発掘調査速報【右京第1246次調査】(市庁舎西側の調査)
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このページでは、長岡京市で行われている公共事業に伴う発掘調査の様子を、ほぼリアルタイムでご紹介します。
調査の概要
調査は新しい道路を敷設する工事に先立って実施しているものです。
予定調査期間:令和3年6月から7月まで
発掘調査の様子
令和3年6月1日【重機掘削】
令和3年6月1日、本庁舎の西側にある田んぼで発掘調査が始まりました。まずは重機で調査地全面の表土をはいでいきます。
令和3年6月8日【遺構検出】
表土をはいだ後は、遺跡がどれだけ残っているかを確認します。その際、土の色や砂粒の大きさ、石の入り具合などに注目すると、遺跡が見えてきます。さて、なにか見つかるのでしょうか。お、何か溝のようなものがありますね。
令和3年6月17日【掘り下げ】
遺構の検出の次は、その遺構の正体を明らかにすべく、遺構を掘り下げていきます。
令和3年6月24日【建物跡検出】
だんだんと、遺構の様子が見えてきました。隅が丸い四角形が見えますが、それは建物の柱跡です。方位に沿って建てられていることから、長岡京の時の建物でしょうかね。
令和3年6月30日【写真撮影】
発掘調査が結構進んできたので、一度現場全体の写真を撮ります。撮影をする前には、現場をきれいにする必要がありますが、この日はあいにくの夕立に見舞われました。この時期の現場は、天気の見極めも重要になります。
令和3年7月8日【柱穴掘り下げ】
この日は検出した柱穴について、もっと詳しく知るために、柱穴をさらに掘り下げ、断面の検出を行います。断面を観察することで、建物がいつの時点でなくなったのかがわかります。また、柱の残骸などが見つかることもあります。長岡京期の柱穴には土器が埋め込まれていることがよくあるのですが、今回も柱穴から土器が出てきました。もしかすると、柱を抜き取ったあとに儀式的な何かを、ここでしていたのかもしれませんね。
令和3年7月14日【作図】
この日は、検出した遺構を一つ一つ図化していく作業です。図化するためには、遺構の形を数値で管理できるように「割り付け」を行い、遺構を見ながら、点を拾って線をつなげていきます。また、遺構の「位置」を割り出すために、トータルステーション(略してTS)というマシンを使って、現場の座標も併せて記録していきます。機械なので、雨は勘弁してください。
令和3年7月20日【埋め戻し】
この日は、発掘調査の全工程が終わったので、現場を埋め戻していきます。6月1日から掘り始めて、ふた月ほどの期間で行われた調査でしたが、長岡京期の建物が多く確認できた調査でしたね。
今回の調査は、右京第1246次調査(長岡京市の長岡京右京域内で行われた1246回目の調査)になりますが、私たちが暮らしている長岡京市の地面の下には、まだまだ未知の長岡京や、それ以外の時代の遺跡が埋まっています。今後の調査で、新たな長岡京市の歴史が見えてくることを期待して、この現場からの速報は終了します。また、次の現場でお会いしましょう。