令和4年度 第1回長岡京市文化財保護審議会会議録
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日時と場所
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日時
令和4年5月10日(火曜日)
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場所
図書館3階大会議室
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出席者
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委員
井上会長、仁木委員、中尾委員、藤田委員、國定委員、湯川委員、井内委員、井上委員
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事務局
西村教育長、荻久保課長、福家主査、橋本主査、山本主査、松本主事
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オブザーバー
埋蔵文化財センター中島事務局長、㈱スペースビジョン宮前氏
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案件
1. 令和3年度文化財保護事業の報告 および令和4年度文化財保護事業の計画について
2. 長岡京市文化財保存活用地域計画作成について
3. その他
・案件3その他 「(乙訓寺)木造狛犬」の府暫定登録について
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開会
・教育長あいさつ
・会長選出
・会議成立状況の確認
・委員10名のうち8名出席
・傍聴者の確認
1名の傍聴申し込み者の傍聴許可
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議事
(会長)
それでは、議事に入ります。案件1は、令和3年度文化財保護事業の報告および令和4年度文化財保護事業の計画について。事務局から説明をお願いします。
(事務局)
【案件1 令和3年度文化財保護事業の報告および令和4年度文化財保護事業の計画について説明】
(会長)
以上、案件1でした。ご意見、質問はありますか。
(委員)
令和4年事業計画に史跡恵解山古墳の整備と活用に向けて、小学生を対象とした古墳づくり体験があげられている。私は時々散歩に行くが、古墳の法面に子どもたちが登って、いろいろなところに道ができてしまい、小石も落ちている。本来、通ってはいけないところを通ることで幅広く道のようになっている。このまま放置するとひどくなるのではないか。折角きれいにしてもらったので、その辺を調査してほしい。
(事務局)
古墳公園は毎日維持管理をしており、委員意見の件は報告にあがっている。今年度からコグマザサのところに道ができているところを4年間かけて順番に修理する予定である。注意看板の設置や子どもたちへの啓発チラシの配布なども対応予定である。
(会長)
子どもたちが来てくれることは良いことであるが、来てくれれば来てくれるほど委員がご指摘されたような問題が生じる。悪く言えば、いたちごっこではあるが、ある意味親しんでもらえているということは良いことなので、どうか対応をよろしくお願いする。令和4年度事業についてもご意見があればお願いする。
(委員)
令和4年度事業で京都済生会病院の展示コーナーの件があげられているが、周辺にも看板ができるということでよかったと思っている。あれだけ大きな施設であるし、また、半ば公的施設でもあるので、率先して展示施設を整備することは良いことであると思う。市域外からの人も病院が遺跡であったことを理解できると思うのでよかったと思う。
また、長岡京市は発掘調査中の現場についての普及・啓発等はしているのか。コロナも一定程度落ち着きを見せているので、今後は、発掘調査後の現場説明会の開催をご努力いただきたい。市内でも発掘の現場を市民や観光客がのぞいてどうなっているのか関心を持っておられる。自治体によっては発掘現場で看板を掲げて啓発しているところもある。大事な遺跡では、発掘調査の後の現場説明をした方がよいと思う。大規模なマンション開発の際にはそれをルール化することも重要ではないか。マンション建設に際しては、事例があれば、ここもやったのであなたのところもお願いします、などということもできるのではないか。なかなか難しいとは思うが、市民への啓発を努力されてはどうか。
(会長)
済生会病院はどういうところに展示場所を作られるのか。
(事務局)
展示場所は西山天王山駅から病院への高架歩道から一般外来受付のすぐ近くに展示スペースが設けられている。
(会長)
病院ということであるので、展示を鑑賞する市民の感染対策には十分配慮してほしい。
また、コロナ禍で現場説明会が開催できないということだが、現在はユーチューブなどでの成果の公開をしている例もあるので、今後検討してほしい。
(会長)
古文書講座は完全に取りやめているのか。
(事務局)
昨年度はとりやめている状況である。
(会長)
近辺では再開しつつある団体・地域等もあるので注視していただきたい。
令和4年度はコロナ環境が改善されることも予測されるのでよろしくお願いしたい。
令和3年度の村上隆先生の演題は何か。
(オブザーバー)
日本古代の金工の世界、黎明期から定着期への展開という内容でお話いただいた。
(会長)
了解した。その他ご質問、ご意見はないか。
(委員)
(仮称)長岡京市ふるさと資料館検討事業だが、市役所にコーナーを設けると聞いたが、どこまで決まっているのか。
(事務局)
2階に100㎡程度の展示室、7階に整理室、100㎡程度の収蔵庫を確保したことは以前の審議会でご報告したとおりであるが、その後進展していない。現在、文化庁に京都府を通じて、文化財公開施設として整備できるよう調整中である。具体的な進展があれば、報告するのでその際はご意見をいただきたい。
(会長)
その他質問がなければ、案件1については、原案のとおり承認する。
(各委員)
【異議なし】
(会長)
案件2は、長岡京市文化財保存活用地域計画作成について。事務局から説明をお願いします。
(事務局)
【案件2 長岡京市文化財保存活用地域計画作成について説明】
(会長)
以上、案件2でした。ご意見、質問はありますか。
(委員)
地域計画はよくまとめられている。古墳は国指定史跡に指定されているものがあるが、長岡京跡に関連する遺跡に、史跡として指定されているものはない。これまでの発掘調査で条坊道路跡や邸宅跡などが発見されているが、長岡京市で整備・保存されている例はない。近年、急速に長岡京跡での市街地化が進んでいるので、早期に保存の手立てを打ってほしい。こうした点から、この地域計画では長岡京跡の保存・整備・活用を目指すことを強調すべきではないかと思う。また、長岡京跡は長岡京市・向日市・京都市・大山崎町にまたがる遺跡である。長岡京連絡協議会によって調査研究成果は共有されているが、どのように保存・整備しているのか協議する場も必要ではないかと思う。
(会長)
委員意見のとおりである。地域計画は行政単位で作成しなければならないが、将来的に長岡京が周辺も含め、一体として行政が取り組む課題でもあると考える。
(事務局)
地域計画では王城の地、長岡京として発信したいと考えている。市として長岡京跡の遺跡をどうするか、どのように保存・整備するか、課題として認識している。近隣自治体との協議は進んでいないが、市としての気概を地域計画でも表現するように工夫する。
(委員)
きれいにまとまっていてわかりやすかった。ここで述べられているのは現在ある歴史的な文化財である。少し違うかもしれないが、これから50年、100年後に文化財として残せるように、新しいものをつくりだすということも計画では必要ではないかと思った。
(会長)
文化財にするようにものをつくるのは難しいが、考え方は大切であるのでよろしくお願いする。
(委員)
大変勉強になった。建造物のところであるが、47頁からの建造物の記載の分類について、石造物は建造物ではあるが違うような気がする。また、その他建造物とあるが、紹介しているのは橋や池などの土木構造物であり、建造物という表記には違和感がある。このあたりを整理してはどうか。47頁の寺院建築のなかで「民家の宅地とかわらない広さの敷地に」は微妙な表現だと思う。48頁の3行目伊藤忠太とあるが、伊東忠太ではないか。8行目「一間社流」とあるが、「一間社流造」ではないか。素木三間社流造は素木であることを言いたければ市民向けには追加説明が必要だろう。また、走田神社の本殿はなぜ希少なのかなど説明に補足が必要と考える。一般の市民の方が読まれるのであれば、もう少し詳しい説明が必要ではないか。
(会長)
市民に知ってもらうことを目標としているのであればわかるように記載してほしい。全体についてなにかあるか。
(委員)
第4章まではよく書かれていることを改めて認識した。うれしく思っている。5章以降が大切だと思う。資料館の位置づけを盛り込む必要があるのではないか。資料館は展示スペースの議論だけにとどまっている。向日市や大山崎町では資料館が核となっている。資料館は、長岡京市でも歴史文化の啓発の拠点にもなると思うが、地域計画のなかではこれが強調されていない。50年後を考えると単なる箱モノ、文化財の収蔵庫だけではなく、歴史文化を活性化していくための拠点であることを、今回の計画でも積極的に打ち出す必要がある。具体的なところは組織・体制にもかかわるが、資料館の学芸員が常駐して市民や子どもたちと接するなど、学芸員を中心に資料館が運営されるという状況が生まれてくると思う。5章以降で資料館の位置づけを、歴史文化を考える上での中核施設にするアイデアを盛り込んでいく必要があるのではないかと感じた。
(会長)
ふるさと資料館については、事務局で検討いただきたい。
(会長)
他になければ、案件2についてご了解いただいたとする。
(各委員)
【異議なし】
(会長)
案件3は、「(乙訓寺)木造狛犬」の府暫定登録について。事務局から説明をお願いします。
(事務局)
【案件3その他 「(乙訓寺)木造狛犬」の府暫定登録について説明】
(会長)
以上、案件3でした。ご意見、質問はありますか。
案件3の報告についてご了承いただいたとする。
(各委員)
【異議なし】
(委員)
先日、向日市の物集女城跡が西岡衆の城館跡のなかで一番残存状況の良い遺跡ということで、向日市では国指定にしたいとの動きがあると聞いた。文化庁の審議官からは、単体での国指定史跡は難しいとのことで、京都市の石見城跡でも発掘調査が行われ、土塁等が確認されて、向日市は物集女城跡と石見城跡とセットで乙訓の城館群として国史跡化したいと考えているという。できれば古墳群のように、中世の乙訓について共同して検討頂きたい。城館群として一連のものと認識してもらう上で、三市一町で進めることが重要ではないかと思う。向日市からアプローチがあるかも知れないので、できれば積極的に協力して対応していただきたい。
(会長)
西岡衆は日本史上でも重要な役割を果たしており、京都府にとっても重要である。現在の行政単位の連携を保ちながら、中世城館についても考えてほしい。
令和4年度第1回長岡京市文化財保護審議会を閉会する。
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閉会
・今後の審議会開催予定の確認