教育委員会令和5年2月定例会会議録
- ID:13394
1.日時
令和5年2月15日水曜日 午後3時から午後4時
2.場所
市役所 401会議室
3.出席者
教育長 西村文則
委員 福澤秀夫
委員 京樂真帆子
委員 大下和徹
委員 盛永俊弘
4.出席説明員
教育部長、教育総務課長、教育総務課主幹、次長兼学校教育課長、学校教育課総括指導主事、学校教育課主幹、生涯学習課長、生涯学習課主幹、文化・スポーツ振興課長、文化・スポーツ振興課主幹、中央公民館長、図書館長、教育支援センター所長、北開田児童館長
事務局職員 教育総務課 課長補佐
5.傍聴者
1名
6.開会
(教育長)
開会を宣言する。
7.前回の会議録の承認
承認・署名
8.教育長諸報告
(教育長)
新型コロナウイルス感染症について。全国的に新規感染者の数が減少する中、本市の児童生徒の新規感染者も、12月の239人に対し、1月は176人、2月は13日までに13人と大きく減少しており、3学期以降、休校や学級閉鎖等はない。
先日、政府がマスク着用の新たな指針を発表し、文部科学省、府教委から、「卒業式におけるマスクの取り扱いに関する基本的な考え方」について通知が発出された。本市においては、3月15日(水)に中学校、20日(月)に小学校の卒業式が行われるが、この通知に基づいて実施する予定。
1月22日(日)には、揚谷寺のご協力のもと、文化財防火運動(1月23日~29日)に伴う特別消防訓練。貴重な文化財を次の世代につないでいくためにも、防火意識を高めるとともに、万が一に備えることは重要だと考える。なお、本市の文化財保存活用地域計画の8つのビジョンの1つに、「防災・防犯の推進」を掲げているところである。
29日(日)には、競歩競技のメダリストである山西選手に母校の長岡第三中学校にお越しいただき、長岡第三中学校と乙訓高校の陸上部の生徒、一般公募の市民の方に御参加のもと、スポーツ特別顕彰の表彰式と、50周年記念事業として、山西選手のトークライブやミニ競歩対決を行った。
2月4日(土)には長岡京市人権問題研究市民集会を、長岡京市人権啓発推進協議会との共催で実施。今年は昨年に引き続き人権啓発作品「標語」、「ポスター」を展示する形式で行った。
10日(金)には社会教育委員会議が開催され、「社会教育を推進するために」の策定などについて、ご協議いただいた。
9.議案
・第1号議案 長岡京市教育委員会教育長に対する事務委任等に関する規則等の一部改正について
(事務局)
現在、個人情報に関する事務については「長岡京市個人情報保護条例」に基づき取り扱っているが、「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」の施行に伴い「個人情報保護法」も改正されることとなった。
令和5年4月1日以降は、「長岡京市個人情報保護条例」は廃止され、全ての地方公共団体の個人情報保護のルールが、改正後の「個人情報保護法」に基づく共通ルールに統合される。それに伴い、教育委員会規則のうち、「長岡京市個人情報保護条例」に基づく旨が規定されている3つの規則について、規則の一部を改正する必要があるので提案するものである。
(教育長)
質問、意見等はあるか。
(質問なし)
(教育長)
第1号議案「長岡京市教育委員会教育長に対する事務委任等に関する規則等の一部改正について」賛成の委員の挙手を求める。
(全員挙手)
(教育長)
全員賛成。第1号議案は可決された。
・第2号議案 令和5年度「学校教育の重点」及び「社会教育を推進するために」の策定について
(事務局)
「学校教育の重点」については、資料のとおり令和4年度のものから一部変更を行っている。
(事務局)
「社会教育を推進するために」は、長岡京市第2期教育振興基本計画の策定にともない、令和3年度に大きく変更している。今回は、令和5年度から新たに実施するいくつかの取組が追加されている。
(教育長)
昨年度との変更点については新旧対照表のとおりだが、何か質問はあるか。
(質問なし)
(教育長)
第2号議案「令和5年度『学校教育の重点』及び『社会教育を推進するために』の策定について」賛成の委員の挙手を求める。
(全員挙手)
(教育長)
全員賛成。よって第2号議案は可決された。
10.協議事項
(教育長)
協議事項「令和4年度教育費3月補正について」「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準等の一部を改正する省令の施行に伴う関係条例の整備に関する条例の制定について」及び報告事項「令和5年度教育費予算について」「専決処分の報告について」「西山公園体育館管理運営規則の一部改正について」については、本市情報公開条例第6条第5号の規定する意思形成過程にある情報で、市と協議中であり、公開することにより公正かつ適正な意思形成に著しい支障があると思慮される。
従って、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第14条第7項、及び本市教育委員会会議規則第15条第1項の規定により、本案件を非公開とするよう発議する。また、同法第14条第8項及び同規則第15条第2項の規定により、この発議に対する討論を行わないで直ちに採決することとなっている。本案件を非公開とすることに同意する委員の挙手を求める。
(全員挙手)
(教育長)
全員賛成。よって本案件については非公開とする。
(非公開協議)
11.報告事項
(非公開協議)
(教育長)
以上で非公開協議を終了する。
12.行事・会議結果報告
(事務局)
1月19日から2月11日までの間、中央公民館の市民企画講座として「災害が起こったら、を体験する」など、9つの講座が開催された。図書館では、幼児が絵本に親しむボランティアによる絵本の読み聞かせを1月19日、20日、24日、2月10日、14日の5日間実施。
1月26日、27日は、文化財防火運動の現地検査が、勝龍寺、寂照院、長岡天満宮、乙訓寺、赤根天神社、光明寺で実施された。
1月27日から、各小中学校の入学説明会が始まっている。
1月29日は、競歩の山西利和選手に対し、長岡京市スポーツ賞表彰式を行った。合わせて、市制50周年記念事業を母校の長岡第三中学校で行った。
2月4日、第38回長岡京市人権問題研究市民集会を展示会形式で実施。2月5日から14日までの間、人権啓発作品をギャラリー展示として、中央公民館で行いました。
2月11日、長岡京室内アンサンブルコンサートが京都府記念文化会館で開催。
2月12日、乙訓化芸術祭「合唱フェア」を同じく記念文化会館で実施。
(委員)
1月25日、教育委員会管外研修があった。今回は兵庫県伊丹市の幼児教育について。人口は本市よりも多い約19万人、就学前施設も数多くある。その中で、幼児教育センターが公立私立ともに参加できる研修会を数多く開催されている。関西学院大学と連携して研究を行っているほか、保幼少連携も積極的に行われている。少人数の組織でありながら、効果的に実践されているという印象を受けた。ご多用の中、対応してくださった伊丹市教育委員会、幼児教育センターの皆さんに感謝申し上げる。
13. 次回定例会までの行事・会議予定
(事務局)
2月17日、乙訓社会教育委員等連絡協議会が開催予定。
2月20日、乙訓教育委員会連合会研修が開催予定。
3月は15日に中学校、20日に小学校の卒業式、24日に小中学校の終業式が予定されている。
14.意見交換
(委員)
マスクの着脱について。教育長諸報告にもあったとおり、政府の方針により、3月13日、学校では4月1日からマスクの着用が個人の判断となる。それによっていじめや仲間外れなどがおきないよう、十分配慮してほしい。教員不足のため、沖縄県で小中学校の1学級の生徒数を見直し40人にする可能性があるとの報道があった。以前にも教員不足について質問がでたことがあったが、本市の現在の状況はどのようなものか。
(事務局)
マスクについて。2月10日の文部科学省通知を受け、今学校への通知作業を進めているところである。文部科学省の通知には「改めて知らせる」とあるので、追加の通知がくると思っている。いじめや仲間外れがないようにということについては、卒業式を含め、学校に重々指導していきたいと考えている。
(委員)
卒業式の前に、通知をしてもらえるとよいと思う。
(事務局)
本市において、今年度当初に担任が欠けることはなかった。しかし、年度途中の育児休業や病気休暇等の場合には、校内での対応や代替講師の手配をするなど、乙訓教育局とも連携しながら対応しているが、苦慮している。
(委員)
全国的に教員不足が話題、となっている。短期的な対応と、長期スパンでの対応を計画的に考えていく必要がある。本市でも将来起こり得ると思うので、よろしくお願いしたい。
(委員)
文化財について。昨年末に刊行された「写真でふりかえる長岡京市」への市民の反応はどのようであったか。また、貴重な写真があったが、その原版はどのように保存しているか。また、貸出しは可能なのか教えてほしい。また、説明板については、昨年の11月に新しい看板ができているようだが、今年度の新設件数と、改訂件数を教えてほしい。
(事務局)
写真集については、12月の発売開始以来多くの問い合わせをいただいており、1000部作製したうち150冊以上販売しているところ。懐かしい、面白い、まちのことがわかって楽しい、と好評の声をいただいており、広く興味を持ってもらえていると感じている。写真の原版は収蔵庫で保管しており、順次デジタル化の作業を進めているところである。貸出しについては、通常の歴史資料と同様、調査研究については申出により活用可能である。
看板の新設は、今年度は済生会病院に設置された1件、改訂については土御門天皇陵の簡易修繕1件。改訂は、老朽化に伴うものと、内容の更新が必要なものがあり、順次簡易修繕を行っているが、大規模にはできていない。今回の文化財保存活用地域計画の中で、「めぐる」まちづくりを進めていくこととなっているので、今後観光部門とも連携し、看板整備を進めていきたいと考えている。
(委員)
デジタル化もすごく大事なことで、デジタル化によって公開できるということもあるが、原版も大変大事なもので、デジタル化したから廃棄してよいというものではない。説明板については、多ければいいというわけではないが、発掘調査の成果を市民に伝える努力をしてもらえればと思う。
次に、女性活躍について。国立女性教育会館の、「学校における男女共同参画研修 全国フォーラム(令和4年度文部科学省委託・女性の多様なチャレンジに寄り添う学びと社会参画支援事業)」の動画配信を視聴した。学校現場における女性管理職(校長及び教頭)登用の促進を図るものであり、先進事例の報告、促進するための環境整備が話題であった。都道府県単位となるので、京都府は女性管理職が占める割合は全国18位。トップは石川県。まだ努力足りないかと思うところである。
先進事例として、千葉県と広島県の事例が紹介された。千葉県の場合、「千葉県女性校長教頭指導主事等の会」、略称「等の会」が県として作られ、ネットワークができている。研修会を行ったり、管理職試験の勉強も含め会員交流したりしている。会誌も発行しているとのことだった。説明の中では、この会に指導主事が入っていることが重要とあった。校長や教頭の候補者である指導主事が、校長や教頭と交流することができている。また、退職女性校長会とも連携し、より実践的なことも情報交換もされているというところが面白いと感じた。
つながりには「縦のつながり」と「横のつながり」があり、「縦のつながり」は先ほど申し上げた退職女性校長会との連携で、女性が参加しやすい日曜に会を行ったりしておられる。「横のつながり」ということでは、各市町の取組の共有などがされており、縦と横でつながっていることが重要だということであった。人数については、校長は220人、教頭が277人、指導主事が262人。この3つの職種がそれぞれほぼ同じ人数がいて、ここで鍛えられて女性の管理職が生まれていくのだということがよくわかる、そういう事例であった。
広島県の場合は、令和2年度から「女性活躍及び両立支援プログラム」を作られている。面白いのは、女性教職員のロールモデルの育成・見える化ということで、女性管理職の活躍している姿、しんどい場面だけでなく、こんな良いこともあるのだということを目に見える形で示してくれるロールモデルがあることで、私にもできるかもしれない、と感じられるプログラムになっているところであった。千葉県、広島県ともにそれぞれの取組がうまく進んでいるということで、都道府県レベルの話ではあるが、長岡京市でもできることあるのではないかと思った。
女性が活躍していくためには、ワークライフバランスをいかにとっていくかということが課題になってくる。これは学校教育の場だけのことではないが、学校教育においては校務のICT化が重要になってくるということで、静岡県富士市の取組が紹介された。センターサーバでデータの連携・共有がされているということで、USBを持ち出す必要がなく、家でいろんな作業ができることがメリットとして紹介されていた。端末を持ち帰り、家で隙間時間に仕事ができるので退勤時間の早期化が実現したが、逆に言うと持ち帰り業務が増えることを意味しており、それを減らすことが課題である、と話されていた。それでも、学校でしかできなかった作業を自宅に持ち帰ることで、負担感が減った、多忙感が充実感に変わった、ということが強調されていた。
最後に、国立女性教育会館の研究員の発言を紹介する。教員というのは、子どもたちの身近な働き方のロールモデルである。だからこそ、女性教職員が生き生きと楽しく働く姿を子どもたちに示すべきで、女性管理職を増やす必要がある、と話されていた。市としてできることもあろうかと思うので、本市でも女性管理職を増やしていけるとよいと思う。
(事務局)
女性が管理職へ就く意欲を向上させるのは、男性女性関係なく教員というロールモデルが働き甲斐を伝えていくことだと思う。市教委としても、今の取組等を参考に、何ができるのか考えていきたい。
(委員)
本日は新庁舎で初めての会議。この会議室のモニターの大きさに驚いたが、こういうものもしっかり活用して省力化、効率化していってほしい。
私からは、まず1点目、こうした新庁舎ができたりしてくると、文書のペーパーレス化についても取り組んでほしい。会議資料についてもデータのやり取りで済ませられれば省力化になるし、紙資源の節約にもつながる。製本された冊子等は難しいと思うが、当日配布にするなど工夫してもらえればと思うので、要望としてお伝えする。
2点目はマスクについて。卒業式が控えているが、児童生徒の合唱、校長や来賓による壇上での話、学校の規模によっては保護者の人数制限等、具体的な話が決まっているようであれば聞かせてほしい。
(事務局)
マスクについては、文部科学省の通知を基に進める方向である。具体的には、児童生徒及び教職員については原則マスクなし、参列者である来賓及び保護者については着用をお願いする方向で考えている。ただし、児童生徒が合唱や複数での呼びかけなどを行う場面についてはマスク着用とする方向。
(委員)
原則マスクなし、ということだが、「自由」と表現するとよいのではないか。
(事務局)
文部科学省の通知では、原則なしとした上で、外すことを強要しないように、とされている。
(委員)
季節性インフルエンザもあり、来月には落ち着いてくれることと願うが、臨機応変に対応してほしい。
最後にPTAについて。本市のPTA協議会の理事会及び懇親会について、おそらく3年くらい開催できていなかった。私自身もPTA会長を務めたことがあり、1年間本部役員として活動した理事たちの苦労をねぎらう会でもあったと思うので、今回開催を決断されたことをうれしく思う。教育委員として出席するのを楽しみにしている。
(事務局)
久しぶりの開催となる。やはり、役員の中でも様々な考え方がある。親睦を深めたいという声もある一方、負担に感じるという声もあり、また、卒業式前のため念のため出席を控えたいという意見もあった。私自身もPTA役員として参加したことがあるが、やはり1年間活動しての会に参加して良かったという思いもある。感染症対策を行ったうえで、やはり開催して良かったという場になればと思っている。
(委員)
私からは1点、ICTを活用した校務効率化についての現状と今後の方向性について質問する。
先に質問の意図・理由だが、各学校の働き方がなかなか改善されにくい実態があるとの声を聞くこと、また、このテーマに関して今月3日の文科省の通知(「令和4年局長通知の補足事項」)でも推進の必要性と現状の課題が取り上げられていること、さらには、最近、校務を効率化するスマホアプリを京都市の全ての学校でこの4月から導入するとテレビや新聞で報道されたことによる。
そこで最初に、そのスマホアプリなどのメリットを紹介するが、すでに本市で実現しているものもあれば、今後の課題ということもあるかと思う。現状と今後の課題ということで、進捗状況を確認していただけたら有り難い。具体的なメリットだが、教職員にとっては、「紙や電話を通じた健康観察などのやりとりがデジタル化される」「早朝からの保護者との電話対応に追われない」「児童生徒が保護者にプリントを出し忘れて連絡が漏れたりすることが防げる」「教員は既読マークにより、確認されたことが把握できる」など。また、保護者にとっては、「欠席の連絡や子どもの体温調査がスマホへの入力で済ませられて便利」「紙のおたよりで配られていた学校からの連絡が、スマホの画面で確認することができる」など。
なお、府内では福知山市がすでにこのアプリを導入しているとのことである。関連して、全国の先頭を走っているといわれる埼玉県戸田市では、別のシステムやツールだが、「クラウド上で保護者との欠席・遅刻連絡を行うことで、教員には一覧表で把握され、電話が職員室で鳴らなくなった」「保護者連絡や授業評価などもペーパーレス化され、職員室から紙が急速に減った」「子供の提出物もデジタル化され、また、採点支援システムが導入されたことで、提出状況の把握や採点・評価がより効率的になった」などと報じられている。
そこで、本市のICTを活用した校務効率化に関しての現状と今後の方向性をお尋ねしたい。
(事務局)
現場の状況だが、ペーパーレス化はずいぶん進んできた。すべての学校というわけではないが、職員会議はすべてペーパーレス化したという学校も複数ある。また、学校だよりを原則デジタル配信のみとし、必要があれば印刷したものを持って帰れるよう、職員室前に設置している学校もある。欠席連絡については、PTAによって導入されたメールサービスや、タブレットの機能などを独自に使っている学校もある。そのため、早朝から電話対応については、新型コロナウイルス感染症が流行し始めた頃は電話が鳴りやまないということもあったが、いまはそういったことがかなり解消していると聞いている。
また、PTA導入のメールサービスについては、既読かどうかを確認できる機能があるので、必要に応じて送信のみであったり、既読確認を行ったりしている。採点支援システムについては、本市ではまだ導入していないが、名簿管理等については全校で校務支援システムを活用している。
(事務局)
全体的な働き方改革の話にもなってくるが、これまでも支援システムの導入により、少しでも教員の負担感を解消するべく取り組んでいる。教職員が何に対して負担感が大きいのかを把握しながら、引き続き取組みを進めていきたい。
(委員)
現状を理解した。統一システム導入は予算上の問題もあるが、当面、各学校間で情報共有を図りながらグッドプラクティスを広め、校務環境を高度化することで働き方改革を進めてほしい。
15.閉会
(教育長)
午後4時に閉会を宣言する。