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市長と語る“対話のわ” 平成29年7月19日(水曜日)

  • ID:7442

平成29年7月19日(水曜日)開田自治会館

日時

平成29年7月19日(水曜日)午前10時から

場所

開田自治会館大会議室

テーマ

これからの長岡京市について

参加者

NPO法人長岡京市ふるさとガイドの会18名

対話録(要旨)

【進行】

「対話のわ」は、市民と市長が様々なまちづくりについて直接対話いただく機会です。本日は、今年創立20周年を迎えられましたNPO法人長岡京市ふるさとガイドの会との「対話のわ」です。

【市長】

本日は、NPO法人長岡京市ふるさとガイドの会の皆様に、多く参加していただき厚くお礼申し上げます。皆様の会が20周年を迎えられ、長きに渡りさまざまな面で市の事業・行事の発信に寄与していただき、ありがとうございます。

最初に、長岡京市のこれからのまちづくりを考えるときに、本市の現状と今後の課題を皆様と共通の認識としていただくことから始めたいと思います。

本市の人口の推移は、なだらかに伸びてきたのではなくある時期から一気に増えてきました。1960年に1万5千人であったのが、わずか10年後の1970年には5万人に、さらに1980年で7万人となり人口急増期を経てその後徐々に増え約50年で現在8万人に達しました。また、当初に建てた公共の建物も50年を経てきたのが現在の状況であります。

これから先、人口は緩やかに減少していく中で高齢者は増加し、働く方の数と子どもの数は徐々に減っていきます。政府も地方創生を提言し少子化対策として出生数を増やそうとし、我々自治体は転入される方をいかに増やそうかと考えています。

本市は、去年スタートした15年間の総合計画の中で、2030年まで、その8万人が豊かに暮らしていけるまちを維持していくことを大きな目標としました。

人口の推移を最近の人口動態を5歳刻みで見ていくと、平成17年くらいまではどの世代も転出が転入を上回っていました。しかし、平成17年から平成22年では30歳代から40歳代の層が転入超過に変動し、平成22年からの5年間では更にその傾向が強まってきています。全国的には少子・高齢化や人口減少といわれていますが、本市は子育て世代やお子さんが流入されており全国的にもまれな状況です。そのため、近隣の地域で学校の統廃合が問題になってきていますが、市では学校が不足している状況にあります。

この現況を踏まえて長岡京市のまちづくりは、これから15年、20年先を見据えた市の大きな課題に対応していくために3つの戦略が必要と考えています。

一つ目は「定住の促進」です。この街に住んでいただく8万人規模をどう維持していくかです。二つ目は現在の人口規模を維持するためには、現在市に居住している人だけでは高齢化していくので、他地域から移動してきてもらってこのまちを活性化していただき、他地域との交流を広げてもらう「交流の拡大」をめざすことであります。三つ目は、50年前に人口が増えて建設した学校や公民館等の公共施設をはじめ、道路、公園、上下水道等の都市インフラが更新の時期を迎えています。このような市を子や孫の世代に引き渡していくために、まち全体の「新陳代謝」を図っていくことにあります。

この3つが15年先を見据えた長岡京市のまちづくりの中心的な課題になることを皆さんにもベースの部分として共有していただきたいと思います。

 その上で、特にシティプロモーションと観光に関連する内容を付け加えて説明します。

シティプロモーションは、定住の促進に関連させて長岡京市の良さを市の外に発信し、交通の利便性の非常に高い長岡京市という良いまちで豊かに暮らしていきましょうという意味の「かしこ暮らしっく」のキャンペーンを3月から実施しています。

この取り組みを行う理由は、少し前のデータで、関西で住みたい駅ランキングで本市の長岡天神駅は京都府全体では第5位に入りましたが、近畿全体で見ると少しランクが下がります。つまり、知名度あるいは住みたいまちとして府内では認知されているものの、阪急やJR沿線の大阪や滋賀では長岡京市の名前は聞いたことがあるが、市のイメージが分からないという現状を把握したことがこの取り組みを始めるきっかけとなりました。

長岡京市の特色についての意見を聞きますと、本市はやはり暮らしを中心に置いたまちであり、京都や大阪へのアクセスの良さ、スーパーや病院も多く、企業も程よく存在し、広すぎないコンパクトなまち、子育て支援や教育が充実しているまちであることを認識しました。また、総合計画の中で市民に市の魅力について問いかけると、一番に緑の多いまちという評価でそれを象徴するのは西山や竹林、田園風景があり、ガラシャ、古墳群という歴史遺産や風光明媚な景色の中に建つ神社仏閣を有し、そしてそれを支える市民の高い文化力があることが魅力であると評価されています。

そんなまちでより豊かに暮らそうとの意図から、暮らしっく(クラシック)がどこか懐かしい雰囲気だけでなく語源として「他より優れている」という意味のある言葉であり、キャッチフレーズにしてシティプロモーション活動を市外に向けて発信していこうとしています。そして究極の目標は、このまちに住んでもらいたい子育て世代に向けて暮らしやすさを打ち出して、地域的には京都を中心に大阪、滋賀までの鉄道沿線の範囲をターゲットとしてプロモートしていくことが最も効果が高いと考えました。

 また、プロモーションは行政のみが行うのではなく、市民の皆さんによく知っていただくために、インナープロモーションとして路線バスの表示(ラッピング)であったり、バッジやグッズ等を作ったりして内側から広めて、市外へも拡大していきたいと思っています。

今までバラツキがあった庁内からの情報発信をこの取り組みにより統一感があるものに変え、市のイメージを明確に表示するロゴを入れて行政活動を展開していきたいと考えています。

 もう一つには、市が保有している地域特性や魅力である素地を市のブランドとして皆さんとともに作っていきたいと思っています。シティプロモーションの取り組みを皆様がガイドされる中でPRして頂ければと思います。我々と市民がこのまちの誇りを共有・共感してもらって市のブランド力を高めていきたいと思っています。

続いては、「交流の拡大」の戦略目標と関連した話です。

一つのデータとして、約20年前から現在までの商工業の推移ですが、市内の商店数や事務所数とそれに伴う商品の売上額も減少しているのが現状です。市にはそれぞれまちの性格があり、商業のまち、観光のまち、工業のまち等々がありますが、本市は基軸として「暮らしのまち」としての位置づけを最も大切にしています。本市に居住される市民にとっても近くの商業施設や飲食店の数が減ることは痛手であると思います。

これから先、人を引き付ける魅力を引き出し伝えていくことは重要であり、その対策の一つは観光であります。現在、市内を訪れる観光客は平均して年間120万人くらいですが、市内で一人400円程度しか使って貰っていません。

また、本市で観光を進めていく上でアンケート調査をした結果、二つに意見が大きく分かれます。もっと市や市内の情報を発信して観光客に来て貰おうという意見と、これ以上来て貰っても道は渋滞し、静かな居住環境のまま暮らせないという声に分かれます。

昨今の国内外の観光を取り巻く環境は、一時はリーマンショックや東日本大震災の発生の影響を受けましたが、その後インバウンドの増加が続き、現在は京都市の一人勝ち状態と大きく変動してきました。

市としては10年前に作成した観光戦略プランを見直し、施策や事業を展開する上で、実施者は行政のみではなくボランティアを含む団体や民間事業者と役割分担を明らかにして、皆で一緒に取り組むことにしたところです。

本市の基軸である「暮らしのまち」にフィットした観光のスタイルにしたいと思います。本市は120万人もの観光客が訪れる訳であり、この方々に、より地域でお金を使ってもらうことが重要と考えました。つまり、地域にある資源の活用を十分に活かすために、情報発信を強くし市内での移動手段の整備に手掛けて、京都市とは格の違いはあるが、本市も宿泊施設の誘致にも取り組んでいかなければなりません。また、住むためのまちと観光の共存をいかに図っていくかであります。本市では、地域で稼げる観光、まちの上質なイメージにつながる観光が求められていると思います。

具体的には、近隣の鉄道沿線に住む20歳代から40歳代の女性に好まれそうな日帰り観光や週末観光であり、国内最大の観光地である京都市をめざしてくる旅行者を対象に、その延長線上にある本市が歴史遺産や文化財が多くあることをアピールし、少しマニア好みで深みのある観光であり、増加している来日外国人をターゲットにした観光を考えています。観光をプロモートするにあたり、具体的には観光ツアーづくり、情報の多様な発信、道路等の整備を掲げて、今年は推進本部を発足させて展開しようとしています。

 

質疑応答・意見交換

【進行】

ここからは皆様からのご意見やご質問を受け付けたいと思います。せっかくの機会ですので、いかがでしょうか。

【参加者】

観光拠点施設づくりはどう進めていくのか。以前、ふるさと資料館構想があったが現在はどうか。市では勝竜寺城公園や恵解山古墳公園の整備を図ってきた経緯があり、特に勝竜寺城公園はインターネットでは有名である。しかし、城内部の清掃・管理や、老朽した箇所や故障へのメンテナンスや改善にかかる予算や整備の体制について教えて欲しい。恵解山古墳にはトイレがなく中山修一記念館までの案内する間のコンビニで用を足す現状であり、なんとかならないか。

【市長】

恵解山古墳のトイレの件は大きな問題として認識していますが、一方で整備の際に、設置することで夜などにたまり場になると地元から懸念の声があり断念したため、今すぐに対応できる話ではなく継続した課題との認識をしています。

また、勝竜寺城公園の管理は清掃も含めて経費は確保しているので、管理者に伝えてもらえれば良いと思います。

これからは新たな公共施設を建設する時代ではありません。既存の公共施設の改修や更新に必要な直近の5年間の経費は約25億円~33億円かかり、これは市の予算総額が250億円~300億円のうちで、かなり大きな割合を占めることから、今後施設をどんどん建てるということは難しいです。建てる場合も、複合的な機能を持たせ維持経費を抑える方向での検討が必要と考えます。

ふるさと資料館構想は、現時点ではその必要度を見極めることが重要となってきていると考えます。

昨年一年間検討してきた結果、高速のインターも出来たことから、観光拠点施設の整備の一つとして、道の駅的施設を検討しています。本市をはじめ近隣は所得階層が高く、商圏の人口規模も広く、ビジネスとして成り立つかの課題はあるものの優位性は高いことが分かり、道の駅的施設の基本構想を一年掛けて作り上げました。しかし、具体的に進めていく中での様々な課題はあります。

本市の道の駅的施設のコンセプトは、観光地等の近くにある観光施設のようなものでは難しく、むしろ、施設そのものが目的や魅力あるコンテンツのものが求められると考えます。例えば、地産の食べ物があり、農産物の直販を設けるなどをして、施設等の規模は約2haの広い土地が必要となり、初期投資が18億円かかり、採算を取るためには、年商売上額は6億円が確保できること等ハードルは非常に高いものとなります。

一例として、広い場所の確保となれば、市では農地にならざるを得ず、農地の開発の是非が議論になり、開発か農地保全か意見を二分される農家の人々との議論が必要となります。少なくとも地域の中でお金を使ってもらえる仕組みを考えなければならないし、そのためには農家の方の主体的参加が重要となります。

【参加者】

新庁舎の建設に関する委員会があったが、新庁舎の中に皆さんに情報を伝達できるまちの案内所や各団体が使えるような場所はあるのか。

【市長】

現段階では未定です。新庁舎の中でスペース的には可能かもしれませんが、各種団体の事務所等として使用する場合は、費用負担いただくことも必要になってくると思います。建設の投資に対応して、一般的には建物の使用料や賃料といったものは新しい建物になればそれだけ高い設定になっていくことも考えられます。一定額の徴収あるいは各団体の公共性により減免制度を設ける等の検討は、まだできていません。

もう少し細かく庁舎の建て替えの現状について説明しますと、現在の市役所北側の敷地内に全面的な建て替えを行う予定です。市役所に近接する京都信用金庫が建て替えを考えておられ、アゼリア道路南側の開田保育所跡地の一部と等価交換させていただくことで話が進んでいます。それに伴い、南側の角地にある交番を移設し、道路の拡幅も行います。

建て替えについて4つのパターンで検討してきました。結果として、仮設庁舎は作らず、現在の敷地内に市民広場も作りたいと考えており、工事を二期に分けて、一期では4階建てで平成34年頃に工事完了し、二期目は8階建てを平成37年頃に完了を見込んでいます。公共施設の再編を進める形として、市役所の機能だけでなく古い建物である産業文化会館の機能の場所を確保するとともに、同じく古い保健センターの機能も入れ込むことも検討に加えて、色々なものを複合化していくことで管理経費を効率化し、利用者の便利さを追求していこうとしています。

その他に、どのような機能が必要かを考えていかなければならず、行政機能と一体だと効果がある団体等の事務所も検討しています。

【参加者】

私は昭和41年に転入してきた。長岡町役場の時は職員も圧倒的に地元者が多かったが、最近は市外在住者が多いのか地元のことをよく知らない職員が多く、特に役職が上位になるものには長岡京市出身者が好ましく、やはりバランスが必要かと思う。学校の教師も同様の傾向にあると思われ、市の歴史や文化を知らない者が多く、公務につく者は地元愛、長岡京市が好きだという気持ちや思いを持ってもらいたいと思う。

【市長】

出身地割合は、学校の教員については京都府の職員なのでよくわかりません。

市職員の市内在住者は全体の35%です。昔は地元優先という考え方があったのかもしれませんが、現在は明確な選考基準に基づいた試験や面接を行い、そこで合格してきた者が職員となっており、この制度は組織を維持していく上では重要なことであります。また、管理職では約50%が市内在住であるが、少し心配なことは災害時等の緊急事態のときに短時間で招集できるのかがあります。市外からの出身者が増えてきてはいますが、長岡京市が好きで地元愛があるものが職員となっており、また、仕事に情熱を持っていると思います。

【参加者】

ガイドに応募した人の中には、地元以外の人もおり、自分自身が長岡京市のことをよく知りたいし、調べたい。自分で学んだことを人に教えたい。子ども相手のボランティア活動をしたい等の思いがあり、長岡京市がふるさとだと思われている人が多いと感心した。学校において、ガイドの会の利用が高まっているが、もっと活用してほしいと思う。

【市長】

市では観光戦略プランで新たな展開をしていかなければならないと思っています。そのために、地域のことをよく知っている皆様の力を貸していただきたいです。市内を訪れる観光客の中には外国人も多く、その対応が求められています。

例えば、市はアメリカのアーリントン市と友好都市を締結しており、中学生や西乙訓高校の生徒が毎年短期滞在しています。また市内の私立高校では英語コースもあり、英語が堪能な子供たちに皆様の知識を伝えていただき、皆様と生徒が協働してガイドをする方法も探っていけるのではないかと思っています。

【参加者】

京都市は何千万もの観光客が来るが、本市はその魅力を上回るものを考えていかねばならない。最近、観光者はツアー客ではなく、近畿地方や京阪神からの来訪が多く、それ以外はほとんどない状態である。長岡京市は旅のブームに乗っていないのか、または京都市だけで間に合っているのかわからないが、本市の独自性を出さないといけない。

【市長】

京都市と同じ土俵では戦っても勝ち目はないです。ご意見のとおり、本市の独自性をどう作るかが必要だと感じています。

【参加者】

京都市では空き家対策で苦慮しているといわれており、長岡京市は京都市が不足している部分を補うまたは応援するようなことを考えてはどうか。

市内に宿泊機能を持ちながら現在あまり利用されていない施設が複数あり、市として何らかの補助や支援をすることはできないか。その機能を体験型や拠点型として完備することにより来訪を促す方法はないのか。民間だけでは無理なこともあり官と民の協力が必要だと思う。また、民力を活用することも考えて欲しい。

【市長】

宿泊施設に関して、大きな施設の誘致は考えていません。調子方面にある施設も小規模なものだが、利用者に長期滞在する者が多いと聞くし、長岡天神の西側にも新しく施設を作ろうという動きもあります。現在、空いている宿泊施設もあります。また、民泊は地域の中で受け入れられるのかという問題があり、難しいと考えています。

空き家を改修して宿泊施設にする場合に、建築基準法適用の他に、京都府の条例に厳しい基準があり、改修のコストも高くなる状況にあり、府に要望しようかとも考えています。

【参加者】

道の駅的施設の場所について、高速道路沿いで西山天王山駅周辺や、大型バスの通行にやや不便であるが井ノ内・今里方面など、どのように検討しているのか。

【市長】

道の駅的施設の建設の可能性について、コンサルタントが提案した市南部地域もあるが、北部地域のほうが良いと議会でも説明してきました。しかし、大切なことはその施設の運営を誰がするのかであり、最終的には市が行うことではなく、民間事業者が投資してでもできるという見極めが重要であり、その上、現時点ではその地権者との調整等の課題もあり、場所について、そこまで進んでいません。

【参加者】

観光行政の中でインバウンドによる効果は大きいものがある。長岡京市内の主要ターミナルの案内板に3か国語で表記されているところはほとんどなく、外国人の来訪を促すための準備や体制を整えていかなければならない。

市の歴史的魅力度アップについて、細川藤孝や勝竜寺城公園は市にとってシンボリックな人物・名所であり、市の特色であることに間違いない。

2つ目に、来年(2018年)は継体天皇が518年に弟国宮を建立・造営されてからちょうど1500年目にあたる。これは市にとっても大きな歴史的時期であり市民の関心も高いと思う。本市あるいは乙訓2市1町合同の形も含めて、何か計画の中に入れて欲しい。

一方、市内の観光施設が一般市民に浸透していないのも実態であり、地元・地域からの足固めが必要である。今後、施策の充実を図って欲しい。観光施設である勝竜寺城公園、名所や神社仏閣は、市民の憩いの場としても必要である。

【市長】

観光施策のハード部分とソフト部分も、観光戦略プランの中で計画的に実行に移していくことを、皆様方と一緒に取り組みをさせていただきたいと思います。継体天皇の史実の取り上げ方も内部で議論し始めているので、今後検討したいと思います。

どうもありがとうございました。

【進行】

 時間になりました。長時間に渡り意見交換していただきありがとうございました。

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