長法寺(ちょうほうじ)
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乙訓地方の大寺
寺伝によると、延喜年間(901~923)年に、三井寺の智證大師の弟子・千観上人が諸国を巡歴の途中、観世音菩薩が夢にあらわれ「この地に留まって寺を建てよ」とのお告げがあり、上人はお堂を建て十一面観世音菩薩をおまつりしたのが長法寺のはじまりだそうです。一時は七つの伽藍、十二堂の建物があり、乙訓地域の中でもかなり広大なお寺でしたが、応仁の乱で焼失してしまったと伝わります。
枯れたことのない「溺泉(おぼろのいずみ)」
境内に岩穴から清涼水が湧き出る泉があり、「溺泉(おぼろのいずみ)」と名付けられています。この泉は昔から枯れたことがないといわれていて、そこからお寺の山号を「清巖山」と名付けたそうです。
隠れた紅葉の名所/長法寺の花々
長法寺は自然に囲まれたお寺です。秋は境内いっぱいに錦秋の景色が広がり、隠れた紅葉の名所となっています。また、冬には寒椿が、2~3月頃にはヤマブキが境内を彩ります。
国宝「絹本着色釈迦金棺出現図」
平安時代後期の作品とされる国宝の「絹本着色釈迦金棺出現図」は、元は長法寺の所有でした。平安時代の仏画を代表する傑作のひとつといわれており、貴重な史料を所蔵していたことから、当時の長法寺の隆盛が伺えます。この絵は、釈迦が涅槃に入る時、母・摩耶夫人(まやぶにん)が天界の忉利天(とうりてん)から駆け付けたが、間に合わず悲嘆に暮れていると、釈迦が棺の中から神通力で起き上がり説法をしたという場面を描いています。現在は京都国立博物館に寄託しており、長法寺には模本が保存されています。
長法寺の基本情報
住所 | 長岡京市 長法寺 谷田16 |
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電話 | 075-951-9075 |
受付時間 | 9:00~17:00 |
アクセス | 阪急バス「長法寺」下車徒歩約5分 |