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市長と語る“対話のわ” 平成30年2月16日(金曜日)

  • ID:8026

平成30年2月16日 長岡京市立中央公民館 市民ホール

日時

平成30年2月16日(金曜日)午前11時から

場所

長岡京市立中央公民館 市民ホール

テーマ

これからの長岡京市について

参加者

75名(JA女性部)

対話録(要旨)

〈司会〉

・本日は、長岡京市の中小路健吾市長にこれからの長岡京市についての話をしていただきます。

〈市長〉

・皆様こんにちは。今日はJA三支部の女性部交流会に貴重なお時間いただき感謝申し上げます。リクエストいただいた内容も含めて市のまちづくりの話をさせていただくことができ感謝申し上げます。

・国も長岡京市もこれまでの時代とこれからの時代では大きく環境が変化していきます。その中でどのようなまちづくりをしていくのかの基本的な部分は共有していきたいと思います。

長岡京市の人口の推移は、昨年の11月には81,000人を超えました。高度経済成長期に入る1960年には1万5千人だったのが、わずか10年後に5万人に、さらに1980年で7万人と爆発的に人口が増加し現在の市の原型が出来上がったと云えます。この時代からほぼ半世紀、約50年を経たのが今日であります。

これから高齢者世代は増えていき、働く世代と乳幼児数は少なくなっていく状況であります。統計上の人口区分で云えば、65歳以上は老年人口にあたりますが現実的には75歳以降になると徐々に身体の機能が低下し介護や医療が必要な状態になります。今後75歳以上の人口は急激に増えて、いわゆる団塊の世代が75歳に達する2025年にピークになります。

一方、本市の15歳~64歳の生産年齢人口は、20年前の平成7年と平成27年の国勢調査時の人口を比較すると、人口8万人の中で1万人以上の減少となる衝撃的な数値であります。しかし、少し詳しく5歳刻みで分析してみると、平成17年までは社会動態はどの世代も転出が転入を上回り減ってきていました。しかし、平成17年から平成22年の5年間では25歳から40歳位のいわゆる子育て世代が転入超過に変化し、平成22年からの5年間では更にその傾向が強まってきています。

全国の多くの自治体では社会動態とともに自然動態も減り人口全体が減少に向かう傾向があるなかで、子育て世代が流入されて社会動態も増え、それに伴い子どもの数も維持し、まち全体の人口が微増している全国的にも稀な状況は市の強みとも云えるものです。

特に働く世代の減少状況は、全国レベルでは農業分野での若年層の減少、流通業のトラック運転車の不足、コンビニの外国人就労の状況が見られ、社会活動や経済活動を維持していくためには、女性の活躍や働き方改革の施策を打ち出し女性の就業を促していくことが必要な時代になってきています。

本市では専業主婦が多いのが特長ですが、今後女性の働きやすい環境や社会参画など活動できる条件を整えることが非常に重要な課題であると思っています。

 以上の状況や課題を解決して、これからのまちづくりを進めていくために、一つ目の戦略的な目標は今後15年後にも人口8万人規模を維持し、しかも豊かに暮らしていくまちの形を整えることであり、そのために「定住の促進」を図ることにあります。

・もう一つは、現在の人口規模を維持するために、また、現在市に居住している人だけでは高齢化していくので、他地域から移動してきてさまざまな社会活動や経済活動等をしてこのまちで活動していただきたいと思います。商店数を増やして観光客を伸ばすことや企業を誘致して雇用を増やすことまで含めて、大きく云えば「交流の拡大」をめざすことが二つ目の戦略的目標であります。

・三つ目の戦略的な目標は、まち全体の「新陳代謝」を図っていくことにあります。50年前から人口が急増してきた時期に建設した学校などの公共施設をはじめ、道路、橋等の都市インフラが一気に老朽化して更新の時期を迎えています。公共施設の中で最も古いのは市役所で、建て替えは公共施設の再編のチャンスと捉え、市内に点在している公共施設を集約し、また複合化していく考えです。具体的には、新庁舎の中にまもなく建て替えを迎える産業文化会館の機能や、予防接種や健診を実施している保健センタ-の機能を取り入れることにより、市民の皆様にとってより便利なものにしていきます。

老人福祉センター竹寿苑もかなり古く建て替えが必要であります。今回、その近くにある京都府立向日が丘支援学校は最も古く築50年が経ち、府の建て替えに関連して、敷地の一部を提供してもらい、市が高齢者施設や障がい者施設や障がい児の就学前及び卒業後の対応も行う一体化した共生型福祉施設を整備することとしました。

・高齢化社会に向けた施策として、高齢者が増えてくると介護を要する認定者数も増え、次に市の給付費が増加して介護保険料も上昇してきます。また、国民健康保険と後期高齢者の医療費も増加していきます。

 団塊の世代が75歳を迎える2025年問題に向けて元気に年齢を重ねていただく環境が重要であり、高齢者の参加・参画意欲や活動の場を作っていくために市では今年度全庁に渡る健幸長寿プランを作成しました。その中で重要なことは、定年退職した男性をいかに取り込んでいくかが課題であります。

 具体的な施策として、来年度予算の目玉の一つに認知症高齢者や子どもの見守り等に役立つように市内に防犯カメラとビーコン受信機の設置を200カ所を2年かけて実施していこうとしています。

医療の面では、市が誘致してきた済生会京都府病院が築36年になり、医療技術の進歩に対応できず、設備の老朽化が見られる上に、この地域は京都や大阪への交通利便性が良く医療機関に恵まれた地域であることから、経営的にも厳しい現状であります。現在、西山天王山駅エリアに近い下海印寺地区で下海印寺区画整理事業地の一部で、地元地権者と病院側で交渉協議されている途上であります。市ができることは、地域医療の充実の観点から誘致時のように若い世代を対象としていた急性期医療中心から、高齢者に対応できる在宅復帰をめざす回復期の治療やリハビリ機能を取り入れるなどのニーズを満たすことを求めております。

・まちの新陳代謝に関連する市の中心市街地の整備や再開発について、現在までにJR駅前再開発をはじめ、第二外環状道路と高速道路・インターチェンジの設置、阪急の西山天王山駅は完了し、大きな残された開発が阪急の長岡天神駅周辺であります。

1つ目の課題は、道路が狭く歩道が十分取れず、バスの乗降場所が確保できずに交通渋滞が生じている状態であり、踏切は朝の時間帯では1時間のうち35分間閉まっており、全国的に云われている開かずの踏切に準じるような状態にあります。最近の動きは、地権者を中心に地元でまちづくり協議会が発足され、基本構想に取り組み今春には一定の結論が出ると云われています。同時並行的に、市は学識経験者や京都府、阪急電鉄等の関係機関、自治会の方々とともに基本計画策定委員会を立ち上げ、市全体としての基本計画を平成29年からの2年間でまとめていくところであります。

現時点の駅周辺の整備計画は、昭和32年に策定された開田土地区画整理区域があり、しかも、JR駅前から天神下に向かう道路との踏切部分では、阪急電車ではなく交差する道路を高架にするという計画決定が現在も生きているため、今の時代に適した立体化の計画であれば、鉄道を高架にするか地下にするかの技術的な課題も含めて見直しをしています。

長岡天神駅の位置は変えない前提で最短でも着手までに7年から8年、その後事業完了までに10年から15年と長期間になり、それまでは手を付けない訳にはいきません。

駅前広場の位置については、段階的整備として駅の東側にロータリーの一部を設置し、路線バスや送迎用の車の乗り入れができる道路も暫定的に設ける方向が出ています。立体化の完成時には駅舎の東西に広場を造るとともに、広場に侵入するための道路を南北のどの位置に敷設するかを議論しているところです。

・この駅周辺の整備に含まれるのが、新庁舎庁舎の建て替えであります。市役所庁舎は古い建物で庁舎内が狭く、分庁舎を設けて庁舎が分散しており、建て増しによる階段の段差もありバリアフリーでなく、最も重大な耐震性がない状態であります。耐震補強の有無も調査したが建て替えることとしました。

基本的な考え方としては、市役所は中心部に位置し、駅にも近くバス路線も多くある現在の場所で建て替えることとし、建て替えに際しては行政機能だけではなく、市の中心市街地であることから市民にとっても利便性がよく、市民の方々の交流が生まれたり、賑わいに繋がるものにしました。仮設方式を採用すると、事業規模が80億円から90億円要する上に余分に約10億円を要するため、時間はかかりますが工期を二期に分けることとしました。

具体的には、京都信用金庫と旧開田保育所の一部を等価交換して京都信用金庫が今秋頃までに新築移転された後、1期目工事として、取り壊された京都信用金庫と現在の市役所前駐車場の一部の場所に4階から5階建の庁舎を建設します。そこに窓口・手続機能や相談機能を低層階に集めて、議会や市役所の部署を配置することで、現在の職員数から考えられる平均的な執務スペースである16,000㎡は確保できると見込んでおり、工事期間は平成32年度に着手して34年度で完了させる予定です。

2期工事として、1期目庁舎の北側に8階建ての庁舎を建てて、古い公共施設でまもなく建替えを迎える産業文化会館や保健センタ-の機能を低層階に配置し、その上に市役所機能の部署や会議室を設けます。工事期間は、平成35年度着手で平成37年度の完了の予定でスケジュールを進めています

市民広場は、アゼリア道路側に設けてイベントの開催や子どもの遊び場的な場所とする考えで、駐車場の確保も行います。

今年の取り組みとしては、建設設計業者からプロポーザルで提案を受けてよりよい、具体化した計画に2年間かけて行っていく予定であります。

・次に、交流の拡大の戦略目標と関連する道の駅的施設について説明いたします。

これから先、人を引き付ける魅力を引き出し伝えていくことは重要であり、交流の拡大の対策の一つは観光であります。現在、市内を訪れる観光客は平均して年間120万人くらいですが、最近20年間の商業の推移も、商店数、商品販売額、消費額も減る一方で、市内で一人400円程度しか使って貰っていません。

また、観光客の購買欲を満たす一つに農産物の販売もありますが、本市の農業は農家数、農業従事者数、農産物販売額ともに軒並み右肩下がりに減ってきている実態であります。優良農地も減少してきており、開発されて宅地化し住宅が建っているのが現状であり、緑の保全も縮小している一方であります。これらの総合的な解決策ではありませんが、観光や人を集めて販売等をすることがスタートラインでと思っています。そこで、観光戦略プランを見直し、新たな施策や事業を展開をして、120万人もの観光客が訪れる訳であるので、この方々がより地域でお金を使ってもらうことが重要と考えました。

1つ目には近隣から日帰りや週末にきてもらえる観光であり、二つ目には、国内最大の観光地である京都市をめざしてくる旅行者を引っ張り込む魅力のある観光を行うであります。

・観光拠点施設の整備の一つとして、道の駅的施設については平成28年度にビジネスとして成り立つか等に関してマーケティング調査を実施しました。その結果、本市の周辺市町を含め、市民の所得水準は高く、30km圏内の人口規模の人口も多い。また、立地上の観点から、施設はたまたまこの付近を通った人をターゲットにするのではなく、農産物直売所やレストラン等のさまざまな施設を設ける魅力あるコンテンツにして、本物や上質さを備えて施設自体を訪れることが目的とし、対象層は子育てが終了した中高年の女性をターゲットにすれば良いとの提案がコンサルタントから出されました。

・道の駅的施設の広さは約2万㎡が必要で、かかる費用は当初投資額は18億円、年間売上額6億円を稼ぐ必要があるとの試算が出されました。

市は、この施設建設は地元の農業振興に繋がらないといけないと考えています。

そのためには、農業者の皆さん参画される気持ちがあるかも含めて、平成29年度に農業専門部会を立ち上げて検討してきた結果、前向きに考えていただいていると思っています。

しかし、課題は年間を通して農産物の品揃えが可能であるのか、個人単位ではなく、JAや近隣自治体と一緒になって農業生産の供給体制を組織化することが必要であるとの意見もいただきました。また、施設の事業運営は農業者の方だけでなく、民間のノウハウを持つ事業者とも一緒にやっていかないと困難であろうと思っています。平成30年は用地の選定、近隣の巻き込み、供給体制、参加者や事業者の選定、事業形態の決定等をみなさんとしっかり議論していきたいと考えています。

・市はまちづくりに関する目標として、定住の促進、交流の拡大、まちの新陳代謝を中心に市政を運営していきますので今後ともご協力をよろしくお願いいたします。


【質疑応答・意見交換】

発言なし


〈司会進行〉

・時間になりましたので、これで終了とさせていただきます。


 


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長岡京市対話推進部秘書課秘書係

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