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市長と語る“対話のわ” 平成30年1月20日(土曜日)

  • ID:7495

平成30年1月20日 土曜日 中央公民館

日時

平成30年1月20日(土曜日)午後3時30分~午後4時30分

場所

中央公民館 講座室

テーマ

「これからの長岡京市について」

参加者

長岡京市時事問題研究会  24名

対話録(要旨)

〈司会〉

・市長と市政の展望について話をしてもらう「対話のわ」を始めさせていただきます。

 

〈市長〉

・皆様こんにちは。今日は時事問題研究会の活動の一部に「対話のわ」を取り入れていただきありがとうございます。昨年度も同じ時期に開催をさせてもらい、この1年間の行政の動きや今後どうするのか、まず現況等をお話しした上で共通の問題や個別の課題を認識していただき、率直な意見交換をさせていただきたいと思います。

 

これからの長岡京市のまちづくりを考えていくときに、まず押さえたいのは人口のことで昨年の11月に81,000人を超えました。これまでの推移は、高度経済成長期の1960年に1万5千人だったのが、わずか10年後には5万人に、さらに1980年で7万人と急激に人口が増加し、その後緩やかに増えて8万人台になりました。そして市制施行からほぼ半世紀、約50年を経たのが今日であります。

これから全国的には人口減少に向かう中で高齢者世代は増えていき、働く世代と乳幼児数は少なくなっていく状況であります。統計上の人口区分で云えば、65歳以上は老年人口にあたりますが現実的には75歳以降になると徐々に身体の機能が低下し介護が必要な状態になられ、現在介護を受けられている平均年齢は78歳から79歳であります。今後75歳以上の人口は急激に増えて、いわゆる団塊の世代が75歳に達する2025年から2030年がそのピークになりその後徐々に減っていきます。

一方、本市では15歳~64歳の生産年齢人口は、20年前の平成7年と平成27年の国勢調査時の人口を比較すると、人口8万人の中で1万人以上の減少になり大きなインパクトになります。しかし、少し詳しく5歳刻みで分析してみると、平成17年までは、社会動態はどの世代も転出が転入を上回り減ってきていました。平成17年から平成22年の5年間では30歳代から40歳代のいわゆる子育て世代が転入超過に変化し、平成22年からの5年間では更にその傾向が強まってきています。

子育て世代が流入されるという全国的にもまれな状況は、市の強みとも云えるものです。少子化傾向の中で子どもの数は減少ではなく寧ろ横ばいであり、今後15年先の本市の人口も8万人規模を維持させていくためにこの年代層が最も重要なもので、今定めている3つの戦略的目標の1番目は「定住の促進」をめざすことであります。

二つ目の目標は、人口規模を維持するために現在市に居住している人だけでは高齢化していくので、他地域から来ていただきさまざまな経済活動等をしてこのまちを活性化させていただきたいと思っています。市に賑わいをもたらし、経済的側面からも企業を誘致して雇用を増やすことまでを含めた、大きく云えば「交流の拡大」をめざすことにあります。

三つ目の目標は、50年前から人口が増えて今日に至る間に建設した学校や公民館等の公共施設をはじめ、道路、公園、上下水道等の都市インフラが更新の時期を迎えています。このような市を子や孫の世代に残していくために、まち全体の「新陳代謝」を図っていくことにあります。

この戦略的目標を念頭に入れ、個別の課題として、待機児童、済生会病院の移転 阪急長岡天神駅周辺のまちづくり、道の駅的施設、庁舎建て替え等の問題を抱えていることを皆さんも共有していただき議論を進めたいと思います。

質疑応答・意見交換

〈質問者〉

・市役所庁舎の建て替えの現状と庁舎前の跡地利用について教えて欲しい。

〈市長〉

・市役所庁舎については、現行の道路北側敷地と南側の旧開田保育所の跡地一帯の活用をいかに有効利用するかであります。市役所は古い建物で庁舎内が狭く、分庁舎を設けて庁舎が分散しており、建て増しによる階段の段差もありバリアフリーでなく、最も重大な耐震性が担保されていない状態であります。耐震補強ができないか調査をしましたが、今以上に庁舎のスペースが狭くなり建て替えすることとしました。

新庁舎は、市中心部の位置で駅にも近くバスの路線も多くある現在の場所で建て替えをすることとし、建て替えに際しては行政機能だけではなく、市の中心市街地であることから市民にとっても利便性がよく、市民の方々の交流が生まれたり、賑わいに繋がることを基本コンセプトに検討しました。

さまざまなパターンを検討しましたが、今の場所で執務しつつ建て替えするのは難しく、庁舎建設に約80億円かかる中で仮設方式を採用すると余分に約10億円を要するため、財政的にも厳しく効率が悪いので行わないことに決め、時間はかかりますが工期を二期に分けることとしました。

具体的には、京都信用金庫の土地と旧開田保育所の一部とを等価交換しました。道路の南側に京都信用金庫が新築された後、1期目工事として、取り壊された京都信用金庫と現在の市役所前駐車場の一部の場所に4階から5階建の庁舎を建設します。そこに窓口・手続機能や相談機能を低層階に集めて、最上階に議会関係を設け、中間階にその他の部署を配置することを検討しています。工事期間は、平成31年頃に着手して34年で完了させる予定です。

公共施設で古くなりいずれ建て替えが必要となる産業文化会館や保健センタ-は、その場所でそれぞれ建て替えれば建設コストやランニングコストが嵩むことから、一期目の新庁舎の北側に2期工事として8階建ての庁舎を建てることにより、産業文化会館の機能と保健センターの機能を低層階に配置し、その上に市役所機能の部署や会議室を設けて、現在の職員数から考えられる平均的な執務スペースである16,000㎡は確保できると見込んでいます。工事期間は、平成37年頃の完了の予定でスケジュールを進めています

市民広場は、現在の駐車場の一部に設ける考えですが、一期目での新庁舎の階数が4階にするか5階にするかで市民広場の面積が異なります。市民も参画されている検討委員会では、できる限り広い広場を確保して欲しいとの声があり現在検討しているところであります。

駐車場は、二期工事完了までの間、駐車スペースがなくなるため、37年度までは南側の土地に仮設を造るか議論をしているところです。その後は、庁舎建設費用に約80億円の投資をすることから定期借地権を設けて民間に活用して土地収入を得る考えを持っています。

今年の取り組みとしては、建設設計業者からプロポーザルで提案を受けてよりよい計画にしていく予定であります。

〈質問者〉

・以前に一期目の建物をより高くして最上階に食堂や展望台を設けて観光客の呼び込みをしてはと意見したが、どのようになったか。

〈市長〉

・現時点で決まっているのは最低限の床面積を確保しただけのものであります。

昨年度には4つのパターンを検討しました。工期が最も早くできるのは、京信の土地と市役所の駐車場に10階の建物を建てることだったのですが、アゼリア通り近くにその高さの建物を建設すると圧迫感があり、またその北側に市民広場を位置すると広場が暗く日が当たらない状況になるため取りやめました。

そこで、アゼリア通り沿いには低層の建物をその奥の北側に高層を建てる案で進めています。議会や市民の声を聴くと、奥側の庁舎は必要性があれば高くしても良いとの意見が多くあり、二期目に着手する庁舎の最上階の利活用について、展望フロアとしてカフェやレストラン棟の商業的機能を入れて地域に賑わいをもたらすのであれば一つの選択肢であると思っており、今年実施するプロポーザルの提案に入ってくると考えています。

 

〈質問者〉

・二期工事の庁舎の裏側のスペースが空いていると思うが、庁舎をもう少し高くするか縦長にする等して広場を広くする方法はないのか。

・地下利用されないのか。また、費用に市債を出すのか借入するのか

〈市長〉

・一期工事での庁舎では、現本庁舎の南棟及び東棟の一部しか確保ができないことや駐車場等の確保の問題があります。

・地下の利用も考えています。地下駐車場にすると概算で6億5千万円かかり、広さをどの程度にするかも検討中です。地震に強い建物とするためには免震構造として地下にもスペースが必要だと云われています。

 財源の件では建設等に概算80億から100億円が必要で、現在そのための貯金は約20億円で、残りは起債で賄おうとしています。市役所は公平性の面からも世代間バランスの観点からも、将来の市民の方にも建設費の負担をしていただきたいと思っています。仮に、80億円とした場合は残り60億円を30年償還にすれば毎年2~3億円の返済が生じることになります。平成33年頃には市の大型プロジェクトであったJR長岡京駅西口再開発の借金返済が完了できるので、その分を使えるとも考えています。

 

〈質問者〉

・庁舎建て替えに伴いアゼリア通りも道路の幅員が少し広くなるのか。

〈市長〉

・現在の市の都市計画では、アゼリア通りは将来的にも2車線のままで、市の東西の主要幹線であるJR長岡京駅前線は順次4車線化していく予定です。

歩道は現在の京都信用金庫の前部分も建て替え完成時にはセットバックして広げていく方向であります。また、狭い歩道の一因となっている電柱については、地中化して少しでも広くしたいとの思いを持っています。

 

 

〈質問者〉

・済生会病院の移転問題が出ているが、乙訓地区の医療のためにも必要だと思うがどうか。

・将来の人口減少により小学校や中学校が統廃合されて不要になった場合にそこに建設されることはないのか。

〈市長〉

・医療機関は市民の安心安全の根幹をなすもので、現在の済生会病院は市が誘致してきたものですが、築35年ほどになります。病院は一区切り30年で建て替えが必要と云われ、医療技術の進歩や設備の老朽化への対応も厳しく、また駅から少し離れた場所で診療しながら建て替えを行うことは、手狭でもあり難しい問題も多くあります。

 病院は多くの人が利用される施設であり、駅に近い立地条件の良い場所への移転はコスト的にも都合が良いと思われているが、12,000㎡もの場所の候補地としては、西山天王山駅付近で下海印寺地区の22人の地権者が所有されている下海印寺区画整理事業地を考えておられます。

 現在、地元地権者と病院が協定を結び、病院側が購入するという交渉をされているところである。

病院側では平成33年頃の移転を目標にされているが、民民間の交渉協議のため、市ができることは地域医療のために病院の機能等に関して一定の支援をしなければならないと思っています。

・当面の間、小中学校を統廃合する余裕はありません。20数年後以降の遠い将来には統廃合は生じるかもしれないが、現実的ではないと思います。

〈質問者〉

・竹寿苑は、府立向日が丘支援学校の建て替えと同時期に移転するという状況についてはどうですか。

〈市長〉

・竹寿苑は相当老朽化してきており、建て替えについて以前に長岡京市多世代交流ふれあいセンターの駐車場部分に移転する設計図を描いていましたが、竹寿苑の利用者から移転先が坂の上であり、現行の利用者の6割が徒歩または自転車で来られているとの意見から、一度立ち止り計画をリセットしました。

そのときに、竹寿苑の近くにある京都府立向日が丘支援学校も府下では最も古く築50年が経ち、府が建て替えを考えられていることを把握しました。現在、府の南部では宇治市、八幡市、井手町にエレベーターを備えた支援学校が建設されています。肢体不自由の人が利用されている現在の学校は平屋建てですが、現在の建築方法では通常の学校校舎と同様の建て方が可能であることから、建て替えても現敷地内に余裕ができることもわかりました。

そこで、府と話をして土地の一部を提供してもらい、市が共生型施設として竹寿苑の移転とともに高齢者施設を一体的に整備することとしました。府とはまだ最終的な合意には至っておらず、府の工事が少し遅れて4~5年先の移転になる状況でありますが、今年度は構想を作り次年度以降に具体的に進めて行こうと計画しています。

 

〈質問者〉

・労働人口が増えているとの説明であったが市内にある大企業への就業者が増えているのか、京都市周辺にある市の立地条件により増えているのか。

〈市長〉

・30歳代から40歳代の子育て世代が増えてきていますが、その要因を正確に分析することは難しく実感としては本市を選ばれた人が多いと思います。最近の状況としては、市内の大手企業就業者の居住地も本市近辺の市町に住んでいる人の方が多いと聞いています。

 

〈質問者〉

・高齢者になっても働きたい人が増えてきているが、ITデバイドというかパソコンの技術を習得させるための教育を市としても取り組んではどうか。

〈市長〉

・高齢化社会となり、今後、高齢者が増えてくると正比例的に介護を要する人が増えてきて、特別養護老人ホーム等の施設も必要になってきます。その状況になると市は給付費が増加して介護保険料も上昇してきます。介護保険制度が発足したときの保険料は2,910円であったが3年ごとの最新では5,996円となり、今春も見直しの時期となってきます。保険料や給付費の上昇に少しでも歯止めをかけるためにも、高齢者が元気に歳をとる仕組みや環境をいかに確保するかが大切です。

退職されている方も現役時代に得られた知識やスキルを地域で発揮していただきたいと思っています。例えば、すでに小学校におけるすくすく教室の講師や中学校での学習サポーターとして活躍されているように、高齢者が参加や活用していただく機会を市全体で設けていきたいし、また、さまざま場所等で生涯教育できる環境も考えていきたいと思います。

 

〈質問者〉

・ガラシャ祭りは定着してきているが、大河ドラマの誘致はいつ頃になるのか。また、春の高校野球選抜に地元の高校が選ばれそうだが、市ができる応援はどのようなものがあるのか。

〈市長〉

・大河ドラマの誘致を始めてから10年程になるが、毎年NHKに府内の関係市町村長等一緒に粘り強く誘致活動を行っていきます。交流の拡大との関連で云えばまさに観光戦略であり、今から観光客が訪れる環境や対応への取り組みをしていきたいと思います。

もう少し経つと正式発表となり、選抜される可能性は大きいです。今年は乙訓の名前の由来となった弟国の宮が継体天皇により角宮神社の近くに遷都して1500年目にあたり、今年は全国にPRするのに最適な年であります。市としてはどのような応援ができるが検討中ですが、最大限に日程を調整して応援に馳せ参じたいと思っています。

 

〈質問者〉

・待機児童の件は、地域活性化と大いに関連があると思うが現状はどうか。また市長として長岡京市をどのようなまちにしたいかを説明していただきたい。

〈市長〉

・本市は就学前の乳幼児の数が減っていない現状で、今年も年度当初から60名ほどの待機児童が出ています。市の対策としては、神足保育所を増築して60名ほど定員数を増やすとともに、平成31年の春には、新田保育所を長六小の中に新築移転して60名ほど確保していきます。また、民間保育園の参入として、昨年、西山井ノ内保育園が60名規模で開園され、今春には調子地域で70名規模のひまわり保育園ができる予定です。

昔は幼稚園に通わせていた方が65%くらいと多く、保育所は35%でしたが、現在では55%と45%くらいで保育ニーズが高まっており、来年くらいまでには待機児童ゼロをめざしていきたいと思っています。

最近、国が幼稚園と保育所の無償化の政策を打ち出しており、需要と供給の関係から保育ニーズも増えるかもしれないが、保育所の入所希望は予測できない状況でもあります。

2点目のどんなまちにしたいかは、「暮らしやすいまちにしたい」がなによりも大事であると思っています。子育て世代への対策をしっかり行い、現在の小中学校における教育水準の高さを維持し、高齢者にも安心安全となる医療の水準を求めて、市内の公共交通網の充実を行うなどで徹底的に暮らし安さを追求していくまちにしたいと思っています。

 

〈司会進行〉

・時間になりましたので、これで終了とさせていただきます。

 

 

 

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