ページの先頭です

共通メニューなどをスキップして本文へ

現在位置

令和元年度 第1回長岡京市文化財保護審議会会議録

  • ID:9021

日時と場所

日時

令和元年6月27日(木曜日)

場所

図書館3階生涯学習課講座室

出席者

委員

井上委員、仁木委員、都出委員、中尾委員、礪波委員、藤田委員、湯川委員、佐藤委員、熊谷委員

事務局

山本教育長、荻久保課長、橋本主査、大髙主査、井内主事、下田主事、中島埋蔵文化財センター事務局長

案件

1.平成30年度文化財保護事業の報告および令和元年度文化財保護事業の計画について

2.その他

開会

・教育長あいさつ

・異動者あいさつ

・会議成立状況の確認

・委員10名のうち9名出席

・傍聴者の確認

・傍聴者なし

議事

(会長)

それでは、議事に入ります。

案件1は、平成30年度文化財保護事業の報告および令和元年度文化財保護事業の計画について。事務局から説明をお願いします。

【案件1 平成30年度文化財保護事業の報告および令和元年度文化財保護事業の計画について説明】

(会長)

以上、案件1でした。案件2ですが、令和元年度の事業計画に関わる内容ですので、引き続き案件2に入りたいと思います。案件2について、事務局より説明をお願いします。

【案件2について説明】

・(仮称)長岡京市ふるさと資料館

・国登録有形文化財「中野家住宅」活用事業

(会長)

何かご意見、質問はありますか。

(委員)

平成30年度恵解山古墳保存・活用検討懇話会の内容はどのようなものだったか。

(事務局)

平成30年度恵解山古墳保存・活用検討懇話会は平成31年2月20日に開催した。恵解山古墳公園は整備後5年を迎え、様々な事案が発生している。朝顔型埴輪の上部が粘着剤の劣化で外れたり、古墳の葺石がはがれてしまう等の破損が確認されているが、安全の確保を念頭に専門家に意見を聞いて修復の検討をしている。また、恵解山古墳公園で野球をする人がいる。色々な方に親しんでいただくことはありがたいが他の利用者から苦情があり、地域と連携しながら解決していきたい。

(委員)

古墳・埴輪を子どもたちあるいは市民の手で復元する計画がまだ具体化していないがどうなっているか。

(事務局)

整備計画で検討されていたが実現に至っていない。周年記念事業などとして行うか乙訓古墳群全体の活用と合わせて検討している。

(会長)

整備後5年経つため、当然経年劣化もある。人が行きかう場所のため、それに伴った傷みもあるだろう。よろしくお願いしたい。

(会長)

能勢四朗右衛門家文書の防犯カメラとはどういったものか。

(事務局)

古文書群を保管する場所を監視する防犯カメラである。京都府暫定登録文化財に登録されたため、防犯カメラを設置した。

(会長)

中山修一記念館の来館者は市外が圧倒的に多いのは何故か。

(事務局)

市外の人が中山修一記念館を見学されて近隣のサントリーの工場見学をされる数が多いと思われる。

(会長)

井ノ内地区旧公図(地籍図)が修理されたとのことだが、いつの時代のものか。

(事務局)

時代的には長岡町時代のものである。長岡町税務課で使用していたもの。厳密に明治時代の地籍図ではない。

(会長)

地籍図は一般的に微妙な表現も含まれるため、扱いには注意をお願いしたい。

(委員)

大河ドラマ推進事業で大河ドラマ推進プロジェクトチームを立ち上げたということだが、具体的にメンバーや内容は決まっているのか。

(事務局)

大河ドラマ推進プロジェクトチームについては、商工観光課・秘書課が事務局で、シティプロモーションを行う広報発信課や勝龍寺公園の管理を行う公園緑地課、そして生涯学習課などが参加している。具体的に様々な連携を取りながら事業を進める活動をしている。

今年度は、勝龍寺城公園2階の展示スペースのリニューアルを予定している。1階についても観光誘導ができる観光案内的なものを検討している。また、生涯学習課では大河ドラマに連動した、講演会・街歩きを予定している。

(会長)

大河ドラマは絶好の機会のため、一過性に終わらないようお願いしたい。主人公の明智光秀は京都府全体をつなげる人物であり、長岡京市のみで考えずうまく活用してほしい。

(委員)

勝龍寺公園2階の展示リニューアルは具体的にどういったものか。

(事務局)

博物館的な展示が難しい環境のため、商工観光課・公園緑地課の要望もあって、滞在して楽しめる仕掛けづくりをコンセプトとしている。実物資料を並べるというよりは、パネル・グラフィックまた映像ソフト等を使用したリニューアルの予定である。特に、今回は大河ドラマという話題もあるので、勝龍寺城の歴史のみでなく、細川藤孝・忠興、明智光秀・玉の4人にスポットを置いた展示内容を検討している。

(委員)

商工観光課や広報発信課の歴史紹介でミスがあったと聞いている。ぜひ生涯学習課でチェックをお願いしたい。

(会長)

観光の側面も大切だが、教育委員会でチェックをいれながら進めてほしい。

(委員)

昨年度第2回文化財保護審議会で議論した長岡京市ふるさと資料館のその後の動きはどうなっているか。新庁舎建設の動きと関連しているようだが。

(事務局)

昨年度第2回文化財保護審議会で審議いただき、その意見を元に教育委員会へ報告した。教育委員会として、市長へ文化財保護審議会・教育委員会での意見を踏まえたものとして新庁舎の中にふるさと資料館を具現化してほしいと意見書を提出した。その後、議論を進めているところである。新庁舎2階部分に100平米ほどの展示室を確保しており、展示の中身については文化庁が定めている公開承認施設相当で他館から借り受けた展示ができるよう予算も含めて検討・交渉を行っている。今後の具体的な流れとしては、今年度庁内で方向性を協議し、来年度以降文化財保存活用地域計画という市全体の計画に着手をしながら、具体的な展示活用の場として新庁舎の設計業務を令和5~6年に行い、令和7年度末に第2期の庁舎完成でお披露目したい。

(会長)

ふるさと資料館で指定物件の展示をしようとすると、経費の掛かるケースも必要で難しいが、前向きに取り組んでほしい。

(委員)

伊賀寺遺跡の発掘調査が進んでいるが、これまでの調査成果や今後の予定を知りたい。

(事務局)

昨年度から継続して調査を行っている。奈良時代末から長岡京期までを含めた可能性のある、大きな成果があった。今まで、その場所で想定されていなかった、大規模な建物とその前面に入口状の門・溝を持ったものである。また、伊賀寺遺跡の近くで京都縦貫道の発掘調査を京都府が以前行って、縄文時代の後期の竪穴式住居の建物が多く出ており、伊賀寺遺跡ではそれより少し古い中期の建物が良い保存状態で出ている。今後の予定は調査を進め、各先生方に意見をいただき、7月末から8月初旬に現地説明会を検討している。

(委員)

「平成31年度の社会教育の重点」というパンフレットに文化財保護の活用という項目があり、その中で長岡京跡や恵解山古墳を含む史跡、乙訓古墳群をはじめ文化財の保存整備活用という記述がある。長い間長岡京跡の調査が続いており成果がでているなかで、長岡京市の命名の元にもなっている長岡京跡の遺構の保存について、教育委員会として長岡京市としてどのように考えているか。

長岡京市では調査費用を原因者が負担するということもあり、出てきた遺構の保存が非常に難しい状況がある。現状では遺構を保存しようと思えば史跡指定し、文化庁の8割補助を得て公有化する方法を取らない限り、残せない状況にある。

これまで長岡京市域で長岡京跡の史跡指定がなされている所はないが、長岡京跡の保存について、教育委員会としてどのように考えているか。

(事務局)

大変難しい問題である。教育委員会として、当然に遺構の保存は大変重要なことと捉えている。原因者負担のなかで調査を行っており、報告して公開することが重要となってくるが、公有化を行うのは厳しいのが現状である。

昨年の調査でも大変重要な遺構が確認されて、原因者の協力をいただき、一部に展示パネル等で紹介したが、こうした活用に留まっているのが現状である。

(会長)

本件は本当に難しい。遺構・遺跡の保存をできる限りこれからも考えてほしい。公有化は経費が掛かり難しいことは承知の上だが、市のみでやるのではなく市民の合意を得ながら、進めてほしい。

(委員)

市の名前の由来となった長岡京跡を残していかなければならない。教育委員会の基本方針として、その姿勢と取り組みを考えなければならない。現在の原因者負担の中で遺構を残すのは非常に難しいのは明らかである。仕方ないからということで済まして良い問題ではない。これまでの成果によって、今後開発を予定されている地域の中には、それらと関連する遺構が出てくることが、ある程度予想できる状況がある。こうした場所で開発が起こった場合、原因者負担で調査するだけではなく、遺構が出てきた場合にどうするのか。長岡京市として教育委員会として、何等かの方針がなければいけない。

今回伊賀寺遺跡へ済生会病院が移転するようだが、病院の建て方によって、例えば駐車場にするなど、出てきた遺構を残せるような設計変更が出来ないか。

遺構が出てきた時にどの程度保存について協力してもらえるか事前協議をする必要がある。それなしに開発を行うと決まった計画を変更できないということで遺構がなくなってしまう。事前に長岡京跡の遺構を残すために長岡京市あるいは教育委員会としてどう取り組むか、積極的に考えていかないとまず遺構は残らないと思われる。

(会長)

おそらく遺跡が壊れてよいと思う人はいないのではないか。いかに調整をつけていくかという話だと思われる。設計図を変更してもらうというケースも多くある。今後、文化財保存活用地域計画を策定すると思うが、ビジョンを明確化することも大きな力になると思う。

(委員)

開田城跡の開発において、地上に残っている土塁をどれくらい残すか検討したケースがある。開発側との協議で10m削られるものを5mにし、一部残った経緯がある。また、開発したマンションの入口に学術的に考証した模型を作ってもらい展示した。

先ほどパネルという話もあったが、本当は地下保存が一番よいが、伊賀寺遺跡で発掘され価値があれば模型を作ったり、病院の中でコーナーを設けてもよいのでは。病院にとっても地域貢献の一つのありかたではないか。こうしたことを教育委員会から提案することができるのではないか。

開田城跡の遺構や模型も最初はあまり見向きをされなかったが、長岡京市ふるさとガイドの会がガイド地点として設定し、史跡として注目された。

公共性が高く大きな病院で遺構を残していく意義があると思う。現在計画の再検討中なのはチャンスで、直接の保存は難しくても記念的な施設が出来ればよいと考える。

(会長)

どのような形で病院側への接触が長岡京市であるか分からないが、委員の方々の意見を踏まえてよろしくお願いしたい。

(委員)

私が研究しているイタリアでは現代人が残そうという意思で残してきた経過がある。この場でも審議し、どのようにして残していくか、考えていきたい。

そのために教育しかないと考えているが、長岡第八小学校の竹林整備が昨年度・本年度実施された。第六小学校と第二中学校の長岡京跡発掘調査体験が昨年度実施された。夏休み歴史教室では昨年度、土馬作成の講座が行われていたが今年度はどのような講座を実施予定か。また発掘調査体験は小学生や中学生が関われるような形か。

いつも感じるが限られた学校のみが活動を行っている。人材面や資金面の問題もあるだろうが、なんとか長岡京全域で子どもたちへ文化財の保護をアピールする場をもてないか。学校への働きかけや教育委員会の考え方を教えてほしい。

(事務局)

教育委員会としても伝えていくことが大きな課題であると認識している。各小学校の取り組みにおいて地域の宝を知るということが大切だと考えている。教育委員会の中で各学校へ働きかけをしたり、ふるさとガイドの会の皆さんが出前授業を行ったり、子供たちに伝えていく取り組みを行っている所だが、学校の教育課程との兼ね合いもあり、すべての学校で行うまでには至っていない。

本年度の夏休みこども歴史教室は8月1日と2日に弥生時代の土器つくりや勾玉つくりを予定している。

発掘調査の見学・参加については、発掘調査を第六小学校の敷地で行っており、それに伴って見学や体験を実施している。今年度も小学校で調査があるので実施予定である。

また11月の3日間で埋蔵文化財調査センターで市内の中学生が職場体験をする予定である。

(会長)

子ども達へどのように伝えていくかは本当に大切なことである。よろしくお願いしたい。

(会長)

質疑も尽きたようですので、案件1・案件2の各議事について、ご審議いただき、ご了承いただいたということでよろしいか。

【異議なし】

閉会

  • 今後の審議会開催予定の確認