令和6年度第2回 長岡京市企業立地審議会議事録
- ID:14689

日時
令和6年11月20日(水曜日)午前10時から午前11時40分

場所
長岡京市役所 新庁舎4階 会議室401

委員の出欠

出席者
- 喜田 昌樹 会長
- 伊吹 勇亮 副会長
- 篠原 総一 委員
- 小幡 範雄 委員
- 辻 正志 委員
- 長江 卓哉 委員
- 松岡 昇 委員
- 橋本 秀実 委員
- 馬場 昌子 委員
- 森本 耕次 委員

欠席者
- 岡部 曜子 委員

事務局
- 硲 環境経済部長
- 八木 公園緑地課課長補佐
- 山田 商工観光課長
- 藤井 商工振興係長
- 早川 商工振興係主査
- 吉田 商工振興係主事

傍聴者
なし

次第
1 開会
2 審議 企業立地施策について(工場立地法に基づく地域準則条例について)
3 その他 今後の予定など

1 開会
(事務局)
・長岡京市企業立地促進条例施行規則第18条第1項により、会長が議長となる。

2 審議:企業立地施策について(工場立地法に基づく地域準則条例について)
(事務局)
・資料のとおり事務局から説明
(会長)
・事務局から緑地率緩和の案について説明があった。委員から何か意見はあるか。
(委員)
・基本的に事務局案でよいと思う。より配慮が必要な地域には地区計画が存在し、工場立地法とは別の縛りがあるならそれで足りると思われる。気になるところをあえて挙げるなら、国道171号線西側の住宅が近い場所。ただ、沿道の緑化で充分対応できていると考えられる。
(委員)
・事務局には詳細なファクトを集めてもらって感謝する。興味深いと思われたのが、公害の苦情が沢山ある中で、特定工場に係るものがかなり少ないこと。意外だったが、国の規制や企業側の努力によるものか。
・工場立地法の緑地規制20%という数字は、高度経済成長期、公害の被害が叫ばれていた時代のものだと思う。現在は公害はほとんど解消に進んでいるため、規制を緩和する方向性については妥当だと思われる。
(委員)
・わかりやすい資料だった。気になったのが、資料の2ページ目、老朽化した既存工場の市内建て替え促進、6ページ目の公害の発生を抑制すること、最後に19ページ目の緑地の算定緩和に関する屋上緑化。
・屋上緑化の推進はCO2削減につながり、建物の高温化防ぐ。空調費の削減にもなる。
・緑化と並んでEVの設置を緩和の内容に入れることはできないか。京都はPV(太陽光パネル)の生産メーカーもあり、積極的に設置できないか。個人的には田んぼや畑を潰してPVを置くのは景観上よくないと思っている。建物の屋根を有効利用し、熱の侵入を防げるなら一石二鳥だと思う。
・土日休みの工場は余剰電力が溜まってしまうので、吸収するために蓄電池を置けば良いと思う。蓄電池の価格は最近下がってきている。大きな送配電線や変圧器も必要になるが、自然エネルギーを活用し、ゼロエミッションで達成できないか。そのあたりもセットで考えられれば良い。
(事務局)
・工場立地法を適用する際に、環境施設と緑地に加えて、プラスでどこまで算入できるのか。グラウンドや噴水、太陽光発電は環境施設としてカウント可能。蓄電池はカウント対象外。
・市の準則条例では、独自にこの施設を対象とするということはできない。委員の言うとおり、市内ではPV対応施設も増えており、PV充電できる施設を作っている事業者も増えてきている。
・ゼロエミッションの視点に加え、災害時に電源を喪失した際も重要なファクターとなる。事業者の努力をお願いする形になるが、今回の規制緩和が認められた際には、今後事業所にも設置を働きかけていく。
(委員)
・当会議でずっと目的にしていることが、工場を含めた企業の流出防止の点。ここに集中している印象。長い目で見ると、緑地率の緩和は事業者が操業しやすくなるため、良いことである。一方で、今市内にいる企業がずっと市内にとどまり、何十年も同じ企業が居つくことになる。
・長岡京市は製造業の比率が近隣市町に比べて高いまちであり、20年、30年前後のことを考えると、産業構造的に、付加価値がどんどん下がっていくことになる。産業構造はすぐには変えられないため、一度根本から考えてみた方が良い。
・最近、地域開発で感心したケースとして、成田空港近くの印西市の開発がある。データセンターがここ2、3年の間にどんどん入ってきている。
・出ていく企業は都合が悪いから出ていくのであり、あまり引き止めなくてよいのではないか。市町にとっても、環境を含めて何かプラスになる企業を誘致していくことを念頭に置いてはどうか。
・もう1つはゾーニング。工場立地法自体、高度成長期にできあがった基本的な政策。将来のことを考えたときに、長岡京市という単位では小さく、京都府も含む問題。どこの企業が出たがっている、土地を探しているとか、近隣の都市とも連携していくべき。
(委員)
・委員の意見はそうだと思うが、今回は短期的に解決する課題として、緑地の緩和を検討している。
どのような企業が立地してくれるかは企業側の問題でもあるため、データセンター等を含めどの企業が来るかは分からないが、令和8年度以降に市内での土地利用やソフト面での支援策を検討するタイミングもある。緑地については事務局案でよいと思うが、環境施設については条例の書きぶりはどうするのか。
(事務局)
・条例の書きぶりは案としてまだ確定していないが、イメージはあり、内部でも検討している。条例を定める際に、甲地区が準工業地域、乙地区が工業地域と分けて記載する。緑地や環境施設について、それぞれ割合を定めている。
・緑地はいわゆる整備された緑である。これにプラスアルファ噴水やグラウンド、あるいは太陽光が環境施設としてカウントできる。緑地として5%以上、この5%を含めた環境施設が10%以上というような定め方である。先述の重複緑地に関しては、一定の算入率をもとに、計算する。
(委員)
・具体的なものを環境施設の中身として市で設定することは工場立地法上は難しい。
・委員の話としては準則条例で緑地率は設定した上で、環境に関してCO2削減等を含めた環境配慮の取組を促進するようなことを併せてできないか。先程の地区計画のように、地域内の工場に対して、CO2の削減を促進するような取組を求めるなど、条例との合わせ技、セットもので設定ができるかという趣旨だと思われた。
(事務局)
・工場立地法の地域準則条例に関しては、一定決められた範囲内で作っていくもの。条例での設定やあるいはバーターとして具体的な条件を求めることは難しいと考えている。
・一方、先ほどのゼロエミッション、ゼロカーボンを目指す取組に関しては、公共施設だけではなく、企業とコミュニケーションをとりながら、連携した取組を考えていきたい。
(委員)
・緑地の算定率の緩和については、概ね賛成である。
・前回の会議でも述べたが、景観条例との関係について詳細な説明が欲しい。長岡京市の北部の農業ゾーン周辺は放置竹林があり、全然開発が進まない状態。
(事務局)
・景観条例との関係性は次回の会議で説明したい。建設交通部との調整のうえ、あらためて示す。
・ゾーニングに関しては、パワーが必要になる話。市がどのようなまちづくりをしていくか、全市的にも考え、さらにふかん的な視点から京都府とも考えていくべき。都市計画審議会や別の審議会でも企業立地審議会で出された意見等を反映できればと考えている。
(委員)
・今の話と少し関連して都市計画のところをもう少しお聞きしたい。都市計画法による地区計画に関して、用途とか高さの制限は市として、緩和ができるのか。
・村田製作所は、長岡京駅前に本社があるが、工場ではなくビルのオフィスである。緑地を緩和してもオフィスには影響せず、容積率の方が問題となる。建替えして、緑地が増えても、効果はないという話も出ている。
・各会社ごとに色々な条件があると思われる。先程データセンターの話も出ていたが、市としてどういったまちづくり、どういった会社を呼び込むかに関連すると考えるが、市の考えをお聞きしたい。
(事務局(公園緑地課))
・都市計画におけるゾーニングについて、以前は官主導でやってきていたが、最近は公民連携で都市計画を見直す流れに変わっている。
・全体のバランスを考えた中でのルールづくりとして、別途この都市計画のマスタープランがある。ゾーニング規制や方向性を決めている。ゾーニングを変えることはできるが、それなりの理由と納得性、合意形成が必要になる。
・1つのゾーンが決まっていて、その中で規制をさらにきつくする地区計画になっているため、地区計画はそのゾーンにいる方や市民全体との合意形成等を図る必要がある。都市計画審議会やまちづくり審議会等で、専門的に議論をしていきたいと考えている。
(会長)
・他に意見などはあるか。
<意見なし>
・工場立地法に基づく地域準則条例による緑地率の緩和について、事務局の提案の内容で進めることに異議はないか。
<異議なし>
・異議なしのため、事務局に案のとおり進めるよう求める。

3その他:今後の予定など
(事務局)
・今年度中に審議会の議論を収れんする。審議会から答申をいただく形となる。2月か3月に3回目を開催する予定。あらためて日程調整をさせていただきたい。
・目途としては今年度中に形にした上で、パブリックコメントを実施する必要がある。市民に対してオープンにして、意見をいただく。パブリックコメントの結果を踏まえて、来年度の審議会で最終的な内容確認を行いたい。その後、条例は9月議会に上程する。
(事務局)
・報告として、180室程のビジネスホテルの建設計画がある。市役所の南東に元々エピコットというスーパーマーケットがあった。現在は医療系の複合ビルができている。ホテルはその奥に建設予定。
・ホテルは5階建てで、シングル用の部屋が多いと聞いている。ビジネスユースを想定した造りで、大浴場はないが、部屋に風呂がある。そういったホテルができることは市内では珍しい。
(会長)
・他に委員からお伝えすることはあるか。
(委員)
・もし他の審議会で関連する議論があり、企業立地審議会で出た意見が伝えられた結果、こうなったということがあれば、今後の会議で都度共有してほしい。我々の意見が活用されていると分かればありがたい。
令和6年度第2回 企業立地審査会 資料