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現在位置

令和5年度第3回社会教育委員会議会議録

  • ID:14138

開催日時

令和6年2月15日(木曜日)午後3時00分 から同4時30分まで

開催場所

長岡京市役所   新庁舎   301会議室

出席者

社会教育委員

島袋委員長、河原副委員長、瀧川委員、浅田委員、奥本委員、鵜野委員、木和委員


行政側

教育長、教育部長、生涯学習課長、生涯学習課長補佐、社会教育指導員

会議公開の可否

公開

傍聴者

会議次第

開 会

あいさつ

案 件

(1)「令和6年度 社会教育を推進するために」について

(2) 次年度の協議テーマについて

(「第2回社会教育委員会議での交流」の議論から)

(3) その他

閉 会

開会

委員長あいさつ

・本日はご多用の中、ご出席いただきありがとうございます。

・社会教育の推進にご尽力いただいていることに感謝申し上げる。

・先日、新聞記事の中で社会教育に関する記事が目に入った。大阪教育大学名誉教授の堀薫雄さんという方の文章である。私自身社会教育委員としての立場から大変考えさせられる記事だったので、皆様にもご紹介したいと思う。

・こんなことを述べられている。「年を重ねると、生理的な衰えは出るし、退職や離別、死別といった喪失の経験も増えます。寝かせて酸っぱくなってしまうワインもあればそうならないワインもあります。人に例えれば、その差は、喪失など負の経験を介して、新たな知見を創出するところにあります。このつながりをつくるのが生涯学習であり、教育であると思います。生涯学習には、場が大切です。高齢者の教育や学習の場合、『教える』『指導する』という『上から目線』の教育よりも、自身の生活経験をふまえて、共有的に場を紡ぐというかたちの『下から目線』の学習支援が有効かと思われます。」

・年を重ねるということは、それとともに、何十年にもわたり、いろんな経験を積み重ねてきていることにつながる。

・私自身、仕事がら、いろんなところで歌唱指導をする場面が多くある。その歌唱指導において、少ししかアドバイスしていないにもかかわらず、一本調子だった歌詞が、まるでその情景が見える表現に、見事に変わる場合が多くある。

・その際、私は、「ちょっとアドバイスしただけで、こんなにも変わるのですよ。それは何故だかわかりますか。」と問いかける。みなさんは「さっきと今では、全然ちがう。気持ちよかった。でも、何故だか分からない。」とおっしゃる。私は「それは、皆さんがお年を召しておられるからですよ。」をお話しすると、それは冗談のように聞こえ、皆さん笑っておられる。

・そして、「何十年も生きてきた間に、悲しかったこと、辛かったこと、立ち直れないくらい落ち込んだこと、友だちとの別れ、愛する肉親との死別など、本当に多くの経験をしてきておられる。もちろん、楽しかったこと、嬉しかったことなど、よい思い出もいっぱいあることでしょう。みなさんは、負の経験を、時間をかけてプラスに変換してきた。その経験があるからこそ、少しのアドバイスが、それと似た場面が走馬灯のように一瞬のうちに出てきて、その歌詞の気持ちを見事に表現できるわけです。」そこまで言うと、「ああ、なるほど。」と納得いただける。長く生きているということは無駄なことではない。

・年を重ねてきたということは、それぞれ一人一人が精一杯生きぬいてきたということにつながる。それぞれが精神的な財産を築いてきたのだと、歌唱指導をしてきた立場からも実感している。

・それは、人生経験の浅い若者にはまだ無理な面がある。大学の学生にいろいろな歌を指導しているが、ちょっと無理がある。経験が浅いから。そういった学生には細かなことは言わない。でも、年配の方には、ちょっとした一言でイメージがわく。年を重ねるということは無駄ではない。

・私たちは、自分で気が付かないうちに上から目線で話したり、行動したりする場合がある。先ほど、紹介した堀さんの「高齢者の教育や学習の場合、『教える』『指導する』という『上から目線』の教育よりも自身の生活経験を踏まえて、共有的に場を紡ぐというかたちの『下から目線』の学習支援が必要である」という記事に、社会教育委員の一人として深く考えさせられた。

・話は変わるが、2月10日土曜日に行われた「第39回長岡京市人権問題研究市民集会」がどのような催しなのか、社会教育委員の一人として理解したいとの思いで参加してきた。

・誰でも参加できる体験型イベントとして、実にいろいろと工夫された催しだった。中でも目を引いたのが、小学生から大学生に至るまでの、人権に関するポスター・標語等であった。小学生、中学生、高校生などから見た人権問題、その感性には本当に感心させられ、私は、「最近の若者は‥‥」ではなく、これからの若者たちに多くの希望を見出した気がした。

・その裏には、これまでに啓蒙活動をしてきた主催者の方々、役所の担当の方などのご苦労があったということもおおいに感じた。私自身、人権問題について改めて考えさせられる一日でもあった。

・私たち社会教育委員は長岡京市で取り組まれている社会教育活動の場面を、ややもすれば、まだ知っていない面が多くあるのではないかと、私自身思わされた気がした。社会教育に関連したそれぞれのイベントに、可能な限り、参加させていただこうとの思いを強くしている。積極的に参加し理解を深めていくことは、すなわち、長岡京市の社会教育活動を推し進めていく立場にある社会教育委員としての義務と責任ではないかと思っている。

・委員の皆様方にも、市で行われているそれぞれの社会教育活動の多くのイベントに是非、積極的に参加されることを願っている。

・本日は、案件についてグループ討議も取り入れながら協議していく。長岡京市民のために、いささかでも活かせることを前提に、会議を進めていきたい。忌憚のないご意見をお願いする。



教育長あいさつ

・ご多用の中、ご出席を賜り厚くお礼申し上げる。平素より、教育行政、社会教育の推進に温かいご支援・ご協力をいただき、感謝申し上げる。

・昨年6月16日に閣議決定された第4期教育振興基本計画(令和5~9年)においては、計画のコンセプトとして「持続可能な社会の創り手の育成」及び「日本社会に根差したウェルビーイングの向上」を掲げている。

・近年、高齢化や少子化に加え、グローバル化や情報化、科学技術の発展など、社会の変化スピードがとても早く感じられる。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大やウクライナやガザの紛争など、平穏な日常が脅かされるということも起こっている。今年は1月1日に地震もあり、本当に何が起こるか分からない時代である。

・こうした変化がめまぐるしく、複雑で予測不可能な時代にあって、一人一人が豊かで幸せな人生を送り社会の持続的な発展を実現するために、教育の果たす役割は大変大きいものであると思う。

・この計画では、「教育基本法の教育の理念・目的・目標・機会均等の実現を目指すことは、先行きが不透明で将来の予測が困難な時代においても変わることのない、立ち返るべき教育の『不易』である」と述べている。また、「教育振興基本計画は、『不易』を普遍的な使命としつつ、社会や時代の『流行』を取り入れてこそ『不易』としての普遍的使命が果たされるもの」であるとも述べられている。

・先ほど申し上げたが、社会は猛烈な勢いで変化している。

・例えば、ユーザーの質問に対して、まるで人間のように自然な対話形式で答えるaiチャットサービスが公開され、大変大きな話題となった。本市でも来年度からは。チャットgptを仕事に取り入れていこうかと思っているが、本当にaiは進んだなと思っている。

・キャッシュレス決済が身近になってきている。驚くことに、スマホを出すこともなく、顔認証だけで買い物ができるという実証実験も始まっているそうだ。顔でお金が支払われるというのは、ちょっと怖い気がする。

・今年4月に施行された改正道路交通法では、特定の条件のもと、ドライバーがいない状態で自動運転を行う「レベル4」の公道走行が解禁された。テレビでも、運転手がいないバスが自動的に動いて停留所で止まって、というのが流れている。すごい世界になったなと驚いている。

・もっと驚くのが、1960年代、私は小さくてあまりよく覚えてないが、日本でも一世を風靡したビートルズ。レット・イット・ビーやヘイ・ジュードなど有名な曲がたくさんあり、大きくなってからよく聞いていた。

・昨年11月、27年ぶりに「ナウ・アンド・ゼン」という新曲が発表された。とは言っても、皆さんご存じのように、メンバーであるジョン・レノンさんもすでに亡くなっている。

過去にも、ジョン・レノンさんが生前に残したデモ音源から作った2曲の新曲が発表されたことがあったそうだが、その時に、この曲も発表される予定だったそうだ。しかし、残されたテープは、自宅でピアノを弾きながら録音したカセットテープだったそうで、ピアノの音とボーカルを分離させようと思っても、当時の技術では無理だったようである。ところが、ai技術の発達で、ジョン・レノンさんの声をクリアによみがえらせ、現在のポール・マッカートニーさんやリンゴ・スターさんの演奏、そして、ジョージ・ハリソンさんが95年に録音したギターなどと合わせ、「新曲」として完成させたそうだ。

・このような話を聞くと、すごいことができる時代になったなと思うと同時に、恐ろしい時代になってきたなと思う気持ちもある。

・「aiの導入によって日本の労働人口の49%の仕事がなくなるよ」と言われたのが2015年頃。どんどん今まで人間がやってきたことがaiに置き換わってきている時代になってきているなと感じる。

・そのような中で、機械やaiに勝る人間の素晴らしさというのは、想像する力だと思う。aiは何もないところから創るのではなく、ビッグデータの中から創り出していく。私たちに求められるのは、何もないところから想像して創り出していくということであると思う。人生100年時代、生涯にわたって学び続け、どのような変化にも対応していく、そのような中でもそのような能力が大切であると思う。

・社会教育委員の皆様には、それぞれのお立場で、「不易」という不変の本質を大切にしながらも、「流行」という新しい学びをいち早く察知して取り入れ、地域のリーダーとしてご活躍いただくようお願いする。

本日は、今年度最後の社会教育委員会議となります。忌憚のないご意見をいただき、来年度に向けて方向性を出していけたらと思っている。どうぞよろしくお願いする。

会議の成立条件について

半数以上の出席により、本日の会議は成立

案件

案件1 「令和6年度 社会教育を推進するために」について

 生涯学習課より説明

案件

案件2 次年度の協議テーマについて

(第2回社会教育委員会議での交流」の議論から)

・生涯学習課から協議の視点を示し、2グループに分かれて意見交流した。

・「人材づくり」「交わりづくり」「つながりづくり」の観点から、以下のような課題を交流することができた。

《人材づくり》

・同じ人が中心になっていて発言権が強く、他の人が言いにくい状況がある。

・人の意見を聞くことが大切である。関わり方の深浅はあるが、うまく意見が言えないときは空しくなる。

・現在はうまくいっているが、2年後、3年後を考えた時にどうなるか。新世代との関わりをどうするのかを考えていく必要がある。

・20年近く活動してきた80歳代の人が多いグループと、同じような活動をしている若い人のグループとで交流し、学んだことを繋いでいくようにしている。

・多岐にわたって活動をしているが、コロナを機に市民の参加が減った。会の高齢化も進み、若い方に入会してもらえない。今は、個々の楽しみが優先され、インターネットでいろいろ調べて行けるところも多く、わざわざ入会する必要も感じておられないのだろう。

《交わりづくり》

・中心になるのは新住民の方で、旧住民がサポートしていくと、うまくいくのではないか。

・リーダーになる方は、人の意見に耳を傾け、相手の立場になって聞くことが大切である。

・自治会などで役職を決めたりする際、まず年代ごとのグループで話し合いをもち、それぞれの年代からの考えを聞いて、意見を出し合うようにしている。

《つながりづくり》

・高齢者、若者にかかわらず、互いにサポートしていこうという心構えをもつことが必要である。リーダーになる方は、相手のことを熟知することが必要である。

・旧住民のとりわけ高齢者と新住民との価値観に、違いやギャップがある。

・「変われる」ものと「変えてはいけない」ものがあるのではないか。皆で話し合って、基本的なマニュアルのようなものを作っていく必要があるのではないか。

・子どもの見守りをする中で、子ども達の顔や名前を覚えていくことが、地域でのつながりをつくっていくきっかけになるのではないか。

・市のイベントなどの広報をしていくことは大切であるが、行きたくても行けない人がいる。社会教育推進関係団体への助成金もありがたいが、例えば、ハッピーバスが土日に休みであれば、それを使って、イベントに参加できるようにしたり、家族の車で行くようなときには、駐車料金を開放したりするなどの補助もあればと思う。街全体が同じムードで、みんな動けるような、みんな得するような施策も考えていってほしい。

案件

案件3 その他

令和5年度京都府社会教育研究大会の報告

 社会教育指導員より報告

・11月21日に向日市永守重信市民会館で開催された。

・講演では、「地域と学校の連携・協働が生み出す未来」~次代を担う子ども達をどう育てるか~」と題し、近畿・北陸・東海地域コミュニティスクールアドバイザーであり、滋賀県野洲市社会教育委員会の委員長 髙木 和久 氏からお話を伺った。

・少子高齢化が進む中で、地域づくりやまちづくりへの協力者が減ってきていること、地域で助け合う「共助」意識が低下しているなどの地域の課題、また、児童生徒数が減ってきていることや子どもたちの「主体性」や「協働する力」が育っているのかなどの学校の課題が散見される現在、「次代を担う子どもたちを育てていく」ための取組を進めていくことが重要である。

・そのためには、「学校運営協議会」と「地域学校協働活動」が一体となって進めていくこと、さらに、地域と学校の関係性は、一方通行ではなく「双方向」であること、また「対等」であるということが大切だ。地域が学校を応援するのではなく、それぞれの立場から見た子どもの課題を共有し、子どもを育てる目標を共有するために「熟議」し「協働」していくことだ。

・学校運営協議会を推進していくノウハウとして「学校運営協議会は、今までの学校評議員会と同じパターンの会議になっていないか。」「委員は、みな平等の立場になっているか」「しっかり熟議ができる組織になっているか」「計画的な会の開催に加え、必要に応じたミニ熟議の機会を持つなどしているか」「1年間の目標、3~5年の目標など、短期長期のビジョンをもっているか」などの視点を教えていただいた。

・最後に、「地域は子どもの支援や体験に終始せず、子どもの『主体性』『協働』に協力を」「社会教育委員は、コミュニティスクール推進のファシリテーター・コーディネーターに!また、地域や学校を動かす『仕掛け人』に!」とのエールを送られた。


乙訓社会教育委員等連絡協議会研修会の報告

 副委員長より報告

・2月6日に乙訓総合庁舎で開催された。

・近畿地区社会教育研究大会滋賀大会で講演された公立大学法人滋賀県立大学地域共生センター特任講師上田洋平先生に「絵画制作を通じた地域づくり~心象図法による実践とその展開から学ぶ~」という演題でご講演いただいた。

・昔の庶民の生活を思い出して、それを聞き取り、絵屏風にして活用していくという取組のお話だった。絵は専門的な方に描いていただき、町のいろんな所に置いて、みんなで「ああだ、こうだ」と言って後世に引き継いでいくことをしている、思い出を共有していくというお話をされていた。

・演習では、1人だけ人間の描かれた用紙に、人はどこにいるかと周りを描くワークショップをした。また、グループごとでの、昔の思い出を文章で作ってみるワークショップでは、五感を通した思い出を文章にしていき、発表しあった。

・「ビジネス」は「今すぐ」「私」「自分自身」「見返りを求めているもの」。地域では「ブジネス」は「ゆっくり」「みんなで」「お返しをしていくもの」が必要ではないか。過去を育てて未来の新しい暮らしを作っていくことが大事なのではないか、それぞれ皆さんいる居場所・在所を地域の中でもっていくことが大切であるということを学んだ。


生涯学習推進事業助成金の見直しについて

 生涯学習課より説明

事務連絡等

委員謝礼について

今年度の会議と任期について

閉会

副委員長あいさつ

・本年度最後の委員会議であった。次年度もよろしくおねがいする。

・考えることが壮大で、私自身自分の関わっているところしかお話しできないが、そこからでも始めていかないと次には進んでいかないなと感じている。それが、横に繋がっていく線になっていけば嬉しいなと思う。

・長時間にわたり、ありがとうございました。

会議資料

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