市長と語る“対話のわ” 令和元年6月15日(土曜日)
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令和元年6月15日 時事問題研究会
日時
令和元年6月15日(土曜日)午後2時30分から
場所
中央公民館 学習室
テーマ
これからの長岡京市について
参加者
15名
対話録(要旨)
<市長>
足元の悪い中お集まりいただき、また、こうした機会を設けていただき感謝申し上げます。
1月に選挙があり、2期目の市政を担わせていただくことになった。1期目より戦略目標として掲げているのが、「定住促進」「交流拡大」「新陳代謝」。2期目の4年間は事業の計画を実行に移していく段階と思っている。まず、最新の状況をお話しさせていただいたうえで、皆さんのご意見を頂戴していきたい。
1.市役所庁舎の建替え
工事は、まず1期目、5階建ての庁舎建設。その後、新庁舎に引っ越し後、現庁舎の南棟、東棟の一部を解体。2期目、8階建ての庁舎建設。アゼリア通り側に、イベントや災害時にも利用できる市民広場を設ける。ワークショップ等では市民広場をできるだけ広くとってほしいというご意見を多くいただいた。
2期目の庁舎に、老朽化している産業文化会館と保健センターの機能を入れていく予定。
仮設庁舎を作らずに移転ができることは大きなメリット。10億円以上のコストダウン。ただし、工期は長くなる。
来年度から着工、令和7年に完成予定。耐震化等、積年の課題であった事業にいよいよ着手する。
2.阪急長岡天神駅周辺のまちづくり
以前から長岡京市の大きな課題として指摘されていた阪急長岡天神駅周辺のまちづくり。
まず、地権者のみなさんがまちづくり協議会設立。29年度末に基本構想策定していただいた。そして、今年3月には市、阪急電鉄、京都府、自治会長会の代表などで構成された基本計画策定委員会が基本計画をまとめた。
昭和32年になされた都市計画決定では道路が線路の上を超えるというもので、それがずっと活きていたが、今回、道路ではなく、線路が上を超える立体交差が望ましいという計画になった。東西に駅前広場を作り、広場に至るアクセス道路を整備する。全体の土地利用ということで、店舗、住宅が混在している現状を、最終的には駅周辺の商業機能を果たすエリアと住宅エリアをわける計画。
現在は、地権者、所有者の方に計画に対する意見交換をして、計画をつめているところ。また、都市計画の変更作業も必要。最短でも20年はかかる事業。先の事業ではあるが、今回この計画ができたことは大きな一歩を踏み出せたと思っている。
3.健幸長寿プラン2025
2025年には団塊の世代が後期高齢者になる。そうなったときに介護や医療の資源が足りなくなるのではないかと、2025年問題として指摘されている。最近は団塊ジュニアが後期高齢者になる2040年問題というのも言われている。
高齢者数が増えてくると、介護認定者数が増える。介護に係る費用が増えると、介護保険料も増える。この状況を見越してどれだけ安心安全の基盤を築けるか。
まず第一に、健康に元気に年を重ねてもらえる環境作りに全力を尽くし、それでも、介護や医療が必要になったときの安心安全の基盤も整えていく。ずっと元気に活動していただけるために、福祉という枠組みを越えて全庁をあげて取り組んでいる。
4.済生会病院の移転
単に建物が古くなってきたので建て替えるということ以上に、より高い地域医療の提供、災害時の医療拠点、周産期・小児医療の機能確保、専門的な医療や保健サービス等中核病院としての機能の充実が大きな目標となっている。
基本は急性期病院であるが、この地域で不足している、急性期を過ぎた後のリハビリ機能を持った病院としての整備を申し上げてきた。
場所は、西山天王山駅近く。2022年度にはなんとか竣工・移転したいという計画で進んでいる。
市としては、現済生会病院解体後、その跡地を売却し、今回の移転に対して支援していく予定。
5.安心安全見守りネットワーク
防犯カメラを、通学路中心に212台設置する。そこにビーコン受信機をつけ、子どもたちが持っているICタグ(みまもるめ)で居場所確認できるようになる。子どもだけでなく、認知症による徘徊者の早期発見にもつながる。
設置場所は、警察から犯罪情報をいただきながら選定し、自治会とも話をし、今年夏頃にはすべて稼働開始予定。
防犯カメラは、決して監視するものではなく、市役所が集約しているデータを、警察からの要請があった場合等、法による手続きや生命の危険がある場合にのみ利用する。市の職員でも簡単に映像がみられるわけではない。
【質疑応答・意見交換】
<参加者>
長岡天神駅周辺のまちづくり、これまで着手されなかったのはなぜか。
<市 長>
昭和32年に都市計画決定がなされてからこれまでの間に、JR長岡京駅前再開発事業、第二外環状道路といった大きな事業があった。限られた財源、職員で複数の事業を同時に進めていくことは難しい。結果として、長岡天神駅周辺が手つかずであったということだと思っている。
<参加者>
ふるさと納税の返礼品に、筍やサントリービールをうまく使えばよいのではないか。
<市 長>
筍農家は、出荷先が決まっているところが多い。返礼品として出す以上は、希望を受けて確実に返さなくてはいけない中で、筍はシーズンが限られてしまっている。
平成28年から、ふるさと納税は「寄附」であるとの精神に立ち戻り、返礼品ではなく、いただいたお金は3つのプロジェクトのために使うという目的をはっきりさせて、ふるさと納税をお願いしたところ、寄付額は着実に増えている。ただし、次回の大河ドラマに合わせて、今年秋ごろから期間限定で、市内業者から特産品を提供していただき、それを返礼品として打ち出していくことを考えている。
<参加者>
人口を増やすような再開発ができないか。
新庁舎の最上階に展望台やレストランを作ってはどうか。
埋蔵文化財調査センターや中山修一記念館を、再開発地域に「歴史館」として移設されてはどうか。
長岡京駅~淀駅のバスの本数が少ない。その間を結ぶ鉄道ができないか。
<市 長>
新庁舎に、展望スペースはできる。展望レストランは、他市で苦戦されている。1階ににぎわいスペースを設ける予定で、市民広場で人が滞留し、周辺のにぎわいにつながればと考えている。
また、新庁舎1階か2階に、歴史資料室のようなスペースを設けたいと考えている。
阪急と京阪が一番近づくのは長岡京だが、ネックになるのは桂川。夢のある話だが、なかなか実現は難しい。
もちろん人口を増やせればとは思うが、現実的には、いかに人口を維持するかが大事になる。そのために、長岡京市を選んでいただけるように、子育て支援施策等、魅力あるまちづくりをしていかなければならない。
<参加者>
市内で同じ目的を持った団体・組織の連携を働きかけられないか。たとえば「福祉・医療」でもいろいろな立場・職種の人がいる。それぞれの分野で一生懸命がんばっておられるのはわかるのだが、どこかで境界線があるように感じる。そのような境界線をとっぱらうための、連携が取れる仕掛けを行政がつくってほしい。
<市 長>
最近、地域包括ケアということがよく言われている。医療・介護・福祉の垣根を越えて、一体となってそれぞれの個人をどうサポートするかという連携をすすめていくというもの。それがうまくいっているところ、うまくいっていないところがあるというのが、今ご指摘いただいたところではないかと思う。
ほとんどの方は自宅で最期を迎えたいと思っているが、7割くらいの方は病院で最後を迎える。在宅での生活を支えるため、医療や介護、福祉が一体となって取り組む体制が必要。
乙訓地域は、乙訓医師会がかなり以前から熱心に在宅医療に取り組まれており、地域包括ケアに近いものはできているのではないか。しかし、ご指摘のとおり、どこが窓口かわかりにくいというのはある。市や地域包括センターが仕組みづくりしていく必要がある。
<参加者>
福祉以外の分野でも、連携し、窓口をひとつにしてほしい。
<市 長>
ひとつの部署にまとめてしまうことは難しい。組織だけで考えるのではなく、横の連携や情報の共有をマネジメントしていくのも市長の仕事だと思っている。
<参加者>
自動車のための表示はたくさんあるが、歩行者のための方向表示がない。たとえば西山天王山駅の歩行者用の高架橋に「右に行けば奥海印寺」というような表示ができないか。
自動車専用道路の手前の歩道に、「ここで歩道終わり」の表示がない。
<市 長>
西山天王山駅のペデストリアンデッキの表示、たしかに初めての方にはわかりにくいかもしれない。表示について、できるかどうか検討したい。
「歩道の終わり」については、場所や状況を確認したい。
ご意見・ご質問への回答
「対話のわ」でいただいたご意見のうち、当日市長がお答えしているものは、議事録に掲載していますが、当日お答えできなかったものや後日調査したものについて、調査の結果や進捗状況をお知らせします。
意見・質問 | 回答 |
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自動車のための表示はたくさんあるが、歩行者のための方向表示がない。たとえば西山天王山駅の歩行者用の高架橋に「右に行けば奥海印寺」というような表示ができないか。 | 担当課に確認したところ、該当部分は、京都府の管轄でしたので、看板等の設置について京都府に検討を依頼しました。 |