市長と語る“対話のわ” 令和元年10月1日(火曜日)
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令和元年10月1日(火曜日)自治功労者
日時
令和元年10月1日(火曜日)午後2時30分から
場所
長岡京市役所 大会議室A
テーマ
これからの長岡京市
参加者
11名
対話録(要旨)
<市 長>
先ほどの自治記念式典に引き続き、貴重なお時間を頂戴し、感謝申し上げます。
まず、最新の状況をお話しさせていただいたうえで、皆さんのご意見を頂戴していきたい。
1.市役所庁舎の建替え
工事は、2期にわけて建て替える。まず1期目、5階建ての庁舎建設。その後、新庁舎に引っ越し後、現庁舎の南棟、東棟の一部を解体。2期目、8階建ての庁舎建設。アゼリア通り側に、イベントや災害時にも利用できる市民広場を設ける。ワークショップ等では市民広場をできるだけ広くとってほしいというご意見を多くいただいた。
2期目の庁舎に、老朽化している産業文化会館と保健センターの機能を入れていく予定。
仮設庁舎を作らずに移転ができることは大きなメリット。10億円以上のコストダウン。ただし、工期は長くなる。
来年度から着工、令和7年に完成予定。耐震化等、積年の課題であった事業にいよいよ着手する。
懸念材料があるとすれば、東京オリンピックや震災の復興工事で多忙な建設業界で、複数年の工事を請けてくれる工事業者があるかどうか。
費用については、熊本地震きっかけにできた国の有利な起債事業があるので、活用したい。
2.阪急長岡天神駅周辺のまちづくり
以前から長岡京市の大きな課題として指摘されていた阪急長岡天神駅周辺のまちづくり。
まず、地権者のみなさんがまちづくり協議会設立。平成29年度末に基本構想策定していただいた。そして、今年3月には市、阪急電鉄、京都府、自治会長会の代表などで構成された基本計画策定委員会が基本計画をまとめた。
昭和32年になされた都市計画決定では道路が線路の上を超えるというもので、それがずっと活きていたが、今回、道路ではなく、線路が上を超える立体交差が望ましいという計画になった。阪急電鉄、京都府、市で工事方法を協議している段階である。東西に駅前広場を作り、広場に至るアクセス道路を整備する。全体の土地利用ということで、店舗、住宅が混在している現状を、最終的には駅周辺の商業機能を果たすエリアと住宅エリアをわける計画。
現在は、地権者、所有者の方に計画に対する意見交換をして、計画をつめているところ。また、都市計画の変更作業も必要。最短でも20年はかかる事業。先の事業ではあるが、今回この計画ができたことは大きな一歩を踏み出せたと思っている。
3.済生会京都府病院の移転
長岡京市では、これからの医療体制について、約2年かけて地域医療ビジョンを策定した。済生会病院には、より高い地域医療の提供、災害時の医療拠点、周産期・小児医療の機能確保、専門的な医療や保健サービス等中核病院としての機能を果たしていただきたいとお願いしている。
場所は、西山天王山駅近く。2022年度にはなんとか竣工・移転したいという計画で進んでいる。現在、済生会本部での審査を受けておられるところ。
市としては、これまで土地を無償でお貸ししてきたのと同等程度の支援をしていく予定。駅の周辺に公共的機能を集約し、街の効率化を図るというコンパクトシティの推進に対する国の補助金を活用し、支援の枠組みに充てたい。
4.共生型福祉施設
築50年を迎えた向日が丘支援学校、肢体不自由児のための学校としてスタートしたため、広大な土地に平屋建てであるが、老朽化のため建替えが必要。府内の他の支援学校では、エレベーターを設置した3~4階建てが主流となっており、向日が丘も建替えの際には平屋である必要はなくなる。
そこで余ってくる土地を活用して、必要とされているいろいろなニーズを取り込めないかというのが始まりで、同じく老朽化している竹寿苑や、児童発達支援センター、地域生活支援拠点も含めて、教育・福祉の拠点となる施設を検討している。
府が設計しており、まだ6~7年かかる見込みだが、もう少し短縮できないかと府や府教育委員会と協議しているところである。
【対話:参加者から出た主な意見】
<参加者>
新庁舎建設について、高さ制限との整合性をどう図るのか。また、公共減歩の問題が地域住民の一番の関心事である。
竹寿苑について、国庫補助の見通しはどうなっているか。
<市 長>
高さ制限については、最終的には用途地域の見直しをさせていただいた。御陵山崎線の4車線化が進んできたエリアから高さ制限の見直しを進めている。できるだけアゼリア通りに圧迫感をあたえないように検討した結果、お示ししたようなしつらえになった。
阪急駅前の公共減歩については、まだはっきりしない部分が多い。しかし、開田保育所、新田保育所や産業文化会館の跡地は駅前整備する中での移転候補地となると見込んでいる。公共施設再編整備を進める中で、できる限り使える土地を生み出しやっていくということも、減歩率を抑えることにつながるのではないかと考えている。
竹寿苑そのものは直営を想定しているが、共生型機能の部分は民間による運営を原則に考えているので、相当国庫補助がつく。できるだけ民間に運営していただくのが、財政面ではよいのではないか。
<参加者>
埋蔵文化センターへのアクセスがよくない。また、膨大な資料はどうするのか。
広報紙の裏面に掲載されていた歴史特集を子ども達の学習資料にはされてはいかがか。
<市 長>
以前、ふるさと資料館構想というのがあった。しかし、単独で作るのは場所的にも費用的にも難しい。収集機能と展示機能を分けて、新庁舎の中で展示機能のスペースを確保する予定。紙資料の保存スペースも新庁舎に確保する予定だが、増え続ける資料をどうするかは悩ましい問題。
広報紙の歴史特集については、よいご提案をいただきありがとうございます。検討させていただきたい。
<参加者>
ソフト面のことでお聞きしたい。自宅で高齢者サロンを開いているが、みなさん喜んで来てくださっている。少子高齢化が進み単身世帯が増えていく中で、毎日みんなと過ごして元気でいられるように、歩いて行けるところに「居場所」があることが大切だと思う。
<市 長>
おっしゃるとおりである。市では健幸長寿プランを作成した。とりまとめは高齢介護課だが、市全体の事業が書かれている。例えば自治会やみどりのサポーター、支えているのはこの世代。2025年~2030年くらいまでの間、どのように高齢者を支えていくか。元気に歳を重ねていただくためには、サロンや出かける先をつくっていかなければならない。活躍できる場をどれだけ増やしていけるかが、2025年問題を乗り越えていくうえで何よりも大事。あったかふれあいセンターのような大きな規模で作っていくというよりも、もっと身近な自治会くらいの単位で居場所を作っていくことが大切だと考えている。ご協力いただけたらありがたい。
<参加者>
児童虐待の問題。国レベルでは児童虐待防止法があるが、舞鶴市が全国に先駆けて、具体的な条例を制定した。長岡京市でも条例化できないか。
市内で、子ども食堂などの食に対する支援はされているのか。
<市 長>
本市でも事件以後、児童相談所を所管する府とともに支援強化してきた。個々のケースに寄り添って丁寧に支援している。
また、例えば、子ども食堂「みんなのポケット」に、「長岡京フードバンク」という団体が賞味期限切れかけの食材を届けて、食事を作って提供する取り組みされている。これからもそのような取り組み増やしていきたい。
<参加者>
情報格差を心配している。市民への情報提供のあり方について考えていただきたい。
広報紙のページ数が増え、全カラーなので、どこが大事な記事なのかわかりにくい。
情報機器を使いこなせている市民がどれくらいいるのか把握してほしい。また、市職員は市長と同じレベルで使いこなせているのか。
<市 長>
広報紙、これまで月2回だったものを月1回にしたため、情報量が増えている。ただ、広報紙リニューアルしてからお褒めの言葉もいただき、一定の評価はいただいている。若い世代には好評。しかし、できるだけ広い世代に伝えていくため、最大公約数はどこかを探りながらやっていかないといけない。
情報を伝えるために、アプリやFMおとくに等、メディアの多様化をしていきたい。
<参加者>
固定の番組だけでも、広報紙にFMおとくにの番組表を掲載してはどうか。
<市 長>
工夫しながらやっていきたい。
<参加者>
現状では、各家庭の敷地内に積まれているゴミは、行政は手を出せないと思うが、なんとか行政が仲介してもらえないか。条例化を検討してもらえないか。
市の予算の中で、維持管理費が少ないのではないか。公園や道路の維持に関する予算が少ないと感じる。
<市 長>
おっしゃるとおり予算は少ないと思う。国庫補助等うまく財源を見つけながらやっているが、すべての要望にはお応えできていない。努力はしていきたい。
ゴミの問題については、非常に難しい。個人の財産にどこまで踏み込めるか。ひとつ参考になるのが、空き家対策条例。市の条例で、法律に定める特定空き家になる手前の空き家に行政が関われるように根拠をつくった。行政が動くには根拠となる法や条例が必要。いろいろ研究したい。
<参加者>
オリンピックの聖火リレーが長岡京市を通るときに、元オリンピック選手を集めて何かイベントをしたらどうか。
<市 長>
来年5月26日に聖火リレーが長岡京市にくる。2kmを10組が走ることになるようだが、ほとんど組織委員会が決めることになっている。