令和4年度第3回社会教育委員会議会議録
- ID:13341
開催日時
令和5年2月10日(金曜日) 午後2時30分から同4時20分まで
開催場所
長岡京市役所 新庁舎会議室301
出席者
社会教育委員
田中委員長、島袋副委員長、 黒田委員、瀧川委員、河原委員、小林委員、神谷委員、木和委員、奥本委員、浅野委員、齋藤委員
行政側
教育長、生涯学習課長、文化・スポーツ振興課長、文化財保存活用課長、生涯学習課長補佐、社会教育指導員
会議公開の可否
公開
傍聴者
1名
会議次第
開会
委員長あいさつ
・立春が過ぎたとはいえ、寒い中、お忙しい中、皆様にはお集まりいただきありがとうございます。日頃は社会教育の推進にご尽力いただき感謝申し上げる。
・今年度は長岡京市の市制50周年、これからの50年、未来への50年ということで節目の年度でもあった。記念式典後のシンポジウムでSDGsに関わる「環境を守る取組」などを聞いた。また、私は長岡京場所で初めて相撲を生で見せていただいた。市役所の一期工事も完了し、今日このように新庁舎で会議もさせていただいている。
・この50年、社会教育も時代と共に形を変え発展してきた。私の感覚を述べさせていただく。1つは個人の生き甲斐ややりがいがより大切にされ、それを個人に留めず地域や社会に役立てていく方向。もう1つは学校教育と家庭教育も含む社会教育が垣根を外して、子ども育てのパートナーとして存在する方向。総じて「持続可能な繋がり作り、人作り、地域作り」ということだろうか。
・長岡京市の社会教育も市民新聞やネット等からも動きがよく見えるようになったと感じている。行政がお膳立てするだけでなく、市民の力も借りての取組も多くなった。生涯学習センター、バンビオをはじめ、市民活動サポートセンターやボランティアセンター等、福祉との垣根を越えての社会活動もある。
・「学ぼう」「伝えよう」「行動しよう」と思ったときに、場が用意されていると思う。2月の市民新聞にも掲載の「助け合いとつながりのまちづくり条例」も助けにはなると思うが、ただ、これからはそう思う個人をどのように増やすかは課題である。その時に社会教育は具体的で個人の興味関心からスタートしやすいし、情報キャッチ等にもちょっと背中を押してくれる人の存在があれば始められるのではないだろうか。
・ところで、今年度の社会教育委員会議も今日で終了となるので、初めの挨拶で恐縮だが、振り返らせていただく。社会教育委員としての期間、特にこの3年間、コロナに翻弄され、十分な活動ができず、変則的な事の多い年だった。しかし、全く関わりが持てない時に比べたら「新しい生活様式」と言われる中で少しずつ動き出しているのは嬉しい。こうして対面で会議をすることもできている。
・しかし、コロナが終息したわけではなく、コロナ禍で失われた「繋がりや社会参加」について、意識がすぐに回復するとは思えない。コロナ禍で生み出された課題に対して、これから、以前にも増して関係者の努力が必要だと想像する。
・そうは言っても、私達が社会教育委員として関わらせていただいている間、長岡京市の社会教育の推進に少しでもお役に立てていたらいいなと思う次第である。皆様、いろいろ御協力ありがとうございました。
・本日は、「次年度の社会教育を進進するために」や「助成金の在り方 」について論議いただく。今後の長岡京市の社会教育推進のためにご意見をよろしくお願いしたい。また、できたての「文化財保存活用地域計画」についても教えていただけることを楽しみにしている。「学ぶ社会教育委員」として、皆様と長岡京市の文化財について研修したい。
教育長あいさつ
・令和4年度第3回社会教育委員会議を開催したところ、公私ご多用の中、ご出席を賜りありがとうございます。
・開会にあたり、一言ご挨拶を申し上げる。平素は、各地域や団体等の活動を通じ、本市社会教育の推進、地域コミュニティの活性化、生涯学習社会の実現に向けてのご支援・ご協力をいただいていることに対して、厚くお礼申し上げる。
・先日、「奈良公園の鹿は遺伝的に独自性が高いことがわかった」との報道があった。遺伝子の分析を通して、奈良公園の鹿が、紀伊半島の鹿集団から分かれたのが1000年から2000年前。そのうち、特に1400年ほど前が可能性が高いということで、それは春日大社が造営された時期にかなり近いようだ。
・研究チームの福島大学、兼子伸吾准教授は「春日大社の神は鹿に乗って常陸の国からやってきたこととされる。今も神鹿と親しまれる奈良公園の鹿が、奈良時代から守られていたことを科学的にも裏付ける成果だ。」と述べている。奈良公園には、世界遺産“古都奈良の文化財”である春日大社や東大寺、興福寺など素晴らしい遺産があるが、鹿もまた、長い年月を人々がつなぎ、大切に守ってきた遺産であると思った。今度奈良に行ったら、改めてそういう目で鹿を見てみようと思う。
・本市にも先人が残してくれた、豊かな伝統や文化、そして素晴らしい文化財がたくさんある。平成29年12月の文化審議会答申では、「多くの人々が参画し、文化財を地域の文化や経済の振興の核として、未来へ継承する方策を模索し、文化財保護制度をこれからの時代を切り拓くにふさわしいものに改めていくことが必要である」とし、国による指針等の策定、都道府県による大綱的な方針計画等の策定、市町村による保存・活用に係る計画等の策定など具体方策が示された。
・これを踏まえて文化財保護法が改正され、本市においては、昨年12月16日に「文化財保存活用地域計画」が文化庁の認定を受けた。この計画では、市民の皆さんに、本市の歴史・文化、文化財に今まで以上に関心を持ち、学び、知っていただき、市民総がかりで文化財を保存・活用し、次世代につなげていく、そうしたことを目指している。これは、「地域住民が共に学び、地域づくりを営む」という社会教育の本質にもつながるものだと考えている。
・ところで、昨年8月、「中教審生涯学習分科会における議論の整理~すべての人がウェルビーイングを実現する、共に学び支え合う生涯学習・社会教育に向けて~」が公表された。
・そこでは、これからの“生涯学習・社会教育”は、従来から果たしている役割に加えて、「ウェルビーイングの実現」、「社会的包摂の実現」「デジタル社会に対応」「地域コミュニティの基盤」が重要になると指摘し、「ウェルビーイングの実現」では、「生涯学習を通じた個人の成長と、持続的な地域コミュニティを支える社会教育は、ウェルビーイングの実現に密接不可分」とした。「社会的包摂の実現」では、「貧困の状況にある子ども、障害者、高齢者、孤独・孤立の状態にある人、外国人、女性などそれぞれに学習ニーズがあり、誰一人取り残すことなく学習機会を提供する」、「デジタル社会に対応」では、「国民全体のデジタルリテラシーの向上を目指す」、「地域コミュニティの基盤」では、「学びを通じた人と人とのつながり・絆の深まりが、地域コミュニティの基盤を安定させる」と述べている。
・こうしたことを受けると、生涯学習・社会教育への期待は、ますます高くなっていくものと思うし、行政への期待も一層高まっていくものと考える。引き続き、委員の皆様方のお力添えをよろしくお願い申し上げる。・結びにあたり、社会教育委員の皆様の、この1年間の活動にお礼を申し上げるとともに、今年度で期間満了となられる方の長年のご尽力に感謝し、次年度の活動が更に大きく前進していくことをご期待申し上げ、開会にあたっての挨拶とさせていただく。この後の会議について、どうぞよろしくお願いする。
会議の成立条件について
委員12名のうち11名の出席により、本日の会議は成立
案件
・案件(1)「令和5年度社会教育を推進するために」について
生涯学習課より説明
以下、質疑応答の概要
(委員)
冒頭でSDGsに触れられたが、具体的にどのあたりを指すのか。
(生涯学習課長補佐)
「いつでも」「どこでも」「誰でも」「何度でも」学ぶことができる環境を、全体として整えていくという考え方を入れている。
(委員長)
「社会教育を推進するために」の中に、初めてSDGsの視点を取り入れられるようになったとき、SDGsのちょっとしたコメントが入っていた。皆さんが分かったということで省かれたのかもしれないが、社会教育に関わる方々が共有されるので、コメントがあった方がいいかもしれない。
(委員)
自治会でいろんな取組を計画してきたが、コロナの関係で中止せざるを得なかった。子どもに視点を当てた取組をしていくことが、これからの自治会、地域の活性化に重要であると思う。「1 地域ぐるみでの育成活動の推進」とあるが、具体的にどんな組織が自治会と連携できるのか教えてほしい。
(生涯学習課長)
例えば、「地域見守り活動の推進」というのは、少年補導委員会の活動であるが、それぞれの自治会の方から委員を推薦いただいて活動している。防犯委員も自治会から推薦された委員さんで活動いただいている。
(委員)
少年補導委員会がどのような活動をされているか、私自身も勉強していきたい。
(委員)
「家庭教育への支援の充実」のところで、親ということを大きく捉えればいいのかもしれないが、両親がおられなかったり、おじいちゃんおばあちゃんで家庭を築いておられたりする方もおられると思うので、多少ひっかかりを感じる。
(委員)
私も同感。広い意味での保護者がいいのではないか。
(委員)
保護者とするより、親とした方が当事者意識を持てる。私は、親でよいと思う。
(生涯学習課長)
家庭教育への支援の充実の部分において、「親」と「保護者」の文言が混在していたので、統一した。家庭教育では「親学びフォーラム」などで「親」を使っているので、「親」としたものであるが、皆様のご意見をうかがったので、再度検討する。
(委員)
「すくすく教室」は、地域にも定着し、子どもたちに喜んでもらっている事業である。
(委員長)
「バンビオライブ缶」の「缶」とはどういう意味か。
(生涯学習課長補佐)
いろいろな中身が詰まっているという意味で、キャッチフレーズ的に付けた名前。ダンスのグループが発表するライブ缶と、軽音楽のバンドが発表するライブ缶があり、出演者を募集して、毎年行っている取組。
(委員長)
市民向け冊子「社会教育って」は公共施設に置いてあるが、毎年作成される予定か。
(生涯学習課課長補佐)
現状、公共施設に配架している状況だが、次年度も配架は続けたいと思っている。
・案件(2)「生涯学習推進事業助成金」について
生涯学習課より説明
以下、質疑応答の概要
(委員)
今まで、申請の数は多くなかった。審査はされていたのか。
(生涯学習課長補佐)
予算の枠を超えるほど申請があったことはない。過去最大で14件の申請。以前は生涯学習推進委員さんが自治会毎におられたため、自治会で、ある程度選ばれたものが申請をされていたと思われる。審査はしたことがない。
(委員長)
そうすると今は、自治会の活動からは外れているということか。
(生涯学習課長補佐)
今は生涯学習推進委員制度が廃止になって、自治会だけでなく、地域コミュニティやNPOなどのいろんな地域の担い手の方が多様化してきた。そこで、自治会だけでなくいろんな方が申請できるようにと見直しが行われた。今、自治会は団体として補助金があるので、自治会長の名前では申請されていない。
(委員長)
今は、申請が多かれ少なかれ審査機関はないということか。
(生涯学習課長)
条件を満たしていて、当初予算の範囲内であればokということにしている。
(生涯学習課長補佐)
営利や宗教、政治目的などのものについては、事務局で審査をして申請できない旨を説明してお断りしている。
(委員)
この事業のねらいは、団体のフォローを重視しているのか、市民に対して参加しやすい環境を提供していくのか、どちらなのか。
(生涯学習課長)
もともとは新たな団体を立ち上げることで、多くの市民に生涯学習を進めてほしいということであるが、ねらいがぶれていることも考えられる。ご意見をいただきたい。
(委員)
上限の予算を決め、ある程度の条件を満たした団体には3万円を助成するというようにすればハードルも下がると思う。
(委員)
平成28年度を頂点に申請が減ってきている。地域の高齢化で孤立しがちな方々の生きがいづくり、コミュニティづくりにおいて生涯学習は意味があると思う。原因はコロナだけではないように思う。減ってきた原因を分析されているのか。自治会活動においてもヒントになると思う。
(生涯学習課長)
分析はできていない。今、イベント等がようやく動き出してきたところであるが、今までのように、こんな制度があるということが伝わっていないことが考えられる。また、自治会が申請できないという点もあるので、自治会スタートの企画で、自治会員以外の方も広く参加いただいたら自治会活動に参加していただくきっかけにもなると考える。この制度を発信する母体が今十分ではないところもあるので、いろいろ分析し変えていきたいと考えている。
(委員)
自治会なら自治会で、市は生涯学習の取組としてこんなことをしているといろいろ発信することができれば、それをヒントに、こういうものをしようと立ち上げられる方も出てくる可能性もある。そのための資料、ヒントになるようなものをいただける
とありがたい。
(委員)
私も同感。今までにどんなことがされてきたのか、また、どんな課題があったのか、その課題をどのようにフォローしていったのか、などがわかるとよい。少し話は違うが、私も講座を開いたことがある。市民の方にどれだけ貢献できるかなと考えた。団体・サークルの支援なのなら、市民の企画講座とはまた違った形での参加・企画ができるような仕組みを作っていただいたらいいと思う。
(委員)
高齢者向けなのか、子ども向けなのかということも含めて考えていくべき。今、何かをしようとするとき、なんでも人数が減ってきている。そんな中で、講座の参加者も減っており、講座を持つことが難しいのではないかと思う。また、やっても長続きしないとも聞く。バンビオに限るならバンビオに講座などが固まっていってしまわないかとも思う。仕事をしている人も増えているし、講座が多すぎても難しい。一つに固めた方がやりやすいかなとも思う。講座の持ち方も問題だと思う。
(委員)
講座は開いたものの定員を満たしているのか、いないのか、そのあとのフォローも大切だと思う。
(生涯学習課長補佐)
助成金の上限は1団体3万円。予算は34万円。これを増やすのは難しい。3分の2の助成なので、企画の規模が小さければ2万円ということもある。その割り振りをもう少し柔軟にすることも考えたい。
(委員)
例えば、1年だけでもいいので、そういう助成金があるということが広まると思う。まずやってみることで浸透していくと思う。
(生涯学習課長)
団体を育てるのか個人なのかなど参考になる意見をいただいた。生涯学習は「いつでも」「どこでも」「だれでも」ということで、高齢者には高齢者向けのテーマで、子どもには子ども向けのテーマで行っていくということや、まず、はじめやすい仕組みづくりを、など根幹の目的を達成するためにどのような手法でやっていくのか、ヒントになるご意見をいただいたので、再度事務局で考えて、案を示していきたい。
(文化・スポーツ振興課長)
・前回での質問を踏まえ、「部活動の地域移行」についての現状報告
研修
・「長岡京市文化財保存活用地域計画」について
文化財保存活用課より説明
事務連絡等
・委員謝礼について
・第2回会議録について
・乙社教研修会について
・今年度の会議と任期について
閉会
副委員長あいさつ
・本日はお忙しいところ本当にありがとうございました。いただいたご意見が今後生かされていくことを願っている。
・学びを通して人と人のつながりを目標とした生涯学習が、本市に浸透していくことを願いながら、私も微力ながら、いろいろ考えながら頑張っていきたい。
・本日は、ありがとうございました。