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市長と語る“対話のわ” 平成29年12月1日(金曜日)

  • ID:7446

平成29年12月1日金曜日 中央公民館

日時

平成29年12月1日(金)午後2時~

場所

中央公民館 講座室

テーマ

「これからの長岡京市について」

参加者

長岡京市女性の会  24名

対話録(要旨)

〈進行〉

市民の皆様と市長が直接お話しをするという「対話のわ」を始めさせていただきます。

 

〈市長〉

皆様こんにちは。本日は、女性の会の皆様が多く参加していただき厚くお礼申し上げます。市政のさまざまな面でご協力いただきありがとうございます。

皆様からリクエストいただいた課題も含めて、これからのまちづくりについてお話しさせていただき、皆様からの質問や意見にお答えさせていただこうと思います。

 

最初に、長岡京市のこれから10年~15年間のまちづくりを考えるときに、本市はどのような状況にあるのかを皆様に共有していただくことから始めたいと思います。

本市の人口は8万人に達していますが、そこまでの状況は高度経済成長期の1960年に1万5千人であったのが、わずか10年後には5万人に、さらに1980年で7万人と急激に人口が増加しました。この時期にまちの基盤が形成され、その時代から半世紀、約50年を経たのが今日であります。

今後、高齢者世代は増えていき、働く世代と子どもの数は少なくなっていく状況であります。人口区分では65歳以上は老年人口にあたりますが、現実には75歳以降になると徐々に身体の機能が低下し介護が必要になる方が増えると考えられ、今後いわゆる団塊の世代が75歳に達する2025年がそのピークになると言われています。

一方、本市では15歳~64歳の生産年齢人口は、20年前の平成7年と平成27年の国勢人口を比較すると、5万8千人から4万7千人と、1万人以上の減少になっています。また、人口をより詳しく5歳刻みで分析してみると、全国的な傾向と同じく高齢化しています。

平成17年までは、出生と死亡の関係である自然動態は微増しており、社会動態はどの世代も転出が転入を上回っていました。

平成17年から平成22年では30歳代から40歳代の子育て世代が転入超過に変化し、平成22年からの5年間では更にその傾向が強まってきています。現在、全国の市町村では少子・高齢化や人口減少から消滅するまちも出てきている状況でありますが、本市は8万人規模を維持しています。若い人やお子さんが流入され、全国的にもまれな状況で、市の強みと言えるものです。

これからのまちづくりを考えるときのキーワードの一つは、子育て世代をいかに引き付けるかであります。

もう一つのキーワードは女性の活躍であります。最近は働く女性の割合が増えてきました。

我が国の状況は、女性に働いてもらわないと経済活動や社会活動が支えきれない状況になってきました。女性の就業率は平成7年頃М字カーブといわれる30歳~35歳の結婚・出産期間に下がりその後復職されて増えるという形でありました。また、昨今の少子化が女性が就労したことによるとの意見もありますが、統計的には全く誤りで働く女性が増えるところほど出生数も増えるというデータになっています。

本市は、全国平均と比較すると働く女性を多いとは言えない状況から少しずつ就労する女性が増えてきました。今後とも、女性の就労や社会参画などで活躍できる環境を整えることが非常に重要になっていると思われます。

このような状況下で市の人口は微増していますが、何もしなければ人口は減少していきます。最新の総合計画では15年後にもこの規模を維持し、かつ、その8万人が豊かに暮らしていけるまちを残していくことを目標としました。

 

長岡京市のまちづくりは15年先を見通した大きな課題に対応していくために3つの戦略が必要と考えています。

一つ目は「定住の促進」です。このまちに住んでいただく8万人規模をどう維持していくかです。この戦略的目標が最も重要なものであります。

二つ目は現在の人口規模を維持するために、また、現在市に居住している人だけでは高齢化していくので、他地域から移動してきてもらってこのまちを活性化していただき、市に賑わいをもたらし経済的側面からも、商店数を増やすことや、企業を誘致して従業者を増やすことまで含めて大きく言えば「交流の拡大」をめざすことであります。

三つ目は、50年前から人口が増えて建設した学校や公民館等の公共施設をはじめ、道路、公園、上下水道等の都市インフラが更新の時期を迎えています。この市を子や孫の世代に引き渡していくために、まち全体の「新陳代謝」を図っていく必要があります。

 

次に、リクエストがありました庁舎の建て替えの個別課題を説明します。 まちの新陳代謝に関係する市役所庁舎は、築年数50年超えて現在まで建て増しを重ねた古い建物であり、庁舎内が狭く、庁舎が分散しており、バリアフリー化されず、最も重大な耐震化もできていない状態であります。

庁舎の建て替えについては、市全域の配置や市民のニーズからも、市の中心部で駅から近い立地である現在の場所で建て替えをすること前提に検討してきました。

具体的には、開田保育所を神足小学校敷地内に移動させて、その跡地に交番も場所移転し、市役所に隣接する京都信用金庫が建て替えて新築されることから、市役所隣接地と南側の開田保育所跡地の一部とを等価交換することになりました。

建て替えの際に、行政機能だけでなく、市の中心市街地である場所として人々が集い、賑わいの場となる市民広場を造っていきます。また付加機能として、産業文化会館も老朽化しており、その機能も取り込んでいくことを昨年度に議会と協議してきました。もう一つ、今後議会で提案しようとしているものでは、健診や予防接種を行っている保健センターの機能も併せ持つ計画をしています。

今の場所で執務しつつ建て替えするのは難しく、昨年度の段階では仮設も検討しましたが、建設と取壊しに約10億円の経費が嵩み効率も悪いので、時間はかかるが京都信用金庫の跡地と現在市役所前の駐輪場と駐車場の一部の場所に1期工事として4階から5階建の庁舎を建設し、そこに分庁舎3と本庁舎の南棟等の一部を移動させ、窓口・相談業務や手続き部門を低層階に集めて、最上階に議会関係を設け、中間階にその他の部署を配置することを検討しています。

その後、南棟と東棟を壊して2期工事で8階建ての庁舎を建てて、その中に産業文化会館と保健センターの機能を低層階に入れて、その上には市役所機能の部署や会議室を配置する計画をしています。

現駐車場の一部にはできるかぎり広い市民広場を設けたいと考えています。市民広場をどれほど確保するかは、庁舎の階数に影響を受けるため、アンケートをして皆さんに意見を聞いたところ、必要性があればある程度高くても良いとの声が多く寄せられ、アゼリア通りに面した位置に配備することとしています。

工事期間は、1期目工事は平成31年頃に着手して34年で完了させ、2期目は平成37年頃の完了を見込んだスケジュールで進めていく状況であります。

 

まちの中心市街地や駅周辺のまちづくりをいかに進めていくのかが重要であります。その中で1番の課題が市民広場や市役所を含む公共施設を多く集め、駅周辺における人のにぎわいを作り出すことと考え検討を進めているところであります。

阪急の長岡天神駅前については、交通の問題が最も大きく阪急の高架や立体交差にしたいが本当に必要なのか、巨額の費用を投資することやまちの風景が変わる問題もありますが、住んでおられる地域によっても住民の意見が異なります。

1つ目の問題は、踏切の混雑や交通渋滞があります。朝の時間帯では1時間のうち35分間も踏切が閉まっており、全国的に問題となっている開かずの踏切に準じるような状態にあります。駅やターミナルにはバスの乗り入れや自家用車での送迎スペース等の駅前広場が必要であり、現在のその周辺の状態はスペースもなく課題です。

2つ目の問題は、阪急の特急が停まる駅としてその周辺の資産価値は高いけれども、現状は建物等の利用密度は高くなく、有効に利用されていないのが現状であります。

 最近の状況は、地権者を中心に地元でまちづくり協議会が発足され、基本構想に取り組んで中間報告が出され、今年度末には一定の結論が出ると言われています。並行して、市は学識経験者や京都府、阪急電鉄等の関係機関、自治会の方々とともに基本計画策定委員会を立ち上げ、市全体としての基本計画を平成29年からの2年間で議論を進めているところであります。

双方で議論している内容は、駅周辺の整備や計画に関して昭和32年に策定された開田土地区画整理区域は、西側は八条が池の前の道路から東側は府道西京高槻線までの広範囲で指定され、阪急電車線路上を交差する道路を高架にするという計画が決定されて現在も有効であり、今の時代に適した計画に技術的な課題も含めて見直しをしています。

経費については、概算で高架方式が約250億円、地下方式が約500億円かかり、掘割方式なら若干下がると見込んでいます。

この事業は、順調に進んだとしても15年から20年はかかります。駅の位置は変えない前提であり、完成時には駅前広場は駅の東口と西口の双方に必要です。それまでの間、段階的整備として、駅の南側にロータリーの一部を設置し、路線バスや送迎用の車の乗り入れができる道路も暫定的に設ける方法が出ています。

これからの駅周辺整備計画については、西側は駅の北西方面にある大型スーパーの東の市道辺りまでで、東側は駅のすぐ前の道路、または開田自治会館の前の道路までの範囲にしたいという地元意見が出されており、来年頃までに決めて行こうとしています。

 長岡京駅前線の拡幅もJRの駅から西に進み、阪急電車の南側の踏切を越えた場所までが次期工区で、事業認可取得をするときには踏切を少しでも拡幅したいと考えており、阪急電鉄と京都府等と協議しています。その際には人や交通の流れが変わる可能性があるので、地権者や商業者の方々の合意が必要となりますので、高架化が実現したときに再整備を行うという案も出ています。

 

続きまして、リクエストをいただいたテーマのコンパクトシティに関しては、全国的にその考え方を推進しようとする動きがあります。

これまで人口の増加時に、駅周辺から郊外に向けてまちの開発が進められました。しかし、高齢化や少子化が進んで人口が減少し、まちの空洞化や空き家の増加が見られる現在は、まちの中心市街地や駅、ターミナルに公共施設を集約し、都市の構造の効率化を図る動きが出ています。この考え方を「コンパクトシティ」をよびます。市は公共施設の再編、施設整理や統合、複合化等により施設の維持管理費用の削減も図ろうとしています。先に述べたように、新庁舎に産業文化会館や保健センターの機能を取り込むこととしています。その他に、府立向日が丘支援学校の建替え時期に合わせた竹寿苑の建替えについて、京都府と交渉・調整を検討しています。老人憩いの家は北開田会館に機能統合し、保育所は新田保育所が長岡第六小学校敷地内に移設するものの、滝ノ町と深田は難しい状況です。小学校も長法寺、神足、長岡第七小学校以外の学校は建替え等がまだであり、その他の公共施設についても課題は残っています。

 そのような中、地域内の公共交通については、はっぴぃバスの利用者は着実に伸びています。市東部での社会実験はもう1年延長することとしました。一方、阪急バスは利用者がかなり減少してきており、バス会社としては路線の減少や本数の削減に向かうため、路線の維持やそのための経費を誰が負担するのかが問題となってきています。

 

 

【質疑応答・意見交換】

 

〈参加者〉

・中学校の給食がいつごろから始まるのか。

 

〈市長〉

・中学校の給食導入について検討したとき、各中学校に給食室を作るスペースはなく、子どもの数も減っている状況ではないため、各中学校の状況に応じて対応する方式としました。来年の二学期中に長二中からスタートして、長四中、長三中、長中の順番で導入していこうとしています。

そこで、小学校の給食室は古く改修の時期がきているので、この施設に投資して近くの中学校へ運ぶ親子方式というやり方で、長二中へは近くの長三小に給食施設を建てる余裕がないので長十小から供給し、長三中は向かいの長八小から、長中は長六小から運ぶことにします。長四中だけは敷地内にスペースがあり、長五小は現状で余裕がないので単独で自校方式を採ります。

 

〈参加者〉

・済生会病院の今後についてはどうなるのか。

 

〈市長〉

・本市の交通利便性が高い影響もあって、京都や大阪の医療機関にも通院しやすいこともあり、地域医療の中核で公的病院の位置付けをして誘致した済生会病院は、現在、この地域本来のニーズを拾い切れていないと言えます。病院の機能としても、医療の進歩等に対応するためには築36年が経ち、施設の設備も老朽化してきたため建て替えが必要となってきました。現在検討中で、候補地は西山天王山駅付近の下海印寺の区画整理事業地を考えておられ、計画が順調に進捗すれば平成33年中くらいの移転をめざそうとしています。移転は病院側が考えられることであるが、市としても支援をしていかなければならないと考えています。

地域の公的病院として市にとってもどんな医療が必要なのかを、医療や福祉の専門家も含めて議論しており、急性期の治療だけでなく周産期の高度医療や回復期つまりリハビリ機能も取り入れるなど、病院経営も考慮した上で市や市民の医療ニーズを満たしたものを望んでいます。

 

〈参加者〉

・阪急バスの利用者が減っている現状はあるが、今後の高齢化に向かい、自家用車の運転ができない状況もあり、はっぴぃバスの本数や停留所を増やせないか。

 

〈市長〉

・公共交通の維持や充実を考えないといけません。バス会社は民間事業者として採算が取れていると思いがちでしょうが、現実には採算が取れていないところは多々あり、運転手の確保も難しい時代でもあります。路線により朝夕の通勤通学時間帯は混んでいるが周辺地域の通勤・通学等時間帯以外は空いており、赤字部分を税金で投入していくのか検討中で、欧米等では税金を投入してバスを走らせる動きが出ており、市はバスを走らせたいがどんな形で税金を入れるか、また、誰が負担をするのかは重要な問題である。

 

〈参加者〉

・高齢者のため施設が次々と建設されているが、被保険者の費用負担は増えるのか。

 

〈市長〉

・介護保険料として影響を受けます。高齢化が進み、介護が必要な方も多くなりまた入所に長期間待機されている方も多く施設を作らない訳にもいきません。介護保険制度で要介護の認定者数も制度当初から比べれば2倍以上になって、3年ごとの見直しがある保険料も、この増加傾向は2025年頃までには続くのではないかと推測しています。

 介護にかからなくて良いように、予防的施策を重点化し、また現に活動されている人々への支援を呼びかけていきたいと思います。

 

〈参加者〉

・認知症の予防に力をいれたら良いのではないか。

 

〈市長〉

・一概には言えないが、認知症も早期発見し早期治療やケアが大切であり、これから認知症も増えてくるので市の対策や周辺の人の理解も必要かと思います。

 

〈参加者〉

・現在の待機児童数はどれくらいですか。

 

〈市長〉

・子どもの数は決して減っておらず、毎年700人から800人規模で誕生しています。20年くらい前までは幼稚園に通わせていた方が65%くらいと多く、残り35%が保育所でした。最近では55%と45%くらいで保育所のニーズが高まっています。最近は就労されている女性が増え、市は保育所の定員を増やしてはいますが、保育所を希望する方もそれ以上に増えているのが現状です。この秋に井ノ内の角宮神社の近くに60名規模の保育園ができ、来年春には西山天王山駅近く70名規模の民間園ができる予定です。公立は神足保育所の増築で60名ほど増えて数字の上では足りる計算でありますが、保育所の場所と市民ニーズとの差から残念ながら今年も60名ほどの待機児童が出ています。

 もう一つの心配は国の動きですが、保育料の無償化の議論が出されており、待機児童が減っていない現況のときに、需要と供給の関係から保育ニーズが更に増えるのではないかと思っています。

 

〈参加者〉

・先の衆議院選挙で、投票日前日の期日前投票には約2,600人が来庁されて混雑したが、社会的弱者への配慮を新庁舎ができた時には対応して欲しい。

 

〈市長〉

・その場での職員の誘導や配慮が適切であったのかどうかは問題となりますが、新庁舎では広いスペースを低層階に配置する考えです。

今回は、期日前投票をJR駅前のバンビオでも始め、多くの人が来場されましたが、駅やスーパー等多くの人が来る場所での実施は、セキュリティや個人情報の取り扱いの面から、現時点で民間施設まで広げるには少し課題があると考えています。

 

〈司会〉

そろそろお時間がまいりましたので、この辺りで「対話のわ」を終了させていただきます。本日はどうもありがとうございました。

 

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