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第1回(仮称)自治振興条例検討委員会 議事録

  • ID:10572

開催概要

日時 令和2年10月30日(金)午後6時30分~8時30分

場所 市役所本庁舎3階 第1委員会室

出席者

  • 委員
    福嶋委員、中田委員、長谷委員、山下委員、福増委員、山本委員、田中委員、植田委員、藤野委員、西垣委員、五島委員
  • 中小路市長
  • 事務局  自治振興室 藤田室長、西村室長補佐、赤松主査、今北主事
  • 構想日本 平山、永由

◆趣旨・概要

地域の課題やニーズを市民と行政が対等な立場で共有し、対話や情報共有、市民活動のサポートをしていくための姿勢や仕組みを整える「(仮称)自治振興条例」の策定に向けた第1回条例検討委員会が開催されました。

各委員の自己紹介とともに地域活動への思いを共有し、自治会の必要性の有無や意義について自由に意見交換をしました。

決定事項

会長及び副会長には次の方が選出されました。

会長:福嶋浩彦委員  副会長:長谷忍委員

主な論点

    1. 自治会加入率が低下している現状を踏まえ、地域のつながりが薄れていくことに危機意識をもち、どうすれば自治会加入者を増やすことができ、退会者を減らすことができるかについて多くの意見が出ました。それに対する一つの考えとして、災害に対する防災意識が地域の団結力を強め自治会活動を活発にするのではないかという意見が出ました。

    1. 一方で、自治会と関わらずとも、自治会のない地域であっても、様々な工夫によって市民同士のつながりを築き、市民活動を活発に行っている実例も示されました。

    1. 以上のことをふまえ、自治会の必要性や役割、活動について、多様性を認めながら議論を深めていき、条例等に反映していくことに集約しました。

次回について

次回以降の条例検討委員会では、第1回条例検討委員会での議論をふまえつつ、それまでに別途開催される自分ごと化会議からの提案を基に、条例化するもの、条例ではない別の手段で活用するものを協議していくことなどを確認しました。

 

◆内容

事務局:開催にあたりまして市長よりご挨拶を申し上げます。

中小路市長:本日は第1回(仮称)自治振興条例の検討委員会にご出席賜りましたこと感謝いたします。改めて検討会を立ち上げるにあたり、委員就任をご快諾いただき重ねて感謝申し上げます。長丁場で検討をすすめていくキックオフですので、有意義なスタートにしたいと考えています。今回の条例について、長岡京市における自治や市民協働、市民とのパートナーシップなどさまざまな取り組みをこれまでも市民のみなさんと市政一体となりまちづくりをしてきたと思っています。長岡京市は、他のまちと比べても遜色のない協働や作業をともにしてきたという思いがあります。しかし、時代の変化とともに自治会の加入率が減ってきています。また、NPOや市民活動のみなさんからの、行政はまだまだ上から目線なんじゃないかという意見もあります。市民と行政が協働していくということがどういうことなのか、なぜそれが必要なのかというのを改めて考えることがこの条例検討のプロセスではないかと思っています。加入する意味があるのか?という疑問が出てくる理由には、意識の乖離・違いが出てきているのだと思います。行政が思う共助や協働のすがた、市民のみなさんが求めておられる行政・公助などの姿、ここにお互いに違うものを見てしまっているのではないか。その結果として、自治会でも行政の下請けのように仕事をたくさん受けてしまっているのではないか。市民のみなさんの中でも、「共助は必要」だという考えで福祉を担っていただいているみなさんと、そうではないみなさんとの間で、公助共助の考え方もだいぶ差があるのではないかと思います。「自治」や「共助」、そういった言葉を、なぜそれが必要なのか、どういった姿がよいのか、定義していく際に、行政はどういう作法で接するべきか、市民のみなさんとはどういったルールで協働するのか、そういったものをこの条例の中でぜひ作っていきたいなというのが、私自身が条例提案をしていく大きな目的です。条例に基づいて、行政側も正していくところは正し、市民のみなさんにもご理解いただくことはご理解いただく。それぞれの意識が変わっていけばと思っています。この条例検討委員会だけではなく市民のみなさんを巻き込んだワークショップも行いながら、長岡京市にとってどういう共助や自治が必要か検討し、それを言葉にできればと思っています。闊達な意見交換をしていただければと思います。

 

事務局:本日は第1回検討委員会ということで中小路市長にもご参加いただきます。よろしくお願いいたします。次に委員のご紹介です。順に一言ずつご紹介お願いいたします。

 

福嶋:はじめまして、資料の肩書では中央学院大学の教授となっていますが、我孫子市の市長をしたあと、一度大学に行き、民間経て消費者庁長官を務めました。最近強く思っているのは、数の多さと声の大きさを競う民主主義は卒業し、ちゃんと話し合って対話によって合意を作れる民主主義になりたいなということです。まさにこの条例づくりがそういう場になったら素晴らしいなと思います。

中田:わたしは民間経験が長く、スターバックスコーヒーの立ち上げからマーケティングを担当し、その後もライフネット生命のマーケティングの責任者をしてきました。いずれも「喫茶店」が当たり前のところに「スターバックス」のような新しいスタイルを構築して理解していただいて、新しい当たり前になる、といったことを経験してきました。長岡京市を今日拝見しました。すごく住みやすい町であると伺いました。市民のみなさんも無作為で自分ごと化会議にご参加いただけると聞いていますので、先を見据えて、「どういう市でありたいか」についてみなさんの闊達な意見交換を期待しています。

山下:地域コミュニティ協議会の会長をしております。私はここで生まれて、68年間ずっと長岡町時代からお世話になって現在に至ります。いろんな委員や自治会長など経験しました。30代から社会体育振興会も経験し、地域に育てられてきました。私事ですが、長法寺小学校区は市で一番古く、150周年を2年後に迎えることで今頭がいっぱいです。校長先生らとどうしようかと。みなさんも経験あると思いますが、本来ならばもう実行委員会を立ち上げないといけない時期ですが、まだ立ち上げられていません。自治会については今ほんとうに大変な状況で、みなさんのいろんな意見からこの条例ができることを祈っています。

植田:自主防災会をやっています。わたしも自治会長を経験し、その後自主防災会長を務めています。どこの自治会も同じですが、加入率が低下しています。うちの自治会は高齢化がすすんでおり、今災害が起きたら、どうやってみんなで助け合うのかを考えなければならないですが、防災訓練をしてもなかなか若い方がでてきてくださりません。みな忙しい生活をされていて、仕方がないのだとは思いますが、今回の条例で、自分ごと化は本当に大切なことだと思いますので、参加いたしました。

藤野:市内の村田製作所で勤務しています。それまではずっと京都府警察で仕事をしていました。署長等も経験しました。安全・安心をとっても、警察だけでできることは限りがあり、住民のみなさんと一緒にしなければすすまないという実感があります。また、娘夫婦が市内に住み、子育て中です。孫の世代にも長岡京市が発展して、いいまちになればと思い、参加させていただきます。

五島:町内会の役員を3年前からしています。高齢化がすすんでおり、会費は払うが役はなにもしない、というのが増えてきています。払うのもやるのも嫌、という人も増えています。35軒中入っているのは26軒ほど。あとは高齢者。顔を合わせることも減っていました。昨年、20数年ぶりに地蔵盆を復活させました。というのは、そのときだけでもご町内の人に出てきていただき、顔合わせをしていただく。近所にこんな人が住んでいる、健康、それがわかるだけでもいいかなと。昨年、3役で話をして、地蔵盆を復活させて大盛況でした。今年もやりたかったんですが、(新型コロナウイルス感染拡大防止の影響で)できませんでした。小さいことからコツコツと。町内会の役割って本当に大事なので、新しく入ってきた方にも参加していただきたいなと思っています。

西垣:広報紙を見て市民公募委員に応募いたしました。今年68歳。会社を息子に譲りまして、それから自治会や自主防災会いろいろ経験しました。これはやはり地元で、市で、時間的に融通つくので、応募してみようと思いました。地域ではまだ住民が増えています。世帯が増えてきています。若い方が住んでこられています。しかし、自治会のメンバーが年配で、70歳を超えています。75歳になると、いろんな面に対して積極的にやってもらうのが難しくなります。慣例というか、「去年と同じでよい」となってしまうところを改革しているところです。

田中:市で生まれて50年弱、長法寺小学校・長岡中学校・西乙訓高校卒です。仕事ではずっと営業をしてきました。女性支援で仕事している中で、専業主婦を3年間経験した間で「ママたちがもうちょっと街に関わったらな」と思っていました。父は長岡京市でずっと商売をしていて、その関係で商工会に入ってSNSの勉強の手伝いをしたり、ママと商工会と市民活動をつなげたりということもしていました。情報発信をいろんな人に関わってもらいながらママとまちと店をつなげたいという思いで活動しています。レトロモダンというイベントもしました。その際、市民の方ともなにかできないかと思い、子育てお母さんたちを対象に、ママモデル・キッズモデルとして関わってもらい、その方を主役にしてショーをしたりしました。お母さんたちが自分ごとになるようにすれば、もっと街が活性化すると思います。今までは商店街だったりご年配だったりが市を盛り上げてこられたと思いますが、その方から引き継いで、昼間に街にいる子育てのママたちが居場所を探しているのを見てきているので、その人たちが活躍できる場所を作ると変わるのかなと思いました。昨年から情報発信のお手伝いをして、WEB発信などをしています。ママが動けば街が変わると思っているので、そのあたりのことをここで話せればと思い参加いたしました。

山本:民生委員をしています。ハチドリの会をしています。ハチドリは世界一小さな鳥ですが、森の下は150軒ほどで自治会も子ども会もなにもない地域で、横のつながりを作りたいということで4年ほど前に立ち上げました。地区に掲示板を設置し、みなさんに情報を伝えるということをしました。地蔵盆も昔はにぎやかだったんですが、今はなかったので、有志で声をかけて行いました。子どもたちも非常に喜んでくれました。今年はできませんでしたが。来年はぜひ、大人も子どもも楽しめるふれあい、会をしたいと思っています。

福増:民生児童委員協議会の会長をしています。民生委員は地域の見守り役ということで決まった仕事はないんですが、見守りの中で、地域の方からいろいろな情報が入ります。この場で発信できればと思っています。その中で、広がったら良いなと思ったことがありました。地域の75歳以上の方みんなで何かしようと、有志の方がみんなでラジオ体操しようじゃないかと声をかけられたところ、30名ほど集まりました。それまで地域の人で声掛けをすることもあまりなかったんですが、いざやってみると話をしたことがない方も来られました。その中で新しい情報が入り、あの方いま来られていないけれどどうしたのかな、と見守りが必要な方についての情報が私にも入ってくるようになりました。いろいろな地域の中で、そういった声掛けなど何か意識を持つ人がおられれば、あちこちでそういうグループがつながっていって、地域が元気になっていくのが理想なんじゃないかなと思います。行政には行政の仕事がありますが、私たちはあまり期待せず、私たちのことは私たちでやっていって、行政には見守っていただき、背中をおしていただくような形でなければ、「自分たちの住みやすい地域」にはならないんじゃないかなと思っております。

長谷:自治会長会の副会長をしております。お恥ずかしい話、現在72歳で、65歳までは自治会の自の字も知らない…というよりほとんど関わったことがありませんでした。現役のサラリーマンをしておりましたので、自治会の存在は知っておりましたが活動は家族任せで、関わったことがありませんでした。現役を退き、自治会にはじめて顔を出した途端に副会長になり、会長になり、7年間どっぷり自治会につかっています。このあと問題化されていくと思いますが、今、長岡京の自治会組織が危機的な状況を迎えています。なんとかしないといけないなと。問題点あぶり出しはそれなりにしていますが、なかなか一朝一夕に解決できる問題ではありません。将来的なことを思うと明るい見通しが立ちませんが、この検討委員会での協議の中でなんらかの光明が見いだせればという期待を持っています。思いのたけをお伝えしたいと思っております。

 

・事務局メンバー紹介

・会長選出➡意見等無のため事務局推薦で福嶋委員に

・福嶋会長から副会長として長谷委員を選出

 

福嶋会長:ざっくばらんに話せればと思います。議題に入る前に、会議の公開についてですが、傍聴者が今回はありませんので、協議はありません。もう一つ、会議録の公開について、みなさんさえよければ議事録に名前の公開をしてもよろしいでしょうか。

全委員:異議なし

 

福嶋:議題に入ります。(仮称)自治振興条例検討委員会の資料について議題1・2として事務局から説明をお願いいたします。

 

■議題1

・資料1・2について事務局より説明

 

福嶋会長:一つだけ私から。そもそも条例とは何か、というイメージを共有したほうが議論をしやすいと思うので共有したいと思います。自治体では、たとえば市長が市議会に提案して市議会が可決して条例になります。どうしても、絶対に条例を作らなければいけないというのが、まず「義務付け」をするときです。たとえば税金。市民のみなさんに税金を義務づける際には条例が必要です。もう一つ必要なのが、市民のみなさんの「権利を制限する」ときは、条例でなければいけません。たとえば歩きタバコの禁止。タバコを吸うことは個人の権利で、それを行政が、強制的に「公共の場で吸ってはいけないという制限」を行う場合には条例で制限をします。この2つは絶対に条例でないといけません。しかしもうひとつ条例があって、「こういう方向に向けて市長・行政は努力します」「市民は努力します」という方向性を示す「理念条例」があります。現時点の行政のイメージとして、権利を制限するといったことまで踏み込んだ思いがあるのか、理念条例的なものをイメージされているのか、どちらかお教えいただければと思います。

中小路市長:現状考えているのは義務付けや制限するものというよりは、理念として、行政の責務だったり、市民のみなさんの責務だったり努力義務だったりを記載する条例です。極端な話、議論の展開によっては「自治会に入らなければいけない」という義務付けも選択肢として全くないわけではないとは思いますが、今のところ何か市民への制限や義務でしばろうという前提は持っていない、というのがスタート地点の理解です。

福嶋会長:わかりました。理念的な方向だということですね。ただ、議論の中で「これは明確に義務付けておこうよ」ということが出ればそれについても議論していけばと思います。その他について率直な疑問や意見等あればどうぞ。

藤野:加入率が減っているという話がありました。19年で20%ほど減っていると思いますが、行政としてはその要因をどう分析されていますでしょうか。

事務局:自治会長会でも議論しておりますが、「役への負担感」「地縁組織への意識の変化」の2点が大きいです。特に入っていた方で、高齢者の方が辞められていきます。理由としては、高齢になったけれど役がまわってきて対応できないからと。どこの自治会でもあると聞いております。

福増:民生委員は募金などで年4回自治会未組織の地域を回ります。新興住宅地で若い方がおられるところでは活動の中で歯がゆい思いをしています。「この地域はどういう形で地域のコミュニティを形成しているのかな」と。子育て中のお母さんにも発信できないかなと思っています。未組織でも、高齢者のおられるところは出てきてお話をしてくれて、高齢者の方は若い方よりコミュニティを作るのは上手かなと感じます。災害があれば団結するのかもしれませんが、長岡京市は幸いなことに災害がないので、自分の家族だけ守っていればそれでいいと思っておられるのかなと。

事務局:説明の追加をします。「メリットを感じられないから、入らない。」という大きな理由があります。入っていた方が辞められるという理由は先ほど説明しましたが、そもそも入らない方は「メリット」についてのお話が多いということです。

福嶋会長:負担感が大きな要因になっているとすれば、負担感をなくすようなことは自治会としてありうるのでしょうか。たとえば、「余計なことは一切しません」という形はありうるのでしょうか。「お祭りはしません」「見守りや子育て支援なども子育てサークルなどに任せます」と。自治会は本当に「ゴミ、回覧板しかやりません」「負担はほとんどないから、自治会に入ってよ」という形はありうるのでしょうか。

西垣:極論を言ってしまうと、自治会をやめてしまえばいいという話は難しいと思います。57の自治会が今どのような形で進められているのか、今悩んでいる自治会の声の集約はされていますか。そのあたりから聞きたいです。活動については、市がどうのこうのではなく、自治会が決めること。

福嶋会長:それは大前提。自治会は自治組織なので、市がどうのこうのいうものではありません。自治組織でなくなってしまう。それは大前提ですが、今、市が「これだけ大変なんです」と提案している中で、市の見解としても聞きたいです。自治会長会からもまず。

長谷:自治会長会としても加入会員が減少していることに危機感を持っている。なぜ減っているのか?新規加入がない。入っていた会員が何らかの事情で辞められる。抜けられる場合はある特定の年齢になると自治会活動そのものに関われなくなる。行事等に参加したくても体力的に無理である。役員もできない。辞めたくはないが自治会にこれ以上ご迷惑をおかけできないので、という消極的な辞め方。一番問題にしているのは、「なぜ入っていただけないのか。」本来なら若い方に入っていただき、将来を任せたい。なぜ入らないのかときくと、魅力を感じないという。自治会活動は防災だったり防犯だったり地域の環境、高齢者の福祉だったりいろんな面で生活に関わっています。自治会活動の本来の姿だと思うが。数年前、自治会長会の研修で長野県の駒ケ根市に行きました。駒ケ根市は人口が3万人強。市の広さは長岡京市の30倍ほど。過疎化・高齢化が進んでいる。ただ、自治会組織率は低くない。なぜかというと、「自然災害」でした。駒ケ根市は長野県なので、年に2~3回豪雪となる。屋根の上に雪がつもる。雪下ろし作業が年に何回か必要となる。この時に地域の関わりがなければだれも雪下ろし作業を手伝ってもらえない。わが身の危険につながる。こういうために、地域ネットワークができている。防災という意味において、長岡京市は非常に災害が少ないため、市民の方の自治会への加入や地域の団結への意識が低い。また、大都市圏へのアクセスが非常にいい。大阪、京都市、という都市圏に15分~30分ほどでアクセスできる。生活が非常にしやすい。市民として非常にありがたいこと。わざわざ自治会のお世話にならなくても健康であればどこにでも買い物に行けるし生活に困らない。逆に役員を受けさせられたり、自治会費を払わされたりなどは、煩わしい、うっとおしいことだと考えている。あまりに長岡京市は自然環境がすばらしく災害も少なく都市圏へのアクセスもいい。住みよい。これが自治会組織の加入率を下げている。

福嶋会長:そうなると、自治会の負担を徹底的に減らして入りやすい自治会を作るという選択肢もありうるのかなと私は考えますが、住んでいらっしゃる方の意見を聞きたいです。

五島:ひとつお伺いしたいです。転入届が出るときに、自治会に入ってくださいねという説明を行政はしておられるのでしょうか。

事務局:転入者向けの加入案内は、全日本不動産協会京都府本部と京都府宅地建物取引業協会から契約者について自治会の案内をしていただいている。そこから実際に転入手続きに来られた方には、お住まいの住所の自治会の連絡先をお知らせしているという形です。

福嶋会長:山下さんは自治会とは少し違った地縁団体。ご意見はございますか。

山下:うちの長法寺の自治会の加入率は市内で一番低い。37~38パーセントほど。自治会長をやっていたが、居宅を持っておられる方はほとんど入っておられる。入っていない方はどういう方かというと、賃貸の人です。賃貸住宅が増えている。道筋に昔からあるような家の方は基本的に入っておられる。また、子どもさんが中学卒業されたあたりで抜けられるというのは多い。コミュニティ協議会でも防災に力を入れてやっているが、常日頃顔を合わせていることが何においても大切。既存の組織を使ってのコミュニティ協議会はなかなか難しいなと今思っています。個人加入の方も入れて運営していかないとコミュニティ協議会も難しいと考えています。

福嶋会長:防災についてということですが、植田さんはいかがでしょうか。

植田:自治会長をしていたとき、自治会のいろんな行事は、何かあった際にみんなでつながれる、そのためのお祭りだったり文化的な交流だったりなのかなと思っていました。自治会行事も大切ですが、その奥にあるのは防災かなと。うちの自治会で辞めるというときは、高齢者の一人暮らしが多くて、施設に転居されたりといった事情です。あとは、中学校になったら抜けられる。その理由のひとつとして、中学生になると家族がそれぞれ忙しくなり顔を合わせるタイミングがない。大切な夕食の時間帯に役員会に出ていかなければいけなくなると、家族のだんらんが無くなるのがもったいないというのがあります。あとは防災。災害が起こったときは、わたしは、自治会に入っている方というのは顔と名前が一致するが、入っていない方はどんな家族か、どういう方が住んでいるのか全く情報がなく、みんなで助けに行った際などに顔の名前がわからないということが不安です。防災訓練のときには自治会に入っていない方にも案内を出して、災害は自治会加入の有無関係なく一律に降りかかってくるものなので、みんなで協力したいのだという思いを文章にしてご案内させていただいています。今年の防災訓練では自治会に入っていない方も7~8軒参加したいとおっしゃっていただきました。ただ自治会に入って活動していただけたらもっと嬉しいのにな、と思います。

山本:わたしの地区には自治会がありません。ただ、無いということで不自由を感じることがない。自治会がないから、何かに困るということはない。何十年前にはあったということですが。自治会をすると、自治会費を集めなければいけない、そうすると会計を置かなければいけない、役員が必要、ということが辞められた一番の原因だと思うんですけれど、「ハチドリの会」は行政や警察関係の情報が、自治会が無いから地域に回らない、回覧板もない、ということで掲示板を作りました。そこで行政の情報や交番からの便りを貼ったりしています。掲示板を一番に作りたいと思った理由が、地区のつながりをつくりたかったからです。個人的にこういう趣味をしています、とかそういうのを共有したいというのがやりたかったことです。掲示板を作って、ハチドリの会を立ち上げました。おしゃべりの会というものもやっています。高齢者の会が2か月に1回やっています。そういったなかで、自治会があるメリットよりもデメリットのほうが多いと感じています。最近心配なのが、高齢者の方が亡くなられて空き家になることが増えたこと。新しい家が建ち、新しい方が入ってこられる。子どもがいる。田んぼがなくなってきてマンションや戸建てが増えてきている。子どもが最近地域に増えてきている。子どもたちのために何かしてやりたいなというところからハチドリの会で地蔵盆やミカン狩りなどをやっている。自治会が無いということに不自由は感じてはいないです。

福嶋会長:今の話は、自治会の無い地域での活動は、本当に自治会に求められていることは何かということかなと思います。自治会をやっている方からの意見は現場の意見としてもちろん大切ですが、やめた人の意見を聞くのも有意義ですね。

中田:みなさんの話を伺って、自治会は過去数十年やっていることが変わっていないのかなと。推測で話していますが、本当に困っていることがあれば、新しい方も自治会を頼る。迫った困りごとが無いなかで、自治会は本当に困っていることの解決になっているのかなという気がしました。意外と入っていない方、若い方の意見をこれから1年間聞いて、困っている事を解決するための活動は今までの活動とは違うのかもしれないと思いました。自治会によって加入率が違う、良いところはどういう活動をして加入率を保っているのかという話も伺いたいなと。

田中:私は自治会に入っていません。小さなころは子ども会に入っていましたが、今住んでいるのはマンションで、自治会がありません。子ども会やクリスマス会はないんですかと聞くと、ないと言われました。小さなころは、大学生くらいのお兄さんたちが中心となって子ども会があったなと覚えています。現在、今絶対入らなければいけないのかというとそうではないと感じています。若い人はSNSなどを使ってコミュニティを作れる時代になっている。商工会に関しても、商工会に入らなくてもまちでお店をできる人が増えてきています。すでにコミュニティがあるので、別に困らないと。何か困ったら助けますよ、というスタンス。そもそも考え方がまったく違うので、意見が違うとバッサリと否定されたりするともう何も言えなくなってしまわれたりする。経験から、わたしは否定される相手への話し方などを覚えてきて、まちづくりに関わってきています。しかし、「駅前でにぎわいを起こしてほしい」と言われて子どもを呼んでくれと言われたのに、後から「やっぱり子どもはいらん」と言われたりすることがあります。事故などが怖いのだと思うけれど、子どもが来ないと母親も来ない。長岡京市は子育て支援が発達していてコミュニティが多い。何かをしようという人がとても多いです。市民活動が活発なまちだと思ってます。連携してなにかしたいなと思うが、現実問題歩み寄ろうとするとあなたは歴史を知らないからと言われたりすることもある。そうだな、と納得する部分と、でも今はこういう状況ですよという気持ちとがある。やったことで評価してもらおうとやってきている中で集客という実績ではじめて意見を聞いてもらえているという状況。

福嶋会長:別のコミュニティがすでにある方への自治会の魅力って何かな、ということですね。まだここで私たちが結論を出すわけではないんですが、条例に何か理念・方向性を書くとしたらどんなものになるのか、踏み込むのか、というのをこれから話していきます。スタートの議論としてはとても面白い議論だったかなと思います。いろんな立場の方がいらっしゃるということがわかりました。

中小路市長:条例をこれから作っていくという話でしたが、なるほどと思いながらずっと聞いていました。ここにおられるみなさんは自治会加入率の低下について危機意識をもっておられたり、市民活動・自治会活動がもっと活発になればいいなと思っておられる方が多いのではないでしょうか。我々、市もそういう思いがあるけれど、その手前で「自治会ってなんのためにあるの」の共有認識をしないといけないと思います。「自治会は大前提」でずっときているが、「自治会の活動は最低限これだけは絶対市民として認識・共有しようよ」というところぐらいが、条例の中に定義していったり、共有したりしていくと意義のあるものになるのかなと思いました。「なぜ自治会の加入率を止めなければいけないのか」というところを考えていくと、逆に必要性があぶりだされてくるのかなと思いました。今活動されている方も、加入されていない方も、プロセスなどを聞きながら、でもやはりここが必要だねという検討がしていければと思いました。

福嶋会長:自治会がこのために必要だ、というのも多様性があっていいのかなと思いますね。それを認めつつというのも条例に反映していけるかもしれませんね。それでは今後の進め方と方向性について事務局から説明をお願いいたします。

 

■議題3

・事務局から資料3について自分ごと化会議などの運営について説明

 

福嶋会長:今日は全体のスケジュール等の確認をしたということで。ありがとうございました。

 

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