現役ケアマネジャーにインタビュー!ケアマネジャーの仕事って?
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現役ケアマネジャーにインタビュー
近年高齢化が進み、日に日に需要が高まっている福祉のお仕事。
需要は高まっているものの、全国的に福祉に関わるお仕事は人材不足になっています。
長岡京市では介護・福祉事業所と求職者のマッチングを目的に、令和6年11月17日に「かいご・ふくし就職フェア」を開催します。
詳細はこちらから
開催に伴い、福祉の仕事の一例としてケアマネジャー(以下ケアマネ)のお仕事について
現役ケアマネの「せーのケアマネステーション」の森本さん(代表)、高木さん、上田さんにインタビューしました。
(写真左から高木さん、上田さん、森本さん)

はじめに高木さん上田さん。ケアマネの仕事について教えてください。
ケアマネは介護を必要とする方がスムーズに介護保険サービスを利用できるよう、
ケアプランの作成や他のサービス事業所との調整などをおこないます。
具体的には介護サービスが必要な方のご自宅へ訪問し、本人やそのご家族と普段の様子や今後の希望を聞きとり、
病院のお医者さんなど、本人に関わっている専門職の意見を踏まえ、一人一人の状況に合ったサービスを考えます。
また、そのサービスの提供が可能な事業所を探しもします。
訪問した際の記録業務等の事務作業も多くあります。

ケアマネを目指したきっかけを教えてください。
はじめは近所の障がい者福祉ホームでヘルパーの資格を持たずにちょっとお手伝いの気持ちでパートに行きました。そこで一緒に働くヘルパーさんに資格の取得を勧められヘルパー2級を取りました。また、その資格を取ったことがきっかけで介護保険のデイサービスで働くようになりました。高齢者介護は初めてでした。そこでケアマネという存在を知りました。ケアマネの仕事の詳しい内容はその時はまだ知りませんでしたが、ご利用者様やご家族にとってすごく頼りになる存在なのだと感じました。いつか私もこんな仕事ができるのだろうか?と漠然に思ったことを覚えています。(高木さん)
今まで私は看護師として病院、通所介護施設、訪問入浴を経験してきました。
病棟では整形外科の看護師として、骨折直後から手術、退院支援の看護を経験させていただきましたが、まだ痛みがある人が家で本当に生活できるのか?という不安な気持ちを抱くことが多かったです。「ありがとう、お世話になりました。」と退院していく人たちの側で支えとなり、本当の意味で「安心して生活できる」状態に少しでも自分が関わることができたらなという気持ちがきっかけです。(上田さん)

ケアマネの資格を取得するにあたり苦労したこと。
とにかく時間を見つけて勉強しました。仕事と家庭の両立が大変でした。
勉強も難しいワードがたくさんあり、覚えるにも時間がかかりました。(高木さん)
介護保険に関して、何も知らない状態から始めたので、言葉の意味を調べるところからのスタートでした。教科書で理解できないところは、分かりやすく解説してくれるYouTubeを見たり、職場の先輩に聞いたり、とにかく自分は相談員の経験もないので人一倍勉強の時間を確保しないと、と思いながら時間をかけました。(上田さん)

ご利用者様やご家族様と接する上で、心がけていることはありますか?
ご利用者様とそのご家族様が抱えている問題は様々で色々な悩みもお持ちです。それぞれに生活背景も異なり、その人の全てを抱え込むことはできないですし、人によっては利用者とともに家族を支える必要がある場合もあります。
単純にいえば必要な情報を提供し介護サービスへ繋ぐ仕事ですが、介護が必要になった現在でも行ってみたいところ、したいことがあればそのニーズを見出し、折合いのつくところでご利用者様の要望を叶えることができるような、またそれが難しいとしても、そんなことを考えるだけでワクワクしてしまうような、貴方に聞いてもらって良かったと言ってもらえるような存在でありたいと心がけています。(高木さん)
その人が大切にしていることを大切にするということです。
以前ケアマネの実習で実習先の指導者の方が「ケアプラン」に正解はないと仰られていました。
その言葉に、私は色んな意味での責任を感じました。
だからこそ、目の前の人の思いに寄り添いつつ考えていくことが必要だと感じました。(上田さん)


長岡京市でケアマネとして働き良かったこと・大変なことはありましたか?
良かったことは、私が長岡京市在住なので地理がわかります。このデイサービスがどこにあるとか住所地を聞いてだいたいどのあたりにあるかすぐわかることも地元で働くメリットですし、通勤時間も短いので助かっています。でも何より自分がこの町に地域貢献できるという気持ちがありました。大変だったことは特にありません。(高木さん)
私は京都市でずっと仕事をしてきましたが訪問入浴の仕事で長岡京を廻る機会がありました。長岡京で暮らす利用者様やそのご家族様はあたたかい雰囲気があり、車でこの自然たくさんの街並みを廻ることで心を落ち着かせることができました。少しずつ独り立ちし、一人で利用者様のお宅に向かうときは自然とワクワクし、何を話そうかなと考える時間も好きです。また、介護保険がよく分からないから、相談に乗ってほしいとご家族様に言われ、自分なりにいいと思った制度やパンフレットを渡すと、「ありがとう、助かります」と受け取っていただけるととてもうれしい気持ちになります。
大変だったことは、道を覚えるのが苦手で、今でも一本道でしか移動できないので遠回りでしかたどり着かないことや、また機械も苦手で、パソコンやコピー機の基本的な仕事を一緒に働く方々に丁寧に教えていただいています。(上田さん)

働く前の印象と実際に働き始めたあとの印象を教えてください。
ケアマネの仕事は奥が深く、様々な能力が要求されます。以前は1人ケアマネだったので同じ立場で相談できる人が欲しいなと思っていました。
実際に働いてみると、確かにどうしたらいいのか分からない場面に遭遇し悩むこともありますが、都度相談できる仲間がおり、アドバイスや助言をしてくれる上司もいるので良かったと感じています。(高木さん)
ケアマネは困ったことが起こると休みの日でも駆け付けるなんでも屋さんになっており、休みがない印象がありましたが、実際は自分ひとりで動いているわけではなく、ヘルパーさんやデイサービス先の方々が一緒に関わっているので休日は安心して休むことができています。(上田さん)

せーのケアマネステーションの働きやすいところを教えてください。
各ケアマネのスケジュールなどはそれぞれに任されていて、自分が担当する利用者さんの管理は各ケアマネが行います。縛りがあまりないところも働きやすい部分です。他のケアマネの意見を聞くことができたり、困難ケースがあってもみんなで対処法を考えたりできるところもいい点です。新規利用者の受け入れに関しても受け入れができる状態か必ず各ケアマネの現状を確認し、無理に引き受けることはしないです。(高木さん)
言葉づかいが丁寧で、本当に優しい先輩ばかりでおどろいています。私が急に声をかけても手を止めて席まで見に来てくれ、優しいだけではなく電話している声を聞くとわかるのですが、みなさん腰が低くて安心感があります。せーのケアマネステーションに所属している先輩方は私が今目標にしている女性像そのものです。森本さんも声をかけると必ず対応してくださり、ゆっくりちゃんと理解するまで教えてくださります。森本さんは従業員のことを常に考え業務負担を軽減してくださり、いい方向へと導いてくれます。(上田さん)

最後に新たに福祉の仕事を目指す方に一言お願いします!
年配の方は、孤独を感じやすいです。家族が一緒に住んでいても言えないこともあり、そんな時に「この人なら私のことも分かってくれる」と思っていただける安心できる存在になることで、生きる希望や充実した暮らしにつながると思っています。自分の経験が活かせる仕事ができること、いい仕事が増えることを期待して頑張ってほしいと思います。(上田さん)
長岡京市はケアマネが不足していると聞いています。ケアマネのハードルは高いと感じている方も多いと思いますが、その分とてもやりがいのある仕事だと思います。感謝の言葉をいただけることも多々あります。ぜひチャレンジしてほしいと思います。(高木さん)

ここからは代表の森本さんにお伺いします。せーのケアマネステーションの特色を教えてください。
せーのケアマネステーションの職員の皆さんは、まじめかつ、朗らかな方たちばかりで、なんでも相談しあえる職場です。
法令遵守を大前提とした上で、それぞれのケアマネジャーを信頼し、スケジュールも任せ、自主性を大事にしています。管理者としては、それぞれのケアマネジャーの業務量を把握し、無理がないよう調整をしています。
また、せーのケアマネステーションは週休3日制です。プライベートが充実しており、ライフワークバランスの推進に取り組み働きやすい環境づくりをしています。


今後の「せーのケアマネステーション」の目標はありますか?
目標は長岡京市に貢献することです。
私は三方よしという言葉が好きです。私たちでいうと、利用者さん「よし」介護職「よし」社会「よし」です。
困っている利用者さんをご支援をすることで、利用者さんは笑顔になる。家族も介護負担が減り、介護離職の減少につながる。自分たちの働きが社会貢献になっており、やりがいのある仕事ができている。これが三方よしです。今後も長岡京市、社会全体に貢献していきたいです。

最後に新たに福祉の仕事を目指す方に一言お願いします!
福祉の仕事は困っている人を笑顔にすることができる仕事です。感謝されることも多くやりがいのあるお仕事です。
利用者さんは、人生の大先輩です。仕事として訪問し相談を受け支援をするのですが、それ以外にも自分の知らない歴史の話等様々なお話をしていただけます。興味がある方は、ぜひ福祉の世界に飛び込んでください!