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市長と語る“対話のわ” 平成29年6月2日(金曜日)

  • ID:7292

平成29年6月2日(金曜日)市役所会議室2

日時

平成29年6月2日(金)午前10時30分~

場所

市役所 会議室2

テーマ

これからの長岡京市について

参加者

霧島功会 10名

対話録(要旨)

〈進行〉

「対話のわ」を進めさせていただきます。

はじめに市長からお話ししていただきます。

 

〈市長〉

皆さん、こんにちは。今日は霧島功会の春季の総会後に、対話の時間をお作りいただきまして、感謝を申し上げます。

市長に就任して二年余りで、三年目を迎えています。この二年間、新たな第四次の総合計画の策定もありまして、これからどういうまちづくりを進めていこうかという計画を作ってきて、いよいよ平成29年度から具体的な形に向けて、成果を出していく局面に入ってきたのかと思います。

新聞や広報等で、庁舎の話や色々な動きをお聞きいただいているかと思います。

全体のまちづくりについてお話し、個別の具体的なことは質問等いただきながら、ご説明させていただきたいと思います。

 

本市は市制45周年を迎え、これからの15年のまちづくりは、人口が減少して高齢化や少子化が進んでいく中でいかにして行政が柔軟に対応していくかが大きな課題となります。

 

まず、長岡京市の人口の推移です。これまで平均的に増えてきたというよりも、ある時期に一気に伸びています。高度経済成長期に合わせるような形で、町の時代であった1960年に1万5千人くらいの人口だったのが、1970年までのわずか10年で5万人、1980年で7万人となり、20年間でほぼ5倍に膨れ上がり、そこから徐々に8万人へ推移しました。人口が急増期からちょうど半世紀が経ってきて今の人口になります。

これから人口は緩やかに減少していく中で、高齢者は増加していきます。働く方の数が縮小していき、子どもの数も徐々に減っていくことが予想されます。何もしなければ、長期的には2060年、6万人くらいの人口になるだろうと思われます。

政府も地方創生等で少どもの出生数を増やそうとしています。自治体は転入をいかに増やしていけるかが課題となります。

今回、第四次総合計画の中では、15年後に現在の人口8万人規模を維持して、今の暮らしを維持していけるような整備やまちづくりを進めていこうということが大きなフレームとなっています。

人口動態を5歳刻みで見ていくと、平成17年くらいまでは、どの世代も転出が転入を上回っていました。平成17年から平成22年では、30代、40代の子育て世代層について転入が転出を上回る転入超過の状況で、直近の平成27年の国勢調査を見ても、更にその傾向が強まっています。

お子さんの数もここ10年くらいは、ほぼ横ばいで推移しています。少子化の時代に入るので、10校ある小学校を統廃合してはと言われることもあるのですが、それほど余裕はないのが現状です。このことは、これからのまちづくりの長岡京市の強みだと思います。

 

これからの長岡京市のまちづくりでは、どの施策に関しても、次の3つの戦略目標を意識してやっていこうとしています。

1番目の「定住の促進」は、この街に住んでおられる8万人規模をいかに増やしていけるかであります。

このためには、まず子育て支援が非常に大事になってきます。

新たに中学校での給食を導入していこうと、今年度から施設整備をして、来年の二学期中に、長二中からスタートして、長四中、長三中、長中の順番で導入していこうとしています。親子方式というやり方で、小学校の給食施設で作ってそこから中学校へ運ぶ。小学校は古くて給食室改修の時期が来ているので、これらの施設に投資して効率的に供給する。長二中へは近接の長三小に給食施設を建てる余裕がないので長十小から供給。長四中は奥にスペースもあり、長五小が現状でいっぱいなので単独で自校方式を採ります。長三中は向かいの長八小。長中は長六小から運ぶことにしようとしています。

 

就学前の乳幼児の数が減っていません。20年くらい前までは幼稚園に通わせていた方が65%くらいと多く、残り35%が保育所でした。最近では55%と45%くらいで保育所のニーズが高まっていて、残念ながら今年も60名ほどの待機児童が出ています。民間で保育園をやりたいという声も出てきていて、この秋に井ノ内の角宮神社の横で60名規模の保育園が出来、来年春には西山天王山駅近く70名規模の民間園が出来る予定です。公立は、神足保育所の増築で60名ほど増えるとともに、平成31年の春には、新田保育所を長六小の中に移転させ長六小のプールと保育所の複合化と、鋭意事業を進めているところです。平成30年か31年くらいには待機児童問題を解消していきたいですが、作れば作るだけニーズも増えてくるので、なかなか追いつかないのが実情です。

 

また、安心・安全面から云えば高齢者の対策も進めていかなければなりません。75歳以上の人口推移では、十年ほど前に5,500人くらいだったのが、2020年には、ほぼ倍の11,000人になると想定しています。現在の介護のニーズが満たしきれていない中、75歳超えられると介護にかかる方の数は非常に増えます。2025年には団塊の世代が75歳に達すると言われています。その時期までに、できるだけ介護にかからない元気な高齢者をまちぐるみでどう作っていくか。また、そんな中でも介護や医療的ケアが必要になったときに、セーフティネットをどう作っていくのか、取り組みを進めていかなければなりません。

 

一方、元気な高齢者は色々な文化活動やサークルをしていただいていますが、今後、高齢者への施策や事業は保健や福祉の分野だけでなく、新たな活動分野を見出し、皆さんが出向いていける環境を作っていかなくてはなりません。また行政が公助として介護や医療機関の整備をしていかなければなりません。

 

本市の交通利便性が高い影響もあって、京都や大阪の医療機関にも通院しやすいこともあり、地域医療の中核として位置付けて誘致した済生会病院は、現在、この地域本来のニーズを拾い切れていないといえます。病院の機能としても、医療の進歩等に対応するためには概ね30年で建て替えしなければ追いつきません。現在、建て替えを模索中で、候補地は西山天王山駅付近の下海印寺の区画整理事業地を考えており、計画が順調に進捗すれば平成34年中のくらいの移転をめざそうとしています。

 

さらに、共生型福祉施設を考えています。京都府が設置した府立向日が丘支援学校が建物の老朽化で建て替えを検討されていると聞いていますが、その敷地の一部へ、古くて同じ場所での建て替えが不可能である本市の老人福祉施設竹寿苑の移設、少し時間はかかるかもしれないですが市と府の連携の元、高齢者施設や障がい者施設の新設など一体的な整備をして福祉エリアを作るべく、今年度から予算化して動き出したところです。

 

また、安心・安全の側面から災害の発生に対応する対策のハード面の整備が出来上がりました。地域防災力を高めるために、10月の最終日曜日を長岡京市防災の日として、現在実施の総合防災訓練を、平成32年頃から5年間で、市内全小学校域で同じ日に地元が主体となって、市民運動会の防災訓練版のような形で開催してもらおうと思っています。昨年度は4校区で開催され、今年度は7校区で実施されようとしています。

 

長岡京市の良さや強みを市内外にアピールしていこうと「シティプロモーション」活動としてバスなどを見ていただいた方もいるかと思いますが、「かしこ暮らしっく」というキャンペーンを取り組み始めています。

長岡京市という交通の利便性も良い場所で、かしこく暮らしましょう。また、クラシックという言葉は、他より優れたとか卓越したという意味があります。つまり、非常に交通の利便性も高い長岡京市という良いまちで豊かに暮らしていきましょう。そういうことが可能な街ですよということを発信していく「かしこ暮らしっく長岡京」という取り組みをしています。本市のイメージは京都府内では一定の知名度はあると思いますが、大阪や滋賀ではそんなに印象が高くはないので、一層アピールをして定住を促進していこうとしています。

 

2番目の「交流の拡大」は、長岡京市も高齢化が進んでいきますので住んでいる人だけでは色んな活動が縮小していきます。長岡京市の外から雇用でも観光でも良いですし、来ていただき、色々な活動をしていただくことが今の経済活動を維持していく上で非常に大事になってきます。

長岡京市内の商業の状況は年々商店数が減り、比例する形で売上販売額も徐々に減っています。その原因は、人口は減少していませんが、街の位置や利便性により近隣の大都市に出向くことが容易であることにも因ります。魅力ある町のためには商業機能の維持も大切です。

また、本市への観光客は平均して年間120万人くらい来ていただいていますが、一人400円程度しかお金を使って貰えていません。観光行政に力を入れて行こうとしており、宿泊施設の誘致が地域商業に貢献するとも考えています。しかし、長岡京市で観光を進めようとすると、大きく意見が二分されます。もっと発信して観光客に来て貰おうという意見と、これ以上来て貰っても渋滞するし今の閑静なままが暮らしやすく、観光に注力しなくてもいいという声に分かれます。

本市の観光行政は、観光地ではないから、来てもらった観光客にいかにお金を落としてもらうかに軸足をおいていきたい。そのような中で一つの方法として、道の駅的施設の設置に向けて調査を始めました。十分可能性はあると思いますが、ビジネスとして成り立つのか、その担い手がいるのかを農業従事者や商工会の方々等と議論を進めていきたいと思っています。

 

3番目は「新陳代謝」です。人口急増期に市役所を始め、市内の公共建築物、小中学校等が建設され、上下水道、道路、橋梁等の都市インフラも整備しました。これまでの10年間で小中学校の耐震化は完了しましたので、次は、古く狭く耐震性やバリアフリーもなく、事務室が分散化している市役所の建て替えに着手していこうと思っています。

そこで、市役所近接の金融機関に旧開田保育所跡地の一部に移転いただくこととなりました。市の歴史的にも市役所の場所は市の中心地であり、駅からも近いため、大きく替えるつもりはなく、金融機関の跡地を市が購入することとなりました。市役所の建設は複数案から絞り込み、経費を削減するために仮設建築はしない方式で、建築のコンセプトは行政機能だけでなく、市民が気軽に集える市民広場等の要素を確保して、1期工期を平成34年度に完了し37年度の完成をめざしています。また、これに関連して、庁舎の機能の中に、市立産業文化会館の機能を入れていこうと考えています。

アゼリア通りの南側の跡地には、詳細は未定ですが中心市街地のにぎわい、交流の拡大となる商業施設、ホテル等の宿泊施設を誘致して活性化していただけないかと探っています。また、産業文化会館の跡地は阪急長岡天神駅周辺整備の代替地として確保する予定です。

整備費用は約80億円の投資が必要ですので、市の財政負担を考えると市の一等地である場所を資産として活用する方法も具体的に検討していかねばならないという段階です。

 

 

質疑応答・意見交換

 

〈参加者〉

・市長に就任して以来現在までどのような印象や考えをもっているのか。

また、議会との関係はどう捉えているのか。

 

〈市長〉

・市のトップとしてさまざまな課題やトラブルに遭遇するが、市政を遂行していくのは魅力があります。また、議会との関係は、市政の運営にあたって二元代表の制度は大切にしなければならないし重要な機会であると考えています。

 

 

〈参加者〉

・市政の運営やまちづくりに関してコンサルタント会社を利用しているのか。

 

〈市長〉

・根幹的な計画等の策定は、市の人口動態や各種統計資料や既に国等が作成したデータ等を活用して独自で練り上げていきました。個々の実施計画等はコンサルタント会社を活用しているところもあります。

 

 

〈参加者〉

・1960年代から市の人口が急増してきたのは、本市がものづくりのまち=製造業事業が市内に多く立地し、企業活動が活発化したことにより法人市民税も大きく増えた時期であったが、現況はどうか。

 

〈市長〉

・市税収入に占める法人分の税は景気の変動に影響を受ける部分も多いが、個人市民税や

固定資産税・都市計画税が維持されていることが大きい。就労している世代が増えてい

くことを支援することが重要です。

今後は、市内施設の新陳代謝などが税収の確保に繋がっていくことになると思います。

 

〈参加者〉

・市内の地価は高く、他市へ転出してしまうことも多いです。特に若い世代が本市に住み

続けていく住環境の整備は必要だと思う。

・市内に府営住宅はなく、市営住宅も少なく、民間とタイアップした住宅も少ない現状で

あるが、住宅施策はどのようか。

 

〈市長〉

・居住環境についても本市の特性や強み、いわゆるブランド力を高めるまちにしていく努

力が必要であると思います。

・市営住宅も老朽化しており、長寿命化のための工事をしていきますが、今後、公営住宅

を建てて維持していくよりも、現在ある空き家や空きマンションが増加している中では、

住宅施策も借り上げや家賃補助という考え方を選択していかなくてはならないと思って

います。

 

 

〈参加者〉

・若い世代の転入や長く住めるかとの心配はされているが、高齢者層の活用を図ることも

重要である。地域の中で高齢者だけの居住と若い世代の住まいが混在している地域もあ

るが、まちの利便性を高めるなり、まちのゾーン方式を取り入れ、市が居住を促進させ

る地域を決めることが良いと思うがどうか。

 

〈市長〉

・国の発想であるが、本市はもともと狭いため全域で用途を決めた型にしたのがコンパク

トシティ概念の取り入れで、それを推進していこうとしています。

商業、総合的病院等の都市機能施設は中心部に配置する中心拠点誘導区域に指定するとともに、住宅や開業医等を生活拠点誘導区域に区割りをしていこうとしています。

その中で、中心市街地と周辺区域を結ぶ公共交通網の充実が重要課題となってきます。

 

 

〈参加者〉

・今まで説明された施策の実現に必要な財源として、自主財源の確保は重要となるが、一

方、高齢者の税負担は増加の傾向にある。どのように考えているか。

 

〈市長〉

・財源の確保として税は必要です。税収の確保のためには、現役世代の増加あるいは減ら

さないための施策が重要であろう思います。税収は急激に増えることはなく、国等の動

きや制度を上手に活用していく財政運営の手腕が重要です。

 

 

〈参加者〉

・京都府や国等との連携を今まで以上に強化していただきたい。

 

〈市長〉

・一例ですが、市内にある府の公共施設の建て替え時に、福祉や高齢者対策の場所として

市も利活用できるようにしていく取り組みを始めており、上手く関係の強化連携を図り

たいと思っています。

 

 

〈参加者〉

・一世代前、市は保育所、小中学校、公共施設の建設及び都市インフラ整備に毎年追われ

続けた。その後一定期間を経て今また公共施設の老朽化に直面している。この現状を踏

まえて、市のあり方で方向性を出しており充実した高いレベルの総合計画を策定するの

に確たるものを持っていたのか。また、職員の考えや思い等をどう把握したのか。

 

〈市長〉

・市長に就任した時から一年を経て、新しい総合計画の策定見直し作業時期に遭遇して、

計画を煮つめる中で職員とも意思疎通を図り課題を共有し、議論に議論を重ねてようや

く計画が策定できました。

最近は職員の構成も大きく変化しました。最近の15年間で平均年齢は約10歳も若返

り、若い層では男女比も半々または女性の方が多い状況になってきています。

 

 

〈参加者〉

・まちの人口構成では高齢者が増えその居場所として、JR駅前のジムに通う人が増えてい

るが、元気な高齢者が集うような場や事業施策も必要となるのではないか。

 

〈市長〉

・いわゆる団塊の世代が75歳を迎える2025年問題に向けてアクションプログラムを

作成します。単に、福祉の分野だけではなく、環境や教育の分野等全庁の取り組みとし

て機会の創出、場所の提供をする施策の実施をめざしています。そしてそれらの利活用

を図ってもらい、モチベーションを高めて生きがいを作ってもらうようなことをしたい

と考えています。

 

 

〈参加者〉

・長岡天神駅の駅前広場の計画が進んでいると思うが、阪急の高架と切り離すのかあるい

は一体型なのかどのように考えているのか。またかかる費用と期間はどう見込んでいる

のか。

 

〈市長〉

・地権者を中心に地元でまちづくり協議会が発足され、基本構想に取り組んで中間報告が

出され、今年度末には一定の結論が出ると云われています。

地元の意見は、駅の南側の踏切は既に都市計画決定がされているので、道路の拡幅は望

まないと云われています。

それを解消しようとするためには、阪急を高架化または地下化のどちらにするかという

ことと、駅前広場の位置はどこが良いのかということを議論してもらいたいと地元に投

げかけているところです。

それ以外には、昔に策定された開田土地区画整理区域の決定が非常に広範囲で指定され

ているため、具体的にどの範囲まで縮小していくのかの議論もしてもらっています。

一案としては、駅の西側はスーパーの東の市道くらいまでで、駅の東側は駅のすぐ前の

道路、開田自治会館の前の道路または府道西京高槻線までの範囲かを地元の意見として

取りまとめてもらいたいと伝えています。

 

市は、地元の意向を受けて学識経験者や関係機関、地域住民代表とともにまち全体の審

議会を立ち上げ、市としての基本計画を平成29年からの2年間で議論作成していきます。

 

金額的には、概算として高架方式で約250億円、地下方式で約500億円かかり、掘

割方式なら若干下がると見込んでいます。この事業は府が施工主となりますから今後市

の計画を伝えていくことになります。現時点での見込みは、経費は国及び府が負担し、

市は17.5%くらい必要とし、完成時期は平成48年ということになります。

 

 

〈参加者〉

計画の中で一体的に考えるとしても、完成まで長期間を要することから駅前広場を先行

して手掛けることにはならないのか。

 

〈市長〉

段階的整備として、駅前広場の一部を駅の南側に仮設する方法しかないようではあるが、

その際にも人や交通機関の流れが大きく変わり、地権者や商業者の方々の合意が必要で

す。そして、高架化が実現したときに再整備を行うという案も出ています。

 

〈参加者〉

この事業に取り組めるのも、元市長の時代にJR長岡京駅前の整備に手掛けて完成したこ

とで、商業の振興やまちの顔としても街路整備が進んだことも大きかったと思う。

 

〈市長〉

市は約40%の負担はしましたが、いわゆる第三セクター方式のような形で成功し、順

調にいっている例は少ないと思います。

 

〈司会〉

時間になりました。

熱心で有意義なご意見をいただきまして、どうも有難うございました。

 

〈市長〉

長時間どうもありがとうございました。

 

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