令和6年度 第1回長岡京市文化財保護審議会会議録
- ID:14268

日時と場所

日時
令和6年4月19日(金曜日)

場所
長岡京市立図書館 3階 大会議室

出席者

委員
井上会長、仁木委員、礪波委員、藤田委員、國定委員、井上委員、橋本委員、林委員

事務局
西村教育長、中島部長、辰巳課長、山下主査、橋本主査、川瀬主査、松本主事

オブザーバー
埋蔵文化財センター中島事務局長

案件
1. 令和5年度文化財保護事業の報告および令和6年度文化財保護事業の計画について
2. 新庁舎歴史資料展示室の基本計画について

開会
・教育長あいさつ
・会議成立状況の確認
・委員10名のうち8名出席

議事
(会長)
それでは、議事に入ります。案件1、令和5年度文化財保護事業の報告および令和6年度文化財保護事業の計画について、事務局から説明をお願いします。
(事務局)
【案件1 令和5年度文化財保護事業の報告および令和6年度文化財保護事業の計画について説明】
(会長)
以上、案件1でした。ご意見・質問はありますか。
(会長)
ふるさと納税やクラウドファンディングはどのような結果になったか。
(事務局)
ふるさと納税について、令和6年4月1日からスタートした。
クラウドファンディングについては、光明寺様の収蔵庫で、最終約2000万円となっており、クラウドファンディングの構造上ファーストゴール、セカンドゴールと設定されていくが、結果2回ほどゴールされ、当初1000万円ぐらいのご予定だったものが2000万ぐらいまで達成されている
楊谷寺様も、目標額は達成されている。
ともに、文化財としての新たなそういう財源の獲得方法ということでは、期待しているところである。
(会長)
そのようにお金が集まるということは、文化財が十分に注目されているということなので、喜ばしいことだと思う。
他に何かございますか。
(会長)
神足ふれあい町家について、報告をみると市外からの利用者も多く来ている。文化財の保護を慎重に行ったうえで、今後も活用をしていってほしい。
他に何かございますか。
(委員)
今年度で長岡京発掘70年となる。なにか催し物等を企画しているか。
(事務局)
本市を含む2市1町の埋蔵文化財担当者が参加している連絡協議会があるが、そこで協議を行っているところである。まだ具体的には決まっていないが、例年「スライドでみる乙訓の発掘」を実施しているので、ここで講演会等を企画していくかもしれない。
(会長)
発掘の起点は何だったか。
(委員)
昭和29年に中山修一先生が発掘されたのが始まりである。
(会長)
他に何かご意見、ございますか。
この70周年云々については、埋蔵文化財センターでは何か考えているか。
(オブザーバー)
長岡京発掘70年については、特に計画はしていない。恵解山古墳公園開園10周年に絡め
た企画を今年度は実施する予定。
(会長)
周年事業はその年にしかできないので、ぜひうまく活用して、長岡京をアピールしていただきたい。よろしくお願いいたします。
他に何かございますか。
(委員)
昨年度の乙訓寺の特別公開について、公開期間中に拝観した。拝観者が途絶えることなく来ていたが、混雑することなく、とても良い雰囲気で公開されており、とてもよかった。こうした文化財の公開事業などが、市民や観光客に長岡京市の歴史を伝える場として、とても適していたのではないかと感じた。
また、今回から会議資料は、「長岡京市文化財保存活用地域計画」の措置番号順で記載しているとのことだが、かなり見難いので、さらに工夫してほしい。特に事業の成果が見難い。
具体的には、古文書に関わる調査研究や保存管理などについて、である。昨年度の成果・今年度の計画を教えてほしい。
(事務局)
資料について、昨年度は事務事業ごとに記載していたが、措置番号に沿って記載した。この場合、どうしても内容が重複し、それぞれ散ってしまう。古文書に関わる措置番号は、④歴史資料の詳細調査、これにつづく⑤文化財把握調査も該当する。それ以外にも、⑩・⑭・㉒・㉓・㉔などが該当する。
昨年度は、神足村で庄屋を務めた、岡本雅男家旧蔵文書の目録作成を実施した。すでに先行して淀に関連する中世文書などが公開されている。この資料群のみで近世の神足を復元することは難しいが、他の庄屋文書を補完する資料が見つかっており、数千点の規模になっている。デジタル化事業では、開田の伊関正典家旧蔵資料を対象とした。まだ断片的な調査で、分からないところも多いが、生業に結びついた資料のご寄贈もあり、今後調査を進めていく予定である。
(委員)
古文書の調査研究については把握できた。
会議資料についてはどのような形態で報告するか、工夫してほしい。
(会長)
古文書調査については、継続的に調査されていることが分かった。それらをどのような形で市民の方々に還元するか、考えていただきたい。また、デジタル化されたものの公開も視野に入れてほしい。
乙訓寺の公開についても、市民の方々に親しんでいただくことも重要であるので、今後も取り組んでいただきたい。時期を決めて一斉に長岡京市内の寺社で特別公開を企画することにより、より多くの市内外の方々に来てもらう良い機会になると考えられるので、難しいとは思うが検討してほしい。
(委員)
井ノ内稲荷塚古墳の公有化について、あと何年ぐらいで公有化が完了するのか。
(事務局)
公有化完了については明確な年数を提示することは難しいが、計画的に進めていく予定である。
また、「長岡京市文化財保存活用地域計画」でも史跡購入を重点事業として定めている。現在は計画期間のうち、前期計画にあたり、今回の公有化で第1ステップは踏めた。今後も計画的に公有化していきたい。
(委員)
今年度は何平方メートル公有化するのか。
(事務局)
井ノ内稲荷塚古墳は全体で約2000平方メートルあるが、そのうち今年度は約500平方メートルを公有化する。
(会長)
土地所有者との協議や調整が難しいので、なかなか計画通りに進まないことが多いが、着実に公有化していってほしい。
その他質問がなければ、案件1については、原案のとおり承認する。
(各委員)
【異議なし】
(井上会長)
案件2、新庁舎歴史資料展示室の基本計画について、事務局から説明をお願いします。
(事務局)
【案件2 新庁舎歴史資料展示室の基本計画について説明】
(会長)
以上、案件2でした。ご意見・質問はありますか。
業者については何か目途は立っているのか。
(事務局)
業者についてはプロポーザルを実施する予定である。一般的な建設工事等の業者ではなく、展示制作会社を対象とする。
(会長)
予算も重要だが、こちらの意図を十分に理解してくれる業者になるよう、慎重に業者選定してほしい。
他に何かございますか。
(委員)
パブリックコメントにもあったが、展示計画について、企画展は具体的にどのように計画しているのか。企画展に伴う出版物等の予算確保をお願いしたい。例えば、大山崎町の資料館では、企画展ごとに図録を作成している。図録を作成・保存していくことでひとつの資料となり、調査研究の蓄積にもなるので、デジタルでも良いと思うが、何らかの形で企画展の出版物を作っていってほしい。
企画展の内容についても、大山崎町では同じテーマを扱うこともあるが、新しい視点から研究することで、調査研究の積み重ねになっている。
企画展の内容に絡めて、外部の有識者の講演会を企画することにより、市内外からの集客が見込める。講演会を実施することで、展示の狙いや意義が伝わるのではないか。予算上難しい部分もあるが検討してほしい。
(会長)
大山崎町では、図録の販売はどうしているのか。
(委員)
常設展と企画展の図録を販売している。
(会長)
いくらぐらいか。
(委員)
だいたい500円か600円くらい。
(会長)
講演会はどのように開催しているのか。
(委員)
企画展ごとに毎回実施しており、参加費は無料である。
資料館が入っている施設がコミュニティーセンターなので、施設内の部屋を使って約100名規模で実施している。
(会長)
講演会を開催することにより、入館者の増加も見込めるので、図録の件とともに検討してほしい。
また、展示エリアのセキュリティはどうなっているのか。
(事務局)
防犯カメラは2箇所設置する予定である。それ以外のセキュリティについては、今後協議をしていく。
(会長)
文化財を展示するので、万一の場合に備えて万全の対策を取ってほしい。
物販コーナー等は設ける予定はあるか。
(事務局)
約100平方メートルしかないなかで、来館者がくつろぐスペースを設けることは考えているが、物販コーナーを設けることができるかはまだ検討していない。
(会長)
埋蔵文化財センターが発行している報告書や市が発行している書籍などを販売するコーナーを設置すれば、わざわざセンターや文化財保存活用課まで買いに行ってもらうこともなくなるので、検討してほしい。
他に何かございますか。
(委員)
基本計画案に、「学芸部門に常勤学芸員を2人配置」とある。新しく採用すると人件費が必要になってくるが、予算措置の目途は立っているのか。また、在職している技師等の職員を配置するのか、どう考えているのか。
(事務局)
組織体制については、現在庁内で協議しているところである。「学芸部門に常勤学芸員を2人配置」としているのは、少なくともその人数は必要ということで記載している。
(委員)
在職している職員が兼務となると、職員にとってかなりの負担になるので、ぜひ予算措置を講じて専任の方を配置していただきたい。
(会長)
他に何かございますか。
(委員)
多言語対応はどのように考えているのか。展示内容をより多くの方に理解してもらうためにも工夫が必要であると考える。
(事務局)
まだ検討段階にあるが、多言語対応できるようにする予定である。
(会長)
外国人観光客が急増している中で、多言語対応は非常に重要である。多言語対応できるように検討してほしい。
他に何かございますか。
(委員)
長岡京市内の文化財で、乙訓寺の木造十一面観音立像は博物館での展示にかかる事前調査で、一日造立仏である可能性が指摘されたと聞いている。博物館学芸員が展示に際して様々な調査を実施することで新たな発見がある。展示の際には、必ず文化財の調査をしてほしい。また、展示の際には、古文書など何を書いてあるか理解し難いものもあるので、展示を工夫してほしい。
(会長)
寺社などから文化財をお借りして展示した際は、実際に寺社を訪れるきっかけになることもあるので、次につながる展示を考えてほしい。
他に何かございますか。
(委員)
今里には、赤根天神社や今里自治会が所有・管理をしている「今里区有文書」などの文化財がある。それらに携わる立場として、災害対応が課題となっている。「今里区有文書」については、今里区の財産として管理してきたが、火災や地震などの災害が起こった時に対応できるか、今後もきちんと保管していけるのか、様々な意見が出ている。また、赤根天神社でも本殿や覆屋などの修理が必要になっている。それぞれ、市からはどの程度の補助が出るのか。自治会等で検討し、支援をいただきながら、課題を解決していきたいと考えている。
(会長)
ご指摘頂いたことは大変重要なことである。博物館設置という機会に、文化財の安全管理などを考え直すきっかけになってほしい。
他に何かございますか。
(委員)
他市町村の博物館を見学した際、博物館が図書館と同じ施設内にあり、博物館の展示などで何か気になる点があったら、すぐに図書館で調べることができる環境になっていた。今回設置する博物館はビジターセンターの役割を持つ施設となるそうなので、図書館にも行きたいと思える施設になってほしい。
(会長)
博物館と図書館などがそれぞれ別々の施設となるのではなく、ネットワーク化する必要がある。それらも考慮しながら整備を進めてほしい。
他に何かございますか。
他になければ、案件2についてご了解いただいたとする。
(各委員)
【異議なし】

閉会
・新庁舎歴史資料展示室の基本計画については修正したものを今後公開する。