教育委員会令和2年2月定例会会議録
- ID:9820
教育委員会会議録
1.日時
令和2年2月19日水曜日 午後3時から午後4時16分
2.場所
市役所 会議室7
3.出席者
教育長 山本和紀
委員 大下和徹
委員 盛永俊弘
欠席委員 福澤秀夫、京樂真帆子
4.出席説明員
教育部長、文化・スポーツ振興室長、同室担当主幹、参事兼教育総務課長、教育総務課主幹、参事兼学校教育課長、総括指導主事
学校教育課主幹、同課主幹、生涯学習課長 、同課主幹、中央公民館長、図書館長、教育支援センター所長、北開田児童館長
事務局職員 教育総務課 課長補佐
5.傍聴者
なし
6.開会
(教育長)
開会を宣言する。過半数出席のため、定足数は満たしている。
7.前回の会議録の承認
承認・署名
8.教育長諸報告
(教育長)
1月23日、本市教委の管外研修で埼玉県戸田市教委を訪問。戸田市の先進的な取り組みを学んだが、今後の大きな参考になることと思う。
2月4日、第4回乙訓管内教育長会議の後、乙訓小学生駅伝実行委員会の開催。次年度のコース変更が正式に決定されたので報告する。従来、乙訓地域を縦断し街なかを走り抜けていたが、洛西浄化センター周回コースに変更されることとなった。目的は安全面の確保である。形を変え、新たな大会として充実されればと願う。
2月14日、令和2年度本市一般会計予算案の記者発表。281億とかなり大きな金額となった。教育費はうち約26億4千万円で総額に対する構成率は9.3%。前年度令和元年度の33億5千万円との差は、中学校給食関連の工事費の減によるものである。例年教育費は10%程度で推移している。令和2年度に向かって、課題を整理し、今年度の総括と新年度に向けた準備を進めてほしい。予算の成立後、教育委員の皆さんには、執行において今後ともご指示をいただきたい。
社会状況では、コロナウイルス感染症が蔓延しつつある。1月半ばに国内で初の感染者が確認された。中国・武漢市に渡航歴のある国内在住の中国籍男性であったが、それ以降の1か月余りで感染が拡大した。水際防止は最早不可能であり、風邪やインフルエンザのように普通に蔓延する状況になりつつあると国のコメントも出ている。我々も子どもたちも、手洗いやアルコール消毒の徹底、またマスクの正しい着用など、十分注意をしたいものだ。多人数が集まるイベントは中止の動きが加速している。今日のニュースでは、大阪府でも知事が様々なイベントの中止を伝えていた。オリンピックに影響しないか心配である。
中国からの旅行客も激減しつつあるため、観光で経済が成り立っている京都では経済的に大きな影響がでる。全国的にもGDPの減少が見込まれると報道されており、通年で算定するとマイナス6%以上になるという。昨年の秋の消費税率改定、大規模災害の発生、加えてコロナウイルス感染症による観光客激減となれば、経済情勢が今後どうなるかとても心配だ。本市には、生産体制や市場展開で中国と関係がある企業もあり、両国での感染症拡大が影響することで本市の法人市民税収入や執行経費に大きく影響を受けることにもなりかねない。困難な状況だが、早く終息してほしいと願うばかりだ。皆さんも、手洗いやアルコール消毒など、感染症防止に十分注意してほしいと思う。
9.行事・会議結果報告
(事務局)
(行事・会議報告資料に基づき説明)
(質問・意見等)
(委員)
コロナウイルスが大きく報道されており、職場でも対応に追われている。インフルエンザも流行していると思うが、現在の学級閉鎖等の状況はどうか。また、コロナウイルスに関して国からの指示や情報があれば教えてほしい。
(事務局)
インフルエンザによる学級閉鎖は何校か出ているが、学年閉鎖にまでは至っていない。
コロナウイルスに関する内容は文部科学省から随時届いており、昨日の通知は37.5度以上の発熱が4日以上続く場合は出席停止として差し支えないとの内容であった。
中国から日本に帰国してきた児童生徒もいる。二週間程度発熱がないことを確認してから学校見学をしていただくこととしている。
(委員)
年度末に向け、市内で発生することがあれば大変だと思う。手洗いうがい、アルコール消毒の励行を。
(委員)
1つ目は、新型コロナウイルス感染問題について。当面収束の見通しはなく、このあと学校では、卒業式・入学式等で多くの人が集まる機会が増えるので、万全の態勢で臨む必要があると思う。個人的な体験談で恐縮だが、2009年春、新型インフルエンザが流行した際、修学旅行が延期・中止された学校が相次いだ。当時別の自治体で中学校の校長をしており、店頭から消えたマスクを確保するため、修学旅行に必要な枚数を全国各地の友人に送付してもらうことでようやく引率できたことを思い出す。各校への危機管理の指導と併せて、市内14小中学校への消毒液・マスクなどの物資の支援等もよろしくお願いしたい。
2つ目は、新学習指導要領の完全実施に伴う準備状況について。特に、新たな3観点による評価・評定(学習評価)の研究と準備の進捗状況はいかがか。というのは、私の方にも最近、本市の学校を含めて、この評価・評定のテーマでの講演依頼がいくつもあった。
また、昨年の文科省の学習評価に関する「通知」や「報告」では、教育委員会と学校の連携の中で「指導要録の簡素化・効率化」「指導要録と通知表との様式の共通化」が謳われた。成績に関することは、生徒・保護者、市民の関心も高く、また、教職員にとっては働き方改革にもつながる問題だと考える。この件、現時点でどのように考えているか。
3つ目は、教職員の働き方改革について。文科省の「公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドライン」で規定された「原則 月45時間以内、年360時間以内」の実効性を高めるため、学校管理運営規則の改正など、本市で何か法的な整備を考えているのか。
4つ目は、文科省のGIGAスクール構想について。2318億円の補正予算によるGIGAスクール構想に関連して、先週、文部科学省と内閣官房IT総合戦略室・総務省・経済産業省による「未来の学び構築パッケージ」が発表された。そこには、『1人1台端末・高速通信環境』がもたらす学びの変容イメージ」(ステップ1~3)が示され、タブレットならこんなことができるという実践例が紹介されている。一見魅力的な内容ではあるが、同時に、その実践例の素朴な内容に少し危惧も感じる。ICTはあくまでも手段である。今後、より教育的な活用の在り方を検討することは、各学校での喫緊の課題かと考える。この件、教育委員会としてどのような支援を考えているか、紹介してもらえればと思う。
あと、質問ではなく、埼玉県戸田市への視察研修(1月23日)で感じたことを一言。先ほど報告事項でも話題となったが、「産官学民」の連携などで大きな実績をあげている戸田市の教育改革の背景にはスタッフの充実があった。例えば、教育行政のプロとして教育枠の事務職員の募集、学校経営アドバイザーの任用、人口1万人に1人を目安にした指導主事の人数の多さなど、改革を支える専門職の配置が進んでいた。
また、戸田市の教育センターには「教科等研究グループ」が自主的に組織されていることにも注目させられた。戸田市では市内の小中教員の約30%が、放課後、自主的・定期的に手弁当で実践的研究を深めておられ、改革の内実を高め教育実践を推進する上で大きな力を発揮していると感じた。こうしたスタッフの充実、教員の資質能力の向上は、本市も参考にしたい点だと考える。
(事務局)
アルコール消毒液やマスクについては、我々も危惧をしている。残存量の調査をしたところ、3月末までは大丈夫だと確認しているが、納入先からも入手困難だと聞いているので、庁内の部署にも相談して他の入手方法を模索しているところである。給食に必要となるマスクについても、校長会で代替方法を共通確認した。
GIGAスクール構想については、鉛筆を使って勉強するのと同じようにタブレットを使うという発想であり、目指すべき姿だとは思うが、未来像と現実には乖離がある。今の段階で現実的なのは、全体提示や班別での利用、特別支援教育分野であり、その先は様子を見ながら進めていくべきと思っている。まずはそのための通信環境の整備が必要だと思っている。
(事務局)
国では勤務時間の上限に関するガイドラインが策定されており、それが指針に変更された。府教委でもガイドラインがすでに策定されていたものを条例化する予定という説明があった。現在情報収集を進めているが、乙訓地域で調整しながら、現在の規則改正か新規規則制定のどちらかでの対応を考えている。合わせてガイドラインについても考えていきたいので、来月の議題とさせていただく。
(事務局)
評価・評定については確かに難しい。乙訓の小教研の教育課程部会に教委も入って検討しており、3段階評価の方向で考えている。国や府の方針は保留状態であるが、各小教研の教育課程部会の部会長や校長を中心に検討が進められている。3月に手引きが作成される予定。
指導要録については、要録は標準方式に準じて校務支援システムに入力して運用する。通知表についても簡略化に向け校長会と検討し、基本的な様式は確定したのでシステム運用の準備をしているところである。
10.議案
・第3号議案 令和2年度「指導の重点」の策定について
(教育長)
「令和2年度『指導の重点』の策定について」提案理由の説明を求める。
(事務局)
令和2年度「指導の重点」を策定する必要があるので提案する。
(事務局)
学校教育の重点について。「長岡京市教育振興基本計画」「教育大綱」との整合性、新学習指導要領の実施を視野にいれ、文言整理を行っている。
重点1「特色ある学校づくりの推進」
保幼少連携については「特色ある学校づくりの推進」に移し、「幼児期と児童期をつなぐスタートアップカリキュラムの改善」を追加。
重点2「学力の充実・向上(学習指導)」
小学校の英語教科化に伴い、聞く・読む・話す・書く、の4技能を踏まえた表記に変更。ICT機器を効果的に活用した授業改善については、重点7から重点2へ移動。
重点3「心の教育の推進」
道徳について、「『考え、議論する道徳』への定着」について文言追加するほか、不登校やいじめ、虐待に対して組織的な対応をしていくことを記載。
重点4「特別支援教育の推進」
合理的配慮を踏まえることや、インクルーシブ教育の明記。
重点5「キャリア教育の推進(進路指導)」
充実項目にキャリア教育の文言追加。
重点6「健康安全教育・食育・体育の推進」
保健指導・保健管理の項目にO-157を追加。
重点7「社会の変化に対応する教育の推進」
SDGs(持続可能な開発目標)達成に向けてのESD(持続可能な開発のための教育)の推進について、新たな課題として明示。
重点8「教育の力が十分発揮できるための環境づくりの支援」
外部人材の活用や学校内外の研修貴下の活用について文言追加。
(事務局)
社会教育の重点について。「長岡京市教育振興基本計画」に沿っており、令和2年度は大きな柱である「生涯学習社会の実現」「人権教育の推進」「家庭・地域社会の教育力の向上と子どもへの支援の充実」「文化・スポーツの振興」は現状の通りとし、現状に沿った取り組みを明記することとしている。
全体的な視点としてSDGsの視点を取り入れることを記載したほか、全体的に簡素化を図った。また、「重点」と「努力点」が分かりにくいという意見があったことから、「努力点」を「社会教育(生涯学習)の主な施策・事業」に変更して主な取組を記載することとした。
(委員)
若干文字ずれしているところがあるので修正しておいてほしいが、内容は問題ない。
(委員)
学校教育、社会教育とも見やすいと感じた。
学校教育の重点はとても整理されている。これで活用して欲しいし、できると思う。強調点もわかりやすい。教育の世界では、4月にこれが教職員の手元に届いてからも、次々と新たな課題が生じることは往々にしてある。しかしこの基本を大事にして立ち返り、取り組んでいけるとよいと思う。
社会教育の重点もすっきりと見やすくなった。施策・事業で整理されることで、何に取り組もうとしているのかがよくわかった。この内容が市民に伝わり、有効に活用できたらと思う。
(教育長)
第3号議案について、原案通り可決することに賛成の委員の挙手を求める。
(全員賛成)
(教育長)
全員賛成。よって第3号議案は原案通り可決された。
・第4号議案 長岡京市教育振興基本計画審議会委員の委嘱について
(教育長)
「長岡京市教育振興基本計画審議会委員の委嘱について」提案理由の説明を求める。
(事務局)
計画の策定にあたり、幅広い意見を反映させるために審議会委員を委嘱する必要があるので提案する。委員は計12名で、うち2名が公募。公募には4名の応募があり、書類審査等により男女各1名となった。任期は令和2年3月1日から令和3年3月31日。
(教育長)
第4号議案について、原案通り可決することに賛成の委員の挙手を求める。
(全員賛成)
(教育長)
全員賛成。よって第4号議案は原案通り可決された。
・第5号議案 長岡京市教育振興基本計画審議会に対する諮問について
(教育長)
「長岡京市教育振興基本計画審議会に対する諮問について」提案理由の説明を求める。
(事務局)
現行計画は令和2年度で満了となる。今後10年間の本市の教育の目指すべき姿やその実現に向けて取り組むべき施策について諮問したいので提案する。
基本目標など、計画に関する重要事項を審議いただく。3月30日に第1回審議会を開催、諮問し、審議を重ね、素案に対するパブリックコメントを経て答申を出すという流れになる。その答申を定例会で諮ることとなる。
(教育長)
第5号議案について、原案通り可決することに賛成の委員の挙手を求める。
(全員賛成)
(教育長)
全員賛成。よって第5号議案は原案通り可決された。
11.協議事項
・令和元年度教育費(3月)補正について
(事務局)
令和2年度に実施予定であったトイレ改修工事について、国から今年度の交付内示があったため、前倒しで計上する。対象校は長十小、長中、長三中、長四中。長中は早期対応が必要なプール槽と音楽室の改修を合わせて実施する。
(事務局)
国の令和元年度補正予算案で計上された情報通信ネットワーク環境施設整備費を活用し、全小中学校の校内LANを整備する。なお、この国庫補助金は、5年間はその環境を使用せねばならない。長四小は改築の計画があり、5年に満たない可能性があるため13校で実施し、長四小はLTEを活用する予定。
その他、春休み期間に準備が必要となるデジタル教科書等の購入経費や、就学援助費単価の増額に伴うもの、特別支援教育就学奨励費扶助においても国庫補助対象限度額の単価増があったため増額計上するものである。
(委員)
トイレ改修工事で、トイレが使えなくなる期間はどれくらいあるのか。
(事務局)
夏休みを中心に工事を行うが、学期中にも少し使えない時期がある。ただ、一部のトイレなので、不便ではあるが、他の棟を使用してもらう予定である。
12.報告事項
・令和2年度教育費予算について
(事務局)
歳入は約3億4千万円で、前年度に比べ約4千万円の減。主な要因は中学校給食に関する設備整備の終了に伴う国庫補助の減少によるもの。学校教育課所管分で増加しているのは、中学校給食の公会計によるもの。
歳出は約19億2千万円で、前年度に比べ約8億円の減。教育長諸報告の金額は職員人件費を含んでいるため、金額の差は職員人件費によるものである。主な要因は中学校給食に関する設備整備の終了によるもののほか、放課後児童クラブ指導員が会計年度任用職員制度へ移行することに伴い、費目を人件費として計上することに変更されたことによるもの。
・専決処分の承認を求めることについて(訴えの提起について)
(事務局)
長岡中学校用地に関する不動産仮処分命令申立事件に関し、京都地方裁判所から本市に対し起訴命令が発令された。訴えの提起について12月25日付で専決処分を行ったので、令和2年第1回議会で承認を求めるものである。訴状は12月26日に京都地方裁判所へ提出した。
・専決処分の報告について(長岡第六小学校給食室等建設工事請負契約の変更(第2回)について)
(事務局)
給食室等建設工事において、既設埋設排水管迂回及び新設排水経路の変更等を行う必要が生じたため、変更契約について2月13日付で専決処分を行ったものである。
・長岡京市スポーツ推進計画の中間改定について
(事務局)
パブリックコメントの意見集約を行い、中間改定となる計画を策定した。
第1章は、中間改定にあたっての目的や背景、計画の位置づけ等。第2章は本市におけるスポーツの現状と課題、第3章は今後5年間に取り組む施策についてまとめている。計画に基づく施策により、スポーツを身近に感じてほしい。
13.次回定例会までの行事・会議予定
(事務局)
行事会議予定について(2月20日から3月25日)資料に基づき説明。
14.その他
なし
15.閉会
(教育長)
午後4時16分に閉会を宣言する。