育長)
以上で平成31年度教育費予算についての協議を終了する。従って、非公開の協議については終了とする。
・長岡第六小学校給食室等建設工事請負契約について
(事務局)
議会に付す必要のある契約であるため、議会最終日に追加議案として上程予定。現在入札手続き中のため、請負金額及び業者は未定。工事は、長岡中学校での中学校給食開始に向け、給食室を整備するほか、特別教室及び外溝を整備する。
・長岡京市都市公園条例の一部改正について
・長岡京市スポーツセンターの設置及び管理に関する条例の一部改正について
・長岡京市立総合交流センター設置条例の一部改正について
・長岡京市立神足ふれあい町家設置条例の一部改正について
・長岡京市中央公民館設置条例の一部改正について
(事務局)
使用料について、受益者負担の考え方の見直しを行うものである。国からは消費税の転嫁についても指導があり、今年10月に消費税率が10%となることに合わせ、相当額を外税とし、2から10%増の改定を行う。
西山公園体育館は、昨年すでに消費税率8%を転嫁しているので、今回は2%分を反映している。中央生涯学習センターもすでに5%を転嫁しているので5%、他の施設については10%を反映した。引き続き、サービスの維持向上に努める。
新料金は、条例の公布日以降、10月1日以降の利用分について適用される。
12.報告
・平成31年度教育費予算について
(事務局)
歳入は3億8千万で前年度と比べ約1億円の増。
歳出は1億7千万円の減。主な理由としては、長三小放課後児童クラブの建設終了による減、長六小複合化工事及び長八小給食室・プール等建設工事が終了することによる減、中学校給食開始による増、埋蔵文化財センターの職員が定年退職を迎えることによる補助金及び委託料の減。
・専決処分の報告について
(事務局)
長四中給食室等建設工事について、電気設備工事の既設校舎への接続及び既設設備の改造にかかる変更と、機械設備工事の埋設配管敷設方法の変更により請負契約の変更を行うもの。市長の専決で行ったため、議会に報告する。
・長岡京市子どもの読書活動推進計画の策定について
(事務局)
市町村でも計画策定と公表が求められており、図書館協議会に諮りながら計画案を作成した。パブリックコメントでは1名から7件の意見があった。市の考え方をまとめて再度協議会にはかり、策定にむけて進めている。
(委員)
調査では、読書が好きと答える児童生徒は多いものの、読書時間は少ない。ティーンズが本を読める取り組みを進めてほしい。
(教育長)
新聞を読む習慣のある子は、数学の応用で正答率が高いという結果もある。数的処理を行うにも、言語能力は大事である。計画に基づき読書率を高めるよう努力をしてほしい。
13.次回定例会までの行事・会議予定
(事務局)
行事会議予定について(2月21日から3月27日)
資料に基づき説明。
14.その他
なし
15.閉会
(教育長)
午後4時20分に閉会を宣言する。