第18回長岡京市廃棄物減量等推進審議会 議事要旨
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第18回長岡京市廃棄物減量等推進審議会
開催日時
令和3年3月30日(火曜日)午後2時00分~
開催場所
長岡京市役所会議室2
出席者
委員12名、事務局4名
傍聴者
0名
配布資料
(事前配布)
・次第
・資料1 平成29年3月改定版における基本計画の総括(案)
・資料2 平成29年3月改訂版 重点テーマごとの実施計画の成果と課題(案)
・資料3 ごみ処理の基本方針(案)
・資料4 新たな一般廃棄物処理基本計画の目標指標と目標値(案)
・資料5 ごみ減量のための施策(案)
・資料6 長岡京市一般廃棄物処理基本計画策定工程表
・資料7 一般廃棄物増減比較(2月分速報値)
会議次第
1.案件
(1)次期長岡京市一般廃棄物処理基本計画の策定
資料1に基づいて、説明を行う。
主な内容については、次のとおりである。
〇一般廃棄物基本計画(平成29年3月改訂版)の総括を行った。
<1>基本方針・目標値を基に下記の施策を行った。
・市民が古紙類を出しやすい拠点回収場所を提供した。
・保育所や小中学校の調理くずを飼料化したものを菜園で活用した。
・3010運動のポスターを事業者へ配布した。
・フードバンク長岡京を支援し、月1回のフードドライブを開催できる環境を整えた。
・令和3年2月より、手数料を付加しない半透明のごみ袋での指定ごみ袋制度を導入した。
<2>計画の効果としては、下記のとおりである。
ごみの総量:平成17年度24,830tに対して9.9%減の22,382t
再生利用率:平成17年度16%に対して、-2.3%の13.7%
最終処分量:平成17年度3,820tに対して283t減の3,537t
資料2に基づいて説明を行う。
主な内容は次のとおりである。
〇前計画のごみ減量の施策の重点テーマごとの実施計画について、成果と課題をまとめた。
・「紙ごみの削減」については、成果は拠点回収場所登録制度を開始し古紙回収に出しやすい環境を整備した。また環境団体と共催でリユース品販売のイベントを行い二酸化炭素の削減に取り組んだ。課題は拠点回収の登録団体数の増加・日時の拡充や回収品目の雑がみの追加などがある。
・「厨芥類の削減」については、成果は給食調理くずのリサイクルを開始し、全ての保育所・小中学校で導入できた。またフードドライブを市役所で月一回開催できる環境を整えた。課題は食品ロスの観点から市民への食品リサイクルの取組の周知啓発がある。
・「環境に優しい人の育成」については、成果は公立の全ての小学校・保育所において、ごみ問題等についての出前授業を行った。また小学4年生が環境への想いを描いた絵を長岡中央商店街振興組合との共催で塵芥車に描写したり、環境フェアで啓発した。課題は出前授業の民間保育所や幼稚園等への拡充がある。
・「ごみ袋の見直し」については、成果は令和3年2月から手数料を付加しない半透明のごみ袋による指定ごみ袋制度を開始した。課題は指定ごみ袋制度の完全定着のための引き続きの周知が必要である。
・「災害廃棄物の処理」については、成果は令和2年3月に「災害廃棄物処理計画」を策定した。課題は仮置き場について府や国との引き続きの協議を行う必要がある。
【質疑】
会長:
拠点回収の登録が減っている理由は何か。
事務局:
回収場所が戸別収集・個人宅前等の増加が挙げられる。今後は増やしていきたい。
各団体の登録への理解は難しいが、引き続き協力を御願いする。
会長:
一旦は登録したが、戸別収集のため取り下げられたという意味か。
事務局:
子ども会の代表は毎年変わられることもあり、プライバシー面の意見や引継ぎ不足のため、登録を取り下げられる場合もあるので、事務局としてはより丁寧な説明をしていきながら拡大していきたい。
会長:
資源ごみの団体登録は毎年必要か。
事務局:
補助金の関係で、必要である。
委員:
古着の回収は減ってきているのか。
事務局:
実際にやめているという声も聴くが、その一方で復活しているという話も聞く。
会長:
古着は海外へ輸出していると聞くがどうか。
事務局:
コロナ禍の関係で、輸出が止まっていると聞く。
委員:
私の地域では6月から再開ときいている。
事務局:
業者によって買取値段もばらつきがある。
回収業者にも働きかけは必要なので、引き続き調査を続けていく。
委員:
コロナ禍のためリユースのイベントもなくなっているので、再開するにはコロナの流行が収まることがまず必要か。
委員:
雑がみと古紙の区別が難しい。可燃ごみに雑がみを入れてしまいがちになる。
事務局:
以前はその他古紙の中に雑がみが含まれていた。雑がみの捨て方についてはごみ減量のしおりに掲載している。ただし、長岡京市の雑がみを回収する業者は4割ほどである。今後は雑がみを回収できる業者を増やしていくのと同時に団体登録も増やしていきたい。
会長:
市役所では、紙のシュレッダーごみの処分はしているか。
事務局:
溶解処理のみである。
会長:
せっかく市役所で古紙回収をされているので、個人レベルの機密文書等のシュレッダーごみを回収する仕組みは作ってみてはどうか。あくまで提案の一つである。
委員:
日記などプライベートなものは古紙回収に出すのは抵抗がある。
委員:
回収業者に尋ねると、kgあたり雑がみ・雑誌2円、新聞5円、ダンボール4円、古繊維5円と聞いた。私の自治会は雑がみが良く出るようになった。
委員:
資料の中で「フードバンク活動の支援」とあるが、補足説明をすると、最近はコロナの影響でイベントでの活動は減っており、利用者として生活困窮者が増えているので、社会福祉協議会とも協力して運営している。
会長:
その取り組みは、スーパーと協力して活動しているか。
委員:
店頭を借りて活動しており、店舗からの提供もある。
会長:
小売店からの提供があるのはよい傾向である。現在進展しているようでよかった。
委員:
「3010運動の展開」で小売店との協力で10日・30日を安売りの日とするとあるが、協力店はあるのか。
事務局:
現在はない。スーパーによっては賞味期限が近い商品のワゴンセールは最近見かけるようになってきた。
<休憩>
(2)指定ごみ袋制度導入後における現況報告を一旦先に話す。
資料7に基づいて説明する。
・指定ごみ袋制度は2月1日から開始しており、開始時おおむね9割の方々が指定ごみ袋で出されていた。一部新聞・ダンボールが指定袋の中に入れている状況もしくはむきだしで出されていた。指定ごみ袋以外の排出については注意シールを貼るなどの啓発に努めている。
・2月の家庭からの可燃ごみ量は前年911tに対し、今年809tと約100t減である。一方、資源物全体の量はコロナの影響も考えられるが増である。月ごとの可燃ごみの量については、広報に定期掲載する予定である。
・向日市・大山崎町が指定ごみ袋制度を開始する。それに伴い、袋のサイズのミニを追加する予定である。販売時期は夏ごろを予定している。ミニサイズは取っ手付きのデザインとなる。
・大きいサイズの取っ手付きも要望があるが、コストがかかることや実際の容量は結び目をつくる部分を想定しているので、平型を採用している。
【質疑】
委員:
45Lの袋が固いため、結びにくいとの声を聞く。
事務局:
指定ごみ袋は破れないことが最重要視されている。以前使われていた黒い袋等は伸びる素材であった。現在流通のものが最善であると考える。袋の固さは袋の丈夫さを示す。工夫として、袋の中身が八分目でくくるのが結びやすい。
袋の排出状況は直前までは黒だったが、開始時見事に切り替わった。これは市民の取組の成果だといえる。
次第の順序と入れ替えて先に指定ごみ袋の現況報告を説明した理由は、今回策定する計画は指定ごみ袋制度開始以後の計画になるからである。制度開始後、可燃ごみとしてむきだしのダンボール等を回収しなくなったことや、中身の見える化によって課題が顕在化してきた。対応した取組は今後も強化していく。
委員:
資料7について、資源物全体の量がもっと増えると思っていた。
このデータの中に紙類は入ってないのか。
事務局:
入っていない。
委員:
指定ごみ袋制度の影響で、古紙回収の量がどう変動するか注目している。
事務局:
ある子ども会の2月の古紙回収の量はすごく伸びたと聞く。
2月のデータのみなので、あくまでも参考としてみてほしい。
会長:
3月からの前年同月の比較はコロナの影響により単純にはできないので、過去5年のデータの平均から比較するなどの工夫をしてほしい。
委員:
京都の大原野で、休日にも開いている古紙回収の施設を見た。長岡京市では同様にできないのか。
事務局:
次年度以降古紙回収の取組の強化を進める予定である。場所の問題があるが、月1回程度日曜に市役所を開けようかと考えている。また公園・自治会館などに出向いての回収も検討している。本来は分別収集の場所で回収したいが、場所を圧迫するので、違う形で調整・検討していきたい。
委員:
ぜひ進めていただきたい。
事務局:
古着の回収については今後検討していく。
会長:
ファッション業界では、『エシカルファッション』という、環境だけでなく生産者のことも考える取り組みも出てきている。上手く連携できればよい。
委員:
エコタウン事業について、自治会の総数57の内19団体の取り組みとあるが、以前はもっと多かった。最近の資源ごみの排出量は多い。各ステーションにシルバー人材センターの方は配置できないか。
事務局:
現在いくつかのステーションでシルバー人材センターの方に立ってもらっている。ルール違反の者は人がいる時間帯以外のときに来る。今年度は監視カメラを2台使って、悪質な場所は設置し観察をしている。現代人の夜型の生活スタイルへの変化など、課題はあるといえる。
委員:
朝に資源ごみのかごをセットするステーションは、どのような状態か。
事務局:
そこのごみの排出状況はよい。八条が丘などは朝セットに切り替えたことで他からの持込がなくなり、きれいになった。
委員:
自分のところもやっているが、朝セットはよいと思う。
前日に持ってこられたかごに網をかけておけば、よそからの持込は減り、夜の騒音も減る。
会長:
上手くいっている事例は広めていただきたい。
資料3・4に基づいて説明を行う。
主な内容は次のとおりである。
〇基本方針(案)について、以下の三つを掲げる。
(1) 市民、事業者、市の協働による2Rを優先した取組への転換
(2) さらなるごみ減量化と資源の有効利用を推進する環境にやさしいまちづくり
(3) 将来の環境に配慮した適正処理と効率的な事業の推進
〇新たな一般廃棄物処理基本計画の目標指標と目標値(案)について、副指標に「一人一日当たり資源化量」を新たに設定した。
主指標である「ごみの総量」「再生利用率」「最終処分量」の目標値は以下のとおりである。
ごみの総量:令和元年度比8%削減(目標値20,531t)
再生利用率:令和元年度比7.5%増(目標値21.0%)
最終処分量:令和元年度比10%削減(目標値3,189t)
【質疑】
会長:
国の目標値など、ご紹介いただきたい。
事務局:
国の目標値は、総排出量について平成30年度比で令和7年までに11%減の削減目標を掲げている。一人一日当たりの家庭系ごみ量は30.5%減の削減目標であり、リサイクル率は28%まで上げる目標としている。
京都府は令和2年までの目標数値で、総排出量・最終処分量が16.3%減、リサイクル率は18.3%まで上げる目標としている。
会長:
長岡京市の現状は国の平均よりかは少ないか。
事務局:
そのとおりである。
会長:
国はどのようなやり方で目標を実現しようとしているか。
事務局:
分からない。府の目標に関しては今年度までなので、先行きは不明である。
会長:
国は目標値の作成にトレンドを使っているのか。
事務局:
おそらくそうである。長岡京市も過去5年の実績の増減率を基にしているので、同様の方法を使っているといえる。
会長:
基本方針について、従来型の3R+適正処理を中心に考えるのか、SDGsの考え方を踏まえ温暖化や環境負荷削減の方向性など違った視点を入れるなどで切り口が変わってくるので、御意見をいただきたい。
資料5に基づいて説明を行う。
主な内容は次のとおりである。
〇以下の三つの基本コンセプトで進める。
「減らす」
可燃ごみの中の紙ごみの減量…市役所での回収日時の拡充や雑がみや古着を取り扱う団体の増加
厨芥類の減量と食品ロスの削減…給食調理くずのリサイクル事業の継続やフードドライブの支援
分かりやすく便利な情報提供…ホームページや広報の活用
「育てる」
環境教育の充実…小学校・保育所への出前授業、出前講座の実施
市民・事業者・行政との連携した取組…エコタウン活動の推進、廃棄物減量等推進員会議との連携
「考える」
環境に配慮した適正処理…「ごみ収集福祉サービス」の継続実施
3Rの推進に向けた協働・体制づくり…ごみの発生抑制商品・リサイクルのための店頭回収などの情報の紹介
【質疑】
会長:
新しい施策は何か。
事務局:
主に「考える」の部分で、環境に配慮した適正処理と3Rの推進に向けた協働・体制づくりを追加した。
会長:
逆になくなった施策は何か。
事務局:
災害廃棄物処理計画の作成についてである。
会長:
ごみ組成調査についての説明はあったか。
資料4に基づいて説明を行う。
〇組成調査の結果の内訳
家庭系 プラスチック類13.1%、紙類15.7%、繊維類3.5%
事業系 プラスチック類11.7%、紙類26.2%
【質疑】
会長:
家庭系で厨芥類が3分の1を占めており、そのうち手付かず食品が3.4%という結果は少なく感じる。例えば、製品プラスチックのリサイクルに関する法律ができれば、資源化可能物と資源化不可能物の割合も変わってくる。このようなデータも参考にしながら計画内容を考えるとよいのではないか。
委員:
基本方針案・施策案を見る中で脱炭素などの視点から鑑みるに、次の15年計画はさらに踏み込んだものを取り入れないと弱く感じる。
プラ類・紙類のさらなる減量やごみの水分の水切りなどの取組などを取り入れていく必要があるのではないかと感じる。
目標数値についてはもう少し上げてもいいのではないか。
会長:
目標を上げるためには具体的な方策が必要となってくるので、委員の皆様の御意見をいただきたい。
ちなみに食品ロスについては国の目標は2000年ベースで半分減らすことであり、可燃ごみからあと2∼3割減らす計算になる。
「プラスチック資源循環戦略」が2019年に国から出されたが、プラスチックの発生抑制25%累積で4分の1減らすとのことで、かなり大胆な目標値が出てきている。そういったことを考えたときに今までと違った思い切った取組が求められる時期ではないか。考える材料としては、組成調査のデータがある。
食品ロスについて研究しているが、冷蔵庫を上手く整理すると食品ロスを減らせる。また容器包装を減らすなど、身近なところからのアイデアを出してもらうのも一つである。
委員:
三切り運動(食べ切り・水切り・使い切り)の内、水切り運動を試した。生ごみをそのまま出す場合・ぎゅっとしぼって出す場合・天日干しで出す場合で比べると重さは100∼120gほど違い、二酸化炭素の相当な減少につながるので、こういったささいな活動が市民に浸透していけばよい。
会長:
そういった取組の実践はとても大切なことだといえる。他にもアイデアはないか。
事務局:
新しい計画にはエシカル消費などの考え方を取り入れたらよいか。
会長:
発生抑制としては、普段の生活習慣で減らしていくと同時に仕組(制度)でも減らしていく必要がある。
事務局:
前回の計画ではルールとマナーについては基本方針で触れており、今回の計画は重点テーマ【育てる】の「エコタウン活動の推進」の中で触れている。この表現の変更についてはどうか。
会長:
マスクのポイ捨て・タバコのポイ捨ては、プラスチックのポイ捨てを意味する。近年の海洋プラスチック問題を踏まえると、今までのポイ捨て対策の概念が変わってくる。身近な環境がきれいになることに加えて、地球環境を守ることにもつながってくる。そういう観点からもう一度位置づけし直して強化するのも一つの可能性である。
事務局:
今回の案についてはこれで終わりというわけではなく、さらなる肉付けは行っていく予定である。
会長:
次回に向けて情報収集しながら、アイデアを出してもらいたい。
委員:
タバコについては昔から言われている。ぜひ計画に入れてもらいたい。そして先ほどの水切りの話はうまく入れれば、主婦の共感を得られるのではないか。
会長:
計画には、環境計画との連携も考慮して温室効果ガスの削減目標についても入れてほしい。
事務局:
次回の審議会は5月の中頃を予定している。